JP2001158350A - 鉄道車両用軌間可変台車 - Google Patents

鉄道車両用軌間可変台車

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JP2001158350A
JP2001158350A JP34386699A JP34386699A JP2001158350A JP 2001158350 A JP2001158350 A JP 2001158350A JP 34386699 A JP34386699 A JP 34386699A JP 34386699 A JP34386699 A JP 34386699A JP 2001158350 A JP2001158350 A JP 2001158350A
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locking
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locking block
rail
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田 憲 暁 徳
Yukio Minowa
輪 行 雄 箕
Akihide Watanabe
辺 晃 秀 渡
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Railway Technical Research Institute
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軌間変更時以外は常にロッキングブロックを
軸箱に係止することにより、通常時には車輪が軌間変更
可能状態となることがない、より一層信頼性に優れた鉄
道車両用軌間可変台車を提供する。 【解決手段】 軌間変更を行わない通常時には、軸箱2
0を支持する支持手段42に変位部材60が接触しない
ので、係止部材90はコイルばね88によって付勢され
てロッキングブロック30に向かって突出し、ロッキン
グブロック30と係合して軸箱20に係止する。軌間変
更時に変位部材60が支持手段42に接触して変位する
と、変位部材60の揺動端62の変位がロッド70およ
びカム83を介して係止部材90を復動させるので、係
止部材90によるロッキングブロック30の軸箱20へ
の係止が解除される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば新幹線と在
来線のように軌間寸法が異なるレール上を連続して走行
するために、車輪間隔(軌間)を変化させることができ
る鉄道車両用軌間可変台車に関し、より詳しくは、軌道
の異常等により軌間可変台車の台車枠が跳ね上がる場合
でも、車輪を確実に軌間変更不能状態に固定することが
できる鉄道車両用軌間可変台車に関する。
【0002】日本の鉄道においては、例えば新幹線等に
使用されている軌間寸法1435mmの標準軌と、在来
線等に使用されている軌間寸法1067mmの狭軌とが
併用されているが、これらの軌間の異なる軌道上を連続
して走行し得る鉄道車両を開発すれば、乗客の利便性
や、到達時間の短縮、鉄道建設費の低減等、そのメリッ
トは極めて大きい。そこで、本願の出願人は種々の鉄道
車両用軌間可変台車を開発し、先に出願している。(特
開平8−332950号公報他参照)
【0003】このような鉄道車両用軌間可変台車の構造
の概略を図7を参照して説明すると、台車枠Dに取り付
けられた軸箱1に対して上下方向に昇降可能に支持され
た車軸2には、車軸外筒3が車軸2の軸線方向にスライ
ド自在に嵌装されている。そしてこの車軸外筒3には、
軸受4を介して車輪5が相対回転自在に支持されてい
る。一方、前記車軸外筒3の端部に固着されたロッキン
グブロック6の上面には、一対の係合突起7,8が車軸
2の軸線方向に所定の間隔をあけて並置されている。他
方、前記軸箱1には、前記係合突起7,8とそれぞれ係
合可能な係合孔9と逃げ孔10とがそれぞれ貫設されて
いる。
【0004】これにより、図7中に実線で示したよう
に、図示左側の係合突起7と係合孔9とが係合した状態
では、ロッキングブロック6すなわち車輪5は狭軌対応
状態で軌間変更不能に固定される。これに対して、図7
中に想像線で示したように、図示右側の係合突起8と係
合孔9とが係合した状態では、車輪5は標準軌対応状態
で軌間変更不能に固定される。
【0005】このような軌間可変台車において、軌間を
狭軌対応状態から標準軌対応状態に変更する際には、ま
