JP2001071304A - 圧縮木材とその製造法及び該圧縮木材の加工法 - Google Patents

圧縮木材とその製造法及び該圧縮木材の加工法

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JP2001071304A JP24956099A JP24956099A JP2001071304A JP 2001071304 A JP2001071304 A JP 2001071304A JP 24956099 A JP24956099 A JP 24956099A JP 24956099 A JP24956099 A JP 24956099A JP 2001071304 A JP2001071304 A JP 2001071304A
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龍太郎 津田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 木工家具、建具などの曲面に適用するための
曲げ加工や切削加工が容易な圧縮木材と、この圧縮木材
の製造法及び該圧縮木材の加工法を提供する。 【解決手段】 製材した木材を加湿加熱して可塑化し、
得た可塑化木材を長手方向において圧縮し、自然状態に
おいて適宜の長さに復元伸長することによって圧縮木材
を得る。この圧縮木材を所定の幅と長さに裁断し、長手
方向にジョイント接続して使用目的に応じた圧縮木材に
加工し、又は所定の厚みにスライスして単板とし、この
単板のフィンガージョイント接続により所定の単板又は
ロール単板に加工するか、あるいは前記単板に補強シー
トを裏打ちして補強単板または補強ロール単板に加工し
て多様な用途に供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、主として木工家
具、建具などの曲面部に適用することができる曲げ加工
や切削加工の容易な圧縮木材と、この圧縮木材の製造法
及びこの圧縮木材の加工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】木工家具、建具などの曲面部の形成に
は、天然木をスライスして得た単板の複数を積層して得
た積層体を用いて曲面形状に合わせて加工したものをそ
のまゝ曲面部として使用するか、あるいは薄手の前記積
層体を家具表面の曲面に貼着することによって行ってい
る。一方、より高級感を出すために、生の木材をそのま
ゝ加工して曲面部を形成した曲げ木を使用することも行
われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような木工家具、
建具などの曲面部の形成に用いる単板の積層体や曲げ木
などは、木材そのものが可撓性に乏しいため、曲げ加工
や切削加工がきわめて煩瑣であると共に、熟練者により
時間をかけた加工を余儀なくされているのが実情であ
る。
【0004】この発明はかゝる現状に鑑み、木工家具や
建具などにおける主として曲面形成のための加工が容易
な圧縮木材と、この圧縮木材の製造法およびこの圧縮木
材の加工法を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、この発明の請求項1に記載の発明は、所定の断面と
長さに製材した木材を、加湿加熱による可塑化状態にお
いて長手方向に圧縮したのち、自然状態において長さを
復元伸長させたことを特徴とする圧縮木材である。
【0006】請求項2に記載の発明は、所定の断面と長
さに製材した木材を、スチームによる加湿加熱によって
可塑化し、この可塑化した木材を長手方向において加圧
して所定長さの圧縮された木材としたのち、自然状態で
適宜の長さに復元伸長させることを特徴とする圧縮木材
の製造法である。
【0007】請求項9に記載の発明は、幅と厚みを全長
において同一となるよう製材した木材を、加湿加熱によ
る可塑化状態において長手方向に圧縮したのち、自然状
態において長さを復元伸長させた圧縮木材を所定の幅と
厚みに裁断し、長手方向の端部に施したジョイント加工
部を相互に一体的に接続し、ついで必要長さに切断し表
面仕上げによって所定の圧縮木材に加工することを特徴
とする圧縮木材の加工法である。
【0008】請求項10に記載の発明は、幅と厚みを全
長において同一となるよう製材した木材を、加湿加熱に
よる可塑化状態において長手方向に圧縮したのち、自然
状態において長さを復元伸長させた圧縮木材を、長手方
向に沿ってスライシして所定厚みの単板とし、得た単板
