JP2001076875A - 有機電界発光素子 - Google Patents

有機電界発光素子

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JP2001076875A
JP2001076875A JP24744599A JP24744599A JP2001076875A JP 2001076875 A JP2001076875 A JP 2001076875A JP 24744599 A JP24744599 A JP 24744599A JP 24744599 A JP24744599 A JP 24744599A JP 2001076875 A JP2001076875 A JP 2001076875A
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organic
organic electroluminescent
cyanocoumarin
light emitting
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Makoto Satsuki
真 皐月
Akira Jinpo
昭 神宝
Sadaji Suga
貞治 菅
Seiji Tokito
静士 時任
Hisayoshi Fujikawa
久喜 藤川
Koji Noda
浩司 野田
Atsushi Miura
篤志 三浦
Yasunori Taga
康訓 多賀
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Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo KK
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Hayashibara Biochemical Laboratories Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光効率と耐久性に優れた、色純度の良い
有機EL素子とその用途を提供することを課題とする。 【解決手段】特定の構造の4−シアノクマリン誘導体を
含んでなる有機EL素子と、その有機EL素子を用いる
発光体及び情報表示機器をそれぞれ提供することによっ
て解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は有機電界発光素子
(以下、「有機EL素子」と略記する。)に関するもの
であり、詳細には、新規なクマリン誘導体を含んでなる
有機EL素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】情報化時代と形容される昨今にあって
は、できるだけ多くの情報を正確且つ快適に表示すべ
く、情報表示素子への革新的要求は止まるところをしら
ない。現在、コンピューター端末機やテレビジョン受像
機などの比較的大型の情報表示機器においては、主とし
て、ブラウン管が用いられているけれども、ブラウン管
は体積、重量ともに大きく、動作電圧も高いので、民生
用機器や携帯性を重視する小形の機器には適さない。小
形機器には、もっと薄く、軽量の平板状であって、動作
電圧が低く、消費電力の小さいものが必要とされる。現
在では、液晶素子が、動作電圧が低く、消費電力が比較
的小さい点が買われて、多方面で頻用されるようになっ
た。しかしながら、液晶素子を用いる情報表示機器は、
見る角度によってコントラストが変わるので、ある角度
の範囲で読み取らないと明瞭な表示が得られないうえ
に、通常、バックライトを必要とするので、消費電力が
それほど小さくならないという問題がある。これらの問
題を解決する表示素子として登場したのが有機EL素子
である。
【0003】有機EL素子は、通常、陽極と陰極との間
に発光剤を含有する薄膜を介挿してなり、その陽極と陰
極との間に直流電圧を印加して薄膜に正孔及び電子をそ
れぞれ注入し、それらを互いに再結合させることによっ
て発光剤の励起状態を作出し、その励起状態が基底状態
に戻るときに放出される蛍光や燐光などの発光を利用す
る発光素子である。有機EL素子は、適切なホスト発光
剤を選択するとともに、そのホスト発光剤に組合せるゲ
スト発光剤(ドーパント)を変更することにより、発光
の色調を適宜に変えることができる特徴がある。また、
ホスト発光剤とゲスト発光剤の組合せによっては、発光
の輝度と寿命を大幅に向上できる可能性がある。そもそ
も、有機EL素子は自ら発光する素子なので、これを用
いる情報表示機器は視野角依存性がないうえに、バック
ライトが不要なので、消費電力を小さくできる利点があ
り、原理的に優れた発光素子であると言われている。
【0004】これまで、緑色域で発光する有機EL素子
においては、ゲスト発光剤の配合による発光効率の改善
が報告されているけれども、赤色域の発光においては、
未だ効果的なゲスト発光剤が見出されておらず、依然と
して、完全な赤色発光とは程遠く、発光寿命が短かく、
耐久性においても信頼性においても不充分な状況にあ
る。例えば、特開平10−6042号公報及び米国特許
