JP2001138064A - 抵抗溶接の品質管理方法、抵抗溶接方法及び抵抗溶接装置 - Google Patents

抵抗溶接の品質管理方法、抵抗溶接方法及び抵抗溶接装置

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JP2001138064A
JP2001138064A JP33011399A JP33011399A JP2001138064A JP 2001138064 A JP2001138064 A JP 2001138064A JP 33011399 A JP33011399 A JP 33011399A JP 33011399 A JP33011399 A JP 33011399A JP 2001138064 A JP2001138064 A JP 2001138064A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接品質の良否を高精度に判定することがで
きる抵抗溶接の品質管理方法、抵抗溶接方法及び抵抗溶
接装置を提供する。 【解決手段】 抵抗溶接装置1はエアシリンダ4と一対
の電極5a,5bと電圧測定センサ6と溶接トランス7
と制御装置8を備えている。一対の電極5a,5bは互
いに相対向して配されている。エアシリンダ4はピスト
ンロッド4bが伸長すると電極5a,5bを互いに近づ
ける。電圧測定センサ6は電極5a,5bの相互間の電
圧を測定し制御装置8に向かって出力する。制御装置8
は演算部23と判定部24などを備えている。演算部2
3は電圧測定センサ6が測定した電圧などに基づいて電
極5a,5b即ち溶接される芯線が発生した発熱量を算
出する。判定部24は演算部23が算出した発熱量に基
づいて芯線が互いに溶接された電線の溶接品質の良否を
判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、複数の銅
線材からなる一方の電線の芯線と、複数の銅線材からな
る他方の電線の芯線と、を互いに近づける方向に加圧し
た状態で一対の電極間に保持し、前記一対の電極間に通
電して、前記芯線同士を互いに熱圧着する抵抗溶接の品
質管理方法、抵抗溶接方法及び抵抗溶接装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、複数の銅線材からなる一方の電
線の芯線と、複数の銅線材からなる他方の電線の芯線
と、を互いに溶接する際に、特開平11−5174号公
報、特開平11−5175号公報及び特開平11−51
76号公報などに示された抵抗溶接装置が用いられる。
【0003】前述した公報に記載された抵抗溶接装置
は、工場などのフロアなどの上に載置される台部と、こ
の台部から上方に向かって延びたアーム部と、エアシリ
ンダと、一対の電極と、電源などを備えている。台部
は、側方からみて平坦な平坦部を備えている。アーム部
は、台部の平坦面から一旦上方に向かって延び、その上
端部から例えば作業者側に向かって水平方向に沿って延
在して形成されている。前記平坦部とアーム部とは、側
方からみてコ字状に形成されている。
【0004】エアシリンダは、シリンダ本体とこのシリ
ンダ本体から伸縮自在に設けられたピストンロッドとを
備えている。エアシリンダは、前記ピストンロッドが下
方に向かって伸縮するように、シリンダ本体が前記アー
ム部の先端部に設けられている。
【0005】一対の電極のうち一方の電極は、前記ピス
トンロッドの先端部に取り付けられ、かつ他方の電極は
前記平坦部に取り付けられている。前記一対の電極は、
互いに相対向して配されている。前記一方の電極はオン
ス鋼板などを介して前記電源に電気的に接続していると
ともに、前記他方の電極は前記電源に電気的に接続して
いる。前記電極は、例えば、それぞれタングステンなど
からなり、芯線を互いの間に保持する際に、少なくとも
前記芯線と当接する面に酸化被膜が形成されている。
【0006】前記抵抗溶接装置は、前記一対の電極の間
に、複数の銅線材からなる一方の電線の芯線と、複数の
銅線材からなる他方の電線の芯線と、互いに重ね合わ
せ、前記エアシリンダのピストンロッドを伸張させるこ
とによって、前記芯線が互いに近づく方向に加圧した状
態で保持する。そして、前記一対の電極間に電源から溶
接電流を通電する。すると、前記芯線の抵抗によって、
前記芯線が発熱し、この発熱した熱によって前記芯線は
互いに熱圧着して、抵抗溶接される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来の抵抗溶
接装置は、前記一対の電極が経時変化により前述した酸
化被膜などの状態が変化して、これら電極自身の抵抗値
が変化する。このため、芯線同士の溶接強度(固着力)
などの溶接状態(溶接品質)がばらつき易かった。
【0008】すなわち、前記電極間に保持した芯線に生
じる発熱量をQとすると、この発熱量Qは、Q=I2×
R×Tで表される。ここで、Iは前記溶接電流の電流
値、Rは電極間の抵抗値、Tは前記溶接電流の通電時間
である。
【0009】前述した発熱量Qを示す式において、前記
電極間の抵抗値Rは、複数の鋼線材からなる芯線の酸化
抵抗のばらつき、及び、経時変化に伴う各電極の形状ま
たは前述した酸化被膜の変化などによって変化する。こ
のため、発熱量Qを安定させることは困難であった。
【0010】また、前述したように、発熱量Qが変化す
るため、前記電極の発熱の状態を把握することが困難で
あり、前記芯線同士の溶接強度(固着力)を予測するこ
とが困難となっていた。したがって、溶接品質の良否を
高精度に判定することが困難となっていた。
【0011】さらに、前述した従来の抵抗溶接装置は、
前記電極自身の抵抗値が変化して、前記発熱量Qを安定
させるのが困難であるため、芯線同士の溶接強度いわゆ
る固着力が安定しなくなり、ばらつく傾向となってい
た。したがって、溶接品質がばらつくことなり、この溶
接品質を高品質に保つことが困難となる傾向であった。
【0012】したがって、本発明の第1の目的は、溶接
品質の良否を高精度に判定することができる抵抗溶接の
品質管理方法及び抵抗溶接装置を提供することにある。
第2の目的は、溶接品質を高品質に安定させることを可
能とする品質管理方法、抵抗溶接方法及び抵抗溶接装置
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るために、請求項1に記載の本発明の抵抗溶接の品質管
理方法は、一対の電極間に複数の電線を互いに近づける
方向に加圧した状態で保持して、前記一対の電極間に溶
接電流を通電し、この溶接電流と前記電線の抵抗とによ
って生じる発熱を利用して、前記複数の電線を互いに熱
圧着する抵抗溶接の品質管理方法において、前記一対の
電極間に溶接電流を通電させた際に生じる電圧を測定
し、この電圧と前記溶接電流の電流値とから一対の電極
間の抵抗値を算出し、前記抵抗値と前記溶接電流の電流
値とこの溶接電流の通電時間とに基いて算出した発熱量
に基いて、前記電線の溶接状態の良否を判定することを
特徴としている。
【0014】前記第1の目的を達成するために、請求項
2に記載の本発明の抵抗溶接の品質管理方法は、一対の
電極間に複数の電線を互いに近づける方向に加圧した状
態で保持して、前記一対の電極間に溶接電流を通電し、
この溶接電流と前記電線の抵抗とによって生じる発熱を
利用して、前記複数の電線を互いに熱圧着する抵抗溶接
の品質管理方法において、前記一対の電極間に溶接電流
を通電させて前記複数の電線を互いに熱圧着した際に、
前記一対の電極が互いに近づく方向に変位する変位量を
測定し、前記変位量に基いて、前記電線の溶接状態の良
否を判定する第2の判定ステップを含んだことを特徴と
している。
【0015】前記第1の目的を達成するために、請求項
3に記載の本発明の抵抗溶接の品質管理方法は、一対の
電極間に複数の電線を互いに近づける方向に加圧した状
態で保持して、前記一対の電極間に溶接電流を通電し、
この溶接電流と前記電線の抵抗とによって生じる発熱を
利用して、前記複数の電線を互いに熱圧着する抵抗溶接
の品質管理方法において、前記一対の電極間に溶接電流
を通電させた際に生じる電圧を測定し、この電圧と前記
溶接電流の電流値とから一対の電極間の抵抗値を算出
し、前記抵抗値と前記溶接電流の電流値とこの溶接電流
の通電時間とに基いて算出した発熱量に基いて、前記電
線の溶接状態の良否を判定する第1の判定ステップと、
前記一対の電極間に溶接電流を通電させて前記複数の電
線を互いに熱圧着した際に、前記一対の電極が互いに近
づく方向に変位する変位量を測定し、前記変位量に基い
て、前記電線の溶接状態の良否を判定する第2の判定ス
テップと、を含んだことを特徴としている。
【0016】前記第1の目的を達成するために、請求項
4に記載の本発明の抵抗溶接の品質管理方法は、請求項
1ないし請求項3のうちいずれか一項に記載の抵抗溶接
の品質管理方法において、前記一対の電極間に溶接電流
を通電させて前記複数の電線を互いに熱圧着した際に、
前記一対の電極が互いに接離する方向に沿った熱圧着さ
れた電線の第1の寸法と、前記一対の電極が互いに接離
する方向に対し交差する方向に沿った前記熱圧着された
電線の第2の寸法と、を測定し、前記第2の寸法の第1
の寸法に対する比に基いて、前記電線の溶接状態の良否
を判定する第3の判定ステップを含んだことを特徴とし
ている。
【0017】前記第1の目的にくわえ第2の目的を達成
するために、請求項5に記載の本発明の抵抗溶接の品質
管理方法は、請求項1ないし請求項4のうちいずれか一
項に記載の抵抗溶接の品質管理方法において、複数の電
線を互いに良好な溶接状態で熱圧着する基準溶接装置の
一対の基準電極間に基準溶接電流を通電した際に生じる
基準電圧に基いて算出された基準発熱量に応じて、前記
溶接電流の電流値が補正されたことを特徴としている。