の複数の長手方向端部にフィンガージョイント加工を施
し、互いのフィンガージョイント加工部を一体的に接続
し、表面仕上げをしたのち、巻き取ってロール単板とす
るか、あるいは巻き取ることなく所定の長さの単板とし
てなることを特徴とする圧縮木材の加工法である。
【0009】請求項11に記載の発明は、幅と厚みが全
長において同一となるよう製材した木材を、加湿加熱に
よる可塑化状態において長手方向に圧縮したのち、自然
状態において長さを復元伸長させた圧縮木材を、長手方
向に沿ってスライスして所定厚みの単板とし、得た単板
の複数の長手方向端部にフィンガージョイント加工を施
し、互いのフィンガージョイント加工部を一体的に接続
し、単板の裏面に補強シートを貼付すると共に、表面仕
上げをしたのち、巻き取って補強ロール単板とするか、
あるいは巻き取ることなく所定の長さの補強単板として
なることを特徴とする圧縮木材の加工法である。
【0010】
【発明の実施の形態】この発明において、圧縮木材と、
この圧縮木材の製造法および圧縮木材の加工法に用いる
木材の樹種には特別な制限はないが、好ましくは、硬木
が使用され、特に、広葉樹の硬木として、ナラ、タモ、
ブナ、サクラ、カエデ、ウォールナットなどが使用され
る。
【0011】かゝる木材は製材によって所定の断面と長
さとしたもの、すなわち、全長にわたって幅と厚みが同
一となるようにしたものが用いられ、柾目、板目のいず
れの木取りによるものであってもよいが、その際、直径
が約20mm以上の大きな節の部分は、この節の部分が
硬くて可塑化や圧縮に際して支障を来すおそれがあるの
で、これをを避けて製材することが好ましく、製材した
木材の両小口の断面は長手方向に対して直角にカットす
るものである。
【0012】かくして得られた木材はあらかじめその含
水率を調整するのであるが、含水率として20〜25%
程度とすることが好ましく、それには、製材直後のもの
は高含水率であるので、自然乾燥や強制乾燥などによっ
て、その含水率を下げて前記20〜25%程度とする
が、含水率の著しく低いものは、水中への浸漬等によっ
て前記20〜25%程度の含水率に調整することが望ま
しい。なお、この含水率の調整は、つぎの可塑化の際に
導入するスチームによって可塑化と同時に所定の含水率
になるように調整してもよい。
【0013】含水率を調整した木材はスチーム釜の中
で、好ましくは、飽和水蒸気(温度約100℃)で所定
の時間保持することによって、水分を含んだ木材の繊維
質を軟化させて可塑化することができる。この可塑化の
ための時間には特に限定はないが、木材の厚み10mm
に対し、約15〜20分を目安とする。
【0014】前記の可塑化で得られた木材中の好ましい
含水率は20〜25%であり、この含水率の範囲におい
て、つぎの圧縮工程を円滑に実施することができる。
【0015】圧縮工程は可塑化した木材の長手方向に対
する圧縮、すなわち、圧縮装置を使用して木材の長手方
向の一端を固定し、他端から圧力をかけるか、又は、両
端から圧力をかけて圧縮するもので、その際、圧縮によ
って材料が周囲に逃げることがないように長さ方向をガ
イドで適宜に制限しながら行うものである。
【0016】前記の圧縮は、圧縮前の可塑化木材の全長
に対し、その長さが10〜20%程度短縮されるように
圧縮するもので、かゝる操作を行った後に加圧状態を解
除すると、圧縮された木材に経時的な伸長復元が自然に
生じ、圧縮前の全長に対する長さが約5〜10%程度に
短縮された状態の圧縮木材を得ることができる。
【0017】こゝで、可塑化した木材の全周に圧力をか
けて圧縮する場合には、得られた圧縮木材の全体が固ま
った強固で質密なものとなって、フレキシビリティが失
われてしまうが、前記した長手方向への圧縮の場合に
は、実質的に木材の繊維長方向のみが圧縮を受け、しか
も、圧縮の解除によって経時的に長手方向への自然な伸
長復元が適宜に生ずるため、天然木の性質をある程度維
持しつゝ優れたフレキシブルな機能を保持させることが
できるのである。
【0018】かくて得られた圧縮木材において、使用目
的に合致しない節や変色の部分は、鋸やギロチンを使っ
て長さ方向に対してカットして除去し、必要とする目的
に応じて再製材に加工するか、あるいはスライスして単
板とすることができる。
【0019】再製材への加工は、この圧縮木材を所定の
幅と厚みに裁断したのち、長手方向の端部をジョイント
加工して接着剤により接続し、ついで、必要長さに切断
して製品となる圧縮木材とする。
【0020】この場合、長手方向の端部のジョイント加
工は、圧縮木材に適宜の厚みがあるため、フィンガージ