第4769292号明細書に開示された有機EL素子
は、輝度が充分でないうえに、発光が完全な赤色ではな
いことから、フルカラーを実現するうえでなお問題があ
ると言わざるを得ない。
【0005】さらに、有機EL素子を廉価に供給するに
は、単に、素子全体の構造を簡素化したり、製造の際の
蒸着操作を容易ならしめるというだけではなく、ゲスト
発光剤によるドーピングを本質的に必要としない発光剤
を見出すことが肝要である。有機EL素子に用いる発光
剤については、従来より諸種の提案がなされているけれ
ども、上述のごとき諸要件を充足する化合物は未だ見出
されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】斯かる状況に鑑み、こ
の発明の課題は、可視領域、とりわけ、赤色域における
発光の色純度が良く、発光効率と耐久性に優れた有機E
L素子とその用途を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題を解決すべく、
本発明者らが鋭意研究し、検索した結果、3位に水素原
子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アリール
基、アルキル基、アルコキシ基、複素環基又は多環式芳
香族炭化水素の1価基のいずれかを有し、かつ、6乃至
8位の炭素を含んでユロリジン環を形成してなる一連の
4−シアノクマリン誘導体は、可視領域に顕著な発光能
を有し、有機EL素子における発光剤として極めて有用
であることを見出した。さらに、斯かるクマリン誘導体
を含んでなる有機EL素子は、直流電圧を印加すると、
色純度に優れた発光を効率良く、しかも、長期間に亙っ
て持続することを確認した。この発明は、新規なクマリ
ン誘導体の創製と、その産業上有用な特性の発見に基づ
くものである。
【0008】
【発明の実施の形態】この発明の有機EL素子は、化1
で表される4−シアノクマリン誘導体を含んでなるもの
である。
【0009】
【化1】
【0010】化1において、R1乃至R4は、それぞれ独
立に、アルキル基又はアルコキシ基を表す。R1乃至R4
がアルキル基である場合の鎖長としては、炭素数3ま
で、通常、炭素数1又は2のメチル基及びエチル基から
選択される。アルコキシ基としては、炭素数3まで、通
常、炭素数1又は2のメトキシ基及びエトキシ基が選択
される。
【0011】さらに、化1において、Xは水素原子、シ
アノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アリール基、アル
キル基、アルコキシ基、複素環基又は多環式芳香族炭化
水素の1価基を表し、その複素環基は置換基を1又は複
数有していてもよい。個々のアリール基としては、例え
ば、フェニル基、ジフェニル基及びターフェニル基など
が挙げられ、また、アルキル基としては、炭素数3ま
で、通常、炭素数1又は2のメチル基及びエチル基から
選択される。アルコキシ基としては、炭素数3まで、通
常、炭素数1又は2のメトキシ基及びエトキシ基から選
択される。複素環基としては、酸素原子、硫黄原子及び
/又は窒素原子を1個以上含むものが望ましく、個々の
複素環基としては、例えば、ベンゾチアゾリル基、ナフ
トチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基及びベンゾイミ
ダゾリル基などが挙げられる。また、多環式芳香族炭化
水素の1価基としては、例えば、ナフチル基、アントラ
セニル基、フェナントリル基などが挙げられる。なお、
複素環基の置換基としては、例えば、メトキシ基、エト
シキ基などのアルコキシ基や、フェニル基、ジフェニル
基、ターフェニル基などのアリール基が挙げられる。
【0012】化1で表される4−シアノクマリン誘導体
の具体例としては、例えば、化2乃至化10で表される
化合物が挙げられる。これらの4−シアノクマリン誘導
体は、可視領域において顕著な発光能を有するので、有
機EL素子におけるホスト発光剤や、他のホスト発光剤
に微量ドープしてその発光効率や発光スペクトルを改善
するためのゲスト発光剤として極めて有用である。
【0013】
【化2】
【0014】
【化3】
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】
【化6】
【0018】
【化7】
【0019】
【化8】
【0020】
【化9】
【0021】
【化10】
【0022】この発明で用いる4−シアノクマリン誘導
体は種々の方法で調製することができる。経済性を重視
するのであれば、化1に対応するR1乃至R4及びXを有
する化11で表される化合物に、例えば、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ジ
メチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ヘキサメ
チル燐酸トリアミドなどの親水性溶剤か、あるいは、こ
れらの親水性熔剤と水との混液中、シアン化ナトリウ
ム、シアン化カリウムなどのシアン化合物を作用させて
4−シアノ化する工程を経由する方法が好適である。化