ず、水平に延びる車体支持レール11上に軸箱1を摺動
自在に載置することにより、軸箱1すなわち車体を支持
する。次いで、進行方向前方に向かって下り勾配が付け
られた軌道12上を車輪5が転動して前進すると、車軸
2が車体支持レール11に対して徐々に下方に相対変位
する。これに伴いロッキングブロック6が軸箱1に対し
て降下するので、係合突起7と係合孔9との係合が解除
される。したがって、この状態で車軸外筒3を車軸2の
端部側(図示左側)にスライドさせることにより、軌間
を標準軌対応状態に変更することができる。その後、進
行方向前方に向かって上り勾配が付けられた軌道12上
を車輪5が転動して前進すると、軸箱1に対してロッキ
ングブロック6が徐々に上昇し、今度は係合突起8が係
合孔9に係合するので、車輪5は標準軌対応状態で軌間
変更不能にロックされる。
【0006】ところで、上述した軌間可変台車において
は、走行中に軌道の異常等によって台車枠Dが跳ね上が
ると、軸箱1がロッキングブロック6から浮上して係合
突起7若しくは8と係合孔9との係合が解除され、車輪
5が軌間変更可能状態に陥るおそれがある。
【0007】そこで、本願の出願人は、軌道の異常等に
よって台車枠が跳ね上がっても、車輪5が軌間変更可能
状態に陥るおそれのない鉄道車両用軌間可変台車を開発
し、先に出願している。(特願平9−258815号参
照)
【0008】この鉄道車両用軌間可変台車の構造の概略
を図8を参照して説明すると、軸箱1の軸ばね支持部1
a上に軸ばね13を介して支持された台車枠Dには、カ
ム面14aを有した可動板14が取り付けられている。
また、軸箱1の側壁に固着された円筒ブッシュ15内に
は、固定ピン16がスライド自在に嵌挿されている。こ
の固定ピン16は図示されない板ばねによって常に軸ば
ね13側に付勢され、ロッキングブロック6に穿設され
た係合孔6aから抜け出て、通常時にはロッキングブロ
ック6を軸箱1に係止しないようになっている。
【0009】この状態で軌道の異常等によって台車枠D
が跳ね上がると、可動板14もまた上昇してそのカム面
14aが固定ピン16を往動させるので、固定ピン16
はロッキングブロック6側に突出してその係合孔6aと
係合する。これにより、ロッキングブロック6は軸箱1
に係止されるので、ロッキングブロック6が降下して係
合突起7と係合孔9との係合が解除され、車輪5が軌間
変更可能な状態に陥ることがない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した鉄
道車両用軌間可変台車においては、軌道の異常等によっ
て台車枠Dが跳ね上がったときにのみ、固定ピン16が
ロッキングブロック6を軸箱1に係止し、ロッキングブ
ロック6が軸箱1に対して降下しないようにする構造と
なっている。
【0011】これに対して、ロッキングブロック6を軸
箱1に対して常に降下不能に係止するとともに、軌間変
更時にのみロッキングブロック6の軸箱1に対する係止
を解除する構造とすれば、より一層信頼性に優れた軌間
可変台車を提供することができる。
【0012】そこで、本発明の目的は、上述した先願に
係る鉄道車両用軌間可変台車をさらに改良し、軌間変更
時以外は常にロッキングブロックを軸箱に係止するよう
にして、通常時には車輪が軌間変更可能状態となること
がない、より一層信頼性に優れた鉄道車両用軌間可変台
車を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明の鉄道車両用軌間可変台車は、鉄道車両の車
体を支持する台車枠に取り付けられた軸箱と、この軸箱
内を車輪と一体に上下方向および車軸の軸線方向に変位
するロッキングブロックと、往動して前記ロッキングブ
ロックを前記軸箱に相対変位不能に係止するとともに、
復動して前記ロッキングブロックの前記軸箱への係止を
解除する係止部材と、この係止部材を常に付勢して往動
させる往動手段と、軌間変更時に前記軸箱を支持する支
持手段に接触すると前記軸箱に対して変位する変位部材
と、この変位部材の変位を前記係止部材に伝達して前記
係止部材を前記付勢手段の付勢力に抗して復動させる復
動手段と、を備える。
【0014】すなわち、本発明の鉄道車両用軌間可変台
車においては、係止部材が往動手段によって常に付勢さ
れて往動させられ、ロッキングブロックを常に軸箱に係
止するから、軌道の異常等によって台車枠が跳ね上がっ
ても、ロッキングブロックが軸箱内で変位して車輪が軌
間変更可能状態となることがない。一方、軌間変更時に
は変位部材が支持手段に接触して変位し、復動手段が係