ョイント加工又はスカーフジョイント加工などのいずれ
でもよいが、確実な接続を望むにはフィンガージョイン
ト加工がよい。
【0021】これらの接続に使用される接着剤として
は、ユリア系、酢酸ビニル系、エポキシ系などの公知の
接着剤を使用することができるが、曲げ強度を確保する
にはこれらの中から適宜に選択して使用するものであ
る。
【0022】単板に加工するには、前記の圧縮木材を長
手方向に沿って0.1〜10.0mm程度の範囲の所定
厚みにスライスして単板を形成し、得た単板の長手方向
の端部をフィンガージョイント加工し、その複数を長手
方向にフィンガージョイントによって接着接続し、これ
を巻き取ってロール単板とするか、あるいは巻き取るこ
となく所定長さの単板とする。
【0023】さらに、フィンガージョイント接続して得
た単板の裏面に、紙、不織布又はプラスチックフィルム
から選ばれた補強シートを貼付し、表面仕上げをした
後、巻き取って補強シートで補強されたロール単板とす
るか、あるいは巻き取ることなく所定の長さの補強単板
とするものである。
【0024】この補強シートの裏貼りによる単板の加工
においては、所定幅の単板を長手方向の側縁部に沿わせ
て接着により幅広の単板を形成し、この幅広の単板に幅
広な単一の補強シートを裏貼りして幅広の補強単板とし
てもよい。
【0025】以下、この発明の圧縮木材と、この圧縮木
材の製造法および圧縮木材の加工法について、図1のフ
ローチャートによって説明する。この発明の圧縮木材の
製造に際しては、まず、原料素材(丸太)Wを製材工程
1において長手方向の側面をカットして所定断面の製材
品とする。その際、大きな節の部分などの不適な部分を
カットし、また、端面が長さ方向に対して直角になるよ
うに切断する。
【0026】ついで、含水調整工程2において得られた
未圧縮の製材品について、含水率が多い場合は乾燥処理
し、少ない場合には水中に浸漬して水分が20〜25%
となるように調整する。
【0027】この含水調整した製材品は、可塑化工程3
において、スチーム釜において温度約100℃のスチー
ムに所定の時間晒して可塑化する。
【0028】可塑化された製材品はこれを直ちに圧縮工
程4に移し、圧縮装置で長手方向において端部より加圧
し、本来の全長に対して約10〜20%に圧縮、すなわ
ち、全長の90〜80%の長さになるように圧縮する。
【0029】圧縮工程4で得られた圧縮木材は、自然放
置による復元工程5で自然伸長し、本来の長さに対して
5〜10%程度の圧縮率、すなわち、長さ95〜90%
の圧縮木材となる。その際、必要により使用目的に合致
しない不適正な部分をカットして目的とする圧縮木材P
Wを得ることができる。
【0030】かくて得られた圧縮木材PWは、そのまゝ
で使用可能なものであるが、目的に応じて次の再製材
化、または単板化のいずれかの加工々程に移行される。
【0031】圧縮木材PWの再製材化のための加工は、
まず、製材工程6で目的とする断面の角材にカットする
のであるが、その際、必要に応じて目的に合致しない欠
陥部があれば、これをカットして除去する。
【0032】ついで、ジョイント加工々程7において、
圧縮木材PWの長手方向両端部にジョイント加工を施
す。このジョイント加工は、回転刃などの切削やパンチ
による打ち抜きなどによるフインガージョイント加工
か、もしくはスカーフジョイント加工、好ましくはフイ
ンガージョイント加工によるもので、ジョイント工程8
で接着剤を使用してこのジョイント加工部を順次接続
し、切断工程9で目的とする所定の長さにカットし、サ
ンディング工程10において表面仕上げを行い、再製材
による製品圧縮木材PW−1を得るものである。
【0033】また、圧縮木材PWの単板化のための加工
は、前記による圧縮木材PWを、スライス工程11にお
いて長手方向に沿って所定の厚みにスライスして複数の
スライス単板を得、ジョイント加工々程12でこれらス
ライス単板の長手方向両端部にフィンガージョイント加
工を施し、ついでジョイント工程13でフィンガージョ
イントして長尺の単板を得るものである。
【0034】かくて得られた長尺の単板は、これをサン
ディング工程14で表面を仕上げ、これをロールに巻き
取ってロール単板RPW−aとするか、又は、ロール状
に巻き取ることなく、所定の長さにカットした補強単板
PW−aとする。
【0035】また、前記ジョイント工程13で、フィン
ガージョイントして得られた長尺の単板は、裏貼工程1
5で紙、不織布、プラスチックフィルムなどによる裏貼
りを施したのち、サンディング工程16で表面を仕上
げ、これをロールに巻き取って補強ロール単板RPW−
