JP2000279728A - フィルタ及びその製造方法 - Google Patents

フィルタ及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期圧損特性のよいフィルタを低コストで得
ることができるフィルタの製造方法を提供すること。 【解決手段】 このフィルタ製造方法は、押出成形工
程、切断工程、焼成工程及び組み付け工程を含む。押出
成形工程の初期に得られるハニカム成形体切断片24に
由来するハニカム焼結体F1と、後期に得られるハニカ
ム成形体切断片24に由来するハニカム焼結体F2とを
適宜組み合わせて組み付け工程を行なう。これによりフ
ィルタ9全体での平均セル壁厚を、押出成形工程の中期
に得られるハニカム成形体切断片24に由来するハニカ
ム焼結体のセル壁厚とほぼ同程度に調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばディーゼル
パティキュレートフィルタのようなフィルタ及びそれを
製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の台数は今世紀に入って飛躍的に
増加しており、それに比例して自動車の内燃機関から出
される排気ガスの量も急激な増加の一途を辿っている。
特にディーゼルエンジンの出す排気ガス中に含まれる種
々の物質は、汚染を引き起こす原因となるため、現在で
は世界環境にとって深刻な影響を与えつつある。また、
最近では排気ガス中のスス(ディーゼルパティキュレー
ト)が、ときとしてアレルギー障害や***数の減少を引
き起こす原因となるとの研究結果も報告されている。つ
まり、排気ガス中のススを除去する対策を講じること
が、人類にとって急務の課題であると考えられている。
【0003】このような事情のもと、従来より、多様多
種の排気ガス浄化装置が提案されている。一般的な排気
ガス浄化装置は、エンジンの排気マニホールドに連結さ
れた排気管の途上にケーシングを設け、その中に微細な
孔を有するフィルタを配置した構造を有している。フィ
ルタの形成材料としては、金属や合金のほか、セラミッ
クがある。セラミックからなるフィルタの代表例として
は、コーディエライト製のハニカムフィルタが知られて
いる。最近では、耐熱性・機械的強度・捕集効率が高
い、化学的に安定している、圧力損失が小さい等の利点
があることから、炭化珪素をフィルタ形成材料として用
いることが多い。
【0004】ハニカムフィルタは自身の軸線方向に沿っ
て延びる多数のセルを有している。排気ガスがフィルタ
を通り抜ける際、そのセル壁によってススがトラップさ
れる。その結果、排気ガス中からススが除去される。
【0005】しかし、炭化珪素焼結体製のハニカムフィ
ルタは熱衝撃に弱い。そのため、大型化するほどフィル
タにクラックが生じやすくなる。よって、クラックによ
る破損を避ける手段として、複数の小さなハニカム焼結
体個片を一体化して1つの大きなフィルタを製造する技
術が近年提案されている。
【0006】上述のフィルタを製造する一般的な方法を
簡単に述べる。まず、押出成形機の金型を介してセラミ
ック原料を連続的に押し出すことにより、柱状のハニカ
ム成形体を形成する。押出成形工程の後、ハニカム成形
体を所定の等しい長さに切断する。切断工程の後、ハニ
カム成形体切断片を加熱してハニカム焼結体とする。焼
成工程の後、複数のハニカム焼結体を用いてそれらの外
周面同士を接着剤を介して接合する。そして、このよう
な組み付け工程を経ることにより、所望のディーゼルパ
ティキュレートフィルタが完成する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ススを長期
間にわたって捕集すると、フィルタの圧力損失が次第に
大きくなる。このため、定期的にフィルタ全体を加熱し
てススを燃焼・消失させることにより、フィルタを再生
する必要がある。従来の多くの排気ガス浄化装置では、
フィルタの上流側圧力(背圧)を測定して得た結果に基
づき、再生を行なうべきタイミングを判断している。そ
れゆえ、フィルタの初期圧損特性の向上に対する要求
は、非常にシビアなものとなっている。つまり、フィル
タの初期圧損のばらつきを小さくすることが、シビアに
要求されている。
【0008】ここで「圧損」とは、フィルタ上流側の圧
力値から下流側の圧力値を引いたものをいう。排気ガス
がセル壁を通過する際に抵抗を受けることが、圧損をも
たらす最大の要因である。従って、セル壁厚は、フィル
タの初期圧損特性に大きな影響を与える。そうであると
すると、セル壁厚が規格範囲内にあるハニカム焼結体の
みを用いて組み付け工程を行なえば、初期圧損特性のよ
いフィルタを製造できることになる。
【0009】しかしながら、押出成形機の金型の貫通孔
を介してセラミック原料を連続的に押し出す際には、セ
ラミック原料が金型と絶えず摺接しながら移動する。す