2乃至化10で表される4−シアノクマリン誘導体は、
いずれも、この方法により容易に調製することができ
る。ちなみに、化11で表される化合物は、例えば、特
開平6−9892号公報に記載された方法により調製す
ることができる。斯くして得られる4−シアノクマリン
誘導体は、通常、使用に先立って、例えば、分液、傾
斜、濾過、抽出、濃縮、薄層クロマトグラフィー、カラ
ムクロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、高速
液体クロマトグラフィー、蒸留、昇華、結晶化などの類
縁化合物の精製に用いられる汎用の方法により精製さ
れ、必要に応じて、これらの方法は組合せて適用され
る。
【0023】
【化11】
【0024】化1で表される4−シアノクマリン誘導体
の多くは、波長600nmより長波長の可視領域、とり
わけ、波長620乃至650nmの赤色域に発光極大を
有するうえに、ガラス状態で安定な薄膜を形成するの
で、有機EL素子用発光剤として極めて有用である。斯
かるクマリン誘導体を有利に適用し得る有機EL素子
は、本質的に、発光能を有する有機化合物を含んでなる
EL素子であって、通常、正電圧を印加する陽極と、負
電圧を印加する陰極と、正孔と電子を再結合させて発光
を取り出す発光層と、必要に応じて、陽極から正孔を注
入して輸送する正孔注入/輸送層と、陰極から電子を注
入して輸送する電子注入/輸送層とを設けてなる単層型
及び積層型の有機EL素子が重要な適用対象となる。さ
らに、化1で表される4−シアノクマリン誘導体は、正
孔注入/輸送層用材、電子注入/輸送層用材、さらに
は、他のホスト発光剤に微量ドープしてその発光効率や
発光スペクトルを改善するためのゲスト発光剤としても
機能することから、斯かる材料の1又は複数が不可欠の
要素となる有機EL素子において、単独又は他の発光
剤、正孔注入/輸送層用材及び/又は電子注入/輸送層
用材と組合せて極めて有利に用いることができる。な
お、積層型有機EL素子において、発光剤が正孔注入/
輸送能又は電子注入/輸送能を兼備する場合には、それ
ぞれ、正孔注入/輸送層又は電子注入/輸送層を省略す
ることがあり、また、正孔注入/輸送層用材及び電子注
入層用材の一方が他方の機能を兼備する場合には、それ
ぞれ、電子注入/輸送層又は正孔注入/輸送層を省略す
ることがある。
【0025】この発明の有機EL素子は、既述のとお
り、単層型にも積層型にも構成することができる。有機
EL素子の動作は、本質的に、電子及び正孔を電極から
注入する過程、電子及び正孔が固体中を移動する過程、
電子及び正孔が再結合し、一重項又は三重項励起子を生
成する過程、そして、その励起子が発光する過程からな
り、これらの過程は単層型有機EL素子においても積層
型有機EL素子においても本質的に異なるところがな
い。しかしながら、単層型有機EL素子においては、発
光剤の分子構造を変えることによってのみ上記4過程の
特性を改良し得るのに対して、積層型有機EL素子にお
いては、各過程において要求される機能を複数の材料に
分担させるとともに、それぞれの材料を独立して最適化
することができることから、一般的には、単層型に構成
するより積層型に構成する方が所期の性能を達成し易
い。
【0026】そこで、この発明の有機EL素子につき、
積層型有機EL素子を例に挙げてさらに説明すると、図
1はこの発明による積層型有機EL素子の概略図であっ
て、図中、1は基板であり、通常、ソーダガラス、バリ
ウムシリケートガラス、アルミノシリケートガラスなど
のガラスか、あるいは、プラスチック、セラミックなど
の汎用の基板材料が用いられる。望ましい基板材料は透
明なガラス及びプラスチックであり、シリコンなどの不
透明なセラミックは、透明な電極と組合せて用いられ
る。
【0027】2は陽極であり、通常、真空蒸着、化学蒸
着(CVD)、スパッタリングなどの方法により、基板
1の一側に密着させて、電気的に低抵抗率であって、し
かも、全可視領域に亙って光透過率の大きい伝導材料を
厚さ10乃至1,000nmに成膜することによって形
成される。伝導材料としては、通常、金、白金、ニッケ
ルなどの金属、酸化錫、酸化インジウム、酸化錫と酸化
インジウムの混合系(以下、「ITO」と略記する。)
などの金属酸化物、あるいは、アニリン、チオフェン、
ピロールなどを反復単位とする伝導性オリゴマー及びポ
リマーが用いられる。このうち、ITOは、低抵抗率の
ものが容易に得られるうえに、酸を用いてエッチングす
ることにより、微細パターンを容易に形成できる特徴が
ある。
【0028】3は正孔注入/輸送層であり、通常、陽極
2におけると同様の方法により、陽極2に密着させて、
例えば、芳香族第三級アミン、ヒドラゾン、カルバゾー
ル又はそれらの誘導体を厚さ1乃至1,000nmに成
膜することによって形成される。芳香族第三級アミン
は、例えば、N,N´−ビス(3−メチルフェニル)−
N,N´−ジフェニル−(1,1´−ビフェニル)−
4,4´−ジアミン、N,N´−ジ(1−ナフチル)−
N,N´−ジフェニル−[1,1´−ビフェニル]−
4,4´−ジアミン(以下、「NPB」と略記する。)
などのトリフェニルアミンやその多量体であっても、分