bとするか、又は、ロール状に巻き取ることなく、所定
の長さにカットした補強単板PW−bとするものであ
る。
【0036】なお、この裏貼り工程15においては、所
定幅の単板を長手方向の側部に沿わせて接着により幅広
の単板を形成し、この幅広の単板に幅広な単一の補強シ
ートを裏貼りして幅広の補強ロール単板又は補強単板と
してもよい。
【0037】
【作用】この発明の圧縮木材とその製造法は、所定の含
水率の可塑化した木材の長手方向への所定の加圧による
圧縮と、圧縮後の適宜の自然な復元によって得られたも
ので、実質的に木材の繊維長方向のみに対する圧縮と、
この圧縮の解除で経時的に長手方向への自然な戻りによ
る伸長復元が生じているため、木材に優れたフレキシブ
ルの機能を保持させることができる。
【0038】この発明の圧縮木材の加工法は、前記圧縮
木材を、所定の幅と厚みに裁断し、長手方向の端部に施
したジョイント加工部を接着剤で接続し、ついで、必要
長さに切断して表面仕上げを行い、所定の圧縮木材とす
ることによって曲げ加工に優れた圧縮木材を得ることが
できるものである。
【0039】また、この発明の他の圧縮木材の加工法
は、前記の圧縮木材を、長手方向に沿って所定厚みの単
板にスライスし、得た単板の複数の長手方向端部にフィ
ンガージョイント加工を施して接着剤で接続し、表面仕
上げをしたのち、巻き取ってロール単板とするか、ある
いは巻き取ることなく所定の長さの単板とすることによ
り圧縮木材からなる単板を得ることができる。
【0040】この発明のさらに他の圧縮木材の加工法
は、前記の圧縮木材を、長手方向に沿って所定厚みの単
板にスライスし、得た複数の単板の長手方向端部にフィ
ンガージョイント加工を施して接着剤で接続し、単板裏
面に補強シートを貼付して巻き取って補強ロール単板と
するか、あるいは巻き取ることなく所定の長さの補強単
板とすることにより前記補強シートが裏打ちされた圧縮
木材からなる単板を得ることができるものである。
【0041】
【実施例】以下、この発明の圧縮木材と、この圧縮木材
の製造法および圧縮木材の加工法について、実施例によ
ってより具体的に説明する。 <実施例1>直径約300mm×長さ約2500mmの
節の少ないナラの丸太材を選別し、これを一辺が150
mmの断面正方形に製材した。この製材によるナラ材の
含有水分が約29%であったので、乾燥装置で水分が約
21%になるまで乾燥した。この乾燥ナラ材をスチーム
釜に入れて温度100℃の飽和水蒸気中で約1時間加熱
して可塑化し、含水率約24%の可塑化ナラ材を得た。
この可塑化ナラ材を圧縮木材製造装置を使用して、側面
部を適宜に規制しながら長さの両端から加圧して長さが
略2250mmとなるまで圧縮した。この圧縮化による
木材は、一辺が約150mmと断面に大きな変化がなか
ったが、その後の自然放置によって長さが約2400m
mとなるまで復元し、この圧縮木材の外周面をサンダー
で研磨して平滑に仕上げた目的の圧縮木材を得ることが
できた。かくて得られた圧縮木材は、長手方向の圧縮に
よってそれ自体で向上した強度を有すると共に、適宜の
フレキシビリティを有する曲げ加工が容易な優れたもの
であった。
【0042】<実施例2>前記実施例1で得た圧縮木材
を長手方向に沿ってカットして断面の一辺が50mm四
方の複数の圧縮木材に再製材し、これらのうちの比較的
大きな節の部分や極端に変色した部分をカットした。つ
いで、これらの再製材による圧縮木材の長手方向両端部
を、回転刃を使用してフインガー状に切削し、このフィ
ンガー状の切削加工部に酢酸ビニル樹脂からなる接着剤
を塗布して相互の圧縮木材を噛み合わせて接着接続し、
この接続部を含めた外周面をサンディング仕上げして必
要長さに適宜に切断することによって再製材による圧縮
木材を得た。この圧縮木材も適宜のフレキシビリティを
有する曲げ加工が容易な優れたものであった。
【0043】<実施例3>前記実施例1と同様にして得
た圧縮木材を、そのうちの比較的大きな節の部分や極端
に変色した部分をカットし、正常な部分を厚さ0.5m
mにスライスして複数の単板とした。これらの単板の長
手方向両端部をフィンガー加工してフィンガー加工部に
酢酸ビニル樹脂からなる接着剤を塗布して噛み合わせる
ことによって接続して長尺の単板とし、この単板の接続
部を含めた表面をサンディング仕上げしながら巻き取っ
て所定のロール単板を得た。このロール単板は、曲面形
成に優れた適応性を有するものである。
【0044】<実施例4>前記実施例1と同様にして得
た圧縮木材を、そのうちの比較的大きな節の部分や極端