【0018】前記第1及び第2の双方の目的を達成する
ために、請求項6に記載の本発明の抵抗溶接の品質管理
方法は、請求項5に記載の抵抗溶接の品質管理方法にお
いて、前記基準溶接装置の一対の基準電極間に供試体と
しての複数の電線を所定の加圧力で加圧した状態で、前
記一対の基準電極間に前記基準溶接電流を通電した際に
生じる基準電圧を測定し、この基準電圧と前記基準溶接
電流とから前記一対の基準電極間の基準抵抗値を算出
し、前記基準抵抗値と前記基準溶接電流の電流値とこの
基準溶接電流の通電時間とに基いて基準発熱量を算出し
ておき、前記一対の電極間に前記所定の加圧力で前記供
試体としての複数の電線を加圧した状態で、前記一対の
電極間に前記基準溶接電流を通電した際に生じる電圧を
測定し、この電圧と前記基準溶接電流の電流値とから前
記一対の電極間の抵抗値を算出し、前記抵抗値と前記基
準溶接電流の電流値とこの基準溶接電流の通電時間とに
基いて算出される発熱量が、前記基準発熱量と等しくな
るための目標電流値を算出し、前記基準溶接電流の電流
値と目標電流値との差から前記溶接電流の補正値を求め
ることを特徴としている。
【0019】第2の目的を達成するために、請求項7に
記載の本発明の抵抗溶接方法は、一対の電極間に複数の
電線を互いに近づける方向に加圧した状態で保持して、
前記一対の電極間に溶接電流を通電し、この溶接電流と
前記電線の抵抗とによって生じる発熱を利用して、前記
複数の電線を互いに熱圧着する抵抗溶接方法において、
基準溶接装置の一対の基準電極間に供試体としての複数
の電線を所定の加圧力で加圧した状態で、前記一対の基
準電極間に前記基準溶接電流を通電した際に生じる基準
電圧を測定し、この基準電圧と前記基準溶接電流の電流
値とから前記一対の基準電極間の基準抵抗値を算出し、
前記基準抵抗値と前記基準溶接電流の電流値とこの基準
溶接電流の通電時間とに基いて基準発熱量を算出してお
き、前記一対の電極間に前記所定の加圧力で前記供試体
としての複数の電線を加圧した状態で、前記一対の電極
間に前記基準溶接電流を通電した際に生じる電圧を測定
し、この電圧と前記基準溶接電流の電流値とから前記一
対の電極間の抵抗値を算出し、前記抵抗値と前記基準溶
接電流の電流値とこの基準溶接電流の通電時間とに基い
て算出される発熱量が、前記基準発熱量と等しくなるた
めの目標電流値を算出し、前記目標電流値を溶接電流の
電流値として、前記一対の電極間に通電して、前記複数
の電線を互いに熱圧着することを特徴としている。
【0020】第2の目的を達成するために、請求項8に
記載の本発明の抵抗溶接方法は、一対の電極間に複数の
電線を互いに近づける方向に加圧した状態で保持して、
前記一対の電極間に溶接電流を通電し、この溶接電流と
前記電線とによって生じる発熱を利用して、前記複数の
電線を互いに熱圧着する抵抗溶接方法において、基準溶
接装置の一対の基準電極間に供試体としての複数の電線
を所定の加圧力で加圧した状態で、前記一対の基準電極
間に基準溶接電流を通電した際に生じる基準電圧を測定
し、この基準電圧と前記基準溶接電流の電流値とから前
記一対の基準電極間の基準抵抗値を算出し、前記基準抵
抗値と前記基準溶接電流の電流値とこの基準溶接電流の
通電時間とに基いて基準発熱量を算出しておき、前記一
対の電極間に前記所定の加圧力で前記供試体としての複
数の電線を加圧した状態で、前記溶接電流の電流値と、
前記一対の電極間に溶接電流を通電した際に生じる電圧
及び基準溶接電流の電流値から算出される抵抗値と、前
記溶接電流の通電時間と、に基いて算出される発熱量
が、前記基準発熱量と等しくなるように、前記溶接電流
の電流値と前記溶接電流の通電時間とのうち少なくとも
一方を制御することを特徴としている。
【0021】第1の目的を達成するために、請求項9に
記載の本発明の抵抗溶接装置は、一対の電極間に複数の
電線を互いに近づける方向に加圧した状態で保持して、
前記一対の電極間に溶接電流を通電し、この溶接電流と
前記溶接箇所の抵抗とによって生じる発熱を利用して、
前記複数の電線の溶接箇所を互いに熱圧着する抵抗溶接
装置において、前記一対の電極間に溶接電流を通電させ
た際に生じる電圧を測定する電圧測定手段と、前記電圧
測定手段が測定した電圧と前記溶接電流の電流値とから
前記一対の電極間の抵抗値を算出し、この抵抗値と前記
溶接電流の電流値とこの溶接電流の通電時間とに基いて
発熱量を算出する演算手段と、前記演算手段が算出した
発熱量に基いて、前記電線の溶接状態の良否を判定する
第1の判定ステップを行う判定手段と、を備えたことを
特徴としている。
【0022】第1の目的を達成するために、請求項10
に記載の本発明の抵抗溶接装置は、一対の電極間に複数
の電線を互いに近づける方向に加圧した状態で保持し
て、前記一対の電極間に溶接電流を通電し、この溶接電
流と前記溶接箇所の抵抗とによって生じる発熱を利用し
て、前記複数の電線の溶接箇所を互いに熱圧着する抵抗
溶接装置において、前記一対の電極間に溶接電流を通電
させて前記複数の電線を互いに熱圧着した際に、前記一
対の電極が互いに近づく方向に変位する変位量を測定す
る第2の測定手段と、前記変位量に基いて、前記電線の
溶接状態の良否を判定する第2の判定ステップを行う判
定手段と、を備えたことを特徴としている。
【0023】第1の目的を達成するために、請求項11
に記載の本発明の抵抗溶接装置は、一対の電極間に複数
の電線を互いに近づける方向に加圧した状態で保持し
て、前記一対の電極間に溶接電流を通電し、この溶接電
流と前記溶接箇所の抵抗とによって生じる発熱を利用し
て、前記複数の電線の溶接箇所を互いに熱圧着する抵抗
溶接装置において、前記一対の電極間に溶接電流を通電
させた際に生じる電圧を測定する電圧測定手段と、前記
一対の電極間に溶接電流を通電させて前記複数の電線を
互いに熱圧着した際に、前記一対の電極が互いに近づく
方向に変位する変位量を測定する第2の測定手段と、前
記電圧測定手段が測定した電圧と前記溶接電流の電流値
とから前記一対の電極間の抵抗値を算出し、この抵抗値
と前記溶接電流の電流値とこの溶接電流の通電時間とに
基いて発熱量を算出する演算手段と、前記演算手段が算
出した発熱量に基いて前記電線の溶接状態の良否を判定
する第1の判定ステップと、前記変位量に基いて前記電
線の溶接状態の良否を判定する第2の判定ステップと、
を行う判定手段と、を備えたことを特徴としている。
【0024】第1の目的を達成するために、請求項12
に記載の本発明の抵抗溶接装置は、請求項9ないし請求
項11のうちいずれか一項に記載の抵抗溶接装置におい
て、互いに熱圧着された電線の、前記一対の電極が互い
に接離する方向に沿った第1の寸法を測定する第3の測
定手段と、互いに熱圧着された電線の、前記一対の電極
が互いに接離する方向に対し交差する方向に沿った第2
の寸法を測定する第4の測定手段と、を備え、前記判定
手段は、前記第2の寸法の第1の寸法に対する比に基い
て、前記電線の溶接状態の良否を判定する第3の判定ス
テップを行うことを特徴としている。
【0025】前記第1の目的に加え第2の目的を達成す
るために、請求項13に記載の本発明の抵抗溶接装置
は、請求項9ないし請求項12のうちいずれか一項に記
載の抵抗溶接装置において、基準溶接装置の一対の基準
電極間に供試体としての複数の電線を所定の加圧力で加
圧した状態で、前記一対の基準電極間に基準溶接電流を
通電した際に生じる基準電圧を測定し、この基準電圧と
前記基準溶接電流の電流値とから前記一対の基準電極間
の基準抵抗値を算出し、前記基準抵抗値と前記基準溶接
電流の電流値とこの基準溶接電流の通電時間とに基いて
基準発熱量を算出しておき、前記演算手段が、前記抵抗
値と前記溶接電流の電流値とこの溶接電流の通電時間と
に基づいて算出された発熱量が、前記基準発熱量と等し
くなるための目標電流値を算出し、前記目標電流値を溶
接電流の電流値として、前記一対の電極間に通電して、
前記複数の電線を互いに熱圧着することを特徴としてい
る。
【0026】前記第2の目的を達成するために、請求項
14に記載の本発明の抵抗溶接装置は、一対の電極間に
複数の電線を互いに近づける方向に加圧した状態で保持
して、前記一対の電極間に溶接電流を通電し、この溶接
電流と前記溶接箇所の抵抗とによって生じる発熱を利用
して、前記複数の電線を互いに熱圧着す抵抗溶接装置に
おいて、基準溶接装置の一対の基準電極間に供試体とし
ての複数の電線を所定の加圧力で加圧した状態で前記一
対の基準電極間に基準溶接電流を通電した際に生じる基
準電圧を測定し、この基準電圧と前記基準溶接電流の電
流値とから前記一対の基準電極間の基準抵抗値を算出
し、前記基準抵抗値と前記基準溶接電流の電流値とこの
基準溶接電流の通電時間とに基いて基準発熱量を算出し
ておき、前記一対の電極間に溶接電流を通電させた際に
生じる電圧を測定する電圧測定手段と、前記電圧測定手
段が測定した電圧と前記溶接電流の電流値とから前記一
対の電極間の抵抗値を算出し、この抵抗値と前記溶接電
流の電流値とこの溶接電流の通電時間とに基いて発熱量
を算出する演算手段と、前記演算手段が算出した発熱量
が、前記基準発熱量と等しくなるように、前記溶接電流
の電流値と前記溶接電流の通電時間とのうち少なくとも
一方を制御する制御手段と、を備えたことを特徴として
いる。
【0027】請求項1に記載された本発明は、電極間の
抵抗値を算出することなどによって、電線の溶接箇所に
生じる発熱量を算出するので、前記電極間に生じる発熱
量を把握することが可能となる。そして、この算出した
発熱量に基いて溶接状態の良否を判定するので、前記電
線同士の溶接強度(固着力)を予測することが可能とな
り、溶接品質の良否を高精度に判定することが可能とな
る。
【0028】請求項2に記載された本発明は、電線を熱
圧着した際に一対の電極が互いに近づいた変位量を測定
する。抵抗溶接の際には、実際に電線に作用した発熱量