子内にスピロセンターを有するものや、トリアリールア
ミンなどの、いわゆる、「π電子系スターバースト分
子」であってもよい。
【0029】4は発光層であり、通常、陽極2における
と同様の方法により、正孔注入/輸送層3に密着させ
て、発光剤を厚さ10乃至1,000nm、望ましく
は、10乃至200nmに成膜することによって形成さ
れる。発光剤としては、薄膜状態において高い蛍光量子
収率を与える、例えば、化1で表される4−シアノクマ
リン誘導体か、汎用のオキサチアゾール、フェナントレ
ン、トリアゾール誘導体、キナクリドン、ルブレン若し
くはそれらの誘導体、あるいは、8−ヒドロキシキノリ
ンなどのキノリン誘導体とアルミニウム、亜鉛、ベリリ
ウムなどとの金属錯体が単独又は組合せて用いられる。
化1で表される4−シアノクマリン誘導体をゲスト発光
剤として用いる場合には、組合せて用いるホスト発光剤
の種類にもよるけれども、通常、ホスト発光剤に対して
0.01モル%以上、望ましくは、0.1乃至10モル
%の範囲で配合する。
【0030】5は電子注入/輸送層であり、通常、陽極
2におけると同様の方法により、発光層4と密着させ
て、発光層4におけると同様の化合物か、あるいは、ベ
ンゾキノン、アントラキノン、フルオレノンなどの環状
ケトン又はその誘導体を厚さ10乃至500nmに薄膜
にすることによって形成される。
【0031】6は陰極であり、通常、電子注入/輸送層
5に密着させて、電子注入/輸送層5において用いられ
る化合物より仕事関数の低い(通常、6eV以下)、例
えば、リチウム、マグネシウム、カルシウム、ナトリウ
ム、銀、アルミニウム、インジウムなどの金属を単独又
は組合せて蒸着するか、あるいは、銅フタロシアニンな
どによる緩衝層とITO電極を組合せて陰極とする。陰
極6の厚みについては特に制限がなく、伝導性、製造コ
スト、素子全体の厚み、光透過性などを勘案しながら、
通常、厚さ100nm以上に設定される。なお、電子注
入の効率を改善するために、例えば、電子注入/輸送層
5と陰極6との間にアルカリ金属又はアルカリ土類金属
による薄膜を設けてもよい。
【0032】このように、この発明の有機EL素子は、
基板1上に、陽極2、陰極6、発光層4、さらに、必要
に応じて、正孔注入/輸送層3及び電子注入/輸送層5
を隣接する層と互いに密着させながら一体に形成するこ
とにより得ることができる。各層を形成するに当って
は、有機化合物の酸化や分解、さらには、酸素や水分の
吸着などを最少限に抑えるべく、高真空下、詳細には、
10-5Torr以下で一貫作業するのが望ましい。ま
た、ホスト発光剤とゲスト発光剤を組合せて用いる発光
層を形成するに当っては、あらかじめ、両発光剤を所定
の割合で混合しておくか、あるいは、真空蒸着における
両発光剤の加熱温度を互いに独立して制御することによ
って、発光層における両発光剤の割合を調節する。な
お、斯くして構築した有機EL素子は、使用環境におけ
る劣化を最少限に抑えるべく、素子の一部又は全体を、
例えば、不活性ガス雰囲気下で封止ガラスや金属キャッ
プにより封止するか、あるいは、紫外線硬化樹脂などに
よる保護膜で覆うのが望ましい。
【0033】図1に示す有機EL素子の場合、陽極2と
陰極6との間に直流電圧を印加すると、陽極2から注入
された正孔が正孔注入/輸送層3を経て発光層4に、ま
た、陰極6から注入された電子が電子注入/輸送層5を
経て発光層4にそれぞれ到達する。その結果、発光層4
において、正孔と電子の再結合が生じ、それにより生じ
た励起状態の発光剤から所定の波長の光が陽極2及び基
板1を透過して放出されることとなる。その際、ホスト
発光剤とゲスト発光剤の両方からの発光を共存させるこ
とで、白色系の発光を得ることも可能である。
【0034】この発明による有機EL素子の用途につい
て説明すると、この発明の有機EL素子は、用途に応じ
て、比較的高電圧のパルス性直流電圧を断続的に印加す
るか、あるいは、比較的低電圧の非パルス性直流電圧
(通常、3乃至10V)を連続的に印加して駆動する。
この発明の有機EL素子は、可視領域、とりわけ、赤色
域における発光の色純度が良いうえに、発光効率及び耐
久性に優れているので、発光体や、情報を視覚的に表示
する機器において多種多様の用途を有する。この発明の
有機EL素子を光源とする発光体は、消費電力が小さい
うえに、軽量な平板状に構成することができるので、一
般照明の光源に加えて、例えば、液晶素子、複写装置、
印字装置、電子写真装置、コンピューター及びその応用
機器、工業制御機器、電子計測機器、計器一般、通信機
器、医療用電子計測機器、自動車などの車輌搭載機器、
船舶の搭載機器、航空機の管制機器、宇宙船の搭載機
器、インテリア、看板、標識における省エネルギーにし
て省スペースな光源として有用である。コンピュータ
ー、テレビ、ビデオ、ゲーム、時計、カーナビゲーショ
ン、オシロスコープ、レーダー、ソナーにおける情報表
示機器に用いる場合には、単独又は赤色域、緑色域若し
くは青色域で発光する有機EL素子と組合せつつ、必要
に応じて、例えば、表示パネルの形態に加工した後、汎
用の単純マトリックス方式及びアクティブマトリックス
