JP2001114911A - 自動車内装用表皮材 - Google Patents

自動車内装用表皮材

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JP2001114911A
JP2001114911A JP30032799A JP30032799A JP2001114911A JP 2001114911 A JP2001114911 A JP 2001114911A JP 30032799 A JP30032799 A JP 30032799A JP 30032799 A JP30032799 A JP 30032799A JP 2001114911 A JP2001114911 A JP 2001114911A
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Japan
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polyester block
sheet
polyester
weight
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JP30032799A
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English (en)
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Hideki Koike
秀喜 小池
Yukio Ishihara
幸雄 石原
Haruo Ezaka
春雄 江坂
Kazumasa Chiba
一正 千葉
Teruo Maeyama
輝夫 前山
Takeo Yamamoto
建夫 山本
Takahito Nakamura
高人 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Du Pont Toray Co Ltd
Araco Co Ltd
Kyowa Leather Cloth Co Ltd
Original Assignee
Du Pont Toray Co Ltd
Araco Co Ltd
Kyowa Leather Cloth Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼却時に有害ガスが発生せず、リサイクル性
に優れ天然皮革に近似した風合いを有する熱可塑性樹脂
自動車内装用表皮材を提供する。 【解決手段】 ポリエステルブロック共重合樹脂を主成
分とし、柔軟化成分としてアクリル系コア・シェル共重
合樹脂を含有する、複合樹脂組成物からなることを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、自動車内装用のハ
ロゲン非含有樹脂素材として、表面摩耗性や耐薬品性、
柔軟性に優れたポリエステル系合成皮革自動車内装用表
皮材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車などの内装用に用いら
れる合成皮革類や、シート素材として、軟質ポリ塩化ビ
ニル樹脂が主として用いられ、加工性や塗装性、諸物性
に優れることから永きに亘り使用されてきている。
【0003】しかし、近年環境保全の面からプラスチッ
クの焼却廃棄時に発生する含ハロゲン有機化合物やハロ
ゲン化水素化合物の処理が問題となっており、特定の焼
却設備を要するポリ塩化ビニル樹脂に置き換わるハロゲ
ン非含有樹脂製のシートあるいは合成皮革が求められて
きた。
【0004】自動車の椅子張り用合成皮革は天然皮革外
観を模した凹凸模様(シボ模様と称す)を有することと
天然皮革に近似したしなやかさ、強度が必要とされるこ
との他、ミシン縫製によって椅子形状に沿った成形を施
されるため縫製加工性と縫製強度を要し、レーヨン繊維
やポリエステル繊維の編織布、不織布を裏打ちして強化
され、少なくとも樹脂シート表皮と基布の2層構成体と
なるのが通例である。
【0005】従来の合成皮革は、その表皮材には主とし
て塩化ビニル樹脂が用いられており、ポリエステル繊維
布棉など異種の樹脂素材との積層体であるため、リサイ
クル使用が困難となっている。積層体をそのまま再溶融
加工して再生利用することは、2種の素材の溶融温度、
分解温度、親和性が異なるために事実上困難で、分離加
工を施す必要がある。しかし、繊維毛羽などの完全分離
は難しく、リサイクル製品の著しい物性低下、外観低下
を生じることやコスト的にも障害となる。
【0006】そこで、シート材樹脂を基布として使用す
る繊維布棉の原料であるポリエステル系樹脂に統合する
ことによって、リサイクル可能な積層構成体を作成する
ことが望まれる。しかしながら、繊維用ポリエステルの
ポリエチレンテレフタレート樹脂はフイルム化した場合
は剛直であり、柔軟性がなく合成皮革表皮樹脂として不
適格なものである。
【0007】柔軟性のあるポリエステルすなわちポリエ
ステルエラストマーという観点でポリエステルブロック
共重合体を軟質塩化ビニル樹脂の代替として考えた場
合、ポリエステルブロック共重合体は機械的強度や耐衝
撃性に優れるものの、他の熱可塑性エラストマーに較べ
ると未だ弾性率が高く、比較的硬いため合成皮革用途の
軟質ポリ塩化ビニル樹脂に代替することは困難である。
【0008】軟質ポリ塩化ビニル樹脂はガラス転移温度
が室温付近にあり、室温付近での損失係数が大きく、ゴ
ム的な反発弾性は小さいため、しなやかさにおいて皮革
に近似する特徴を持つ。これに対して、特開昭52−1