に応じて前述した変位量が変化する。このため、前記変
位量に基いて判定することによって、電線に実際に作用
した発熱量に基いて判定することができる。したがっ
て、前記変位量に基いて溶接状態の良否を判定するの
で、前記電線同士の溶接強度(固着力)を予測すること
が可能となり、溶接品質の良否を高精度に判定すること
が可能となる。
【0029】請求項3に記載された本発明は、電極間に
生じる発熱量に基いて溶接状態の良否を判定する。さら
に、電極が互いに近づく変位量に基いて判定するので、
実際に電線に作用した発熱量に基いて、溶接状態の良否
を判定できる。したがって、前記電線同士の溶接強度
(固着力)をより確実に予測することが可能となり、溶
接品質の良否を高精度により確実に判定することが可能
となる。
【0030】請求項4に記載された本発明は、熱圧着さ
れた電線の、電極が互いに接離する方向に沿った第1の
寸法と、電極が互いに接離する方向に対し交差する方向
に沿った第2の寸法と、に基いて、溶接状態の良否を判
定する。このため、電線に実際に作用した発熱量に基い
てより確実に判定できる。したがって、前記電線同士の
溶接強度(固着力)をより一層確実に予測することが可
能となり、溶接品質の良否を高精度により一層確実に判
定することが可能となる。
【0031】請求項5に記載された本発明は、前記溶接
電流が、良好な溶接状態で熱圧着する基準溶接装置の一
対の基準電極間に基準溶接電流を通電させた際に生じる
基準電圧に基いて算出された基準発熱量に応じて、補正
されている。このため、前記電線同士の溶接強度(固着
力)を予測することが可能となり、溶接品質の良否を高
精度に判定することが可能となることにくわえて、溶接
品質を前述した基準溶接装置のものに近づけることが可
能となって、溶接品質を高品質に安定させことが可能と
なる。
【0032】請求項6に記載された本発明は、基準溶接
装置の一対の基準電極間に基準溶接電流を通電させたと
きの基準発熱量を算出しておき、一対の電極間に基準溶
接電流を通電させた時に算出される発熱量が前記基準発
熱量と等しくなる目標電流値を算出し、前記基準電流と
この目標電流値との差から、前述した溶接電流の補正値
を求める。
【0033】このため、溶接品質を前述した基準溶接装
置のものに近づけることを可能とする溶接電流の補正値
を確実に求めることが可能となって、溶接品質をより一
層高品質に安定させことが可能となる。
【0034】請求項7に記載された本発明は、基準溶接
装置の一対の基準電極間に基準溶接電流を通電させたと
きの基準発熱量を算出しておき、一対の電極間に基準溶
接電流を通電させた時に算出される発熱量が前記基準発
熱量と等しくなる目標電流値を算出する。そして、この
目標電流値を溶接電流の電流値として用いる。
【0035】このため、溶接品質を前述した基準溶接装
置のものに近づけることが可能となって、溶接品質をよ
り一層高品質に安定させことが可能となる。
【0036】請求項8に記載された本発明は、基準溶接
装置の一対の基準電極間に基準溶接電流を通電させたと
きの基準発熱量を算出しておき、一対の電極間に基準溶
接電流を通電させた時に算出される発熱量が前記基準発
熱量と等しくなるように、前記溶接電流とこの溶接電流
の通電時間とのうち少なくとも一方を制御する。
【0037】このため、溶接品質を前述した基準溶接装
置のものにより一層近づけることが可能となって、溶接
品質を高品質により一層安定させことが可能となる。
【0038】請求項9に記載された本発明は、電圧測定
手段が一対の電極間に生じる電圧を測定し、演算手段が
前記電極間の生じる発熱量を算出するので、前記電極間
に生じる発熱量を把握することが可能となる。そして、
判定手段が、算出した発熱量に基いて溶接状態の良否を
判定するので、前記電線同士の溶接強度(固着力)を予
測することが可能となり、溶接品質の良否を高精度に判
定することが可能となる。
【0039】請求項10に記載された本発明は、第2の
測定手段が、電線を熱圧着した際の一対の電極が互いに
近づく変位量を測定する。なお、この変位量は、抵抗溶
接の際に、実際に電線に作用した発熱量に応じて変化す
る。判定手段は、前記変位量に基いて溶接状態の良否を
判定する。
【0040】このため、判定手段は、前記変位量に基い
て判定することによって、電線に実際に作用した発熱量
に基いて判定することができる。したがって、電線に実
際に作用した発熱量に基いて溶接状態の良否を判定する
ので、前記電線同士の溶接強度(固着力)を予測するこ
とが可能となり、溶接品質の良否を高精度に判定するこ
とが可能となる。
【0041】請求項11に記載された本発明は、電圧測
定手段が一対の電極間に生じる電圧を測定して、演算手
段が前記電極間の生じる発熱量を算出するので、前記電
極間に生じる発熱量を把握することが可能となる。さら
に、第2の測定手段が電線を熱圧着した際の一対の電極
が互いに近づく変位量を測定し、判定手段が前記変位量
に基いて溶接状態の良否を判定するので、電線に実際に
作用した発熱量に基いて判定する。
【0042】したがって、判定手段が、算出した発熱量
及び変位量に基いて溶接状態の良否を判定するので、前
記電線同士の溶接強度(固着力)をより確実に予測する
ことが可能となり、溶接品質の良否をより高精度に判定
することが可能となる。
【0043】請求項12に記載された本発明は、第3の
測定手段が熱圧着された電線の電極が互いに接離する方
向に沿った第1の寸法を測定し、第4の測定手段が熱圧
着された電線の電極が互いに接離する方向に対し交差す
る方向に沿った第2の寸法とを測定する。判定手段が、
前記第2の寸法の第1の寸法に対する比に基いて、溶接
状態の良否を判定する。
【0044】このため、電線に実際に作用した発熱量に
基いてより確実に判定できる。したがって、前記電線同
士の溶接強度(固着力)をより一層確実に予測すること
が可能となり、溶接品質の良否を高精度により一層確実
に判定することが可能となる。
【0045】請求項13に記載された本発明は、演算手
段が基準発熱量と発熱量とが互いに等しくなるための目
標電流値を算出し、この目標電流値を抵抗溶接する際に
溶接電流の電流値として用いる。このため、溶接品質の
良否を高精度に判定することが可能となることにくわえ
て、溶接品質を前述した基準溶接装置のものに近づける
ことが可能となって、溶接品質をより一層高品質に安定
させことが可能となる。
【0046】請求項14に記載された本発明は、電圧測
定手段が一対の電極間に生じる電圧を測定し、演算手段
が前記電極間の生じる発熱量を算出する。そして、制御
手段が、発熱量が基準発熱量と等しくなるように、溶接
電流の電流値と通電時間とのうち少なくとも一方を制御
する。このため、溶接品質を前述した基準溶接装置のも
のに近づけることが可能となって、溶接品質をより一層
高品質に安定させることが可能となる。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施形態に
かかる抵抗溶接装置1を図1ないし図6を参照して説明
する。図1に示す抵抗溶接装置1は、互いに撚られた複
数の銅線材からなる一方の電線の芯線と、互いに撚られ
た複数の銅線材からなる他方の電線の芯線と、を互いに
重ね合わせて抵抗溶接する装置である。
【0048】抵抗溶接装置1は、図1に示すように、工
場などのフロアなどの上に載置される台部2と、この台
部2から上方に向かって延びたアーム部3と、加圧手段
としてのエアシリンダ4と、一対の電極5a,5bと、
電圧測定手段としての電圧測定センサ6と、電源として
の溶接トランス7と、制御装置8などを備えている。
【0049】台部2は、側方からみて平坦な平坦部2a
を備えている。アーム部3は、台部2の平坦部2aから
一旦上方に向かって延び、その上端部3aから例えば作
業者側に向かって水平方向に沿って延在している。前記
平坦部2aとアーム部3とは、側方からみてコ字状に形
成されている。
【0050】エアシリンダ4は、シリンダ本体4aと、
このシリンダ本体4aから伸縮自在に設けられたピスト
ンロッド4bと、電磁弁4c(図2に示す)と、を備え
ている。エアシリンダ4は、ピストンロッド4bが下方
に向かって伸長するように、シリンダ本体4aがアーム
部3の先端部に設けられている。
【0051】シリンダ本体4a内には、図示しない加圧
気体供給源から加圧された気体が供給される。ピストン
ロッド4bは、シリンダ本体4a内に加圧された気体が
供給されると、シリンダ本体4aから伸長する。電磁弁
4cは、前記加圧気体供給源と接続しており、開閉する
ことによって、シリンダ本体4a内への加圧された気体
の供給を開始したり、この気体の供給を停止したりする
機能を有している。電磁弁4cは、制御装置8に接続し
ている。
【0052】一対の電極5a,5bのうち一方の電極5
aは、前記ピストンロッド4bの先端部に電極ホルダ9
を介して取り付けられている。他方の電極5bは前記平
坦部2aに取り付けられている。前記一対の電極5a,
5bは、鉛直方向に沿って互いに相対向して配されてい
る。前記一方の電極5aはオンス鋼板16などを介して
前記溶接トランス7に電気的に接続しているとともに、
前記他方の電極5bは前記溶接トランス7に電気的に接
続している。
【0053】前記電極5a,5bは、前記ピストンロッ
ド4bの先端部及び平坦部2aに取り付けられる円柱状
のクロム鋼体と、これらのクロム鋼体から突出したタン
グステンチップとを備えている。
【0054】前記電極5a,5bは、これらのタングス
テンチップが互いに相対向した状態で設けられている。
前記電極5a,5bは、これらのタングステンチップの
間に互いに溶接する電線の芯線を挟み込んで保持する。
前記タングステンチップの少なくとも前記芯線と当接す
る面には、酸化被膜が形成されている。
【0055】また、前記電極5bの近傍には、電線セッ
