JP2000317326A - ローラミル - Google Patents

ローラミル

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JP2000317326A
JP2000317326A JP11127259A JP12725999A JP2000317326A JP 2000317326 A JP2000317326 A JP 2000317326A JP 11127259 A JP11127259 A JP 11127259A JP 12725999 A JP12725999 A JP 12725999A JP 2000317326 A JP2000317326 A JP 2000317326A
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roller
crushing
mill
load
coal
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JP11127259A
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English (en)
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Kazunori Sato
一教 佐藤
Hiroaki Kanemoto
浩明 金本
Eiji Murakami
英治 村上
Yutaka Takeno
豊 竹野
Nobuyasu Meguri
信康 廻
Hideo Mitsui
秀雄 三井
Tadashi Hasegawa
忠 長谷川
Kotaro Sakoda
光太郎 佐古田
Takashi Harada
孝 原田
Teruaki Tatsuma
照章 立間
Taketoshi Tanabe
武利 田辺
Shinichi Hamazaki
真一 濱崎
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多炭種運用、広域負荷運用、起動・停止も含
めた負荷上昇・降下過程、に対して、超微粉炭を作り出
す条件であっても、振動を起こすことなく静粛で安定に
運用できるローラミル。 【解決手段】 回転テーブル3と回転テーブルに刻設さ
れた粉砕レース5とタイヤ形粉砕ローラ4とを備えて石
炭を粉砕するローラミルにおいて、粉砕ローラの噛込側
の回転方向先端を回転テーブルの中心軸側に向け傾斜さ
せてトーイン角度を形成させ、加圧フレームとブラケッ
トの間に皿バネの積層構造であるリンクサポート25を
振り子動作に対する抵抗体として設け、回転テーブル上
の粉層に対して散水用のノズル12を設け、ローディン
グロッド側のみならず反対側のプランジャヘッド側にも
逆油圧を加え、ミル起動又は停止時に逆油圧を高めてロ
ーディングロッド28と加圧フレーム23の連接を切り
離して粉砕部の自己重量のみで粉砕を行わせるようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤ型のローラ
と回転するテーブルにより石炭等の固体燃料や固体原料
を微粉砕するローラミルに係わり、その全体的な構成に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】石炭焚ボイラでは、低公害燃焼(低NO
x、低灰中未燃分)や広域負荷運用が行われ、それにと
もない微粉炭機(ミル)も高い粉砕性能や信頼性が要求
されている。
【0003】石炭、セメント原料あるいは新素材原料な
どの塊状物を細かく粉砕するミルのひとつのタイプとし
て、最近では、回転するテーブルと複数個のタイヤ型ロ
ーラで粉砕を行う竪型のローラミルが広く用いられてお
り、特に日本国内では、代表機種としての地位を固めて
いる。
【0004】ここでは、図21に示すように、ローラミ
ルの一般的な構成を述べる。このタイプのミルは、円筒
型をしたハウジング8の下部にあってモータで駆動さ
れ、減速機を介して低速で回転する略円台状の回転テー
ブル3と、その回転テーブル3の外周部の上面において
円周方向へ等分する位置へ油圧あるいはスプリング等で
荷重を付加されて回転する複数個の粉砕ローラ4を備え
ている。
【0005】原料供給管(センターシュート)2から、
回転テーブル3の中央へ供給された原料は、回転テーブ
ル3上において遠心力によりうず巻状の軌跡を描いて回
転テーブル3の外周へ移動し、回転テーブル3の粉砕レ
ース5と粉砕ローラ4の間にかみ込まれて粉砕される。
【0006】ハウジング8の下部には、ダクトを通し
て、燃焼用空気の一部ともなる熱風(一次空気)6が導
かれており、この熱風(一次空気)6が回転テーブル3
とハウジング8の間にあるエアスロートのスロートベー
ン7の間を通して吹き上っている。粉砕後の粉粒体は、
エアスロートから吹き上る熱風(一次空気)6によっ
て、ハウジング8内を上昇しながら乾燥される。ハウジ
ング8の上部に輸送された粉粗体は、粗いものから重力
により落下し(一次分級)、粉砕部で再粉砕される。
【0007】この一次分級部を貫通したやや細かな粉粒
体は、ハウジング8の上部に設けた固定式分級機(サイ
クロンセパレータ)あるいは回転式分給機(ロータリー
セパレータ)9で再度分級される。所定の粒径より小さ
な微粉は気流により搬送され、ボイラでは微粉炭燃焼用
バーナへ送られる。分級機を貫通しなかった所定粒径よ
り大きな粗粉は、回転テーブル3の上へ重力により落下
し、ミル内へ供給されたばかりの原料とともに再度粉砕
される。このようにして、ミル内では粉砕が繰り返さ
れ、製品微粉が作り出されていく。
【0008】ローラミルを低負荷で運用する場合や、負
荷減少あるいはミルの停止操作の際に問題となるのはミ
ルの振動である。この振動現象は、炭層とローラのすべ
りに起因する一種の摩擦振動であり、振動のタイプとし
ては自励振動である。ふつうの石炭では、低負荷運用時
(ミル内において石炭ホールドアップの少ない条件)に
この振動が激しくなることが多いが、石炭種によっては
かなりの高負荷時にも発生することがある。
【0009】この振動と微粉生成は、一般に強く係わり
合っている。すなわち、粒度を微細にしようとすると、
ミルの粉砕部の粉層の粒度も細かくなり、ローラの転動
が不安定になって、振動が発生し易くなる。一方、粒度
を制限して粉砕部の粉層を粗くすると振動は発生せず、
ローラの転動は安定になる。要するに、粉砕能力の向上
と振動抑制を同時に達成できないのが、従来技術のレベ
ルである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来までの粉砕部安定
化方法あるいは振動対策の多くは、粉砕性能、言い換え
ればミル出口における製品微粉の粒度を犠牲にするきら
いがあった。例えば、回転分級機の回転数を低下させ
る、粉砕荷重を低減する、という手法は、確かに振動
対策に対して有効である。しかしながら、前記とは
両方式ともに、粉砕部における粉層の粒度を粗くするた
めに、ミル出口からの微粉の粒度も粗くなる。石炭焚ボ
イラの微粉炭製造用のミルであるならば、排ガス中のN
Ox濃度が上昇したり、灰中未燃分が増大するような問
題となって現われる。
【0011】次に、粉砕部の粉層に対する注水という手
段は、粉層をわずかに湿らせて粉層全体を崩れにくくす
ることで粉砕ローラの安定回転を維持しようという方法