38546号公報、特開平2−43251号公報にポリ
エステルブロック共重合体を柔軟化するため可塑剤を配
合し、あるいは天然または合成ゴムを配合するなどの方
法が開示されているが、これらの方法により柔軟化した
樹脂組成物はガラス転移温度が室温より十分低く、室温
付近での損失係数が小さいために、ゴム的反発弾性を生
じ、皮革に近似したしなやかさに欠ける。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、しなやかで
座り心地が良く、耐熱性、耐光性、耐摩耗性、耐油性、
機械的性質に優れ、リサイクル性良好な椅子張り素材を
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らはポリエステ
ルブロック共重合体に軟質ポリ塩化ビニルに似た風合
い、柔軟性を付与すべく鋭意研究した結果、特定のコア
・シェル共重合体を配合したポリエステルブロック共重
合体が、柔軟で弾性率が小さく、軟質ポリ塩化ビニル樹
脂同様、ガラス転移温度が室温付近にあり、室温付近で
の損失係数が大きく、しなやかな風合いを得ることを見
いだし本発明に至った。
【0011】すなわち本発明の主旨は成分(A)ポリエ
ステルブロック共重合体90〜20重量部に成分(B)
アクリル系コア・シェル共重合体10〜80重量部を含
有するポリエステルブロック共重合体組成物に着色剤、
無機充填材、滑剤、光熱安定剤類を混合したポリエステ
ル樹脂組成物を常法により成形加工して得られることを
特徴とする合成皮革にある。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
【0013】本発明に関わるポリエステルエラストマー
製の合成皮革は用途によっては必ずしも繊維状基布を必
要とせず、単独で使用してもよいが、多くは(イ)繊維
状基布と(ロ)飽和ポリエステル樹脂またはイソシアネ
ートを含有する反応性塗料による接着層と(ハ)表皮層
として特定のポリエステルブロック共重合体組成物から
なり、(ハ)ポリエステルエラストマー層の表面に飽和
ポリエステル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、およびポ
リウレタン樹脂などの塗料層を設けてもよい。
【0014】(イ)繊維状基布 繊維状基布は木綿、麻などの天然繊維、ビスコースレー
ヨンなどの再生繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、
ポリエステル繊維などの合成繊維が例示される。繊維
は、短繊維紡績糸条、長繊維糸条などいずれの形状のも
のでもよい。また基布は織物、編み物または不織布ある
いはこれらの複合布のいずれであってもよい。これらの
うちポリエステル繊維布が最も好ましい。 (ロ)接着層 接着層は基布と表皮層を強固に一体化する場合に用い
る。飽和ポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂など
を含有する塗料を基布ないしは表皮シートにロールコー
ターなどで少量塗布加熱乾燥して加工するか、あるいは
ホットメルトコートして用いる。 (ハ)ポリエステルエラストマー表面層 このポリエステルエラストマー表面層はポリエステルブ
ロック共重合体組成物からなり、ポリエステルブロック
共重合体組成物は、主として結晶性芳香族ポリエステル
単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a1)
と、主として脂肪族ポリエーテル単位および/または脂
肪族ポリエステル単位からなる低融点重合体セグメント
(a2)とを主たる構成成分とするポリエステルブロッ
ク共重合体(A)に、ブチルアクリレート単体またはブ
チルアクリレートと2−エチルヘキシルアクリレートの
混合物(b1)、炭素数1〜4のアルキル基を有するア
クリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキル
エステルから選ばれる少なくとも1種の化合物(b
2)、ビニルシアン化合物(b3)、下記構造式(I)
で表されるマレイン酸モノアルキルエステル化合物(b
4)および架橋剤(b5)を乳化重合させてなる重合体
をコアとし、さらに芳香族ビニル化合物(b6)、ビニ
ルシアン化合物(b3)、架橋剤(b5)を重合させて
なる重合体をシェルとしたコア・シェル共重合体(B)
を、1種または2種以上配合してなり、ポリエステルブ
ロック共重合体(A)とコア・シェル共重合体(B)の
配合量が、重量比において(A):(B)=90:10
〜20:80であるものであり、
【0015】
【化1】 (式中、置換基Rは、炭素数10〜24の飽和脂肪族炭
化水素基、不飽和脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基
を表す。) さらに、(A)のポリエステルブロック共重合体組成物
100重量部に、炭酸カルシウム、シリカ、フッ素樹
脂、タルク、マイカから選ばれる1種以上の化合物
(C)および/またはシリコン化合物(D)0.01〜
20重量部を配合すること、さらに、(A)のポリエス
テルブロック共重合体組成物100重量部に、難燃剤
(E)として表面を樹脂で覆うことによってマイクロカ
プセル化した赤燐、ポリリン酸アンモニウム化合物、有
機リン酸化合物、有機亜リン酸化合物から選ばれる1種
以上の化合物を0.01〜50重量部配合すること、さ
らに、前記コア・シェル共重合体(B)における、(b