ト治具11が設けられている。電線セット治具11は、
前記電極5a,5b間に保持されかつエアシリンダ4な
どによって互いに近づく方向に加圧された芯線の位置ず
れを防止して、これらの芯線を前記電極5a,5b間に
保持する機能を有している。
【0056】電圧測定センサ6は、前記一対の電極5
a,5bそれぞれと、互いに電気的に接続しており、こ
れら電極5a,5b相互の間の電圧を測定するようにな
っている。電圧測定センサ6は、検出した前記電極5
a,5b相互間の電圧に応じた信号を制御装置8に向か
って出力する。
【0057】溶接トランス7は、溶接タイマ12(図2
に示す)を介して制御装置8に接続している。溶接タイ
マ12は、溶接電流の通電時間を制御する機能を有して
いる。
【0058】また、前記溶接装置1は、入力手段として
の操作パネル13などを備えている。このパネル13に
は、溶接装置1についての各種の運転上の指示や各種の
設定を行うための操作ボタンなどが複数設けられてい
る。
【0059】操作パネル13は、例えば、溶接トランス
7から電極5a,5b間に通電させる溶接電流の電流値
や、この溶接電流の通電開始から通電終了までの通電時
間及びエアシリンダ4が芯線を互いに近づく方向に加圧
する加圧力などを入力できるようになっている。
【0060】制御装置8は、周知のRAM、ROM及び
CPUなど備えたコンピュータであって、前記エアシリ
ンダ4、電圧測定センサ6及び溶接トランス7などと接
続して、これらの動作を制御して、溶接装置1全体の制
御をつかさどるようになっている。
【0061】制御装置8は、前記電磁弁4c及び溶接タ
イマ12それぞれに向かって、通電開始信号及び通電終
了信号を出力するようになっている。この制御装置8か
らの通電開始信号及び通電終了信号により前記エアシリ
ンダ4の電磁弁4aが開閉されるとともに、前記溶接タ
イマ12が制御(通電開始及び通電終了)されるように
なっている。
【0062】制御装置8は、図2に示すように、表示部
21と、記憶部22と、演算手段としての演算部23
と、判定手段としての判定部24などを備えている。表
示部21は、前記溶接電流の通電時間や、溶接装置1の
各種の設定状況や、判定部24が後述するように行う溶
接が完了した電線の溶接品質の判定結果などを表示する
機能を有している。
【0063】記憶部21は、図6に示すマップ15を記
憶している。この図6に示されたマップ15は、溶接品
質を一定に保つために、即ち、芯線同士の溶接強度(固
着力)を一定に保つために、入力された溶接電流の電流
値I2を補正するための溶接電流の補正値としての電流
補正値Icompを算出するためのものである。
【0064】図6に示されたマップ15は、以下に示す
ステップにしたがって求められている。まず、前述した
芯線同士を互いに良好な状態で熱圧着できる基準となる
基準溶接装置において、加圧力を一定とし基準電極間に
基準溶接電流を通電して、供試体としての複数の芯線同
士を互いに抵抗溶接する。
【0065】基準溶接電流の電流値を変化させて、複数
回、芯線同士を抵抗溶接する。抵抗溶接した際に、それ
ぞれ、一対の基準電極間に生じた基準電圧E1を測定し
ておく。なお、前記基準抵抗溶接装置は、前述した第1
の実施形態の溶接装置1とほぼ同等の構成となってい
る。
【0066】そして、以下に示す式1に基づいて、基準
電極間の抵抗値即ち前記芯線同士の抵抗値R1を求め、
この抵抗値R1、基準溶接電流の電流値I1、この基準溶
接電流の通電時間T1及び以下に示す式2に基づいて、
それぞれの抵抗溶接を行った際に生じた基準発熱量Q1
を算出する。 R1=E1/I1……………………………………(式1) Q1=0.24×(I1)2×R1×T1…………(式2)
【0067】その後、本実施形態の抵抗溶接装置1にお
いて、前述した基準抵抗溶接装置で芯線同士を抵抗溶接
した際と同じ条件で、複数回、芯線同士を抵抗溶接す
る。抵抗溶接した際に、それぞれ、一対の電極5a,5
b間に生じた電圧E2を測定しておく。
【0068】そして、以下に示す式3に基づいて、前記
電極5a,5b間の抵抗値即ち芯線同士の抵抗値R2を
求め、この抵抗値R2、基準溶接電流の電流値I1、この
基準溶接電流の通電時間T2及び以下に示す式4に基づ
いて、それぞれの抵抗溶接を行った際に生じた発熱量Q
2を算出する。 R2=E2/I1……………………………………(式3) Q2=0.24×(I1)2×R2×T2…………(式4)
【0069】式4で得られた前記発熱量Q2が基準抵抗
溶接装置での発熱量Q1と等しくなるための目標電流値
Ixを以下に示す式5に基づいて算出し、さらに、式6
に基づいて電流補正値Icompを算出する。 Ix=SQR{Q1/(0.24×R2×T2)}……(式5) Icomp=Ix―I1……………………………………(式6)
【0070】そして、それぞれの抵抗溶接を行った際
に、入力される溶接電流の電流値I2の変化に対する電
流補正値Icompの変化をグラフにして、図6に示すマッ
プ15中の実線Jが得られる。
【0071】演算部23は、前記マップ15に基づい
て、操作パネル13などから入力された溶接電流の入力
電流値I2から、電流補正値Icompを算出する。そし
て、算出された電流補正値Icompと、入力された溶接電
流の入力電流値I2とから、電極5a,5b間に実際に
通電させる溶接電流の目標電流値Ixを算出する。
【0072】演算部23は、前記電圧測定センサ6が検
出した電極5a,5b間即ち芯線間に生じた電圧Eと、
実際に通電される溶接電流の電流値目標電流値Ixとか
ら、以下に示す式7を用いて、前記電極5a,5b間即
ち芯線間の抵抗値Rを算出する。
【0073】さらに、この抵抗値Rと溶接電流の電流値
Ixとこの溶接電流の通電時間Tとから以下に示す式8
を用いて、発熱量Qを算出する機能を有している。 R=E/Ix……………………………………(式7) Q=0.24×(Ix)2×R×T……………(式8)
【0074】判定部24は、前記演算部23が算出した
発熱量Qが、図5に示す第1の所定発熱量Qaから第2
の所定発熱量Qbまでの範囲内に入っているか否かを判
定する。この第1の所定発熱量Qa及び第2の所定発熱
量Qbは、以下に示す手順によって定められる。
【0075】抵抗溶接において、溶接電流と固着力との
関係は、一般に図4中に実線Kで示す関係となってい
る。すなわち、第1の所定電流値Iaから第2の所定電
流値Ibまでの範囲内では、固着力が比較的高い状態で
ほぼ一定となる。
【0076】第1の所定電流値Iaより溶接電流が低く
ても、第2の所定電流値Ibより溶接電流が高くても、
固着力は弱くなる。このため、溶接電流が、前記第1の
所定電流値Iaから第2の所定電流値Ibまでの範囲内
のときは、溶接品質が高品質に保たれることとなる。
【0077】前記式2及び式4を用いて算出された発熱
量と、図4に示された前記溶接電流との関係を図5中の
実線Lで示す。図5によれば、溶接電流が第1の所定電
流値Iaであるときは、発熱量が第1の所定発熱量Qa
となっている。また、溶接電流が第2の所定電流値Ib
であるときは、発熱量が第2の所定発熱量Qbとなって
いる。
【0078】したがって、発熱量Qが、第1の所定発熱
量Qaから第2の所定発熱量Qbまでの範囲内であると
きには、溶接品質が高品質に保たれていることとなる。
【0079】判定部24は、発熱量Qが前記第1の所定
発熱量Qaから第2の所定発熱量Qbまでの範囲内に入
っていると判定した場合には、芯線が溶接された電線を
溶接品質が良好な良品であると判定し、発熱量Qが前記
第1の所定発熱量Qaから第2の所定発熱量Qbまでの
範囲内に入っていないと判定した場合には、芯線が溶接
された電線を溶接品質が不良な不良品であると判定す
る。
【0080】前述した構成によれば、抵抗溶接装置1
は、芯線同士を互いに抵抗溶接する際に、まず、図3に
示すステップS1において、操作パネル13などから、
溶接トランス7から電極5a,5b間に通電させる入力
電流値としての溶接電流の電流値I2や、この溶接電流
の通電時間T及びエアシリンダ4の加圧力などを入力す
る。
【0081】そして、前記一対の電極5a,5b間に、
複数の銅線材からなる一方の電線の芯線と、複数の銅線
材からなる他方の電線の芯線と、互いに重ね合わせると
ともに、これらの芯線を電線セット治具11によって保
持する。
【0082】ステップS2において、制御装置8が溶接
開始信号を出力して、溶接開始を指示してステップS3
に進む。ステップS3では、溶接タイマ12が始動し
て、ステップS4及びステップS5に進む。
【0083】ステップS4では、図示しない加圧気体供
給源に接続された電磁弁4cが開いて、一方の電極5a
が他方の電極5bに向かって移動する。エアシリンダ4
が電極5a,5b間に配された芯線同士が互いに近づく
方向にこれらの芯線を加圧する。
【0084】ステップS5では、入力された加圧力に応
じて芯線が加圧されているか否か、即ち初期加圧が完了
しているか否かを判定する。初期加圧が完了していない
場合には、初期加圧が完了するまでこのステップS5を
繰り返し、初期加圧が完了している場合には、ステップ
S6に進む。
【0085】ステップS6では、初期加圧が完了する
と、溶接トランス7から溶接電流が電極5a,5b間に
通電される。このとき電極5a,5b間に通電される溶
接電流の電流値は、前述したマップ15中の実線Jに基
づいて得られた電流補正値Icompによって補正された目
標電流値Ixとなっている。溶接電流の通電により、前
記芯線同士の抵抗によって、前記芯線が発熱し、この発
熱した熱によって前記芯線は互いに熱圧着(または拡散
接合されて)されて、抵抗溶接される。
【0086】操作パネル13から入力された溶接電流の
通電時間Tが通電開始してから経過すると、ステップS
7において、制御装置8は、溶接タイマ12を介して前