であるものの、やはり微粉粒度がわずかながら粗くなっ
たり、粉砕動力が上昇することで、やはりミルの粉砕性
能は犠牲になる。
【0012】石炭を粉砕する場合、全炭種に対して、粉
砕部注水法が有効というわけではない。例えば、吸水性
の強い石炭の場合には、粉砕部の炭層へ散水した水分が
全て石炭粒子の内部へ吸い込まれるために、炭層を強く
して粉砕ローラの転動を安定化させる、という効果は乏
しくなる。
【0013】この他にも、いくつかの振動抑止技術があ
るものの、有効な条件が特定の運用負荷(例えば低負荷
域のみ)に限られるきらいがあったり、定常運用時(給
炭量一定)には有効であっても起動・停止過程や負荷上
昇・降下の過程では効果が乏しかったり、幅広い運用を
するローラミルの全運用条件に対して、いわば万能な手
法は存在しないのが実情である。
【0014】本発明の目的は、最新鋭あるいは今後の石
炭焚ボイラ用のミルとして求められる運用条件、すなわ
ち、多炭種運用(粉砕性、灰分あるいは水分等の性状が
幅広い多くの石炭種)、広域負荷運用(超低負荷給炭条
件での運用)、起動・停止も含めた負荷上昇・降下過程
(しかも負荷変化速度を大きくする運用)、に対して、
超微粉粒度の製品・石炭焚ボイラ用のミルであるなら
ば、超微粉炭(200メッシュ通過として90%以上)
を作り出す条件であっても、振動を起こすことなく静粛
で安定に運用できるローラミルの全体的な構成を提供す
ることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は主として次のような構成を採用する。
【0016】ケーシング内部の下方部に設置された回転
テーブルと、前記回転テーブルの外周に刻設された粉砕
レースと、荷重を付与されて前記粉砕ローラ上に設けら
れた複数のタイヤ形粉砕ローラと、粉砕後の粉粒体を分
級する分級機と、を備え、石炭を含む固体燃料又は固体
原料を前記粉砕レース上の前記粉砕ローラにより粉砕す
るローラミルにおいて、前記粉砕ローラの噛込側の回転
方向先端を前記回転テーブルの中心軸側に向け傾斜させ
てトーイン角度を形成させ、前記トーイン角度を0.9
°以上1.8°未満の範囲から選定して、前記粉砕レー
ス上における粉砕ローラを位置決めし、粉砕荷重を伝達
するための加圧フレームと粉砕ローラのシャフトを支持
するブラケットとの間に粉砕ローラの振り子動作におけ
る支軸となるピボットを介設させ、前記加圧フレームと
ブラケットの間に皿バネの積層構造であるリンクサポー
トを前記振り子動作に対する抵抗体として設け、粉砕ロ
ーラ毎に前記リンクサポートにおける積層皿バネの統括
剛性を変化させ、前記剛性の差を少なくとも2倍以上4
倍以下とし、前記回転テーブル上の粉層に対して散水用
のノズルを設け、散水量の重量比割合を給炭量に対して
1.5%以上23%未満とし、前記ノズルは略スリット
状開口部を有して扇形の水噴霧を作り出し、前記ノズル
を各粉砕ローラの中間位置に設置するローラミル。
【0017】また、ケーシング内部の下方部に設置され
た回転テーブルと、前記回転テーブルの外周に刻設され
た粉砕レースと、荷重を付与されて前記粉砕ローラ上に
設けられた複数のタイヤ形粉砕ローラと、粉砕後の粉粒
体を分級する分級機と、を備え、石炭を含む固体燃料又
は固体原料を前記粉砕レース上の前記粉砕ローラにより
粉砕するローラミルにおいて、前記粉砕ローラの噛込側
の回転方向先端を前記回転テーブルの中心軸側に向け傾
斜させてトーイン角度を形成させ、前記トーイン角度を
0.9°以上1.8°未満の範囲から選定して、前記粉
砕レース上における粉砕ローラを位置決めし、粉砕荷重
を伝達するための加圧フレームと粉砕ローラのシャフト
を支持するブラケットとの間に粉砕ローラの振り子動作
における支軸となるピボットを介設させ、前記加圧フレ
ームとブラケットの間に皿バネの積層構造であるリンク
サポートを前記振り子動作に対する抵抗体として設け、
粉砕ローラ毎に前記リンクサポートにおける積層皿バネ
の統括剛性を変化させ、前記剛性の差を少なくとも2倍
以上4倍以下とし、油圧シリンダのプランジャに接続し
たローディングロッドを介して、前記加圧フレームを下
方へ懸引することで前記粉砕ローラに粉砕荷重を付与す
るに際し、前記ローディングロッド側のみならず反対側
のプランジャヘッド側にも逆油圧又は背圧を加えて、前
記ローディングロッド側とプランジャヘッド側の双方の
全体粉砕荷重を粉砕ローラに付与し、給炭量の変化に応
じて、逆油圧又は背圧を高めて前記ローディングロッド
を上方へ持ち上げ、前記ローディングロッドと前記加圧
フレームの連接を切り離し、各粉砕ローラを含む粉砕部
の自己重量のみで粉砕を行わせるようにし、前記自己重
量のみの粉砕をミルの起動時又は停止時に実施するロー
ラミル。
【0018】また、ケーシング内部の下方部に設置され
た回転テーブルと、前記回転テーブルの外周に刻設され
た粉砕レースと、荷重を付与されて前記粉砕ローラ上に
設けられた複数のタイヤ形粉砕ローラと、粉砕後の粉粒
体を分級する分級機と、を備え、石炭を含む固体燃料又
は固体原料を前記粉砕レース上の前記粉砕ローラにより
粉砕するローラミルにおいて、前記粉砕ローラの噛込側
の回転方向先端を前記回転テーブルの中心軸側に向け傾
斜させてトーイン角度を形成させ、前記トーイン角度を
0.9°以上1.8°未満の範囲から選定して、前記粉
砕レース上における粉砕ローラを位置決めし、粉砕荷重
を伝達するための加圧フレームと粉砕ローラのシャフト
を支持するブラケットとの間に粉砕ローラの振り子動作
における支軸となるピボットを介設させ、前記加圧フレ
ームとブラケットの間に皿バネの積層構造であるリンク
サポートを前記振り子動作に対する抵抗体として設け、
粉砕ローラ毎に前記リンクサポートにおける積層皿バネ
の統括剛性を変化させ、前記剛性の差を少なくとも2倍
以上4倍以下とし、前記回転テーブル上の粉層に対して
散水用のノズルを設け、散水量の重量比割合を給炭量に
対して1.5%以上23%未満とし、前記ノズルは略ス
リット状開口部を有して扇形の水噴霧を作り出し、前記
ノズルを各粉砕ローラの中間位置に設置し、油圧シリン
ダのプランジャに接続したローディングロッドを介し
て、前記加圧フレームを下方へ懸引することで前記粉砕
ローラに粉砕荷重を付与するに際し、前記ローディング
ロッド側のみならず反対側のプランジャヘッド側にも逆
油圧又は背圧を加えて、前記ローディングロッド側とプ
ランジャヘッド側の双方の全体粉砕荷重を粉砕ローラに
付与し、給炭量の変化に応じて、逆油圧又は背圧を高め
て前記ローディングロッドを上方へ持ち上げ、前記ロー
ディングロッドと前記加圧フレームの連接を切り離し、
各粉砕ローラを含む粉砕部の自己重量のみで粉砕を行わ
せるようにし、前記自己重量のみの粉砕をミルの起動時
又は停止時に実施するローラミル。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態に係るローラミ
ルの全体的な構成について図面を用いて以下説明する。
図1は、本発明になるローラミルの構造を、ミルの縦方
向断面図として描いたものである。図2は、同じく本発
明を具体化したローラミルにおける粉砕部構造を、ミル
の上方からの視図として描いたものである。
【0020】原料である石炭は、このローラミルの中心
軸の上部にある原料供給管(センターシュート)2から
供給され、回転テーブル3の上に落下し、遠心力によ