止部材を復動させてロッキングブロックの軸箱への係止
を解除するから、ロッキングブロックは軸箱内で変位可
能となり、軌間変更を行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る鉄道車両用軌
間可変台車の一実施形態を、図1乃至図6を参照して詳
細に説明する。ここで、図1は本発明に係る鉄道車両用
軌間可変台車の一実施形態を、狭軌対応状態でかつロッ
キングブロックを軸箱に係止した状態で示す要部破断正
面図、図2は図1に示した鉄道車両用軌間可変台車の要
部側面図、図3は図2の要部を拡大して示す側面断面
図、図4はロッキングブロックを軸箱に係止した状態を
示す側面断面図、図5はロッキングブロックの軸箱への
係止を解除した状態を示す側面断面図、図6は係止部材
を復動させる復動手段の他の実施形態を示す要部拡大側
面図である。なお、以下の説明においては、上述した従
来技術と同一の部分には同じ参照符号を用いるととも
に、地上に対する鉛直方向を上下方向と、また鉄道車両
の車体幅方向すなわち車軸の軸線方向を左右方向と、鉄
道車両の進行方向を前後方向と呼ぶことがある。
【0016】まず最初に図1および図2を参照し、本実
施形態の鉄道車両用軌間可変台車の構造を概説すると、
軸箱20に対して上下方向に変位可能に支持された車軸
2には、車軸外筒3が車軸2の軸線方向にスライド自在
に嵌装されている。そして、この車軸外筒3には、図示
されない軸受を介して車輪5が相対回転自在に支持され
ている。
【0017】また、前記車軸外筒3の端部に固着された
ロッキングブロック30の上面には、一対の係合突起
7,8が車軸2の軸線方向に所定の間隔をあけて並置さ
れている。他方、前記軸箱20には、前記係合突起7,
8と係合可能な係合孔9と逃げ孔10とがそれぞれ貫設
されている。
【0018】これにより、図1中に実線で示したように
図示左側の係合突起7と係合孔9とが係合した状態で
は、ロッキングブロック30すなわち車輪5は狭軌対応
状態で軌間変更不能に固定される。これに対して図示右
側の係合突起8と係合孔9とが係合する状態では、図1
中に想像線で示したように、車輪5は標準軌対応状態で
軌間変更不能にロックされる。
【0019】一方、図1に示したように、地上Gには車
体支持レール40と車体案内レール50が、軌道12と
平行に延びるようにそれぞれ配置されている。
【0020】前記車体支持レール40は、その断面形状
が鉛直方向上方に開口したコ字形で、その内部には水平
軸41によって回転自在に支持された多数の車体支持ロ
ーラ42が、図2に示したように車体支持レール40の
長手方向に所定の間隔を開けて配置されている。また、
軸箱20の下端部には、前記車体支持ローラ42上を滑
走するそり43が、左右方向に水平に延びる支軸44に
よって揺動自在に支持されている。なお、前記支軸44
は複数枚のスペーサ45を介して軸箱20に螺着され、
軸箱20に対して上下方向の位置調整が可能となってい
る。これにより、車輪5の踏面の削正によって車輪5の
外径寸法が減少しても、軌間変更の際に前記そり43を
車体支持ローラ42上に確実に載せて、鉄道車両の車体
を確実に支持することができる。
【0021】前記車体案内レール50は、そり43が車
体支持ローラ42上を滑走して進行する際に、軌道12
に対して車体をその幅方向の所定位置に保つことができ
るように、軸箱20の進行を案内するために設けたもの
で、その地上Gから上方に延びる本体部分51の上端部
には、軌道12側に開口する凹溝が凹設されている。そ
して、この凹溝の内部には鉛直軸の回りに回転する多数
のローラ52が、この車体案内レール50の長手方向に
所定の間隔を開けて配置されている。また、軸箱20の
下端部側面に設けた摺板53が前記ローラ52と接触す
ることにより軸箱20が案内されるので、軌道12に対
して車体をその幅方向の所定位置に保つことができる。
【0022】他方、前記そり43の軌道12側の側面に
は、ほぼ同一の断面形状を有する厚板状の変位部材60
が密着するように配置されている。前記変位部材60
は、その前後方向の一端が支軸61によってそり43の
前後方向の一端部に揺動自在に軸支されている。また、
この変位部材60の長手方向の中央部には、そり43を
支持する支軸44が挿通される、上下方向に長円状の貫
通孔63が貫設されている。これにより、この変位部材
60は、車体支持ローラ42と接触しない状態では、前
記貫通孔63の内壁面が支軸44の上面に当接するま
で、その揺動端62はそり43に対して降下する。これ
に対して、変位部材60が車体支持ローラ42と接触す