1)の共重合量が40〜80重量%、(b2)の共重合
量が3〜35重量%、(b3)の共重合量が4〜30重
量%、(b4)の共重合量が0.5〜8重量%、架橋剤
(b5)の共重合量が0.25〜8重量%、芳香族ビニ
ル化合物(b6)の共重合量が3〜20重量%であるこ
と、さらに、コア重合体100重量部に対して、芳香族
ビニル化合物(b6)を6〜20重量部、ビニルシアン
化合物(b3)を3〜12重量部、架橋剤(b5)を
0.05〜1重量部を重合させてなる重合体をシェルと
したコア・シェル共重合体であること、さらに、前記混
合物(b1)における2−エチルヘキシルアクリレート
の量が40重量%以下であること、さらに、構造式
(I)における置換基Rが炭素数10〜24の飽和脂肪
族炭化水素基、不飽和脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水
素基から選ばれた基であること、さらに、前記架橋剤
(b5)が多価アルコールのジアクリレートまたはトリ
アクリレート、多価アルコールのジメタクリレートまた
はトリメタクリレート、芳香族ジビニル化合物から選ば
れる1種以上の化合物であること、さらに、前記高融点
結晶性重合体セグメント(a1)が、主にポリブチレン
テレフタレート単位で構成されること、さらに、前記低
融点重合体セグメント(a2)がポリ(テトラメチレン
オキシド)グリコール単位で構成されること、さらに、
前記ポリエステルブロック共重合体(A)における低融
点重合体セグメント(a2)の共重合量が40〜90重
量%であること、がいずれも好ましい条件であり、これ
らの条件を適用することにより、一層優れた効果の取得
を期待することができる。
【0016】本発明に用いられるポリエステルブロック
共重合体(A)の高融点結晶性重合体セグメント(a
1)は、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性
誘導体と脂肪族ジオールから形成されるポリエステルで
あり、好ましくはテレフタル酸および/またはジメチル
テレフタレートと1,4−ブタンジオールから誘導され
るポリブチレンテレフタレートであるが、この他に、イ
ソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボ
ン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル
−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカル
ボン酸、5−スルホイソフタル酸あるいはこれらのエス
テル形成性誘導体などのジカルボン酸成分と、分子量3
00以下のジオール、例えば、エチレングリコール、ト
リメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘ
キサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デ
カメチレングリコールなどの脂肪族ジオール、1,4−
シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメチ
ロールなどの脂環式ジオール、キシリレングリコール、
ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒ
ドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホン、1,
1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]
シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシ−p−ターフ
ェニル、4,4’−ジヒドロキシ−p−クオーターフェ
ニルなどの芳香族ジオールなどから誘導されるポリエス
テル、あるいはこれらのジカルボン酸成分およびジオー
ル成分を2種以上併用した共重合ポリエステルであって
も良い。また、3官能以上の多官能カルボン酸成分、多
官能オキシ酸成分および多官能ヒドロキシ成分などを5
モル%以下の範囲で共重合することも可能である。
【0017】本発明に用いられるポリエステルブロック
共重合体(A)の低融点重合体セグメント(a2)は、
脂肪族ポリエーテルおよび/または脂肪族ポリエステル
である。脂肪族ポリエーテルとしては、ポリ(エチレン
オキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グ
リコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコー
ル、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチ
レンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、ポリ
(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド
付加重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの
共重合体などが挙げられる。また、脂肪族ポリエステル
としては、ポリ(ε−カプロラクタム)、ポリエナント
ラクトン、ポリカプロラクタム、ポリブチレンアジペー
ト、ポリエチレンアジペートなどが挙げられる。これら
の脂肪族ポリエーテルおよび/または脂肪族ポリエステ
ルのなかで得られるポリエステルブロック共重合体の弾