ると、原料中に含まれる硬質な炭化珪素粒子による研磨
作用を受けて、金型が徐々に摩耗し、貫通孔の寸法が変
化してしまう。この寸法変化が進むと、最終的に金型は
摩耗破壊のため使用不可能となり、その一生を終える。
勿論、この場合には寿命の尽きた金型を新しい金型に交
換する必要が生じる。
【0010】金型の貫通孔の寸法変化がもたらす影響
を、図9のグラフを用いて説明する。図9(a)のグラ
フにおいて、横軸はハニカム成形体の押し出し長(m)
を示し、縦軸は押出成形工程の各時期におけるハニカム
成形体切断片に由来するハニカム焼結体のセル壁厚(m
m)を示す。同グラフ中、Lは金型に寿命がくるまで押
し出したときのハニカム成形体の長さの合計を示す。右
肩上がりの実線は、押し出し長とセル壁厚との関係を示
す。このリニアな実線を見ても明らかなように、金型が
寿命に近づくほど、貫通孔の寸法変化量が大きくなり、
セル壁厚は厚くなる。
【0011】図9(b)のグラフにおいて、横軸はハニ
カム成形体の押し出し長(m)を示し、縦軸は押出成形
工程の各時期におけるハニカム成形体切断片に由来する
ハニカム焼結体の圧損(kPa)を示す。右肩上がりの
実線は、押し出し長と圧損との関係を示す。このリニア
な実線を見ても明らかなように、金型が寿命に近づくほ
ど、圧損は大きくなる。つまり、セル壁厚が厚くなる
と、圧損もそれに比例して大きくなる関係にある。
【0012】フィルタに要求される圧損の規格範囲が、
仮に9.5kPa〜10.5kPaであるとすると、押
出成形工程の初期及び後期におけるハニカム成形体切断
片は、いずれも規格範囲を外れたものとなる。従って、
金型の寿命が尽きるまでに成形可能な長さの約半分に相
当するものが規格外品となり、使用に適さないとして結
局廃棄される。その理由は、規格範囲から同程度外れた
もの同士を複数個用いて組み付け工程を行なった場合、
押出成形の初期、中期及び後期のものの間で初期圧損が
ばらつくことは必至だからである。
【0013】以上のことから、従来では、本来の寿命が
くる前に金型を交換して新たに押出成形を行なう必要が
あった。よって、実質的には金型の使用可能期間の短縮
という問題を招き、このことが設備コストを高騰させて
いた。しかも、セラミック原料のロスの多さが材料コス
トを高騰させ、このことがフィルタ自体の低コスト化を
妨げていた。
【0014】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、低コスト化に好適なフィルタを提
供することにある。本発明の別の目的は、初期圧損特性
のよいフィルタを低コストで得ることができるフィルタ
の製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明では、押出成形機の金型を
介してセラミック原料を連続的に押し出すことによりハ
ニカム成形体を形成する押出成形工程と、ハニカム成形
体を所定の長さに切断する切断工程と、ハニカム成形体
切断片を加熱してハニカム焼結体とする焼成工程と、複
数のハニカム焼結体を一体化する組み付け工程とを含む
フィルタの製造方法であって、一連の押出成形工程にお
ける異なった時期に得られるハニカム成形体切断片に由
来するハニカム焼結体を適宜組み合わせて前記組み付け
工程を行なうことにより、フィルタ全体での平均セル壁
厚を、押出成形工程における特定の時期に得られるハニ
カム成形体切断片に由来するハニカム焼結体のセル壁厚
とほぼ同程度に調整することを特徴とするフィルタの製
造方法をその要旨とする。
【0016】請求項2に記載の発明では、押出成形機の
金型を介してセラミック原料を連続的に押し出すことに
よりハニカム成形体を形成する押出成形工程と、ハニカ
ム成形体を所定の長さに切断する切断工程と、ハニカム
成形体切断片を加熱してハニカム焼結体とする焼成工程
と、複数のハニカム焼結体を用いてそれらの外周面同士
を接着剤を介して接合する組み付け工程とを含むフィル
タの製造方法であって、押出成形工程の初期に得られる
ハニカム成形体切断片に由来するハニカム焼結体と、後
期に得られるハニカム成形体切断片に由来するハニカム
焼結体とを適宜組み合わせて前記組み付け工程を行なう
ことにより、フィルタ全体での平均セル壁厚を、押出成
形工程の中期に得られるハニカム成形体切断片に由来す
るハニカム焼結体のセル壁厚とほぼ同程度に調整するこ
とを特徴とするフィルタの製造方法をその要旨とする。
【0017】請求項3に記載の発明によると、請求項2
において、前記組み付け工程において、押出成形工程の
初期に得られるハニカム成形体切断片に由来するハニカ
ム焼結体と、後期に得られるハニカム成形体切断片に由
来するハニカム焼結体とを組み合わせる際、前記セル壁
厚の規格範囲からの外れ程度がほぼ等しいもの同士を略
同数個ずつ用いるとした。
【0018】請求項4に記載の発明では、請求項2また
は3において、前記フィルタは多孔質炭化珪素製のディ