に変色した部分をカットし、正常な部分を厚さ0.3m
mにスライスして複数の単板とした。これらの単板の長
手方向両端部にフィンガー加工を施し、このフィンガー
加工部に酢酸ビニル樹脂からなる接着剤を塗布して噛み
合わせにより接続して長尺の単板とし、この長尺の単板
の裏面の全面にポリエステル系のホットメルト接着剤の
フィルムを介在させながら、その上からポリエステル繊
維の不織布からなる補強シートを貼付し、接着剤の乾燥
後に表面をサンディング仕上げし、これをロール状に巻
き取って不織布で補強された補強ロール単板を得た。
【0045】<実施例5>実施例4と同様にして正常な
圧縮木材の部分を厚さ0.3mmにスライスして得た単
板の複数を使用し、これらの単板の長手方向に沿った両
側縁をカットして厚さ0.3mm×幅133mmの単板
とし、これらの単板の長手方向両端部を実施例4と同様
の手法によりフィンガージョイントすると共に、3枚の
単板を側縁に沿って並べて同じく酢酸ビニル樹脂からな
る接着剤で接続して、厚さ0.3mm×幅400mmの
幅広の長尺単板とした。この場合、単板の長手方向両端
部のフィンガージョイント部分が、隣り合った相互の単
板同士で一致しないようにずらして接着した。かくして
得た長尺幅広の単板の裏面の全面にポリエステル系のホ
ットメルト接着剤のフィルムを介在させつゝ、その上か
ら幅400mmのポリエステル繊維の不織布からなる幅
広の補強シートを当接し、加熱によって補強シートを単
板に一体化し、ついで単板の表面をサンディング仕上げ
し、これをロール状に巻き取って不織布で補強された補
強ロール単板を得た。前記実施例4、5で得た単板は、
従来の単板では得られなかった真空成形による曲面形成
が可能となるものである。
【0046】
【発明の効果】この発明の圧縮木材とその製造法は、所
定の含水率の可塑化した木材の長手方向への所定の加圧
による圧縮と、圧縮後の適宜の自然な復元で圧縮木材を
構成することにより、実質的に木材の繊維長方向のみに
対する圧縮と、この圧縮の解除によって経時的に長手方
向への自然な戻りによる伸長復元により木材に優れたフ
レキシブルの機能を付与することができ、これより曲げ
加工に優れた木材を容易に得ることができるものであ
る。
【0047】この発明の圧縮木材の加工法は、請求項1
の圧縮木材を、所定の幅と厚みに裁断し、長手方向の端
部に施したジョイント加工部を接着剤で接続し、ついで
必要長さに切断して表面仕上げを行うことにより所定の
圧縮木材とすることにより、曲げ加工に優れた圧縮木材
を得ることができるものである。
【0048】また、この発明の他の圧縮木材の加工法
は、請求項1の圧縮木材を、長手方向に沿って所定厚み
の単板にスライスし、得た単板の複数の長手方向端部に
フィンガージョイント加工を施して接着剤で接続し、表
面仕上げをしたのち、巻き取ってロール単板とするか、
あるいは巻き取ることなく所定の長さの単板とすること
により圧縮木材からなる単板を得ることができる。
【0049】さらに、この発明のさらに他の圧縮木材の
加工法は、請求項1の圧縮木材を、長手方向に沿って所
定厚みの単板にスライスし、得た単板の複数の長手方向
端部にフィンガージョイント加工を施して接着剤で接続
し、単板裏面に補強シートを貼付して巻き取ってロール
単板とするか、あるいは巻き取ることなく所定の長さの
単板とすることにより前記補強シートが裏打ちされた圧
縮木材からなる補強された単板とすることができる。
【0050】これらの単板は、そのまゝあるいはこれを
積層して得た積層体として使用に供することができる。
【0051】前記した各種の加工法で得られた圧縮木材
や単板は、優れた可撓性により曲げ加工や切削加工が容
易であるため、建具や家具の曲面部の形成に特段の熟練
を要することなく、多くの用途に使用することができる
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の圧縮木材と、この圧縮木材の製造法
および圧縮木材の加工法の一例を示す工程図である。
【符号の説明】
1,6 製材工程 2 含水調整工程 3 可塑化工程 4 圧縮工程 5 復元工程 7,12 ジョイント加工工程 8,13 ジョイント工程 9 切断工程 10,14,16 仕上工程 W 素材 PW 圧縮木材 PW−1 製品圧縮木材 RPW−a ロール単板 PW−a 単板 RPW−b 補強ロール単板 PW−b 補強単板