り、回転テーブル3の外周側に刻設しその断面形状が略
円弧状で凹型のくぼみになっている粉砕レース5に送給
される。この回転テーブル3は、減速機を介して原動機
(この図では省略)により駆動されて、一定速度で回転
する。
【0021】粉砕レース5の上において、粉砕ローラ4
は転動し、粉砕レース5の上における炭層35を踏みつ
けるようにして圧縮あるいはせん断力を加えて微粉砕す
る。回転テーブル3の外周端におけるケーシング8との
隙間では、回転テーブル3と一体で旋回する複数枚のス
ロートベ−ン7が装着されており、搬送用でもあり燃焼
用の一次空気でもある熱風(一次空気)が吹き込まれて
いる。
【0022】粉砕ローラ4の断面形状は、粉砕レース5
と同様に、略円弧形である。この粉砕ローラ4は、その
シャフト21が背後からローラブラケット20により支
持されている。ローラブラケットは、粉砕ローラ4の上
方部で曲がり、そこにピボット19が装着されている。
このピボット19は、粉砕ローラが振り子動作をする際
の支軸となる。また、このピボット19は、加圧フレー
ム23からの粉砕荷重の伝達点となる。
【0023】加圧フレーム23は、図2から明らかなよ
うに、粉砕ローラ4が3個であるから概略正三角形をし
ている。この正三角形の加圧フレーム23における各コ
ーナの部分からは、アーム26が延設しており、その先
端にはローディングロッド28が係止している。
【0024】このローディングロッド28は、油圧用の
プランジャ(この図では省略)に直接接続しており、ロ
ーディングロッド28を油圧の作用で下方へ懸引するこ
とによって、加圧フレーム23に粉砕荷重が伝わる。粉
砕荷重は、加圧フレーム23からピボット19へ、さら
にローラブラケット20を介して粉砕ローラ4に伝わる
ようになっている。
【0025】粉砕されて生じた原料1の粉粒体は、熱風
(一次空気)6によりミル上方へと吹き上げられるが、
粗いものは重力により落下し、回転テーブル3の上へ落
ちて再粉砕される。細かな粉粒体は、ミル上部の分級機
9で再度分級される。この分級機9は、外周に複数枚配
設する固定フィン9a、その内側で回転してこれも複数
枚のフィンである回転フィン9bからなる。
【0026】この回転フィン9bの遠心作用により外側
へはじき出された比較的粗めの粒子は、略円錐体をした
コーン9c内を重力によって回転テーブル3上へ落下し
再粉砕される。細かな粒子は回転フィン9bの間を貫通
し、分配器36を通り、おのおのの送炭管37内を通り
各燃焼用バーナへと送給される。
【0027】順次詳しく述べるが、本発明の実施形態の
特徴は、主としてこのローラミルの粉砕部に係わるもの
であって、粉砕ローラ4に対し「トーイン」という傾
斜角度を設けていること、粉砕ローラ4の過剰な振り
子動作を適切な程度に抑えるために皿バネを積層したリ
ンクサポート25という部材を加圧フレーム23とロー
ラブラケット20の間に設けていること、粉砕レース
5上の炭層35をわずかに湿らせて炭層35を安定化さ
せるために注水ノズル12を設けて水噴霧を炭層35上
に注ぐこと、粉砕荷重係の剛性を高くするために油圧
シリンダ29におけるプランジャの両側から荷重油圧を
加えるとともに、ローディングロッド28と加圧フレ
ーム23から延設したアーム26を切り離せるようにし
たこと、である。
【0028】図3は、粉砕レース5に対する粉砕ローラ
4の位置関係を示すものである。粉砕ローラ4の噛込み
側の回転方向先端を、角度θtだけ内側すなわちミルの
中心側へ傾けるようにしてある。粉砕ローラ4を、いわ
ゆるトーイン状態(B)に設定したものである。ここに
θtはトーイン角度であって、0.9°以上1.8°未
満の範囲から選定する。
【0029】図4は、粉砕ローラ4の支持構造を横方向
からの視図として描いたものである。加圧フレーム23
とローラブラケット20の間に、皿バネを積み重ねて弾
性による抵抗力を生み出すようにしたリンクサポート2
5を設けている。このリンクサポート25は二階層にな
っている。上段の積層皿バネ25aは、粉砕ローラ4が
内側(回転テーブル3の中心側)へ向けて振り子動作を
するときに機能する。下段の積層皿バネ25bは、粉砕
ローラ4が外側(回転テーブル3の円周側)へ向けて振
り子動作をするときに機能する。
【0030】図2に示した上方からの視図でも明らかな
ように、粉砕ローラ4に対し、すなわちローラブラケッ
ト20には、リンクサポート25が左・右で対になるよ
うに設けられている。
【0031】一方、各粉砕ローラ4の同位相的な動きを
相互キャンセルさせるために、ローラブラケットごと
に、リンクサポート25における積層皿バネの統括剛性
を異ならせている。その剛性の差は、少なくとも2倍以
上4倍以下とする。本実施形態においては、2つのロー
ラブラケットにおけるリンクサポートの剛性の大きさを
「1」とし、残りのローラブラケットにおけるリンクサ
ポートの剛性の大きさを「3」とした。すなわち、リン
クサポートの剛性を3倍変化させている。
【0032】図5及び図6はともに、粉砕部の粉層に対
して注水するノズルの設置状態を示す図であって、それ
ぞれ横方向からの視図及び上方からの視図である。供給
水15は、ミルの外部から注水配管14を通じて導か
れ、先端の注水ノズルからスプレーとして、回転テーブ
ル3の上の原料粉層17の上に散水される。この注水ノ
ズル12には、摩擦や粒子による閉塞を防ぐために保護
カバー18がかぶせられている。
【0033】図6に示すように、各注水ノズル12はそ
れぞれ、粉砕ローラ4と粉砕ローラ4との中間に配設さ
れている。注水ノズル12の開口部は略スリット状の形
状をしており、扁平で扇状のスプレー13が作り出され
る。このスプレー13は、粉砕ローラ4同士の間にある
粉層17をあたかも扇形をしたナイフで切断するかのよ
うな状態で、粉層17に降り注ぐようになっている。注
水量は、重量比として評価すれば給炭量に対して1.5
%以上23%未満の範囲、より望ましくは2.0%以上
3.0%未満の範囲から選定する。
【0034】図7の(1)は、粉砕部に連なる荷重伝達
系の構成を横方向からの視図として描いたものである。
加圧フレーム23からはアーム26が延設しており、そ
の先端の部材26aが、ローディングロッド28と接続
している。この接続部に本発明の特徴があって、ローデ
ィングロッド28が油圧の作用で、下方へ懸引するとき
はじめて、外部からの粉砕荷重が粉砕ローラ24に伝わ
るようになっている。
【0035】このローディングロッド28は、油圧シリ
ンダ29のプランジャ30と直接接続しており、油圧シ
リンダ29において、プランジャ30を下方へ押し下げ
ようとする力が作用したときに、油圧力による粉砕荷重
が発生することになる。
【0036】本発明の実施形態では、油圧シリンダ21
において、ローディングロッド28のロッド側油圧31
のみならずプランジャ30のヘッド側にもヘッド側油圧
32を加えるようにして、全体の粉砕荷重を粉砕ローラ
4に伝達する。このように、プランジャ30を両方向か
らはさみつけるようにして油圧を加えると、油圧系全体
の剛性が高まり、粉砕部が安定な状態に維持されるよう
になる。
【0037】図7の(2)は、特にミルの停止過程のよ
うな低負荷条件時において、ロッド側油圧31を低く
し、逆にヘッド側油圧32を高くして、ローディングロ
ッド28を上方へ持ち上げた(リフト)状態を、横方向
からの視図として描いたものである。加圧フレーム23