記溶接電流の通電を停止して、ステップS8に進む。
【0087】ステップS8では、制御装置8の演算部2
3が、抵抗溶接時に生じた電極5a,5b間の電圧Eな
どから前記式8に基づいて発熱量Qを算出し、判定部2
4がこの発熱量Qが前記第1の所定発熱量Qaから第2
の所定発熱量Qbまでの範囲内であるか否かを判定す
る。このように、ステップS8では、抵抗溶接時の発熱
量Qを判定する。なお、このステップS8は、本明細書
に記した第1の判定ステップをなしている。
【0088】抵抗溶接時の発熱量Qが前記第1の所定発
熱量Qaから第2の所定発熱量Qbまでの範囲内である
と判定した場合には、ステップS9において、判定部2
4が芯線同士が溶接されて互いに接続された電線が良品
であると判定する。
【0089】一方、抵抗溶接時の発熱量Qが前記第1の
所定発熱量Qaから第2の所定発熱量Qbまでの範囲内
ではないと判定した場合には、ステップS10におい
て、判定部24が芯線同士が溶接されて互いに接続され
た電線が不良品であると判定する。
【0090】本実施形態の抵抗溶接装置1によれば、電
圧測定センサ6が電極5a,5b間の電圧Eを検出し、
演算部23が前記電極5a,5b間の抵抗値Rを算出す
るとともに、電線の溶接箇所に生じる発熱量Qを算出す
る。このため、前記電極5a,5b間に生じる発熱量Q
を把握することが可能となる。
【0091】そして、溶接品質の良否の一例としての固
着力の強弱に関わる発熱量Qに基いて、判定部24が溶
接状態の良否を判定するので、前記電線同士の溶接強度
(固着力)を予測することが可能となり、溶接品質の良
否を高精度に判定することが可能となる。
【0092】また、芯線を互いに良好な状態で抵抗溶接
できる基準溶接装置の一対の基準電極間に基準溶接電流
を通電させたときの基準発熱量Q1を算出しておく。本
実施形態の抵抗溶接装置1の一対の電極5a,5b間に
基準溶接電流を通電させた時に算出される発熱量Q2が
前記基準発熱量Q1と等しくなる目標電流値Ixを算出
し、前記基準溶接電流の電流値I1とこの目標電流値Ix
との差から、溶接電流の電流補正値Icompを求め、この
電流補正値Icompによって、溶接電流の電流値が補正さ
れている。
【0093】このように、電極5a,5b間に実際に通
電される前記溶接電流が、基準溶接装置が基準溶接電流
を一対の基準電極間に通電させた際に生じる基準発熱量
Q1に応じて、補正されている。このため、前記電線同
士の溶接強度(固着力)を確実に予測することが可能と
なり、溶接品質の良否を高精度に判定することが可能と
なることにくわえて、溶接品質を前述した基準溶接装置
のものに近づけることが可能となって、溶接品質を高品
質に安定させことが可能となる。
【0094】次に、本発明の第2の実施形態を図7及び
図8を参照して説明する。なお、前述した第1の実施形
態と同一構成部分及び同一ステップには、同一符号を付
して説明を省略する。
【0095】本実施形態の抵抗溶接装置1の制御装置8
は、図7に示すように制御手段としての制御部25を備
えている。制御部25は、前記基準抵抗溶接装置が基準
溶接電流を基準電極間に通電させたときに生じる前述し
た基準発熱量Q1に、前記発熱量Qが近づくように前記
溶接電流の電流値とこの溶接電流の通電時間とのうち少
なくとも一方を制御する機能を有している。
【0096】本実施形態の抵抗溶接装置1は、芯線同士
を互いに抵抗溶接する際に、図8に示すように、ステッ
プS1からステップS6に亘って第1の実施形態と同様
なステップを経る。
【0097】そして、ステップS6において、電極5
a,5b間に通電した後、ステップS11において、前
述した制御部25が、電極5a,5b間即ち芯線の溶接
箇所に生じる発熱量Qが基準発熱量Q1に近づくよう
に、溶接電流の電流値と通電時間とのうち少なくとも一
方を制御する。
【0098】その後、前記発熱量Qが前記基準発熱量Q
1に近づくと、ステップS7において、電極5a,5b
間の溶接電流の通電を停止し、以下第1の実施形態と同
様に、ステップS8、ステップS9及びステップS10
に進む。
【0099】本実施形態の抵抗溶接装置1によれば、前
述した第1の実施形態と同様に、演算部23が電線の溶
接箇所に生じる発熱量Qを算出して、この算出した発熱
量Qに基いて、判定部24が溶接状態の良否を判定する
ので、前記電線同士の溶接強度(固着力)を予測するこ
とが可能となり、溶接品質の良否を高精度に判定するこ
とが可能となる。
【0100】また、電極5a,5b間に実際に通電され
る前記溶接電流が、基準溶接装置が基準溶接電流を一対
の基準電極間に通電させた際に生じる基準発熱量Q1に
応じて、補正されているため、前記電線同士の溶接強度
(固着力)を予測することが可能となり、溶接品質の良
否を高精度に判定することが可能となることにくわえ
て、溶接品質を前述した基準溶接装置のものに近づける
ことが可能となって、溶接品質を高品質に安定させこと
が可能となる。
【0101】さらに、基準溶接装置の一対の基準電極間
に基準溶接電流を通電させたときの基準発熱量Q1を算
出しておき、制御部25が、一対の電極5a,5b間に
通電させた時に算出される発熱量Qが前記基準発熱量Q
1と等しくなるように、前記溶接電流の電流値と通電時
間とのうち少なくとも一方を制御する。
【0102】このため、溶接品質を前述した基準溶接装
置のものにより一層近づけることが可能となって、溶接
品質を高品質により一層安定させことが可能となる。
【0103】次に、本発明の第3の実施形態を図9ない
し図14を参照して説明する。なお、前述した第1の実
施形態と同一構成部分及び同一ステップには、同一符号
を付して説明を省略する。
【0104】本実施形態の抵抗溶接装置1の電線セット
治具11は、図9に示すように、外方向に向かって突出
した基準板部11aを備えている。また、本実施形態の
抵抗溶接装置1は、図9に示すように、高さ変位センサ
31と、幅変位センサ32と、を備えている。
【0105】高さ変位センサ31は、センサ本体31a
と、このセンサ本体31aに対し移動自在に設けられた
接触子31bと、を備えている。高さ変位センサ31
は、接触子31bのセンサ本体31aに対する移動方向
が、前記電極5a,5bが互いに接離する方向と平行と
なる状態で、センサ本体31aが電極ホルダ9に取り付
けられている。
【0106】センサ本体31aは、接触子31bが、前
記エアシリンダ4の伸長に伴って前記基準板部11aと
当接可能な位置に設けられている。センサ本体31a
は、エアシリンダ4の伸縮によって、電極ホルダ9即ち
電極5aとともに、電極5bに向かって接離する。
【0107】高さ変位センサ31は、図10に示すよう
に、制御装置8と電気的に接続している。高さ変位セン
サ31は、エアシリンダ4の伸長によって、接触子31
bが基準板部11aと当接してセンサ本体31aに対し
移動することによって、前記芯線が互いに熱圧着された
状態では、熱圧着中のエアシリンダ4の伸長変位即ち前
記電極5a,5bが互いに近づく方向に変位した変位量
Dを測定して、制御装置8に向かって出力する。
【0108】また、高さ変位センサ31は、互いに熱圧
着された状態の芯線の電極5a,5bが互いに接離する
方向に沿った高さ寸法H(本明細書に記した第1の寸法
に相当する)を測定して、制御装置8に向かって出力す
る。なお、この高さ変位センサ31は、本明細書に記し
た第2の測定手段と第3の測定手段の両方の測定手段を
なしている。
【0109】幅変位センサ32は、センサ本体32a
と、このセンサ本体32aに対し移動自在に設けられた
接触子32bと、を備えている。幅変位センサ32は、
接触子32bのセンサ本体32aに対する移動方向が、
前記電極5a,5bが互いに接離する方向に対し直交す
る状態で設けられている。このように、幅変位センサ3
2は、接触子32bのセンサ本体32aに対する移動方
向が、前記電極5a,5bが互いに接離する方向に対し
交差している。
【0110】幅変位センサ32は、図10に示すよう
に、制御装置8と電気的に接続している。幅変位センサ
32は、互いに熱圧着された状態の芯線の電極5a,5
bが互いに接離する方向に対し直交する方向に沿った幅
寸法W(本明細書に記した第2の寸法に相当する)を測
定して、制御装置8に向かって出力する。なお、この幅
変位センサ32は、本明細書に記した第4の測定手段を
なしている。
【0111】また、本実施形態の抵抗溶接装置1の制御
装置8の判定部24は、前記発熱量Qが第1の所定発熱
量Qaから第2の所定発熱量Qbまでの範囲内に入って
いると判定した後、前記変位量Dが、図13に示す第1
の所定変位量Daから第2の所定変位量Dbまでの範囲
内に入っているか否かを判定する。この第1の所定変位
量Da及び第2の所定変位量Dbは、以下に示す手順に
よって定められる。
【0112】前述した基準抵抗溶接装置などを用いて、
前記基準発熱量Q1を変化させるなどして、複数回、芯
線同士を抵抗溶接する。抵抗溶接を行った際の変位量を
それぞれ測定しておく。すると、互いの間に、基準発熱
量Q1と変位量との関係が収まる図13中に示した実線
M1と実線M2とが得られる。
【0113】図13によれば、発熱量Qと変位量Dと
は、おおむね互いに比例関係であることがわかる。即
ち、変位量Dは、発熱量Qに応じて変化することとな
る。このように、変位量Dに基くことによって、前記芯
線に実際に作用した発熱量に基いて判定することができ
る。また、図13によれば、発熱量Qが前記第1の所定
発熱量Qaであるときの、前記変位量Dの最低値は第1
の所定変位量Daとなっている。
【0114】さらに、発熱量Qが前記第2の所定発熱量
Qbであるときの、前記変位量Dの最高値は第2の所定
変位量Dbとなっている。すなわち、変位量Dが、第1
の所定変位量Daから第2の所定変位量Dbまでの範囲
内であるときには、溶接品質が高品質に保たれているこ