方式を適用して駆動する。
【0035】以下、この発明の実施の形態につき、先
ず、参考例1乃至参考例4において、この発明で用いる
4−シアノクマリン誘導体の調製について説明し、次い
で、実施例1乃至実施例3において、その4−シアノク
マリン誘導体を用いる有機EL素子、斯かる有機EL素
子を用いる表示パネル及び、斯かる表示パネルを用いる
情報表示機器につき説明する。
【0036】
【参考例1】〈4−シアノクマリン誘導体〉化12で表
されるホルミル化合物(9−ホルミル−8−ヒドロキシ
−1,1,7,7−テトラメチルユロリジン)5g及び
シアノアセトアミド1.7gをメタノール中に加熱溶解
し、ピペリジンを0.38ml加え、加熱還流下で3時
間反応させた後、室温まで冷却した。析出した化13で
表されるアミド化物の結晶4.1gを濾取し、o−アミ
ノチオフェノール2.9g及びN,N−ジメチルホルム
アミド10mlをそれぞれ加え、110℃で6時間反応
させ、反応物を室温まで冷却した後、イソピロピルエー
テルを30ml加えた。析出した結晶4.1gを濾取
し、アセトン300mlに加熱溶解し、濾過し、アセト
ンの半量を留去した。濃縮した溶液を冷却し、新たに析
出した結晶を濾取し、イソピロピルエーテルで洗浄し、
乾燥したところ、3位にベンゾチアゾリル基が結合した
化14で表される化合物の結晶が3.5g得られた。
【0037】
【化12】
【0038】
【化13】
【0039】
【化14】
【0040】化14で表される化合物を2.3gとり、
N,N−ジメチルホルムアミド33mlに分散させ、室
温下にて30%(w/w)シアン化ナトリウム水溶液
2.53mlを滴々加え、1時間反応させた後、0乃至
10℃に冷却しながら、臭素を0.44ml滴々加え、
2時間攪拌した。析出した結晶を濾取し、水洗し、乾燥
させた後、展開剤としてクロロホルムを用いるシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーにより精製したところ、化
2で表される4−シアノクマリン誘導体の輝緑色結晶が
2.1g得られた。
【0041】常法により測定したところ、本例の4−シ
アノクマリン誘導体の融点は266乃至269℃であ
り、塩化メチレン中で測定すると、波長564nm及び
614nmにそれぞれ吸収極大及び蛍光極大を示した。
また、重クロロホルム中で1H−核磁気共鳴スペクトル
(以下、「1H−NMR」と略記する。)を測定したと
ころ、化学シフトδ(ppm、TMS)が1.37(6
H、s)、1.59(6H、s)、1.80(2H、
t)、1.85(2H、t)、3.36(2H、t)、
3.45(2H、t)、7.39乃至7.44(1H、
m)、7.52乃至7.61(1H、m)、7.72
(1H、s)、7.96(1H、d)及び8.18(1
H、d)の位置にそれぞれピークが観察された。
【0042】
【参考例2】〈4−シアノクマリン誘導体〉参考例1の
方法により得た化13で表されるアミド化物19gに1
−アミノ−2−チオナフトール9.2g及びN,N−ジ
メチルホルムアミド50mlをそれぞれ加え、110℃
で4時間反応させた後、室温まで冷却し、析出した結晶
を濾取した。この結晶をクロロホルム60mlに溶解
し、濾過し、メタノール140mlを用いて結晶化させ
た後、新たに析出した結晶を濾取し、乾燥したところ、
化15で表される化合物の結晶が18.2g得られた。
【0043】
【化15】
【0044】化15で表される化合物を5gとり、N,
N−ジメチルホルムアミド50mlに分散させ、室温下
にて30%(w/w)シアン化ナトリウム水溶液3.4
mlを滴々加え、1時間反応させた後、反応物を0乃至
10℃に冷却しながら、臭素0.59mlを滴々加え、
2時間攪拌した。析出した結晶4.9gを濾取し、水洗
し、乾燥させた後、N,N−ジメチルホルムアミドを用
いて再結晶したところ、化5で表される4−シアノクマ
リン誘導体の輝緑色結晶が2.6g得られた。
【0045】常法により測定したところ、本例の4−シ
アノクマリン誘導体の融点は322乃至326℃であ
り、塩化メチレン中で測定すると、波長580nm及び
627nmにそれぞれ吸収極大及び蛍光極大を示した。
また、重クロロホルム中で1H−NMR測定したとこ
ろ、化学シフトδ(ppm、TMS)が1.40(6
H、s)、1.60(6H、s)、1.81(2H、
t)、1.87(2H、t)、3.36(2H、t)、
3.45(2H、t)、7.58乃至7.63(1H、
m)、7.71乃至7.76(1H、m)、7.79
(1H、s)、7.81乃至7.84(1H、m)、
7.94乃至7.99(2H、m)及び9.01(1
H、d)の位置にそれぞれピークが観察された。
【0046】
【参考例3】〈4−シアノクマリン誘導体〉参考例1の
方法により得た化13で表されるアミド化物3.4gに
2−アミノ−4−フェニルチオフェノール3.0g及び
N,N−ジメチルホルムアミド30mlをそれぞれ加
え、140℃で4時間反応させた後、室温まで冷却し、
析出した結晶を濾取した。この結晶をクロロホルム30
mlに溶解し、濾過し、メタノール70mlを加え、新
たに析出した結晶を濾取し、乾燥したところ、化16で