性特性からポリ(テトラメチレンオキシド)グリコー
ル、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレン
オキシド付加物、ポリ(ε−カプロラクタム)、ポリブ
チレンアジペート、ポリエチレンアジペートなどが好ま
しく、これらの中でも特にポリ(テトラメチレンオキシ
ド)グリコールが好ましい。また、これらの低融点重合
体セグメントの数平均分子量としては共重合された状態
において300〜6000程度であることが好ましい。
【0018】本発明に用いられるポリエステルブロック
共重合体(A)における低融点重合体セグメント(a
2)の共重合量は、好ましくは40〜90重量%で、さ
らに好ましくは50〜85重量%である。
【0019】本発明に用いられるポリエステルブロック
共重合体(A)は公知の方法で製造することができる。
例えば、ジカルボン酸の低級アルコールジエステル、過
剰量の低分子量グリコール、および低融点重合体セグメ
ント成分を触媒の存在下エステル交換反応せしめ、得ら
れる反応生成物を重縮合する方法。あるいはジカルボン
酸と過剰量のグリコールおよび低融点重合体セグメント
成分を触媒の存在下エステル化反応せしめ、得られる反
応生成物を重縮合する方法。また、あらかじめ高融点結
晶性セグメントを作っておき、これに低融点セグメント
成分を添加してエステル交換反応によりランダム化せし
める方法、高融点結晶性セグメントと低融点重合体セグ
メントを鎖連結剤でつなぐ方法。さらにポリ(ε−カプ
ロラクタム)を低融点重合体セグメントに用いる場合
は、高融点結晶性セグメントにε−カプロラクタムモノ
マを付加反応させるなど、いずれの方法をとってもよ
い。
【0020】本発明に用いられるコア・シェル共重合体
(B)は、ブチルアクリレート単体またはブチルアクリ
レートと2−エチルヘキシルアクリレートの混合物(b
1)、炭素数1〜4のアルキル基を有するアクリル酸ア
ルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステルか
ら選ばれる少なくとも1種の化合物(b2)、ビニルシ
アン化合物(b3)、下記構造式(I)で表されるマレ
イン酸モノアルキルエステル化合物(b4)および架橋
剤(b5)を乳化重合させてなる重合体をコアとし、さ
らに芳香族ビニル化合物(b6)、ビニルシアン化合物
(b3)、架橋剤(b5)を重合させてなる重合体をシ
ェルとしたコア・シェル共重合体であるが、このコア・
シェル共重合体(B)のコアを構成する、炭素数1〜4
のアルキル基を有するアクリル酸エステルおよびメタク
リル酸エステル(b2)としては、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチ
ルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレ
ートなどが挙げられるが、メチルアクリレート、エチル
アクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリ
レートが好ましく使用できる。
【0021】
【化2】 (式中、置換基Rは、炭素数10〜24の飽和脂肪族炭
化水素基、不飽和脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基
である)
【0022】本発明に用いられるコア・シェル共重合体
(B)を構成するビニルシアン化合物(b3)として
は、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどが使
用できる。
【0023】本発明に用いられるコア・シェル共重合体
(B)を構成するマレイン酸モノアルキルエステル化合
物(b4)は、前記構造式(I)で表され、飽和脂肪族
炭化水素基としては、ラウリル基、ウンデカニル基、ミ
リスチル基、 パルミチル基、ヘプタデカニル基、ステ
アリル基、アラキジル基、べヘニル基などが挙げられ
る。不飽和脂肪族炭化水素基としては、パルミトレイル
基、ヘプタデセニル基、オレイル基、エイコセニル基、
エノレシル基、リノール基、リノレン基、などが挙げら
れる。また、芳香族炭化水素基としては、フェニルプロ
パン基、フェニルスルホン基、キシリル基、ナフチル基
などが挙げられる。さらにアルカリ金属としてはナトリ
ウム、カリウムなどが挙げられる。
【0024】本発明に用いられるコア・シェル共重合体
(B)を構成する架橋剤(b5)としては、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、2、3プロパンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、グリセリン等の多価アルコールのジアクリレートお
よびまたはトリアクリレート、同様の多価アルコールの
ジメタクリレートおよびまたはトリメタクリレート、ジ
ビニルベンゼン、ジビニルトルエン等の芳香族ジビニル
化合物が挙げられる。
【0025】本発明に用いられるコア・シェル共重合体
(B)を構成する芳香族ビニル化合物(b6)として
は、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレ
ン、m−メトキシスチレン、N,N−ジメチル−p−ア
ミノスチレン、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。
【0026】本発明に用いられるコア・シェル共重合体
(B)を構成するブチルアクリレート単体またはブチル