ととなる。
【0115】さらに、本実施形態の抵抗溶接装置1の制
御装置8の判定部24は、前記発熱量Qが第1の所定発
熱量Qaから第2の所定発熱量Qbまでの範囲内に入っ
ていると判定し、前記変位量Dが第1の所定変位量Da
から第2の所定変位量Dbまでの範囲内に入っていると
判定した後、前記幅寸法Wの前記高さ寸法Hに対する比
(W/H)の値Vが、図14に示す第1の所定値Vaか
ら第2の所定値Vbまでの範囲内に入っているか否かを
判定する。この第1の所定値Va及び第2の所定値Vb
は、以下に示す手順によって定められる。
【0116】前述した基準抵抗溶接装置などを用いて、
前記基準発熱量Q1を変化させるなどして、複数回、芯
線同士を抵抗溶接する。抵抗溶接を行って得られた芯線
の溶接部分の幅寸法Wの高さ寸法Hに対する比(W/
H)をそれぞれ測定しておく。すると、互いの間に、基
準発熱量Q1と比(W/H)の値Vとの関係が収まる図
14中に示した実線N1と実線N2とが得られる。
【0117】図14によれば、発熱量Qと前記比(W/
H)の値Vとは、おおむね互いに反比例関係であること
がわかる。即ち、前記比(W/H)の値Vは、発熱量Q
に応じて変化することとなる。また、図14によれば、
発熱量Qが前記第2の所定発熱量Qbであるときの、前
記比(W/H)の最低値は第1の所定値Vaとなってい
る。
【0118】さらに、発熱量Qが前記第1の所定発熱量
Qaであるときの、前記比(W/H)の最高値は第2の
所定値Vbとなっている。すなわち、前記比(W/H)
の値Vが、第1の所定値Vaから第2の所定値Vbまで
の範囲内であるときには、溶接品質が高品質に保たれて
いることとなる。
【0119】本実施形態の抵抗溶接装置1を用いて芯線
同士を互いに熱圧着して抵抗溶接する際には、図11に
示す前述したステップS1からステップS8までの過程
を通る。ステップS8において、前記判定部24が発熱
量Qが第1の所定発熱量Qaから第2の所定発熱量Qb
までの範囲内ではないと判定した場合には、ステップS
10において、判定部24が芯線同士が溶接されて互い
に接続された電線が不良品であると判定する。
【0120】ステップS8において、前記判定部24が
発熱量Qが第1の所定発熱量Qaから第2の所定発熱量
Qbまでの範囲内であると判定した場合には、図12に
示すステップS18に進む。
【0121】ステップS18では、高さ変位センサ31
が抵抗溶接中即ち熱圧着中に前記電極5a,5bが互い
に近づく方向に変位した変位量Dを測定するとともに、
判定部24が、前記変位量Dが第1の所定変位量Daか
ら第2の所定変位量Dbまでの範囲内であるか否かを判
定する。このように、ステップS18では、抵抗溶接時
の変位量D即ち電極5aの沈み込む量を判定する。な
お、このステップS18は、本明細書に記した第2の判
定ステップをなしている。
【0122】ステップS18において、抵抗溶接中の変
位量Dが前記第1の所定変位量Daから第2の所定変位
量Dbまでの範囲内ではないと判定した場合には、ステ
ップS20において、判定部24が芯線同士が溶接され
て互いに接続された電線が不良品であると判定する。
【0123】一方、ステップS18において、抵抗溶接
中の変位量Dが前記第1の所定変位量Daから第2の所
定変位量Dbまでの範囲内であると判定した場合には、
ステップS28に進む。
【0124】ステップS28では、高さ変位センサ31
が抵抗溶接が施され即ち熱圧着が施されて互いに接続し
た電線の芯線の高さ寸法Hを測定し、幅変位センサ32
が互いに接続した電線の芯線の幅寸法Wを測定するとと
もに、判定部24が、幅寸法Wに対する高さ寸法Hの比
(W/H)の値Vが第1の所定値Vaから第2の所定値V
bまでの範囲内であるか否かを判定する。このように、
ステップS28では、抵抗溶接後の電線の幅と高さの比
を判定する。なお、このステップS28は、本明細書に
記した第3の判定ステップをなしている。
【0125】ステップS28において、比(W/H)の値
Vが前記第1の所定値Vaから第2の所定値Vbまでの
範囲内であると判定した場合には、ステップS9におい
て、判定部24が芯線同士が溶接されて互いに接続され
た電線が良品であると判定する。
【0126】一方、ステップS28において、比(W/
H)の値Vが前記第1の所定値Vaから第2の所定値V
bまでの範囲内ではないと判定した場合には、ステップ
S30において、判定部24が芯線同士が溶接されて互
いに接続された電線が不良品であると判定する。
【0127】本実施形態の抵抗溶接装置1によれば、前
述した第1及び第2の実施形態と同様に、演算部23が
電線の溶接箇所に生じる発熱量Qを算出して、この算出
した発熱量Qに基いて、判定部24が溶接状態の良否を
判定する。
【0128】さらに、高さ変位センサ31が抵抗溶接中
即ち熱圧着中に前記電極5a,5bが互いに近づく方向
に変位した変位量Dを測定して、この測定した変位量D
に基いて、判定部24が溶接状態の良否を判定する。さ
らにその上、抵抗溶接後の電線の高さHと幅Wをそれぞ
れ高さ変位センサ31と幅変位センサ32が測定し、こ
れらの比(W/H)の値に基いて判定部24が溶接状態の
良否を判定する。
【0129】このため、前記電線同士の溶接強度(固着
力)をより確実に予測することが可能となり、溶接品質
の良否をより一層高精度に判定することが可能となる。
【0130】また、電極5a,5b間に実際に通電され
る前記溶接電流が、基準溶接装置が基準溶接電流を一対
の基準電極間に通電させた際に生じる基準発熱量Q1に
応じて、補正されているため、前記電線同士の溶接強度
(固着力)を予測することが可能となり、溶接品質の良
否を高精度に判定することが可能となることにくわえ
て、溶接品質を前述した基準溶接装置のものに近づける
ことが可能となって、溶接品質を高品質に安定させこと
が可能となる。
【0131】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の本
発明によれば、電極間の抵抗値を算出することなどによ
って、電線の溶接箇所に生じる発熱量を算出するので、
前記電極間に生じる発熱量を把握することが可能とな
る。そして、この算出した発熱量に基いて溶接状態の良
否を判定するので、前記電線同士の溶接強度(固着力)
を予測することが可能となり、溶接品質の良否を高精度
に判定することが可能となる。
【0132】請求項2に記載の本発明によれば、電線を
熱圧着した際に一対の電極が互いに近づいた変位量を測
定する。抵抗溶接の際には、実際に電線に作用した発熱
量に応じて前述した変位量が変化する。このため、前記
変位量に基いて判定することによって、電線に実際に作
用した発熱量に基いて判定することができる。したがっ
て、前記変位量に基いて溶接状態の良否を判定するの
で、前記電線同士の溶接強度(固着力)を予測すること
が可能となり、溶接品質の良否を高精度に判定すること
が可能となる。
【0133】請求項3に記載の本発明によれば、電極間
に生じる発熱量に基いて溶接状態の良否を判定する。さ
らに、電極が互いに近づく変位量に基いて判定するの
で、実際に電線に作用した発熱量に基いて、溶接状態の
良否を判定できる。したがって、前記電線同士の溶接強
度(固着力)をより確実に予測することが可能となり、
溶接品質の良否を高精度により確実に判定することが可
能となる。
【0134】請求項4に記載の本発明によれば、熱圧着
された電線の、電極が互いに接離する方向に沿った第1
の寸法と、電極が互いに接離する方向に対し交差する方
向に沿った第2の寸法と、に基いて、溶接状態の良否を
判定する。このため、電線に実際に作用した発熱量に基
いてより確実に判定できる。したがって、前記電線同士
の溶接強度(固着力)をより一層確実に予測することが
可能となり、溶接品質の良否を高精度により一層確実に
判定することが可能となる。
【0135】請求項5に記載された本発明によれば、前
記溶接電流が、基準溶接装置の一対の基準電極間に基準
溶接電流を通電させた際に生じる基準電圧に基いて算出
される基準発熱量に応じて、補正されている。このた
め、前記電線同士の溶接強度(固着力)を予測すること
が可能となり、溶接品質の良否を高精度に判定すること
が可能となることにくわえて、溶接品質を前述した基準
溶接装置のものに近づけることが可能となって、溶接品
質を高品質に安定させことが可能となる。
【0136】請求項6に記載された本発明によれば、基
準溶接装置の一対の基準電極間に基準溶接電流を通電さ
せたときの基準発熱量を算出しておき、一対の電極間に
基準溶接電流を通電させた時に算出される発熱量が前記
基準発熱量と等しくなる目標電流を算出し、前記基準電
流とこの目標電流との差から、前述した溶接電流の補正
値を求める。
【0137】このため、溶接品質を前述した基準溶接装
置のものに近づけることを可能とする溶接電流の補正値
を確実に求めることが可能となる。したがって、溶接品
質を前述した基準溶接装置のものにより一層近づけるこ
とが可能となるとともに溶接品質をより一層高品質に安
定させことが可能となる。
【0138】請求項7に記載された本発明によれば、基
準溶接装置の一対の基準電極間に基準溶接電流を通電さ
せたときの基準発熱量を算出しておき、一対の電極間に
基準溶接電流を通電させた時に算出される発熱量が前記
基準発熱量と等しくなる目標電流値を算出する。そし
て、この目標電流値を溶接電流の電流値として用いる。
【0139】このため、溶接品質を前述した基準溶接装
置のものに近づけることが可能となって、溶接品質をよ
り一層高品質に安定させことが可能となる。
【0140】請求項8に記載された本発明によれば、基
準溶接装置の一対の基準電極間に基準溶接電流を通電さ
せたときの基準発熱量を算出しておき、一対の電極間に
基準溶接電流を通電させた時に算出される発熱量が前記
基準発熱量と等しくなるように、前記溶接電流とこの溶