から延設したアーム26におけるアーム先端部材26a
とローディングロッド28は、これにより「縁切り」し
た状態になっている。
【0038】アーム先端部材26aは、ローディングロ
ッド28の先端に設けた空隙部27の中に有るので、粉
砕ローラ及びその付帯部品の重量から成るいわゆる粉砕
部の自己重量のみでつまりこのローラミルにおいて最小
荷重で粉砕が行われるようになっている。このような自
己重量のみによる粉砕を、低負荷給炭運用時、言い換え
れば、起動・停止時に実施する。
【0039】本発明の実施形態は、以上説明した技術を
複数個適宜に組み合わせたことによって構成されるロー
ラミルである。
【0040】図22は、本発明になる各構成要素を、ミ
ルの全運用範囲(起動から停止まで)に適用した実施形
態を示すものである。
【0041】前述したのトーイン、及びのリンクサ
ポートは、常設装置であるので、当然ではあるが、全運
用範囲に適用する。これに2つは全運用条件に対して、
粉砕部の安定化への効果がある。次に、前記の粉砕部
炭層への散水は、最低〜低負荷運用時に適用し、粉砕部
の炭層を適度に湿らせて安定化させる。なお、この粉砕
部炭層への散水は、給炭開始前及び給炭停止後には実施
しない。回転テーブルの粉砕部材が適度に濡れると、水
素脆化による破壊が生じるおそれがある。また、回転テ
ーブル上の炭層が湿ると固まって残炭となり、再起動の
熱風投入時に、発火トラブルを起こすおそれがあるから
である。
【0042】また、前述したの油圧シリンダに対する
逆油圧(背圧)付与は、全運用範囲に適用するが、低負
荷給炭運用時には粉砕荷重を低く抑えるために高くし、
高負荷給炭運用時には粉砕荷重を高めるために逆油圧
(背圧)は低く設定する。さらに、前述したのローデ
ィングロッドと加圧フレーム連接部との切り離しは、ミ
ル起動時(給炭開始直後)及びミル停止(給炭停止直
前)を含む、最低給炭負荷運用時に実施する。
【0043】次に、本発明の実施形態に係る各構成要素
の関連構造並びに機能・作用について以下説明する。図
8は、加圧フレーム23の傾きによって、回転テーブル
3の円周方向に対する粉砕ローラ4が位置ずれする様相
を模式的に描いたものである。粉砕ローラ4においてト
ーインを施さない場合、加圧フレーム23のような傾き
が発生し易くなる。加圧フレーム23が、この図のよう
に傾くと、粉砕ローラ4は、図8で(a)→(b)のよ
うに、回転テーブル3の回転方向へ逆らうかのように上
流へと位置ずれする。この位置ずれの距離Δが大きいほ
ど、粉砕ローラのトーアウト状態が顕著になり、激しい
自励振動を起こすようになる。
【0044】本発明になるトーインによれば、この位置
ずれ量Δを少なくして、粉砕ローラ4を安定位置に保持
することが可能になる。
【0045】図9は、回転テーブル3の周(回転)方向
に対する粉砕ローラの位置ずれの距離Δを、本発明の実
施形態と従来技術において比較したものである。縦軸に
おける回転テーブル周方向の位置ずれの距離Δは、従来
技術における位置ずれの距離Δ*で割ることにより、無
次元化して表わした。従来技術においてΔ/Δ*=1と
すると、トーインを適用した本発明の場合には、位置ず
れの距離が半分以下にまで減少していることが分かる。
これは、粉砕ローラをあらかじめトーイン状態にしてお
くことにより、粉砕ローラの無用な軌道の変化を抑制す
ることで生じた効果に他ならない。粉砕ローラ4がトー
アウト状態になることを防げれば、結果的に、粉砕ロー
ラの自励振動は抑制される。
【0046】以上は、粉砕ローラ4が、回転テーブルの
周方向へ位置ずれする問題を扱ったが、図10は、粉砕
ローラ4が振り子状動作αを行い、外側(回転テーブル
3の外周側)へ横すべりした状態((I)→(II))を
模式的に描いたものである。この横すべり距離δが大き
いほど、また横すべりする速度(あるいは加速度)が大
きいほど、粉砕ローラ4と回転テーブル3との速度差が
拡大し、激しい自励振動へ発達し易くなる。本発明の実
施形態におけるリンクサポートは、このような過度の振
り子動作αを抑制するための抵抗体であり、振り子状の
横すべり距離を短縮するとともに、振り子動作αも緩慢
でゆっくりしたものにする。
【0047】図11は、リンクサポートを設けない従来
技術と、リンクサポートを適用した本発明の実施形態に
対して、横すべり距離δを比較したものである。縦軸に
おける横すべり距離δは、従来技術における横すべり距
離δ*で割ることにより無次元化した。従来技術におい
てδ/δ*=1とすると、本発明の場合にはδ/δ*
0.25であって、リンクサポートによって振り子状の
横すべり動作が大幅に抑制されることが認められた。
【0048】図12も同様に、従来技術と本発明の実施
形態に対して、粉砕ローラにおける振り子状の横すべり
速度Vを比較したものである。縦軸の横すべり速度V
は、従来技術における横すべり速度V*で割ることによ
り無次元化した。従来技術と比べて、本発明の実施形態
の場合には、およそ2/3まで減速していることが分か
る。このように、本発明の実施形態になるリンクサポー
トによれば、粉砕ローラにおける過度の振り子動作を抑
制することができる。ちなみに、この振り子動作は完全
に無くなれば良いわけではなく、重要な役割を担ってい
る。例えば、異物の混入に対して粉砕ローラの動きがフ
レキシブルに追従できるようになるし、振り子状に動く
ことで、経年時の摩耗面が広がるために深くえぐられる
ような変形が起こらず、粉砕ローラの寿命が長くなる、
という特徴がある。
【0049】次に、粉砕部の炭層へ注水することによる
効果について述べる。粉砕ローラ4が転動しながら踏み
つける炭層がわずかに湿っていると、粒子同士の付着力
が強まり、炭層が堅固で崩れにくくなり、粉砕ローラ4
の転動状態が安定になる。図13は、粉砕レース5の上
の炭層に対して注水しない場合(C)と、注水した場合
(D)における粉砕ローラ4の位置関係を比較したもの
である。注水をしない場合(C)では、粉砕ローラ4の
下の炭層は崩れて薄くなり、粉砕ローラも傾きが大きく
なりいわば「寝た」ような状態になっている。この状態
では、粉砕ローラ4の転動は不安定であって、自励振動
が発生し易い。一方注水した場合(D)では、粉砕ロー
ラ4の下の炭層は厚く、粉砕ローラ4の傾きも小さく、
粉砕ローラ4は「立った」ような状態になっている。こ
の場合、粉砕ローラ4の転動は安定であり、自励振動は
発生しない。
【0050】図14は、炭層が保有する全水分と炭層の
内部摩擦角φの関係をまとめたものである。内部摩擦角
φは、いわゆる炭層の力学的な抵抗を示すものであっ
て、このφが大きければ炭層は崩れにくく安定である。
図14の縦軸における炭層の内部摩擦角φは、石炭の表
面水分=0の場合の炭層の内部摩擦角φ*で割ることに
より無次元化した。内部摩擦角φは、石炭の表面にわず
かな水分が存在する程度から急増し、炭種(吸水性等の
性状)によっても幾分異なるが、石炭の表面水分が3〜
9%の範囲でφが高くなる。
【0051】次に、油圧シリンダのプランジャに正圧
(ロッド側圧力)のみならず背圧あるいは逆圧(ヘッド
側圧力)を加えることによる機能について述べる。油圧
用プランジャの両側から、すなわちローディングロッド
側とプランジャのヘッド側から油圧を加えると、ローデ
ィングロッドは動きにくくなる。つまり、荷重油圧伝達
系の剛性が高まることになる。ローディングロッドにお