アクリレートと2−エチルヘキシルアクリレートの混合
物(b1)の共重合量は、コア・シェル共重合体(B)
100重量%あたり40〜80重量%であることが好ま
しい、ブチルアクリレート単体またはブチルアクリレー
トと2−エチルヘキシルアクリレートの混合物(b1)
の共重合量が40重量%未満の場合、コア・シェル共重
合体(B)の柔軟性が不足し、本発明の目的であるポリ
エステルブロック共重合体組成物の柔軟化が十分達成で
きない。また、ブチルアクリレート単体または2−エチ
ルヘキシルアクリレートの混合物(b1)の共重合量が
80重量%を越える場含、コア・シェル共重含体(B)
の粘着性が著しくなるため、本発明のポリエステルブロ
ック共重合体組成物が粘着性を有し、目的とする軟質ポ
リ塩化ビニル樹脂に類似した風合いが達成できない。
【0027】本発明に用いられるコア・シェル共重合体
(B)を構成するブチルアクリレート単体またはブチル
アクリレートと2−エチルヘキシルアクリレートの混合
物(b1)における2−エチルヘキシルアクリレートの
量は、40重量%以下であることが好ましい。2−エチ
ルヘキシルアクリレートの量が40重量%を越える場
合、コア・シェル共重合体(B)の粘着性が著しくなる
ため、本発明のポリエステルブロック共重合体組成物が
粘着性を有し、目的とする軟質ポリ塩化ビニル樹脂に類
似した風合いが達成できない。
【0028】発明に用いられるコア・シェル共重合体
(B)を構成するシェルは、コア重合体100重量部に
対して、芳香族ビニル化合物(b6)を6〜20重量
部、ビニルシアン化合物(b3)を3〜12重量部、架
橋剤(b5)を0.05〜1重量部を重合させてなるこ
とが好ましい。シェル重合体を構成する芳香族ビニル化
合物(b6)またはビニルシアン化合物(b3)の量が
少ない場合、コア・シェル共重合体(B)のポリエステ
ルブロック共重合体(A)への分散が劣り、それらから
なるポリエステルブロック共重合体組成物の強度が著し
く低下する。また、シェル重合体を構成する芳香族ビニ
ル化合物(b6)またはビニルシアン化合物(b3)の
量が多い場合、コア・シェル共重合体(B)の柔軟性が
不足し、本発明の目的であるポリエステルブロック共重
含体組成物の柔軟化が十分達成できない。
【0029】本発明のポリエステルブロック共重合体
(A)に配合するコア・シェル共重合体(B)の配合量
は、重量比において(A):(B)=90:10〜2
0:80であることが好ましい。(B)コア・シェル共
重合体の配合量が、この範囲より少ない場合、本発明の
目的であるポリエステルブロック共重合体組成物の柔軟
化が十分達成できない。また、(B)コア・シェル共重
合体の配合量が、この範囲より多い揚合、ポリエステル
ブロック共重合体組成物の強度が低下するため好ましく
ない。
【0030】本発明に用いられる炭酸カルシウム、シリ
カ、フッ素樹脂、マイカから選ばれる1種以上の化合物
(C)および/またはシリコーン化合物(D)は、ポリ
エステルブロック共重合体(A)とコア・シェル共重合
体(B)の配合量が、重量比において(A):(B)=
90:10〜20:80であるポリエステルブロック共
重合体組成物100重量部に、好ましくは0.01〜2
0重量部、さらに好ましくは0.05〜15重量部を配
合する。これらを配合することによって、本発明のポリ
エステルブロック共重合体組成物が有する軟質ポリ塩化
ビニル樹脂類似の粘着性のない滑らかな風合いがさらに
強調される。これらの炭酸カルシウム、シリカ、フッ素
樹脂、マイカから選ばれる1種以上の化合物(C)およ
び/またはシリコーン化合物(D)は公知の材料を使用
することができる。シリコーン化合物としては、シリコ
ーンオイルやガム状シリコーン樹脂やシリコーン樹脂な
ども使用できる。
【0031】本発明のポリエステルブロック共重合体組
成物は難燃性に優れた軟質ポリ塩化ビニル樹脂代替を目
的とするため、難燃性が要求される用途においては難燃
剤を配合して、難燃性を付与する必要がある、一方、本
発明のポリエステルブロック共重合体組成物はハロゲン
原子を含まない樹脂であることを特徴としているため、
従来の有機ハロゲン化合物と三酸化アンチモンの併用に
よる難燃化ではなく、難燃剤(E)としては、表面を樹
脂で覆うことによってマイクロカプセル化した赤燐、ポ
リリン酸アンモニウム化合物、トリメチルフォスフェー
ト、トリフェニルフォスフェートなどのような有機リン
酸化合物、トリメチルフォスファイト、トリフェニルフ
ォスファイトなどのような有機亜リン酸化合物から選ば
れる1種以上の化合物が好ましい。これらの難燃剤
(E)は、ポリエステルブロック共重合体(A)とコア
・シェル共重合体(B)の配合量が、重量比において
(A):(B)=90:10〜20:80であるポリエ
ステルブロック共重合体組成物100重量部に、好まし
くは0.01〜50重量部、さらに好ましくは0.05
〜30重量部を配合する。
【0032】本発明のポリエステルブロック共重合体組
成物の製造方法は特に限定されるものではないが、例え
ば、ポリエステルブロック共重合体(A)、コア・シェ
ル共重合体(B)、必要に応じて炭酸カルシウム、シリ
カ、フツ素樹脂、タルク、マイカから選ばれる1種以上
の化合物(C)、シリコン化合物(D)および表面を樹
脂で覆うことによつてマイクロカプセル化した赤燐、ポ
リリン酸アンモニウム化合物、有機リン酸化合物、有機
亜リン酸化合物から選ばれる1種以上の難燃剤(E)を
はじめとする他の添加剤を一緒に配合した原料をスクリ
ュー型押出に供給し溶融混練する方法、およびスクリュ