接電流の通電時間とのうち少なくとも一方を制御する。
【0141】このため、溶接品質を前述した基準溶接装
置のものにより一層近づけることが可能となって、溶接
品質を高品質により一層安定させことが可能となる。
【0142】請求項9に記載された本発明によれば、電
圧測定手段が一対の電極間に生じる電圧を測定し、演算
手段が前記電極間の生じる発熱量を算出するので、前記
電極間に生じる発熱量を把握することが可能となる。そ
して、判定手段が、算出した発熱量に基いて溶接状態の
良否を判定するので、前記電線同士の溶接強度(固着
力)を予測することが可能となり、溶接品質の良否を高
精度に判定することが可能となる。
【0143】請求項10に記載の本発明によれば、第2
の測定手段が、電線を熱圧着した際の一対の電極が互い
に近づく変位量を測定する。なお、この変位量は、抵抗
溶接の際に、実際に電線に作用した発熱量に応じて変化
する。判定手段は、前記変位量に基いて溶接状態の良否
を判定する。
【0144】このため、判定手段は、前記変位量に基い
て判定することによって、電線に実際に作用した発熱量
に基いて判定することができる。したがって、電線に実
際に作用した発熱量に基いて溶接状態の良否を判定する
ので、前記電線同士の溶接強度(固着力)を予測するこ
とが可能となり、溶接品質の良否を高精度に判定するこ
とが可能となる。
【0145】請求項11に記載の本発明によれば、電圧
測定手段が一対の電極間に生じる電圧を測定して、演算
手段が前記電極間の生じる発熱量を算出するので、前記
電極間に生じる発熱量を把握することが可能となる。さ
らに、第2の測定手段が電線を熱圧着した際の一対の電
極が互いに近づく変位量を測定し、判定手段が前記変位
量に基いて溶接状態の良否を判定するので、電線に実際
に作用した発熱量に基いて判定する。
【0146】したがって、判定手段が、算出した発熱量
及び変位量に基いて溶接状態の良否を判定するので、前
記電線同士の溶接強度(固着力)をより確実に予測する
ことが可能となり、溶接品質の良否をより高精度に判定
することが可能となる。
【0147】請求項12に記載の本発明によれば、第3
の測定手段が熱圧着された電線の電極が互いに接離する
方向に沿った第1の寸法を測定し、第4の測定手段が熱
圧着された電線の電極が互いに接離する方向に対し交差
する方向に沿った第2の寸法とを測定する。判定手段
が、前記第2の寸法の第1の寸法に対する比に基いて、
溶接状態の良否を判定する。
【0148】このため、電線に実際に作用した発熱量に
基いてより確実に判定できる。したがって、前記電線同
士の溶接強度(固着力)をより一層確実に予測すること
が可能となり、溶接品質の良否を高精度により一層確実
に判定することが可能となる。
【0149】請求項13に記載された本発明によれば、
演算手段が基準発熱量と発熱量とが互いに等しくなるた
めの目標電流値を算出し、この目標電流値を抵抗溶接す
る際に溶接電流の電流値として用いる。このため、溶接
品質の良否を高精度に判定できることにくわえ、溶接品
質を前述した基準溶接装置のものに近づけることが可能
となって、溶接品質をより一層高品質に安定させことが
可能となる。
【0150】請求項14に記載された本発明によれば、
電圧測定手段が一対の電極間に生じる電圧を測定し、演
算手段が前記電極間の生じる発熱量を算出するので、前
記電極間に生じる発熱量を把握することが可能となる。
制御手段が、発熱量が基準発熱量と等しくなるように、
溶接電流の電流値と通電時間とのうち少なくとも一方を
制御する。このため、溶接品質を前述した基準溶接装置
のものに近づけることが可能となって、溶接品質をより
一層高品質に安定させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る抵抗溶接装置を
示す側面図である。
【図2】同実施形態の抵抗溶接装置の要部の構成を示す
ブロック図である。
【図3】同実施形態の抵抗溶接装置を用いた抵抗溶接の
工程を示すフローチャートである。
【図4】抵抗溶接における溶接電流と固着力との関係を
模式的に示す図である。
【図5】抵抗溶接における溶接電流と発熱量との関係を
模式的に示す図である。
【図6】同実施形態の抵抗溶接装置の制御装置の記憶部
が記憶したマップを示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る抵抗溶接装置の
要部の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施形態の抵抗溶接装置を用い
た抵抗溶接の工程を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る抵抗溶接装置を
示す側面図である。
【図10】図9に示された抵抗溶接装置の要部の構成を
示すブロック図である。
【図11】図9に示された抵抗溶接装置を用いた抵抗溶
接の工程の一部を示すフローチャートである。
【図12】図9に示された抵抗溶接装置を用いた抵抗溶
接の工程の一部を示すフローチャートである。
【図13】抵抗溶接における発熱量と変位量との関係を
模式的に示す図である。
【図14】抵抗溶接における発熱量と比(W/H)の値
との関係を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 抵抗溶接装置 5a,5b 電極 6 電圧測定センサ(電圧測定手段) 23 演算部(演算手段) 24 判定部(判定手段) 25 制御部(制御手段) 31 高さ変位センサ(第2の測定手段、第3の測定手
段) 32 幅変位センサ(第4の測定手段) I1 基準溶接電流の電流値 E1 基準電圧 R1 抵抗値 T1 通電時間 Q1 基準発熱量 I2 入力電流値(溶接電流の電流値) R2 抵抗値 E2 電圧 T2 通電時間 Q2 発熱量 R 抵抗値 E 電圧 T 通電時間 Q 発熱量 Ix 目標電流値 Icomp 電流補正値 S8 第1の判定ステップ S18 第2の判定ステップ S28 第3の判定ステップ H 高さ寸法(第1の寸法) W 幅寸法(第2の寸法) D 変位量 W/H 第2の寸法の第1の寸法に対する比

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の電極間に複数の電線を互いに近づ
    ける方向に加圧した状態で保持して、前記一対の電極間
    に溶接電流を通電し、この溶接電流と前記電線の抵抗と
    によって生じる発熱を利用して、前記複数の電線を互い
    に熱圧着する抵抗溶接の品質管理方法において、 前記一対の電極間に溶接電流を通電させた際に生じる電
    圧を測定し、この電圧と前記溶接電流の電流値とから一
    対の電極間の抵抗値を算出し、 前記抵抗値と前記溶接電流の電流値とこの溶接電流の通
    電時間とに基いて算出した発熱量に基いて、前記電線の
    溶接状態の良否を判定する第1の判定ステップを含んだ
    ことを特徴とする抵抗溶接の品質管理方法。
  2. 【請求項2】 一対の電極間に複数の電線を互いに近づ
    ける方向に加圧した状態で保持して、前記一対の電極間
    に溶接電流を通電し、この溶接電流と前記電線の抵抗と
    によって生じる発熱を利用して、前記複数の電線を互い
    に熱圧着する抵抗溶接の品質管理方法において、 前記一対の電極間に溶接電流を通電させて前記複数の電
    線を互いに熱圧着した際に、前記一対の電極が互いに近
    づく方向に変位する変位量を測定し、 前記変位量に基いて、前記電線の溶接状態の良否を判定
    する第2の判定ステップを含んだことを特徴とする抵抗
    溶接の品質管理方法。
  3. 【請求項3】 一対の電極間に複数の電線を互いに近づ
    ける方向に加圧した状態で保持して、前記一対の電極間
    に溶接電流を通電し、この溶接電流と前記電線の抵抗と
    によって生じる発熱を利用して、前記複数の電線を互い
    に熱圧着する抵抗溶接の品質管理方法において、 前記一対の電極間に溶接電流を通電させた際に生じる電
    圧を測定し、この電圧と前記溶接電流の電流値とから一
    対の電極間の抵抗値を算出し、前記抵抗値と前記溶接電
    流の電流値とこの溶接電流の通電時間とに基いて算出し
    た発熱量に基いて、前記電線の溶接状態の良否を判定す
    る第1の判定ステップと、 前記一対の電極間に溶接電流を通電させて前記複数の電
    線を互いに熱圧着した際に、前記一対の電極が互いに近
    づく方向に変位する変位量を測定し、前記変位量に基い
    て、前記電線の溶接状態の良否を判定する第2の判定ス
    テップと、 を含んだことを特徴とする抵抗溶接の品質管理方法。
  4. 【請求項4】 前記一対の電極間に溶接電流を通電させ
    て前記複数の電線を互いに熱圧着した際に、前記一対の
    電極が互いに接離する方向に沿った熱圧着された電線の
    第1の寸法と、前記一対の電極が互いに接離する方向に
    対し交差する方向に沿った前記熱圧着された電線の第2
    の寸法と、を測定し、 前記第2の寸法の第1の寸法に対する比に基いて、前記
    電線の溶接状態の良否を判定する第3の判定ステップを
    含んだことを特徴とする請求項1ないし請求項3のうち
    いずれか一項に記載の抵抗溶接の品質管理方法。
  5. 【請求項5】 複数の電線を互いに良好な溶接状態で熱
    圧着する基準溶接装置の一対の基準電極間に基準溶接電
    流を通電した際に生じる基準電圧に基いて算出された基
    準発熱量に応じて、前記溶接電流の電流値が補正された
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のうちいずれ
    か一項に記載の抵抗溶接の品質管理方法。