る状態では、変位部材60の下面64がそり43の下面
と面一となるまで、その揺動端62がそり43に対して
上昇する。
【0023】また、変位部材60の前記下面64は平坦
に形成されているので、この変位部材60が複数の車体
支持ローラ42上を滑走する状態では、この変位部材6
0は水平状態を保ち、揺動端62の上下方向位置が変動
することはない。さらに、前記下面64の前後方向の両
端部65,66が湾曲面に形成されているので、車体支
持ローラ42への接触および離間はスムーズに行われ
る。
【0024】変位部材60の前記揺動端62には、上下
方向に延びるロッド70の下端がピン71によって揺動
自在に軸支されている。また、前記ロッド70の上端部
に形成された雄ねじ部分は、有底円筒状の位置調節部材
72の内周面に形成された雌ねじ部分に螺合している。
これにより、ロッド70に対して前記位置調節部材72
を相対回転させて、その上下方向位置を調整した後、ロ
ックナット73を締め付けることによって、両者を相対
回転しないように固定することができる。
【0025】これにより、車輪5の踏面の削正に伴う車
輪5の外径寸法の変化に合わせ、スペーサ45の取り付
け枚数を調節してそり43の軸箱20に対する上下方向
位置を調節したときには、ロッド70と位置調節部材7
2とを相対回転させて、位置調節部材72の軸箱20に
対する上下方向位置を調節することができる。
【0026】また、軸箱20の表面21には、前記位置
調節部材72を上下方向に変位自在に保持するホルダ8
0が、ボルトBによって取り付けられている。位置調節
部材72は、前記ホルダ80の下部に貫設された貫通孔
81内に挿通されるとともに、前記貫通孔81内に取り
付けられたコイルばね82によって常に下方に付勢され
ている。さらに、この位置調節部材72の上端部にはカ
ム歯溝74が削設されている。
【0027】前記ホルダ80はまた、位置調節部材72
の上下動を後述する係止ピン90の前後動に変換するカ
ム83を、支軸84によって揺動自在に軸支している。
前記カム83は、その一方のカム歯85が位置調節部材
72の前記カム歯溝74内に係合するとともに、その他
方のカム歯86が前記係止ピンの後端部に削設されたカ
ム歯溝91内に係合している。これにより、位置調節部
材72がロッド70と一体に上方へ変位すると、カム8
3の作用によって係止ピン90は後方(図示右方)に押
動される。
【0028】前記係止ピン90は、その本体部分92が
ホルダ80の上部に貫設されて前後方向に水平に延びる
貫通孔87内に挿通されるとともに、前記貫通孔87内
に取り付けられたコイルばね88によって常に軸箱20
に向かって付勢され、軸箱20側に往動させられてい
る。しかしながら、係止ピン90は、そのフランジ部9
3が軸箱20の表面に当接することにより、所定位置に
停止する。また、この係止ピン90の図示左端部に設け
られた係止部分94は、軸箱20の表面21から内側空
間22に貫通する貫通孔23内に挿通されている。これ
により、前記係止部分94は、コイルばね88によって
常に付勢されて往動させられ、前記フランジ部93が軸
箱20の前記表面21に当接するまで軸箱20の内側空
間22内に突出させられる。
【0029】さらに前記ロッキングブロック30は、軸
箱20の内壁面24と摺動する部分31の下端部に、係
止ピン90の前記係止部分94を受け入れる、下方に開
口した一対の係合溝32,33を有している。図1に示
したように、これらの係合溝32,33の車軸軸線方向
の間隔は、ロッキングブロック30の係合突起7,8の
それと等しい。そして、係止ピン90は、狭軌対応状態
では車軸軸端側の係合溝32と係合するが、標準軌対応
状態では車輪側の係合溝33と係合するようになってい
る。
【0030】次に、上述のように構成された本実施形態
の鉄道車両用軌間可変台車の作動について、図1乃至図
5を参照して説明する。
【0031】軌間可変台車の軌間変更は、軌道12に対
して車体支持レール40および車体案内レール50が並
設された軌間変更区間を、軌間可変台車が通過すること
によって自動的に行われる。このとき、軸箱20の下端
に設けたそり43が車体支持ローラ42上に載ることに
より、軸箱20すなわち鉄道車両の車体が車体支持レー
ル40によって支持される。したがって、軌間変更を行
わない通常時にそり43に取り付けた変位部材60が車
体支持ローラ42と接触することはないが、軌間変更時
には変位部材60が車体支持ローラ42上を滑走する。
【0032】変位部材60が車体支持ローラ42と接触
しない通常時には、変位部材60は主に自分自身の重量