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B27M 1/00 B27M 1/00 A C 1/02 1/02 Fターム(参考) 2B002 AA11 AA12 BA01 BA05 BA10 BA19 BB05 BB06 BB10 DA04 DA06 2B200 AA07 BA01 BB15 BB20 CA12 DA04 EC18 EC19 EF11 FA24 FA31 FA34 FA37 FA44 FA46 2B230 AA30 BA01 BA03 EA19 EA21 EB05 EB06 EB13 EB23 EB26 EB28 EB29 EC10 EC24 2B242 AA07 BA02 BA11 BA24 BA43 2B250 AA11 AA13 CA11 DA04 EA13 EA16 EA17 FA01 FA03 FA21 FA23 FA37 FA53 HA01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の断面と長さに製材した木材を、加
    湿加熱による可塑化状態において長手方向に圧縮したの
    ち、自然状態において長さを復元伸長させたことを特徴
    とする圧縮木材。
  2. 【請求項2】 所定の断面と長さに製材した木材を、ス
    チームによる加湿加熱によって可塑化し、この可塑化し
    た木材を長手方向において加圧して所定長さの圧縮され
    た木材としたのち、自然状態で適宜の長さに復元伸長さ
    せることを特徴とする圧縮木材の製造法。
  3. 【請求項3】 前記製材した木材は、幅と厚みが全長に
    わたって同一であることを特徴とする圧縮木材の製造
    法。
  4. 【請求項4】 前記製材れた木材は、含水率が20〜2
    5%の範囲であることを特徴とする請求項2に記載の圧
    縮木材の製造法。
  5. 【請求項5】 前記製材された木材は、その小口が長さ
    方向に対して直角にカットされていることを特徴とする
    請求項2に記載の圧縮木材の製造法。
  6. 【請求項6】 前記木材の可塑化は、長手方向における
    圧縮に際し、木材の両サイドを適宜規制して実施するこ
    とを特徴とする請求項2に記載の圧縮木材の製造法。
  7. 【請求項7】 前記木材の長手方向における圧縮は、圧
    縮前の全長に対して10〜20%の範囲で実施すること
    を特徴とする請求項2に記載の圧縮木材の製造法。
  8. 【請求項8】 前記圧縮された木材は、自然状態におい
    て5〜10%の範囲内においけ復元させたものであるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の圧縮木材の製造法。
  9. 【請求項9】 幅と厚みを全長において同一となるよう
    製材した木材を、加湿加熱による可塑化状態において長
    手方向に圧縮したのち、自然状態において長さを復元伸
    長させた圧縮木材を所定の幅と厚みに裁断し、長手方向
    の端部に施したジョイント加工部を相互に一体的に接続
    し、ついで必要長さに切断し表面仕上げによって所定の
    圧縮木材に加工することを特徴とする圧縮木材の加工
    法。
  10. 【請求項10】 幅と厚みを全長において同一となるよ
    う製材した木材を、加湿加熱による可塑化状態において
    長手方向に圧縮したのち、自然状態において長さを復元
    伸長させた圧縮木材を、長手方向に沿ってスライシして
    所定厚みの単板とし、得た単板の複数の長手方向端部に
    フィンガージョイント加工を施し、互いのフィンガージ
    ョイント加工部を一体的に接続し、表面仕上げをしたの
    ち、巻き取ってロール単板とするか、あるいは巻き取る
    ことなく所定の長さの単板としてなることを特徴とする
    圧縮木材の加工法。
  11. 【請求項11】 幅と厚みが全長において同一となるよ
    う製材した木材を、加湿加熱による可塑化状態において
    長手方向に圧縮したのち、自然状態において長さを復元
    伸長させた圧縮木材を、長手方向に沿ってスライスして
    所定厚みの単板とし、得た単板の複数の長手方向端部に
    フィンガージョイント加工を施し、互いのフィンガージ
    ョイント加工部を一体的に接続し、単板の裏面に補強シ
    ートを貼付すると共に、表面仕上げをしたのち、巻き取
    って補強ロール単板とするか、あるいは巻き取ることな
    く所定の長さの補強単板としてなることを特徴とする圧
    縮木材の加工法。
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