表される化合物の結晶が2.5g得られた。
【0047】
【化16】
【0048】化16で表される化合物を2.5gとり、
N,N−ジメチルホルムアミド25mlに分散させ、室
温下にて30%(w/w)シアン化ナトリウム水溶液
1.6mlを滴々加え、1時間反応させた後、反応物を
0乃至10℃に冷却しながら、臭素0.31mlを滴々
加え、2時間攪拌した。析出した結晶を濾取し、水洗
し、乾燥させた後、展開剤としてクロロホルムを用いる
シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製したと
ころ、化8で表される4−シアノクマリン誘導体の輝緑
色結晶が1.9g得られた。
【0049】常法により測定したところ、本例の4−ク
マリン誘導体の融点は261乃至263℃であり、塩化
メチレン中で測定すると、波長569nm及び617n
mにそれぞれ吸収極大及び蛍光極大を示した。また、重
クロロホルム中で1H−NMR測定したところ、化学シ
フトδ(ppm、TMS)が1.38(6H、s)、
1.58(6H、s)、1.81(2H、t)、1.8
5(2H、t)、3.36(2H、t)、3.45(2
H、t)、7.26乃至7.41(1H、m)、7.4
6乃至7.51(2H、m)、7.66乃至7.69
(1H、dd)、7.71乃至7.75(3H、m)、
8.01(1H、d)及び8.39(1H、d)の位置
にそれぞれピークが観察された。
【0050】
【参考例4】〈4−シアノクマリン誘導体〉参考例1の
方法により得た化13で表されるアミド化物を3.0g
とり、2−アミノ−4,5−ジメトキシチオフェノール
3.0g及びN,N−ジメチルホルムアミド15mlを
それぞれ加え、140℃で4時間反応させた後、室温ま
で冷却し、析出した結晶を濾取した。この結晶をクロロ
ホルムに溶解し、展開剤としてクロロホルム/酢酸エチ
ル混液を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
より精製したところ、化17で表される化合物が2.5
g得られた。
【0051】
【化17】
【0052】化17で表される化合物を2.5gとり、
N,N−ジメチルホルムアミド50mlに分散させ、室
温下にて30%(w/w)シアン化ナトリウム水溶液
2.0lを滴々加え、1時間反応させた後、反応物を0
乃至10℃に冷却しながら、臭素0.25mlを滴々加
え、2時間攪拌した。析出した結晶を濾取し、水洗し、
乾燥させた後、クロロホルムに溶解し、展開剤としてク
ロロホルム/酢酸エチル混液を用いるシリカゲルカラム
クロマトグラフィーにより精製したところ、化4で表さ
れる4−シアノクマリン誘導体の輝緑色結晶が1.1g
得られた。
【0053】常法により測定したところ、本例の4−シ
アノクマリン誘導体の融点は308乃至312℃であ
り、塩化メチレン中で測定すると、波長576nm及び
629nmにそれぞれ吸収極大及び蛍光極大を示した。
また、重クロロホルム中で1H−NMR測定したとこ
ろ、化学シフトδ(ppm、TMS)が1.32(6
H、s)、1.60(6H、s)、1.77(2H、
t)、1.83(2H、t)、3.29(2H、t)、
3.37(2H、t)、3.98(6H、s)、7.3
6(1H、s)、7.49(1H、s)及び7.61
(1H、s)の位置にそれぞれピークが観察された。
【0054】参考例1乃至参考例4の方法により得た4
−シアノクマリン誘導体につき、表1に諸物性を纏め
た。表1において、吸収極大波長は、塩化メチレンに溶
解して測定したものであり、また、蛍光極大波長は、塩
化メチレン中、濃度10-7Mで測定したものである。な
お、この発明で用いる4−シアノクマリン誘導体は、構
造によって、原料、反応条件及び収量に若干の違いはあ
るものの、化2乃至化10で表されるものを含めて、参
考例1乃至参考例4に記載された方法によるか、あるい
は、それらの方法に準じて容易に調製することができ
る。
【0055】
【表1】
【0056】
【実施例1】〈有機EL素子〉王水蒸気によりパターン
化した厚さ100nmの透明ITO電極を有するガラス
基板を中性洗剤、純水及びイソプロピルアルコールを用
いて超音波洗浄し、煮沸したイソプロピルアルコールか
ら引上げ、乾燥し、紫外線オゾンにより洗浄し、蒸着装
置に固定した後、10-7Torrまで減圧した。次い
で、ガラス基板における陽極としてのITO透明電極を
有する面に対してNPBを厚さ60nmになるまで蒸着
して正孔注入/輸送層を形成した。その後、膜厚センサ
ーでモニターしながら、参考例1乃至参考例4の方法に
より得た化2、化4、化5及び化8で表される4−シア
ノクマリン誘導体のいずれかとトリス(8−ヒドロキシ
キノリン)アルミニウム(以下、「Alq3」と略記す
る。)を重量比0.8:100になるように、厚さ20
nmまで共蒸着して発光層を形成し、さらに、Alq3
を厚さ40nmまで蒸着して電子注入/輸送層を形成し
た後、弗化リチウムとアルミニウムをこの順序でそれぞ
れ厚さ0.5nm及び150nmになるまで蒸着して陰
極を形成した。その後、窒素雰囲気下で、素子全体をガ
ラス板及び紫外線硬化樹脂を用いて封止して4種類の有