ー型押出機にポリエステルブロック共重合体(A)を供
給して溶融し、さらに他の供給口からコア・シェル共重
合体(B)および他の添加剤を供給混練する方法、スク
リュー型押出機にコア・シェル共重合体(B)を供給し
て溶融し、さらに他の供給口からポリエステルブロック
共重合体(A)および他の添加剤を供給混練する方法が
挙げられる。また、ポリエステルブロック共重合体
(A)、コア・シェル共重合体(B)以外の添加剤のす
べてあるいは一部を、あらかじめポリエステルブロック
共重合体(A)あるいはコア・シェル共重合体(B)に
配合し、さらにそれらをスクリュー型押出機において溶
融混合することも可能である。
【0033】また本発明のポリエステルブロック共重合
体組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、公知
のヒンダードフェノール系、ホスファイト系、チオエー
テル系、芳香族アミン系などの酸化防止剤、ベンゾフェ
ノン系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系な
どの耐光剤、顔料、染料などを任意に含有せしめること
ができる。
【0034】かかる混合樹脂組成物は、溶融成形される
が、たとえば、該混合樹脂組成物はエクストルーダーな
どに導入し、加熱溶融してTダイでシート状に押出し
て、繊維布綿やプラスチツク基材と加圧状態でプレス圧
着する、いわゆる溶融押出し法や、また、該混合樹脂組
成物を加熱された二本の金属ロール間で溶融混練し、加
熱カレンダーを通して、所定の厚みにシート化する、い
わゆるカレンダー法などによりシート化されるが、公知
の他の成形方法(プラスチック成型を含む)を採用する
こともでき、特に限定されるものではない。
【0035】本発明の成形表皮材表面には、目的に応じ
て樹脂加工を施すことができる。かかる樹脂加工とは、
耐スクラッチ性あるいは皮革様の表面タッチを付与する
もので、好ましくはウレタン系樹脂を使用する。
【0036】かかる樹脂加工は、グラビアコーター、ナ
イフコーターなどの公知の方法で実施することができ
る。樹脂加工での樹脂層の厚さは、好ましくは3〜40
μm、さらに好ましくは5〜20μmの範囲がよい。
【0037】本発明のポリエステル系天然皮革調シート
の表面に皮革様の模様を付与する方法としては、たとえ
ば、当該混合樹脂組成物の溶融シートと基材とのプレス
圧着時に、同時に、皮革模様を有するエンボスロールや
雌型紙を用いて付与するか、あるいは、当該混合樹脂組
成物をシート化したのちに、このシートを加熟しなが
ら、前記エンボスロールや離型紙を用いて付与すること
ができる。いずれにしても、これら公知の方法を採用し
て模様を付与することができる。
【0038】また、本発明の混合樹脂組成物は、本発明
の効果を疎外しない範囲内で、他の樹脂、着色剤、難燃
剤、抗薗剤、吸放湿剤、増量剤や紫外線吸収剤などを混
合してもよい。
【0039】
【実施例】以下、実施例により本発明の効果を説明す
る。なお、実施例中の%および部数とは、ことわりのな
い場合すべて重量基準である。
【0040】例中に示される物性の評価方法の詳細は以
下の通りである。 (1)硬度:JISK−6301(A規格)に準拠。硬
度測定のための試験片は工程1(熱可塑性エラストマー
の製造)で得られたぺレットを2mm厚みに圧縮成形
し、これを3枚重ねた。 (2)シートの柔軟性:粘弾性測定装置(レオロジー社
製DVE Rheospectoler DVE−V4
型)3℃/分の昇温速度で加熱したときの弾性率、損失
率を測定した。 (3)機械的物性試験引張強度、伸度、引裂き強度、剥
離強度は、JISK6772のビニルレザークロス試験
法に準拠。20℃、65%RHの条件下で引張り速度2
00mm/分で引張試験を行い測定した。 (4)熱安定性試験シートを100℃に加熱したギアオ
ーブン(東洋精機製)中に600時間保存した後、ダン
ベル片を切り取り、引張強度、引張破断伸びから熱安定
性を評価した。 (5)耐光性試験シートをキセノンアーク灯式ウェザー
メーター(アトラス社製Ci65)中で200MJまで
光照射した後、ダンベル片を切り取り、引張強度と破断
伸びから耐光性を評価した。 (6)湿熱老化性試験シートを70℃95%RHに設定
した低温恒温恒湿機(田葉井製作所製)中で600時間
保存した後、ダンベル片を切り取り、引張強度と破断伸
びから耐湿熱性を評価した。 (7)耐磨耗性試験は6号綿帆布、1kg荷重下で繰り
返し平面摩擦を加え、1万回摺動させ、基布露出なしを
○、ありを×として評価した。 (8)耐寒試験はJISK6772に準拠。−35℃で
亀裂なしを○、有りを×とした。 (9)揉み試験JISK6772に準拠し1kgf荷重
で1,000回で異常なしを○、有りを×とした。
【0041】シート状成形体の原材料 (A)成分 テレフタル酸234部、1,4−ブタンジオール215
部および数平均分子量約2000のポリ(テトラメチレ
ンオキシド)グリコール723部にチタンテトラブトキ
シド2部添加して合成したポリエステルブロック共重合
体(A−1) (B)成分 水37.3kg、マレイン酸ヘキサデシルモノエステル
0.46kg、水酸化カリウム50%水溶液0.16k
g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.031
kg、ブチルアクリレート9kg、メチルアクリレート
2.6kg、アクリロニトリル1.3kg、1,4−ブ
タンジオールジメタクリレート0.19kg、t−ドデ
シルメルカブタン0.039kg、過硫酸カリウム0.