いて、不要な動作が減少すれば、図8に示したような粉
砕ローラのトーアウト状態につながる加圧フレームの傾
きも抑制される。ローディングロッドの動きの抑制効果
は、ローディングロッドの上下方向の振幅(これは数H
zの動きであって自励振動のことではない)の大きさに
表われる。
【0052】図15は、従来技術と本発明実施形態(図
15)において、ローディングロッドの上下方向幅Lを
比較したものである。無次元化したL*は、従来技術
(油圧において背圧無しの場合)における振幅である。
この結果から明らかなように、本発明によれば、ローデ
ィングロッドの動きをおよそ1/3まで減らせる効果の
あることが認められた。このように、荷重油圧系の剛性
を高めることによって、粉砕ローラも安定に保持される
ので、粉砕部の粉層が細かくなる粉砕条件においても、
粉砕ローラは自励振動を起こすこと無く安定に転動す
る。
【0053】図16には、ここまで述べた粉砕部の安定
化の作用をタイプ別にまとめたものである。トーインと
リンクサポートは、機械的な手法によって粉砕ローラの
過剰動作を抑制し、動作の安定化を図る手法としてまと
められる。粉砕部注水は、粉砕部材ではなく、炭層の状
態を、要するに強化・安定化する手法であって、トーイ
ンやリンクサポートとは性格が異なる。一方、荷重油圧
系における背圧付与は、荷重伝達系全体の剛性を高め、
さらに不安定な動きが生じても減衰させようとするもの
であり、自励振動のみならずタイプの異なる強制振動の
抑制に対しても効果的である。
【0054】以上のように、本発明はタイプの異なる3
つの機能を組み合わせることによって、粉砕ローラの振
動を抑制し、粉砕部の安定化・静粛化を図るものであ
る。
【0055】図17は、従来技術と本発明の実施形態に
おいて、粉砕部の固有振動数fを比較したものである。
この結果は、粉砕部に対する打撃(ハンマリング)法あ
るいは加振法等により求める。縦軸の振動数fは、自励
振動時において最も高頻度で現われる卓越振動数f*
割ることにより無次元化して表わした。自励振動時の周
波数f/f*=0.6〜1.2を、帯(バンド)で表わ
している。要するに、この領域が自励振動発生の「危険
域」ということになる。従来技術では、f/f*=1.
35であって、自励振動の周波数に近く、自励振動が発
生し易い状態にあることが明瞭である。
【0056】これに対して、本発明の実施形態では、f
/f*=3.3であって、自励振動時の周波数帯の上限
f/f*=1.2からもはるかに離れて高く、自励振動
が発生しにくい状態にあることが証明された。このよう
に、ミルが自励振動を起こしにくく安定であれば、様々
な制限を加えていた運用条件を緩和することができるよ
うになる。
【0057】図18は、給炭量Cと分級機回転数Nsの
操作条件の関係を示すものである。横軸の給炭量Cは、
定格給炭量C*で割ることにより無次元化した。また縦
軸における分級機回転数Nsは、従来技術においてC=
*のときの分級機回転数Nsを低めに設定せざるをえ
なかった。これに対して、本発明の実施形態において
は、全給炭負荷域において、分級機の回転数を高めに設
定することが可能になっている。このように、分級機回
転数を高くする運用ができれば、微粉炭の粒度も細かく
なるため、灰中未燃分や排ガス中のNOx濃度を低減で
きるという効果がある。また、粒度が細かいことで石炭
粒子の燃え切りも早まるため、ボイラ火炉をコンパクト
にできるという効果も生まれる。
【0058】図19は、分級機回転数Nsに対する微粉
粒度の関係で、本発明実施形態と従来技術とを比較した
ものである。横軸の分級機回転数Nsは、従来技術にお
いて定格給炭条件時の分級機回転数Ns*で割ることに
より無次元化した。一方、縦軸の微粉粒度qは、Ns=
Ns*のときの微粉粒度を基準として相対値として表わ
した。従来技術では、分級機回転数Ns/Ns*が低い
ため、大半がq/q*<1の粗い粒度の結果となってい
る。これに対して、本発明の実施形態においては、分級
機回転数Ns/Ns*を高く設定できるため、粒度も細
かくなり、q/q*>1の領域に全てのプロットがあ
る。粒度を細かくできることによって生まれる効果は、
前述した通りである。
【0059】図20は、粉砕ローラ4の粉砕面における
摩耗変形部の長さ(幅)Elを、従来技術と本発明の実
施形態に対して比較したものである。縦軸のElは、従
来技術における摩耗変形部の長さ(幅)El*で割るこ
とにより無次元化した。本発明の実施形態の場合になる
摩耗変形部は、El/El*=1.06であって、従来
技術とほぼ同等か、もしくはわずかに幅が広くなる程度
である。本発明の実施形態におけるローラミルでは、前
述したように、ト−イン、リンクサポートあるいは粉砕
部の炭層への散水等によって、粉砕ローラの振り子動作
を抑制しているので、摩耗変形部の幅は狭まることが予
想されたが、図18と図19に示すように、分級機の回
転数を高めた運用をしていることから、ミル内の粒子循
環量が増大し、そのため全体的に摩耗量が増えて、結果
的に摩耗変形部の長さ(幅)において、従来技術との差
が無くなったためと考えられる。
【0060】本発明の実施形態は、上述したように、振
り子動作が可能となるように粉砕ローラを支持するタイ
プのローラミルを対象としたものである。例えば、図
4、図10〜図12に示したリンクサポート、あるいは
図3、図7及び図8に示したトーイン等の技術は、いず
れも振り子動作を許容することにより動きの自由が拡大
し過ぎる点を抑制する手法であり、ここまで述べてきた
実施形態になるミル特有の技術である。
【0061】一方、本発明の実施形態に係る、図5、図
6、図13及び図14に示した粉砕部注水法、ないし図
7に示した油加圧荷重における背圧付与法は、タイプの
異なるローラミルに対しても適用することができる。例
えば、粉砕ローラを、片持ちばりのようにローラ主軸を
延設したアームの先端に支持するタイプのローラミルへ
も適用することが可能であるし、生まれる効果も同様で
ある。
【0062】以上説明したように、本発明の実施形態を
取りまとめると、次のような構成例と作用乃至機能を奏
するものを含むものである。
【0063】各粉砕ローラの噛込み側の回転方向先端
を、回転テーブルの中心軸側に傾斜させる。粉砕ローラ
に対して、いわゆるトーイン角度を設けるものである。
このトーイン角度は、0.9°以上1.8°未満とす
る。
【0064】粉砕ローラの振り子動作を緩慢なものに
するため、あるいは振り子動作を部分的に抑制するため
に、あるいは振り子動作を部分的に抑制するために、振
り子動作の支軸となるピボットをはさむローラブラケッ
トと加圧フレームの間に、リンクサポートと呼ぶ抵抗体
を介設する。ローラブラケットは粉砕ローラのシャフト
を背後から支持する部材であり、加圧フレームは各粉砕
ローラに対して油圧装置で発生する荷重を伝える部材で
ある。
【0065】このリンクサポートは、皿バネを積層した
構造であり、弾性変形と摩擦によって、粉砕ローラの振
り子動作に対する抵抗力を生み出す。粉砕ローラが外側
(ハウジングの方向)及び内側(回転テーブルの中心方
向)へのいずれの方向へ動く際にも、リンクサポートに
抵抗力が生じるようにする。また、粉砕ローラごとにリ
ンクサポートの剛性を変化させて、その差を3倍とす
る。すなわち、ある粉砕ローラ部に設置したリンクサポ
ートの剛性に対し、他の粉砕ローラにおけるリンクサポ
ートの剛性は3倍ある、ということになる。