機EL素子を得た。
【0057】斯くして得られた有機EL素子につき、常
法にしたがって発光特性を試験した。併行して、4−シ
アノクマリン誘導体に代えて化18で表される化合物を
用いた以外は上記と同様にして有機EL素子を作製し、
これを4−シアノクマリン誘導体を用いる有機EL素子
の場合と同様に処置して対照とした。結果を表2に示
す。
【0058】
【化18】
【0059】
【表2】
【0060】表2の結果に見られるとおり、本例の有機
EL素子は、直流電圧を印加すると、波長600nmを
越える可視領域、とりわけ、波長620乃至650nm
に発光極大を有する赤色発光をもたらした。発光は4V
前後から確認され、15V付近で最高輝度(6,000
cd/m2)に達した。初期輝度300cd/mで定
電流駆動したときの輝度の半減期は、いずれも、対照と
同等か、対照を大きく上回った(100時間以上)。発
光開始から100時間経過した時点においても部分的暗
黒部(ダークスポット)は観察されなかった。これに対
して、対照の有機EL素子は、表2の結果に見られると
おり、発光極大波長がより短波長(600nm)にあ
り、肉眼観察によると、発光色は橙色に近かった。
【0061】これらの結果は、本例の有機EL素子が色
純度の良い赤色発光素子であることを物語っている。
【0062】
【実施例2】〈表示パネル〉図2に示すのは、この発明
の有機EL素子を主体とする単純マトリックス方式の表
示パネル(水平方向に20電極列、垂直方向に30電極
列)であり、斯かる表示パネルは次のようにして作製す
ることができる。
【0063】すなわち、先ず、実施例1の方法に準じて
ガラス基板10の一側にITO透明電極による陽極14
を形成した後、湿式エッチング法により陽極14をスト
ライプ状に加工する。次いで、実施例1の方法に準じて
正孔注入/輸送層16、発光層18を順次形成し、メカ
ニカルマスクを用いて陰極20をストライプ状に形成し
た後、ガラス板(図示しない)と紫外線硬化樹脂により
有機EL素子を封止する。なお、本例の表示パネルにお
いては、使用時の温度上昇を抑えるべく、必要に応じ
て、陰極20の背面側に放熱板や冷却ファンを取り付け
てもよい。
【0064】
【実施例3】〈情報表示機器〉図3に示すのは、実施例
2の方法により作製した表示パネルを用いる情報表示機
器である。図3において、30は出力電圧4.5Vの直
流電源であり、その出力端には二つの昇圧回路32、3
4が接続されている。昇圧回路32は5乃至12Vの範
囲の直流電圧を供給することができ、その出力端はドラ
イバ回路36に接続されている。もう一方の昇圧回路3
4は、5Vの定電圧をマイクロコンピューター38に供
給するためのものである。
【0065】マイクロコンピューター38は、外部と信
号をやりとりするI/Oインターフェース38aと、プ
ログラムなどを記憶するROM38bと、各種のデータ
を記憶するRAM38cと、各種の演算を実行するCP
U38dを含んでなる。マイクロコンピューター38に
は、マイクロコンピューター38に8MHzのクロック
信号を供給するクロック発生回路40と、二つの発振回
路42、44がそれぞれ接続されており、その二つの発
振回路42、44は、マイクロコンピューター38に、
それぞれ、表示速度を制御する5乃至50Hzの信号
と、走査周波数を制御する0.2乃至2kHzの信号を
供給するためのものである。
【0066】48はこの発明の有機EL素子を主体とす
る表示パネルであり、ドライバ回路36、46を介して
マイクロコンピューター38に接続されている。ドライ
バ回路36は、昇圧回路32からの直流電圧が表示パネ
ルに印加されるのを制御する回路であって、表示パネル
48における垂直方向の電極列に個別に接続される複数
のトランジスタを含んでなる。したがって、このドライ
バ回路36におけるトランジスタのいずれかがオンする
と、そのトランジスタに接続されている垂直方向の電極
列に昇圧回路32からの電圧が印加されることとなる。
一方、ドライバ回路46は、表示パネル48の水平方向
の電極列に個別に接続される複数のトランジスタを含ん
でなり、ドライバ回路46におけるトランジスタのいず
れかがオンすると、そのトランジスタに接続されている
水平方向の電極列が接地されることとなる。
【0067】本例の情報表示機器は斯く構成されている
ので、マイクロコンピューター38の指示にしたがって
ドライバ回路36、46におけるトランジスタがオンす
ると、表示パネル48の垂直方向及び水平方向における
対応する電極列間に所定の電圧が印加され、その交点に
位置する有機EL素子が発光することとなる。したがっ
て、例えば、ドライバ回路46を適宜制御することによ
って水平方向の電極列を1列選択し、その電極列を接地
しつつ、ドライバ回路36を適宜制御することによって
垂直方向の電極列に接続されたトランジスタを順次オン
すれば、その選択された水平方向の電極列全体が水平方
向に走査され、所与の画素が表示されることとなる。斯
かる走査を垂直方向に順次繰返すことによって、1画面
全体を表示できる。なお、本例におけるドライバ回路3
6は、電極1列分のデータレジスタを有しているので、