と、ロッド70および位置調節部材72の重量とコイル
ばね82の下向きの付勢力とによって、図2および図4
に示したように、その貫通孔63の上部内壁面が支軸4
4の上面に当接する位置まで、その揺動端62が下方に
変位している。
【0033】また、変位部材60が車体支持ローラ42
と接触しない通常時には、係止ピン90はコイルばね8
8の付勢力により、そのフランジ部93が軸箱20の表
面21に当接するまで軸箱20側に往動させられ、その
係止部分94が軸箱20の内側空間22内へ突出してロ
ッキングブロック30の係合溝32,33と係合し、ロ
ッキングブロック30を軸箱20へ係止する。
【0034】したがって、カム83は、係止ピン90に
よるロッキングブロック30の軸箱20に対する係止を
妨げることがないように、その支軸84回りの回動位置
が正確に調整される。そこで、ロッド70に対して位置
調節部材72を相対回転させて位置調節部材72の上下
方向位置を調整した後、ロックナット73を締め付けて
両者が相対回転しないように固定する。なお、車輪5の
踏面の削正によって車輪5の外径寸法が変化したことに
伴い、スペーサ45の取り付け枚数を調節してそり43
の軸箱20に対する上下方向位置を調節したときにも、
同様の調整を行う。
【0035】これにより、ロッキングブロック30は係
止ピン90によって軸箱20へ係止され、軸箱20の内
側空間22内を降下することができない。したがって、
軌道の異常等によって台車枠Dが跳ね上がっても、軸箱
20がロッキングブロック30から浮き上がる(ロッキ
ングブロック30が軸箱20に対して降下する)ことが
ないから、係合突起7若しくは8と係合孔9との係合が
解除され、車輪5が軌間変更可能状態に陥ることを確実
に防止できる。
【0036】一方、軌間可変台車が軌間変更区間に進入
すると、変位部材60が車体支持ローラ42に接触す
る。このとき、変位部材60の前端部65および後端部
66はそれぞれ湾曲して形成されているので、変位部材
60と車体支持ローラ42との接触はスムーズに行われ
る。また、変位部材60の下面64は平坦面に形成され
ているので、多数の車体支持ローラ42上を変位部材6
0が滑走する状態では、変位部材60は水平状態に維持
され、その揺動端62が上下方向に変位することはな
い。
【0037】変位部材60が車体支持ローラ42上を滑
走する状態となると、揺動端62が上方に変位するの
で、ロッド70および位置調節部材72は一体に持ち上
げられる。すると、位置調節部材72の上端部に形成し
たカム歯溝74とカム歯85とが係合しているので、カ
ム83は支軸84の回りに図示時計方向に回動させられ
る。さらに、カム83のカム歯86と係止ピン90のカ
ム歯溝91とが係合しているので、係止ピン90はカム
83によって、コイルばね88の付勢力に抗して軸箱2
0から離間する側に復動させられる。そして、係止ピン
90が復動させられると、その係止部分94とロッキン
グブロック30の係合溝32,33との係合が解除され
るので、ロッキングブロック30は軸箱20の内側空間
内を降下できる状態となる。
【0038】その後、軌間可変台車が軌間変更区間をさ
らに進行すると、車体支持レール40に対して軌道12
が徐々に降下するので、車輪5と一体に変位するロッキ
ングブロック30は軸箱20内を徐々に降下し、係合突
起7と係合孔9との係合が解除されて軌間変更可能状態
となる。そして、この状態で車軸外筒3を車軸軸線方向
にスライドさせることにより、軌間を狭軌対応状態から
標準軌対応状態に変えることができる。そして、軌間可
変台車が軌間変更区間をさらに進行すると、車体支持レ
ール40に対して軌道12が徐々に上昇するので、車輪
5と一体に変位するロッキングブロック30は軸箱20
内を徐々に上昇し、係合突起8と係合孔9とが係合する
ので、車輪5は標準軌対応位置で軌間変更不能に固定さ
れる。
【0039】すなわち、本実施形態の鉄道車両用軌間可
変台車においては、変位部材60をそり43に取り付け
ているので、変位部材60を車体支持ローラ42に確実
に接触させて変位させることができる。また、ロッド7
0に対する位置調節部材72の上下方向位置を調整可能
としたので、係止ピン90の係止部分94が軸箱20の
内側空間22内への突出量を正確に調節し、ロッキング
ブロック30を軸箱20に対して確実に係止することが
できる。
【0040】以上、本発明に係る鉄道車両用軌間可変台
車の一実施形態について詳しく説明したが、本発明は上
述した実施形態によって限定されるものではなく、種々