029kgを反応容器に仕込み、60℃で2時聞30分
反応させ得られたコア重合体のラテックスにスチレン
2.7kg、アクリロニトリル0.74kg、ジビニル
ベンゼン0.025kg、t−ドデシルメルカプタン
0.005kgを反応容器に追加し、反応をおこなうこ
とによつて得たコア・シェル共重合体(B−1) その他の任意成分 炭酸カルシウム(C)及びシリコン樹脂(D)及び耐候
安定剤、酸化防止剤、顔料など各種添加剤。
【0042】シート状成形体の製造 (1)成形 上記熱可塑性エラストマーは、所望により上記成分
(A)〜(D)を配合した後、シート状に成形される。
一般的にはカレンダーロール、Tダイ若しくは環状ダイ
を装着した押出機、プレス成形機を用いて常法によりシ
ート状に成形される。シボ付け(エンボス模様加工)に
はカレンダーロール、Tダイを装着した押出機等から成
形されたシートをそのまま溶融あるいは半溶融状態でシ
ボ付け(エンボス模様加工)用ロールとゴムロール等の
圧着ロールの間を通す方法、予め、巻き取ったシートを
加熱ドラム、赤外線ヒーターにより再加熱し同様にシボ
付け(エンボス模様)加工用ロールとゴムロール等の圧
着ロールの間を通す方法、断続的に(シボ)エンボス模
様を付した金型を用いてシートをプレスする方法が採用
される。また、(シボ)エンボス模様を付した雌金型を
用い真空成形によりシートの賦形と同時にシボ付け(エ
ンボス模様加工)する方法も含まれる。更に、このシボ
付き(エンボス模様加工が施された)シートに発泡体等
を積層し雌引きの真空成形等により賦形されたものも本
発明に含まれる。なお、シボ(エンボス模様)とは、シ
ートの表面が皮革状あるいは幾何学状等の凹凸の浮き出
し模様にエンボス加工された状態である。 (2)シート状成形体 シートとは厚みが通常0.05〜10mm程度のもので
ある。該シートには、発泡体、織布、不織布、綿布、紙
等を積層することもでき、また、シートの少なくとも一
面にコート層を塗布することもできる。更に、これらシ
ート及びその積層体を真空成形、圧空成形等により、賦
形させたものも本発明に含まれるものである。 (3)用途 本発明の自動車内装用表皮材は、皮革状あるいは幾何学
状等の凹凸の浮き出し模様を施したシボ付き(エンボス
模様加工の施された)のシート状成形体で、例えば、内
装用表皮材、特に自動車部品において内装部材に使用さ
れるシート状表皮材、具体的には、インストルメントパ
ネル、ドアトリム、コンソールボックス、天井用シー
ト、ハンドルパッド等の表皮材や、座席用シート等に使
用することができる。
【0043】実施例1 ポリエステルブロック共重合体(A−1)に、コア・シ
ェル共重合体(B−1)と炭酸カルシウム(C成分:丸
尾カルシウム社製スーパーS)とシリコン樹脂(D成
分:東レ・ダウコーニング社製BY270106)と顔
料、安定剤類を表1に示す配合比率でV−ブレンダーを
用いて混合し、直径45mm3条ネジタイプのスクリュ
ーを有する2軸押出機を用いて210℃で溶融混練し、
ペレット化した(工程1:ポリエステルエラストマーの
製造)。このポリエステルエラストマーペレットを40
mmφTダイ押出し成形機(サーモプラスチック工業社
製、L/D28単軸スクリュー押出し機)を用いて、2
00℃の温度で1.0mm厚みのシートを作成した(工
程2−1:シート状成形物の製造)。シートを5mm幅
x30mm長のタンザク状に切り出し試験片とした。こ
の試験片を用いて測定した物性を表1に示す。
【0044】実施例2 表1に示すように、(A−1)成分および(B−1)成
分の配合比が異なるほかは、実施例1と同様の実験を行
った。得られた物性を表1に示す。
【0045】比較例1 表1に示すように、(A−1)成分、(B−1)成分、
C成分、D成分の4成分のうち(A−1)成分のみを使
用することのほかは、実施例1と同様の実験を行った。
得られた物性を表1に示す。
【0046】比較例2 椅子貼り用合成皮革として実用されている軟質塩化ビニ
ル樹脂シート配合(共和レザー社製ビニラー配合)を6
インチ径のミルロールで170℃の表面温度で混錬後、
170℃の熱プレスにて1.0mm厚みにシート成形し
試料とした。実施例1と同様の試験片を作成して得られ
た物性を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】実施例に示す本発明のポリエステルブロッ
ク共重合体組成物は、べースとなるポリエステルブロッ
ク共重合体にくらべて室温付近の弾性率が小さくなって
おり、柔軟化していることがわかる。また、室温付近の
損失率が大きく、反発弾性が低いことが明らかある。
【0049】比較例に示す市販ポリエステルエラストマ
ーは室温付近の弾性率が高く、損失率も低いことから、
自動車内装用椅子貼り材の樹脂として不十分なレベルで
あることが明らかである。
【0050】したがって、本発明のポリエステルブロッ
ク共重合体組成物は、柔軟で弾性率が小さいだけでな
く、軟質ポリ塩化ビニル樹脂同様、滑らかで、かつしな
やかな風合いを有する。
【0051】実施例3 前記実施例1の工程1と全く同様にしてポリエステルエ
ラストマーを製造した後、上記実施例1の工程2−1と
同様に90mmφTダイ押出し成形機を用いて200℃
の温度で0.7mm厚みのシートを製造した。このシー
トにウレタン系トップコート(セイコー化成(株)製ラ