  6. 【請求項6】 前記基準溶接装置の一対の基準電極間に
    供試体としての複数の電線を所定の加圧力で加圧した状
    態で、前記一対の基準電極間に前記基準溶接電流を通電
    した際に生じる基準電圧を測定し、この基準電圧と前記
    基準溶接電流とから前記一対の基準電極間の基準抵抗値
    を算出し、前記基準抵抗値と前記基準溶接電流の電流値
    とこの基準溶接電流の通電時間とに基いて基準発熱量を
    算出しておき、 前記一対の電極間に前記所定の加圧力で前記供試体とし
    ての複数の電線を加圧した状態で、前記一対の電極間に
    前記基準溶接電流を通電した際に生じる電圧を測定し、
    この電圧と前記基準溶接電流の電流値とから前記一対の
    電極間の抵抗値を算出し、前記抵抗値と前記基準溶接電
    流の電流値とこの基準溶接電流の通電時間とに基いて算
    出される発熱量が、前記基準発熱量と等しくなるための
    目標電流値を算出し、 前記基準溶接電流の電流値と目標電流値との差から前記
    溶接電流の補正値を求めることを特徴とする請求項5記
    載の抵抗溶接の品質管理方法。
  7. 【請求項7】 一対の電極間に複数の電線を互いに近づ
    ける方向に加圧した状態で保持して、前記一対の電極間
    に溶接電流を通電し、この溶接電流と前記電線の抵抗と
    によって生じる発熱を利用して、前記複数の電線を互い
    に熱圧着する抵抗溶接方法において、 基準溶接装置の一対の基準電極間に供試体としての複数
    の電線を所定の加圧力で加圧した状態で、前記一対の基
    準電極間に前記基準溶接電流を通電した際に生じる基準
    電圧を測定し、この基準電圧と前記基準溶接電流の電流
    値とから前記一対の基準電極間の基準抵抗値を算出し、
    前記基準抵抗値と前記基準溶接電流の電流値とこの基準
    溶接電流の通電時間とに基いて基準発熱量を算出してお
    き、 前記一対の電極間に前記所定の加圧力で前記供試体とし
    ての複数の電線を加圧した状態で、前記一対の電極間に
    前記基準溶接電流を通電した際に生じる電圧を測定し、
    この電圧と前記基準溶接電流の電流値とから前記一対の
    電極間の抵抗値を算出し、前記抵抗値と前記基準溶接電
    流の電流値とこの基準溶接電流の通電時間とに基いて算
    出される発熱量が、前記基準発熱量と等しくなるための
    目標電流値を算出し、 前記目標電流値を溶接電流の電流値として、前記一対の
    電極間に通電して、前記複数の電線を互いに熱圧着する
    ことを特徴とする抵抗溶接方法。
  8. 【請求項8】 一対の電極間に複数の電線を互いに近づ
    ける方向に加圧した状態で保持して、前記一対の電極間
    に溶接電流を通電し、この溶接電流と前記電線とによっ
    て生じる発熱を利用して、前記複数の電線を互いに熱圧
    着する抵抗溶接方法において、 基準溶接装置の一対の基準電極間に供試体としての複数
    の電線を所定の加圧力で加圧した状態で、前記一対の基
    準電極間に基準溶接電流を通電した際に生じる基準電圧
    を測定し、この基準電圧と前記基準溶接電流の電流値と
    から前記一対の基準電極間の基準抵抗値を算出し、前記
    基準抵抗値と前記基準溶接電流の電流値とこの基準溶接
    電流の通電時間とに基いて基準発熱量を算出しておき、 前記一対の電極間に前記所定の加圧力で前記供試体とし
    ての複数の電線を加圧した状態で、前記溶接電流の電流
    値と、前記一対の電極間に溶接電流を通電した際に生じ
    る電圧及び基準溶接電流の電流値から算出される抵抗値
    と、前記溶接電流の通電時間と、に基いて算出される発
    熱量が、前記基準発熱量と等しくなるように、前記溶接
    電流の電流値と前記溶接電流の通電時間とのうち少なく
    とも一方を制御することを特徴とする抵抗溶接方法。
  9. 【請求項9】 一対の電極間に複数の電線を互いに近づ
    ける方向に加圧した状態で保持して、前記一対の電極間
    に溶接電流を通電し、この溶接電流と前記溶接箇所の抵
    抗とによって生じる発熱を利用して、前記複数の電線の
    溶接箇所を互いに熱圧着する抵抗溶接装置において、 前記一対の電極間に溶接電流を通電させた際に生じる電
    圧を測定する電圧測定手段と、 前記電圧測定手段が測定した電圧と前記溶接電流の電流
    値とから前記一対の電極間の抵抗値を算出し、この抵抗
    値と前記溶接電流の電流値とこの溶接電流の通電時間と
    に基いて発熱量を算出する演算手段と、 前記演算手段が算出した発熱量に基いて、前記電線の溶
    接状態の良否を判定する第1の判定ステップを行う判定
    手段と、を備えたことを特徴とする抵抗溶接装置。
  10. 【請求項10】 一対の電極間に複数の電線を互いに近
    づける方向に加圧した状態で保持して、前記一対の電極
    間に溶接電流を通電し、この溶接電流と前記溶接箇所の
    抵抗とによって生じる発熱を利用して、前記複数の電線
    の溶接箇所を互いに熱圧着する抵抗溶接装置において、 前記一対の電極間に溶接電流を通電させて前記複数の電
    線を互いに熱圧着した際に、前記一対の電極が互いに近
    づく方向に変位する変位量を測定する第2の測定手段
    と、 前記変位量に基いて、前記電線の溶接状態の良否を判定
    する第2の判定ステップを行う判定手段と、を備えたこ
    とを特徴とする抵抗溶接装置。
  11. 【請求項11】 一対の電極間に複数の電線を互いに近
    づける方向に加圧した状態で保持して、前記一対の電極
    間に溶接電流を通電し、この溶接電流と前記溶接箇所の
    抵抗とによって生じる発熱を利用して、前記複数の電線
    の溶接箇所を互いに熱圧着する抵抗溶接装置において、 前記一対の電極間に溶接電流を通電させた際に生じる電
    圧を測定する電圧測定手段と、 前記一対の電極間に溶接電流を通電させて前記複数の電
    線を互いに熱圧着した際に、前記一対の電極が互いに近
    づく方向に変位する変位量を測定する第2の測定手段
    と、 前記電圧測定手段が測定した電圧と前記溶接電流の電流
    値とから前記一対の電極間の抵抗値を算出し、この抵抗
    値と前記溶接電流の電流値とこの溶接電流の通電時間と
    に基いて発熱量を算出する演算手段と、 前記演算手段が算出した発熱量に基いて前記電線の溶接
    状態の良否を判定する第1の判定ステップと、前記変位
    量に基いて前記電線の溶接状態の良否を判定する第2の
    判定ステップと、を行う判定手段と、 を備えたことを特徴とする抵抗溶接装置。
  12. 【請求項12】 互いに熱圧着された電線の、前記一対
    の電極が互いに接離する方向に沿った第1の寸法を測定
    する第3の測定手段と、 互いに熱圧着された電線の、前記一対の電極が互いに接
    離する方向に対し交差する方向に沿った第2の寸法を測
    定する第4の測定手段と、を備え、 前記判定手段は、前記第2の寸法の第1の寸法に対する
    比に基いて、前記電線の溶接状態の良否を判定する第3
    の判定ステップを行うことを特徴とする請求項9ないし
    請求項11のうちいずれか一項に記載の抵抗溶接装置。
  13. 【請求項13】 基準溶接装置の一対の基準電極間に供
    試体としての複数の電線を所定の加圧力で加圧した状態
    で、前記一対の基準電極間に基準溶接電流を通電した際
    に生じる基準電圧を測定し、この基準電圧と前記基準溶
    接電流の電流値とから前記一対の基準電極間の基準抵抗
    値を算出し、前記基準抵抗値と前記基準溶接電流の電流
    値とこの基準溶接電流の通電時間とに基いて基準発熱量
    を算出しておき、 前記演算手段が、前記抵抗値と前記溶接電流の電流値と
    この溶接電流の通電時間とに基づいて算出された発熱量
    が、前記基準発熱量と等しくなるための目標電流値を算
    出し、 前記目標電流値を溶接電流の電流値として、前記一対の
    電極間に通電して、前記複数の電線を互いに熱圧着する
    ことを特徴とする請求項9ないし請求項12のうちいず
    れか一項に記載の抵抗溶接装置。
  14. 【請求項14】 一対の電極間に複数の電線を互いに近
    づける方向に加圧した状態で保持して、前記一対の電極
    間に溶接電流を通電し、この溶接電流と前記溶接箇所の
    抵抗とによって生じる発熱を利用して、前記複数の電線
    を互いに熱圧着する抵抗溶接装置において、 基準溶接装置の一対の基準電極間に供試体としての複数
    の電線を所定の加圧力で加圧した状態で前記一対の基準
    電極間に基準溶接電流を通電した際に生じる基準電圧を
    測定し、この基準電圧と前記基準溶接電流の電流値とか
    ら前記一対の基準電極間の基準抵抗値を算出し、前記基
    準抵抗値と前記基準溶接電流の電流値とこの基準溶接電
    流の通電時間とに基いて基準発熱量を算出しておき、 前記一対の電極間に溶接電流を通電させた際に生じる電
    圧を測定する電圧測定手段と、 前記電圧測定手段が測定した電圧と前記溶接電流の電流
    値とから前記一対の電極間の抵抗値を算出し、この抵抗
    値と前記溶接電流の電流値とこの溶接電流の通電時間と
    に基いて発熱量を算出する演算手段と、 前記演算手段が算出した発熱量が、前記基準発熱量と等
    しくなるように、前記溶接電流の電流値と前記溶接電流
    の通電時間とのうち少なくとも一方を制御する制御手段
    と、を備えたことを特徴とする抵抗溶接装置。
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