【0066】このような粉砕ローラごとのリンクサポー
トの剛性変化は、3個の粉砕ローラが同位相となって自
己同期化的な激しい動きをすることを、相互キャンセル
の作用で回避するためである。
【0067】回転テーブル上の炭層に対して、ノズル
から散水する。これは、わずかに炭層を湿らせること
で、炭層を安定化させる手法である。注水量の割合は、
給炭量に対して1.5%以上7.3%未満、より望まし
くは2.0%以上3.0%未満である。
【0068】ノズルは、略スリット状の開口部を有し、
扇状の水噴霧を作り出す。ノズルは、各粉砕ローラの中
間位置に設ける。ノズルからは、ローラ間の炭層をナイ
フで切るような状態で(「扇」の面が回転テーブルの半
径方向に合致するように)、扇状の水噴霧を供給する。
このノズルには、炭層の変動によって水噴霧があおられ
たりすることが無いように、あるいは炭層の接触による
摩擦を極力防ぐために、フード状の保護カバーを設け
る。
【0069】油圧による粉砕荷重付与に際しローディ
ングロッド側とは逆側に背圧を加える。本発明で対象と
する粉砕ローラでは、前述の加圧フレームを下方へ懸引
することにより粉砕荷重を付与する。加圧フレームは、
下方から荷重を伝達するテンションロッドを連接してい
るが、このローディングロッドは、油圧シリンダのプラ
ンジャに対して直列で接続している。
【0070】従来技術では、ローディングロッド側にの
み油圧を加えるが、本発明では、ローディングロッド側
とは逆側のプランジャヘッド側にも、いわゆる逆油圧あ
るいは背圧を加えるようにする。これによって、油圧系
全体の剛性が高まる。
【0071】逆油圧(もしくは背圧)を高めて、 ロ
ーディングロッドを上方へ持ち上げる(リフトする)こ
とを可能にする。逆油圧(背圧)付与にするローディン
グロッドの上方へのリフトで、ローディングロッドと加
圧クレームの連続部が切り離され(これはローディング
ロッドの上部先端に空隙を作っておくことで実現す
る)、加圧フレーム、各粉砕ローラ及び自重のみで作動
するようにする。このような油圧荷重系の設定は、ミル
の起動あるいは停止時に実施する。
【0072】次に、作用乃至機能について記述する。 トーインによると粉砕ローラにおける外側(ハウジン
グ側)へ横ずれしようとする動きが抑制され、正常な軌
道上で粉砕ローラが安定に転動するようになる。加圧フ
レームが傾く不安定な動作も生じない。粉砕ローラの軌
道のずれは、粉砕ローラと回転テーブルの速度差に起因
するすべり振動を誘発して自励振動の発達へと至るが、
トーインは粉砕ローラの軌道からのずれを抑えるもので
ある。
【0073】トーイン角度が小さ過ぎると(例えば0.
9°未満)、自励振動抑制の効果が乏しくなる。一方、
トーイン角度が大き過ぎる(例えば1.8°以上)場合
には、粉砕ローラが粉砕レースの傾斜面上に乗り上げる
ような不安定な挙動が生じたり、あるいは動力を消費す
るものの微粉粒度が粗くなり結果的に粉砕効率が低下す
るような問題が生じる。
【0074】リンクサポートは、粉砕ローラにおける
外側(ハウジング側)への横ずれを抑制したり、あるい
は横ずれする動きにおける速度もしくは加速度を小さく
し、粉砕ローラの動きを緩慢にしようとするものであ
る。粉砕ローラが外側へずれようとする際には、積み重
ねた皿バネが圧縮されることにより抵抗力が生じる。皿
バネは弾性力を生み出すだけではなく、積み重ねた皿バ
ネ同士がこすれ合う摩擦によって、粉砕ローラが跳躍運
動を始めようとする動きを減衰させる作用もある。
【0075】本発明におけるリンクサポートでは、積層
した皿バネの統括剛性を粉砕ローラごとに変化させる。
これは、各粉砕ローラにおける横ずれ動作を揃えないよ
うにすることで、各粉砕ローラの同期化を抑え、全粉砕
ローラの動きが同位相となる激しい自励振動へと至るこ
とを防ぐためである。
【0076】上記トーインとリンクサポートの作用
は、いずれも粉砕ローラの粉砕レース上における転動軌
道を安定に保とうとするものであり、相乗作用によっ
て、自励振動の抑制効果が高まる。のトーインは、ロ
ーラミルを比較的低負荷域で運用する条件において強い
効果が現われる。一方、のリンクサポートは、全運用
負荷域において有効である。
【0077】粉砕部の粉層に対する注水は、粉層をわ
ずかに湿らせることで、粉層の流動性を弱め、言い換え
れば粉層を崩れにくくし、粉砕ローラの転動位置を安定
に保とうとするものである。上記したとは、いずれ
も粉砕ローラを支持する部材の工夫によるものである
が、この注水法は、炭層の力学的状態を改質しようとす
る点で異なる。
【0078】炭層がわずかに湿ると、粒子間に付着した
水が架橋(ブリッジ)を形成し、粒子同士が強く付着す
るようになり、炭層全体が強く安定になる。水が多過ぎ
て粒子の表面全体が水膜で覆われるようになると、水膜
が潤滑膜のようになり、粒子が動き易くなって炭層全体
が崩れ易くなる。そのため、前記したように、最適な注
水条件(給炭量に対する注水量の比)に設定する。この
注水法は全ての石炭に対して有効というわけではなく、
吸水性の強い石炭の場合には、注水した水が石炭の内部
に吸い込まれるために石炭粒子の表面が最適状態に濡れ
なくなり、効果は乏しい。
【0079】本発明においては、できるだけ少量の水で
効果を上げるために、注水ノズルの構造と設定位置を工
夫している。扁平で扇形の噴霧を粉砕ローラの間に置く
が、これは粉砕レース上の炭層を均等に濡らすためであ
る。噴霧の平均液滴径は400μm程度となるようにし
ているが、これは、ミル内の気流によって運び去られる
(キャリーオーバ)こと無く、また蒸発して消滅してし
まうことなく、大きな慣性力を有する水滴が炭層上へ落
下することをねらったためである。
【0080】注水ノズルは、回転テーブル上の炭層の影
響を受けない高さに設置してあるので、閉塞したりある
いは水の噴出状態が不安定になったりすることは無い。
また、エアスロートから吹き込まれる熱風(一次空気)
によって、噴霧があおられることも無い。
【0081】荷重油圧系に背圧を付与することは、粉
砕荷重伝達系の動きに対する拘束を強め、剛性を高める
ことに相当する。テンションロッドによって粉砕荷重を
伝えるが、油圧系の剛性アップは、テンションロッドに
おいて不安定で不必要な動きが少なくなることにつなが
る。したがって、テンションロッドに連接する加圧フレ
ームも安定な状態に維持されるようになり、自励振動が
発生しなくなる。
【0082】荷重油圧系に対するこの手法は、先に述べ
た〜とは基本的に異なり、粉砕部材に対する荷重系
の剛性を高めることをねらったものであり、ミルの運用
条件(給炭負荷や使用炭種)にかかわらず機能する。ま
た自励振動のみならず、強制振動も抑制する。
【0083】に述べたトーインやのリンクサポート
に対しては、相乗効果となって作用する。一方、背圧を
高めることによって、テンションロッドを上方へリフト
できるが、加圧フレームとテンションロッドが連続する
位置に空隙を作っておけば、リフトしたテンションロッ
ドと加圧フレームとの間で力の伝達は無くなる。これ
を、ミル停止過程中に実施すると、荷重油圧系と粉砕部
材が切り離されるために、ミルは粉砕部材の重量(自
重)のみで粉砕を行うことになり、粉砕荷重を限界まで
低下できることになるため、ミルを極めて静粛な状態で
停止することが可能になる。本発明においては、このよ
うに油圧荷重系の背圧を巧みに利用することにより、ミ