の変更が可能であることは言うまでもない。例えば、上
述した実施形態においては、位置調節部材72の上端部
に削設したカム歯溝74内にカム83の一方のカム歯8
5が係合する構造となっているが、図6に示したよう
に、位置調節部材75の上端面76を局面に形成すると
ともに、この上端面76上に前記カム歯85が載る構造
とすることもできる。さらに、上述した実施形態におい
ては、車体支持ローラ42上を滑走するそり43によっ
て変位部材60を支持する構造としているが、変位部材
60を軸箱20によって直接支持する構造とすることも
できる。
【0041】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
においては、軌間変更時に軸箱を支持する支持手段に変
位部材が接触しない通常時には、常に係止部材がロッキ
ングブロックを軸箱に係止するとともに、軌間変更時に
変位部材が支持手段と接触して初めて、係止部材による
ロッキングブロックの軸箱への係止が解除される。これ
により、軌間変更を行わない通常時に軌道の異常等によ
って台車枠が跳ね上がっても、軸箱がロッキングブロッ
クから浮上することがないから、車輪を確実に軌間変更
不能状態に固定することができる。そして、軌間変更時
には変位部材が車体支持手段に接触して変位し、係止部
材を復動させてロッキングブロックの軸箱への係止を解
除するから、軌間変更をスムーズに行うことができる。
したがって、本発明によれば、車輪を軌間変更不能状態
に固定する機能の信頼性をより一層向上させた鉄道車両
用軌間可変台車を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鉄道車両用軌間可変台車の一実施
形態を、狭軌対応状態でかつロッキングブロックを軸箱
に係止した状態で示す要部破断正面図。
【図2】図1に示した鉄道車両用軌間可変台車の要部側
面図。
【図3】図3は図2の要部を拡大して示す側面断面図。
【図4】図4はロッキングブロックを軸箱に係止した状
態を示す側面断面図。
【図5】図5はロッキングブロックの軸箱への係止を解
除した状態を示す側面断面図。
【図6】図6は係止部材を復動させる復動手段の他の実
施形態を示す要部拡大側面図。
【図7】特開平8−332950号に係る鉄道車両用軌
間可変台車の正面断面図。
【図8】特願平9−258815号に係る鉄道車両用軌
間可変台車の要部破断側面図。
【符号の説明】
1 軸箱 2 車軸 3 車軸外筒 4 軸受 5 車輪 6 ロッキングブロック 7,8 係合突起 9 係合孔 10 逃げ孔 11 車体支持レール 12 軌道 13 軸ばね 14 可動板 15 ブッシュ 16 固定ピン 20 軸箱 21 軸箱の表面 22 内側空間 23 貫通孔 24 内壁面 30 ロッキングブロック 32,33 係合溝 40 車体支持レール 41 水平軸 42 車体支持ローラ 43 そり 44 支軸 50 車体案内レール 60 変位部材 61 支軸 62 揺動端 63 貫通孔 70 ロッド 72 位置調節部材 73 ロックナット 74 カム歯溝 75 位置調節部材 76 上端面 80 ホルダ 82 コイルばね 83 カム 84 支軸 85,86 カム歯 88 コイルばね 90 係止ピン 91 カム歯溝 92 本体部分 93 フランジ部 94 係止部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 箕 輪 行 雄 東京都三鷹市大沢三丁目9番6号 株式会 社スバル研究所内 (72)発明者 渡 辺 晃 秀 東京都三鷹市大沢三丁目9番6号 株式会 社スバル研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄道車両の車体を支持する台車枠に取り付
    けられた軸箱と、 この軸箱内を車輪と一体に上下方向および車軸の軸線方
    向に変位するロッキングブロックと、 往動して前記ロッキングブロックを前記軸箱へ相対変位
    不能に係止するとともに、復動して前記ロッキングブロ
    ックの前記軸箱への係止を解除する係止部材と、 この係止部材を常に付勢して往動させる往動手段と、 軌間変更時に前記軸箱を支持する支持手段に接触すると
    前記軸箱に対して変位する変位部材と、 この変位部材の変位を前記係止部材に伝達して前記係止
    部材を前記付勢手段の付勢力に抗して復動させる復動手
    段と、を備えることを特徴とする鉄道車両用軌間可変台
    車。
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