この記憶されているデータに基づいてトランジスタを駆
動するのが好適である。
【0068】表示する情報は、表示の速度と周期に合わ
せて外部から供給するか、あるいは、例えば、文字情報
などのように、一定のパターンを有する情報について
は、ROM38bにそのパターンをあらかじめ記憶させ
ておき、これをデータとしてもよい。また、通常のNT
SC方式によるテレビジョン放送を表示する場合には、
まず、受信した信号を放送規格に基づく水平周波数、垂
直周波数にしたがって水平同期信号と垂直同期信号とに
分離するとともに、映像信号を表示パネル48の画素数
に対応したデジタル信号に変換する。マイクロコンピュ
ータ38にこれらの信号を適宜同期させて供給すること
により、テレビジョン放送を表示パネル48に表示する
ことができる。
【0069】
【発明の効果】叙上のとおり、この発明は新規な4−シ
アノクマリン誘導体の創製と、その産業上有用な特性の
発見に基づくものである。斯かる4−シアノクマリン誘
導体を含んでなるこの発明の有機EL素子は、可視領
域、とりわけ、赤色域における発光の色純度が良いうえ
に、発光効率と耐久性にも優れているので、照明一般に
おける光源としての発光体や、情報を視覚的に表示する
多種多様の情報表示機器において極めて有利に用いるこ
とができる。
【0070】斯くも顕著な作用効果を奏するこの発明
は、斯界に貢献すること誠に多大な、意義のある発明で
あると言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による有機EL素子の概略図である。
【図2】この発明による表示パネルの概略図である。
【図3】この発明による情報表示機器のブロックダイア
グラムである。
【符合の説明】
1、10 基板 2、14 陽極 3、16 正孔注入/輸送層 4、18 発光層 5 電子注入/輸送層 6、20 陰極 30 直流電源 32、34 昇圧回路 36、46 ドライバ回路 38 マイクロコンピューター 40 クロック発生回路 42、44 発振回路 48 表示パネル
フロントページの続き (72)発明者 菅 貞治 岡山県玉野市宇野8丁目1番7号 (72)発明者 時任 静士 愛知県愛知郡長久手町長湫字横道41番地の 1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 藤川 久喜 愛知県愛知郡長久手町長湫字横道41番地の 1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 野田 浩司 愛知県愛知郡長久手町長湫字横道41番地の 1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 三浦 篤志 愛知県愛知郡長久手町長湫字横道41番地の 1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 多賀 康訓 愛知県愛知郡長久手町長湫字横道41番地の 1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 3K007 AB00 AB03 AB04 BA06 CA01 CA02 CA05 CB01 DA00 DB03 EB00 FA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化1で表される4−シアノクマリン誘導
    体を含んでなる有機電界発光素子。 【化1】 化1において、R1乃至R4は、それぞれ独立に、アルキ
    ル基又はアルコキシ基を表す。Xは水素原子、シアノ
    基、ニトロ基、カルボキシル基、アリール基、アルキル
    基、アルコキシ基、複素環基又は多環式芳香族炭化水素
    の1価基を表し、その複素環基は置換基を有していても
    よい。
  2. 【請求項2】 発光剤として、化1で表される4−シア
    ノクマリン誘導体を含んでなる請求項1に記載の有機電
    界発光素子。
  3. 【請求項3】 波長600nmを越える可視領域に発光
    極大を有する請求項1又は2に記載の有機電界発光素
    子。
  4. 【請求項4】 単層型又は積層型である請求項1、2又
    は3に記載の有機電界発光素子。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の有機
    電界発光素子を用いる発光体。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至4のいずれかに記載の有機
    電界発光素子を用いる情報表示機器。
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US7521567B2 (en) 2003-07-11 2009-04-21 Kabushiki Kaisha Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo Amine compound and uses thereof
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