ルを安定に運用できるようになる。
【0084】荷重油圧系の油圧シリンダにおいて、プ
ランジャに背圧(逆圧)を加える手法は、荷重油圧系の
剛性を高め、振動を起きにくくする効果がある反面、油
圧の圧力変動が大きくなるという、いわば副作用が生じ
る。荷重油圧が変動すれば、必然的な効果として粉砕動
力も変動する。これに対して、粉砕部粉層に散水をすれ
ば、油圧や動力の変動を抑えることができる。
【0085】これは、わずかな湿度により粉層がしまっ
て安定化し、ローラの微小な動作が消滅し、圧力変動が
無くなったためである。このような両手段の補完的な作
用により、油圧機器や回転テーブル駆動用モータが保護
され、長期間にわたる信頼性が維持できるようになる。
【0086】高負荷給炭時には、トーインやリンクサ
ーポートの効果が低負荷給炭時に比べると弱まる。これ
は、粉砕ローラのかみ込み量が増えて、粉砕ローラ下の
炭層が厚くなるためである。粉砕部粉層への散水も使え
ないことは無いが、給炭量が多いために水の量を増やさ
ねばならない。
【0087】これに対して、油圧シリンダに背圧(逆
圧)を付与する方法は、荷重伝達系の剛性を高めるもの
であって、給炭負荷にかかわらず有効である。この背圧
(逆圧)付与法は、自励振動のみならず、強制振動的な
揺動も抑えることができる。
【0088】炭種等によっては、トーインやリンクサ
ポートでも振動抑制効果が不十分な場合がある。油圧シ
リンダにおける背圧(逆圧)付与法は、ローディングロ
ッドの不必要な動き(上・下方向の動作であって、これ
は加圧フレームの傾きに連動している)を抑える。これ
によって、加圧フレームの傾きが抑制され、粉砕ローラ
の押圧位置が回転テーブルの周方向に対してずれること
が無くなる。これは、トーインやリンクサポートの機能
を補完しようとするものである。
【0089】低負荷給炭時には、三角形の枠体である
加圧フレームが周期的に交互に傾いて、いわば「振れ回
る」ように見える挙動が生じる。
【0090】加圧フレームの傾きによってある粉砕ロー
ラがトーイン状態になれば、他の粉砕ローラはトーアウ
ト状態となる。ここで、加圧フレームの傾きが大き過ぎ
れば、トーアフトローラのトーアウト角度が臨界点を超
えて、トーインローラのトーインが効かなくなってしま
う。
【0091】一方、リンクサポートについても同様であ
り、加圧フレームの「振れ回り」に連動して粉砕ローラ
の振り子動作が過大になると、これも臨界点を超えて、
リンクサポートが効かなくなる。低負荷給炭時に実施す
る注水は、トーインあるいはリンクサポートの効く適正
な範囲内に、テーブル上における粉層の安定性を維持す
るという効果がある。
【0092】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果が生じ
る。
【0093】(1)200メッシュ(75μm)通過9
5%を超える超微粉炭の生成が可能になる。任意粒度の
微粉炭を作り出す条件下で、ミルを安定に運用すること
ができる。
【0094】(2)上記(1)が、粉砕性の大幅に異な
る多炭種において達成可能になる。
【0095】(3)上記(1)ないし(2)の効果によ
って、排ガス中のNOx濃度を制限水準以下に常に保て
るようになる。
【0096】(4)自励振動が発生せず、全給炭負荷域
で、ミルを安定・静粛に運用できるようになる。
【0097】(5)ミルの起動・停止過程においても、
ミルを安定で静粛に運用できるようになる。
【0098】(6)上記(4)に関連し、ミルの運用負
荷を拡大することができる。
【0099】(7)ミルの給炭負荷の上昇・降下速度を
任意に設定できるようになり、ボイラの負荷応答性が向
上する。
【0100】(8)同一給炭負荷・同一粒子で比較した
場合、粉砕ローラ及び粉砕レースの摩耗が遅くなり、使
用寿命が長くなる。
【0101】(9)ミル停止時にテーブル上に残炭がた
まらず、再起動時において発火等のトラブルが少ない。
【0102】(10)上記(4)及び(5)の効果に関
連し、ミル自身及び周辺機器の健全性が確保される。
【0103】(11)上記(4)及び(5)の効果に関
連し、プラント内従業員が快適に業務に従事できるよう
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るローラミルの全体構成
を縦方向断面図として描いた図である。
【図2】本実施形態に係るローラミルの粉砕部の構成を
上方からの視図として描いた図である。
【図3】本実施形態に係るローラミルにおけるローラミ
ルの支持構造を示す図である。
【図4】本実施形態に係るローラミルにおける粉砕ロー
ラを支持する部材の構造を示す図である。
【図5】粉砕部炭層への注水法を示す図である。
【図6】全ての粉砕部炭層への注水法を示す図である。
【図7】本発明に係るローラミルへ適用する荷重油圧の
機構を示す図である。
【図8】本発明に係るローラミルにおける粉砕ローラの
挙動を模式的に描いた図である。
【図9】運用実績であり、本発明を具体化したローラミ
ルの優位性を示す図である。
【図10】本発明に係るローラミルの粉砕ローラの挙動
を模式的に描いた図である。
【図11】運用実績であり、本発明を具体化したローラ
ミルの優位性を示す図である。
【図12】運用実績であり、本発明を具体化したローラ
ミルの優位性を示す図である。
【図13】本発明に係るローラミルにおいて、粉砕部炭
層への注水による挙動を模式的に描いた図である。
【図14】添加水分と湿潤した炭層の特性をまとめた図
である。
【図15】本発明の実施形態に係るローラミルの優位性
を示す、従来技術との比較実績を示す図である。
【図16】本発明に係るローラミルの安定運用になる手
段の組み合わせをまとめた図である。
【図17】本発明の実施形態に係るローラミルの優位性
を示す、従来技術との比較実績を示す図である。
【図18】本発明の実施形態に係るローラミルの優位性
を示す、従来技術との比較実績を示す図である。
【図19】本発明の実施形態に係るローラミルの優位性
を示す、従来技術との比較実績を示す図である。
【図20】本発明の実施形態に係るローラミルの優位性
を示す、従来技術との比較実績を示す図である。
【図21】一般的なローラミルの構成を示す図である。
【図22】本発明の実施形態に係る各構成をミルの運用
範囲全域にそれぞれ適用するパターンを示した図であ
る。
【符号の説明】