ックスキンU803)をウェット付量40g/mロー
ルコーターにて塗布乾燥しツヤ調整を施した後、赤外線
加熱ヒーターつきラミネート絞押し機を用いて1.4m
m厚みのシボつきシートを製造した(工程2−2:シボ
付きシートの製造)。このシボつきシートをダンベル1
号形状に打ち抜き老化試験を実施した。結果を表2に示
す。
【0052】比較例3 成形椅子用の軟質PVCシート(1.8mm厚シボつき
熱成形用シート、共和レザー株式会社製)を用いて、実
施例3と同様の老化試験を行った。結果を表2に示す。
【0053】
【表2】
【0054】実施例3および比較例3より、長期使用に
も問題のないことを確認した。
【0055】実施例4 前記実施例1の工程1と全く同様にしてポリエステルエ
ラストマーを製造した後、上記実施例1の工程2−1と
同様に90mmφTダイ押出し成形機を用いて200℃
の温度で0.3mm厚みのシートを製造した。このシー
トにウレタン系トップコート(セイコー化成(株)製ラ
ックスキンU551M)をウェット付量40g/m
ールコーターにて塗布乾燥後、ロールコーターつき熱ド
ラム式ラミネーターを用い、シート裏面にウレタン系接
着剤(大日精化製セイカボンドHW311)をウェット
付量40gr/m塗布し、ポリエステル繊維糸30番
手の両面メリヤス基布とラミネートした後、さらに、こ
のシートにウレタン系トップコート4、赤外線加熱ヒー
ターつきレザー絞押し機を用いて製造した(工程2−
3:レザー調基布つきシートの製造)。得られた基布つ
きレザーをJISのビニルレザー試験法に準じ実施し
た。結果を表3に示す。
【0056】比較例4 軟質PVCレザー(自動車メインシート用レーヨン糸3
0番手両面メリヤス貼合せレザー、共和レザー株式会社
製)を用いて、実施例4と同様の試験を行った。結果を
表3に示す。
【0057】
【表3】
【0058】実施例4および比較例4より、本発明品は
汎用レザーの性能と同等であり、自動車内装用椅子貼り
材として十分満足できる結果を得た。
【0059】
【発明の効果】本発明のポリエステル系シート状物は、
焼却時にも有害ガスが発生せず、リサイクル性にも優れ
天然皮革に近似した風合いを有し、耐熱性、耐光性、耐
摩耗性も高く、内装材料、特に自動車内装部材、例えば
インストルメントパネル、ドアトリム、コンソールボッ
クス、座席用レザーシートなどに有利に使用することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 55/02 C08L 55/02 67/02 67/02 // B60R 13/02 B60R 13/02 B (72)発明者 石原 幸雄 愛知県豊田市吉原町上藤池25番地 アラコ 株式会社内 (72)発明者 江坂 春雄 愛知県豊田市吉原町上藤池25番地 アラコ 株式会社内 (72)発明者 千葉 一正 愛知県名古屋市港区本星崎町字北3804番地 19 東レ・デュポン株式会社名古屋事業場 内 (72)発明者 前山 輝夫 愛知県名古屋市港区本星崎町字北3804番地 19 東レ・デュポン株式会社名古屋事業場 内 (72)発明者 山本 建夫 静岡県浜松市東町1876番地 共和レザー株 式会社内 (72)発明者 中村 高人 静岡県浜松市東町1876番地 共和レザー株 式会社内 Fターム(参考) 3D023 BA01 BB08 BC01 BD03 BE04 BE06 BE31 4F071 AA31 AA44 AA75 AE05 AE09 AH11 BB04 BB06 BC01 4F100 AK01B AK25A AK25J AK41A AK41J AK52 AL01A AL02A AL05A BA02 CA05A CA13A CA23A DG11B DJ01B GB33 JL00 JL16 4J002 BN12X CF17W DA057 DE236 DH057 DJ016 DJ046 DJ056 EW047 EW067 FB287 FD016 FD030 FD090 FD137 FD140 GN00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルブロック共重合体(A)と
    アクリル系コア・シェル共重合体(B)の配合量が、重
    量比において(A):(B)=90:10〜20:80
    であるポリエステルブロック共重合体組成物を主成分と
    することを特徴とする自動車内装用表皮材。
  2. 【請求項2】 ポリエステルブロック共重合体(A)と
    アクリル系コア・シェル共重合体(B)の配合量が、重
    量比において(A):(B)=90:10〜20:80
    であるポリエステルブロック共重合体組成物に、着色
    剤、安定剤、充填材を添加してなる混合樹脂組成物から
    なることを特徴とする自動車内装用表皮材。
  3. 【請求項3】 前記ポリエステルブロック共重合体が、
    樹脂組成物のシート再生物を含有することを特徴とする
    請求項1または2記載の自動車内装用表皮材。
  4. 【請求項4】 前記自動車内装用表皮材に、繊維布また
    はプラスチックフォームを基材として積層したことを特
    徴とする自動車内装用積層体。
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