1 原料 2 原料供給管(センターシュート) 3 回転テーブル 4 粉砕ローラ 5 粉砕レース 6 熱風(一次空気) 7 スロートベーン 9 分級機 12 注水ノズル 13 スプレー 14 注水配管 19 ピボット 20 ローラブラケット 23 加圧フレーム 25 リンクサポート 25a,b 積層皿バネ 26 アーム 27 空隙部 28 ローディングロッド 29 油圧シリンダ 35 炭層 θt トーイン角度 Δ テーブル周方向の位置ずれの距離 α 振り子状動作 δ 横すべり距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 英治 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 竹野 豊 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 廻 信康 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 三井 秀雄 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 長谷川 忠 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 佐古田 光太郎 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 原田 孝 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 立間 照章 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 田辺 武利 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 濱崎 真一 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 Fターム(参考) 4D063 EE03 EE14 EE21 GA05 GA06 GA07 GA08 GC12 GC19 GC22 GC23 GC25 GC40 GD01 GD11 GD24

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング内部の下方部に設置された回
    転テーブルと、前記回転テーブルの外周に刻設された粉
    砕レースと、荷重を付与されて前記粉砕ローラ上に設け
    られた複数のタイヤ形粉砕ローラと、粉砕後の粉粒体を
    分級する分級機と、を備え、石炭を含む固体燃料又は固
    体原料を前記粉砕レース上の前記粉砕ローラにより粉砕
    するローラミルにおいて、 前記粉砕ローラの噛込側の回転方向先端を前記回転テー
    ブルの中心軸側に向け傾斜させてトーイン角度を形成さ
    せ、前記トーイン角度を0.9°以上1.8°未満の範
    囲から選定して、前記粉砕レース上における粉砕ローラ
    を位置決めし、粉砕荷重を伝達するための加圧フレーム
    と粉砕ローラのシャフトを支持するブラケットとの間に
    粉砕ローラの振り子動作における支軸となるピボットを
    介設させ、前記加圧フレームとブラケットの間に皿バネ
    の積層構造であるリンクサポートを前記振り子動作に対
    する抵抗体として設け、粉砕ローラ毎に前記リンクサポ
    ートにおける積層皿バネの統括剛性を変化させ、前記剛
    性の差を少なくとも2倍以上4倍以下とし、 前記回転テーブル上の粉層に対して散水用のノズルを設
    け、散水量の重量比割合を給炭量に対して1.5%以上
    23%未満とし、前記ノズルは略スリット状開口部を有
    して扇形の水噴霧を作り出し、前記ノズルを各粉砕ロー
    ラの中間位置に設置することを特徴とするローラミル。
  2. 【請求項2】 ケーシング内部の下方部に設置された回
    転テーブルと、前記回転テーブルの外周に刻設された粉
    砕レースと、荷重を付与されて前記粉砕ローラ上に設け
    られた複数のタイヤ形粉砕ローラと、粉砕後の粉粒体を
    分級する分級機と、を備え、石炭を含む固体燃料又は固
    体原料を前記粉砕レース上の前記粉砕ローラにより粉砕
    するローラミルにおいて、 前記粉砕ローラの噛込側の回転方向先端を前記回転テー
    ブルの中心軸側に向け傾斜させてトーイン角度を形成さ
    せ、前記トーイン角度を0.9°以上1.8°未満の範
    囲から選定して、前記粉砕レース上における粉砕ローラ
    を位置決めし、 粉砕荷重を伝達するための加圧フレームと粉砕ローラの
    シャフトを支持するブラケットとの間に粉砕ローラの振
    り子動作における支軸となるピボットを介設させ、前記
    加圧フレームとブラケットの間に皿バネの積層構造であ
    るリンクサポートを前記振り子動作に対する抵抗体とし
    て設け、粉砕ローラ毎に前記リンクサポートにおける積
    層皿バネの統括剛性を変化させ、前記剛性の差を少なく
    とも2倍以上4倍以下とし、 油圧シリンダのプランジャに接続したローディングロッ
    ドを介して、前記加圧フレームを下方へ懸引することで
    前記粉砕ローラに粉砕荷重を付与するに際し、前記ロー
    ディングロッド側のみならず反対側のプランジャヘッド
    側にも逆油圧又は背圧を加えて、前記ローディングロッ
    ド側とプランジャヘッド側の双方の全体粉砕荷重を粉砕
    ローラに付与し、 給炭量の変化に応じて、逆油圧又は背圧を高めて前記ロ
    ーディングロッドを上方へ持ち上げ、前記ローディング
    ロッドと前記加圧フレームの連接を切り離し、各粉砕ロ
    ーラを含む粉砕部の自己重量のみで粉砕を行わせるよう
    にし、前記自己重量のみの粉砕をミルの起動時又は停止
    時に実施することを特徴とするローラミル。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のローラミルにおいて、 油圧シリンダのプランジャに接続したローディングロッ
    ドを介して、前記加圧フレームを下方へ懸引することで
    前記粉砕ローラに粉砕荷重を付与するに際し、前記ロー
    ディングロッド側のみならず反対側のプランジャヘッド
    側にも逆油圧又は背圧を加えて、前記ローディングロッ
    ド側とプランジャヘッド側の双方の全体粉砕荷重を粉砕
    ローラに付与し、 給炭量の変化に応じて、逆油圧又は背圧を高めて前記ロ
    ーディングロッドを上方へ持ち上げ、前記ローディング
    ロッドと前記加圧フレームの連接を切り離し、各粉砕ロ
    ーラを含む粉砕部の自己重量のみで粉砕を行わせるよう
    にし、前記自己重量のみの粉砕をミルの起動時又は停止
    時に実施することを特徴とするローラミル。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のローラミルにおいて、 前記トーイン角度の形成による粉砕ローラの位置決め及
    び剛性差を持たせたリンクサポートの採用は、ミル起
    動、給炭開始、低負荷運用、高負荷運用、給炭停止、ミ
    ル停止を含む全ての運用範囲で実施し、 前記散水用ノズルによる炭層への注水は、給炭開始から
    低負荷運用範囲、並びに低負荷運用範囲から給炭停止、
    の運用範囲で実施することを特徴とするローラミル。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載のローラミルにおいて、 前記トーイン角度の形成による粉砕ローラの位置決め及
    び剛性差を持たせたリンクサポートの採用は、ミル起
    動、給炭開始、低負荷運用、高負荷運用、給炭停止、ミ
    ル停止を含む全ての運用範囲で実施し、 前記油圧シリンダのローディングロッド側のみならず反
    対側のプランジャヘッド側への逆油圧又は背圧の印加
    は、ミル起動から低負荷運用範囲、並びに低負荷運用範
    囲からミル停止、の運用範囲において逆油圧又は背圧を
    高くし、高負荷運用範囲において逆油圧又は背圧を低く
    することを特徴とするローラミル。
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