ーゼルパティキュレートフィルタであるとした。請求項
5に記載の発明では、請求項2乃至4のいずれか1項に
おいて、前記接着剤は、セラミック繊維が分散されたセ
ラミック耐熱接着剤であるとした。
【0019】請求項6に記載の発明は、請求項2乃至5
のいずれか1項において、前記ハニカム焼結体をその軸
線方向に垂直に切ったときの断面積は、前記フィルタ全
体をその軸線方向に垂直に切ったときの断面積の1/4
00〜1/15であるとした。
【0020】請求項7に記載の発明は、複数のハニカム
焼結体を一体化してなるフィルタであって、セル壁厚が
規格範囲よりも相対的に小さいハニカム焼結体と、セル
壁厚が規格範囲よりも相対的に大きいハニカム焼結体と
を含んで構成され、フィルタ全体での平均セル壁厚が規
格範囲内に収まっているフィルタをその要旨とする。
【0021】以下、本発明の「作用」について説明す
る。請求項1,2に記載の発明によると、本来使用に適
さず廃棄されていたハニカム成形体切断片までもが利用
可能となる結果、セラミック原料のロスが減り、材料コ
ストが低く抑えられる。また、金型を本来の寿命まで使
用できるようになる結果、金型の交換頻度が少なくな
り、設備コストの高騰が防止される。以上のことから、
初期圧損特性のよいフィルタを低コストで得ることがで
きる。
【0022】請求項3に記載の発明によると、押出成形
工程の初期、中期及び後期という全てステージで得られ
るハニカム成形体切断片に由来するハニカム焼結体を、
万遍なく利用することが可能となる。よって、セラミッ
ク原料のロスが極めて少なくなり、よりいっそう材料コ
ストが低く抑えられる。
【0023】請求項4に記載の発明によると、耐熱性・
機械的強度・捕集効率が高く、化学的に安定で、しかも
圧力損失が小さい、という好特性を備えたディーゼルパ
ティキュレートフィルタを得ることができる。
【0024】請求項5に記載の発明によると、セラミッ
ク繊維が分散されたセラミック耐熱接着剤であれば、使
用時にフィルタが熱衝撃や振動を受けた場合であって
も、接合状態の悪化を来しにくい。よって、ハニカム焼
結体のがたつきや脱落が防止される。
【0025】請求項6に記載の発明によると、断面積比
を上記好適範囲内に設定することにより、接着剤の厚さ
ばらつきによる影響を受けることなく、フィルタ再生時
における温度不均一化を回避することができる。
【0026】この断面積比が小さすぎると、フィルタ全
体の断面積に占める接着剤の面積分が増え、接着剤の厚
さばらつきによる影響が大きくなる。即ち、接着剤の厚
さのばらつきが増大することにより、初期圧損がばらつ
きやすくなる。ゆえに、接着剤の厚さばらつきが生じな
いように慎重に組み付け作業を行なわなければならず、
製造が面倒になるおそれがある。逆に、この断面積比が
大きすぎると、フィルタを構成するハニカム焼結体の個
数が少なくなりすぎ、フィルタ再生時に温度が不均一化
するおそれがある。従って、クラックが発生しやすくな
り、フィルタの破損に至りやすくなる。
【0027】請求項7に記載の発明によると、本来使用
に適さず廃棄されていた規格外品までもが利用可能とな
る結果、セラミック原料のロスが減り、材料コストが低
く抑えられる。よって、低コスト化に好適なフィルタと
なる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態のディーゼルエンジン用の排気ガス浄化装置1を、
図1〜図5に基づき詳細に説明する。
【0029】図1に示されるように、この排気ガス浄化
装置1は、内燃機関としてのディーゼルエンジン2から
排出される排気ガスを浄化するための装置である。ディ
ーゼルエンジン2は、図示しない複数の気筒を備えてい
る。各気筒には、金属材料からなる排気マニホールド3
の分岐部4がそれぞれ連結されている。各分岐部4は1
本のマニホールド本体5にそれぞれ接続されている。従
って、各気筒から排出された排気ガスは一箇所に集中す
る。
【0030】排気マニホールド3の下流側には、金属材
料からなる第1排気管6及び第2排気管7が配設されてい
る。第1排気管6の上流側端は、マニホールド本体5に
連結されている。第1排気管6と第2排気管7との間に
は、同じく金属材料からなる筒状のケーシング8が配設
されている。ケーシング8の上流側端は第1排気管6の
下流側端に連結され、ケーシング8の下流側端は第2排
気管7の上流側端に連結されている。排気管6,7の途
上にケーシング8が配設されていると把握することもで
きる。そして、この結果、第1排気管6、ケーシング8
及び第2排気管7の内部領域が互いに連通し、その中を
排気ガスが流れるようになっている。
【0031】図1に示されるように、ケーシング8はそ
の中央部が排気管6,7よりも大径となるように形成さ
れている。従って、ケーシング8の内部領域は、排気管
6,7の内部領域に比べて広くなっている。このケーシ
ング8内にはフィルタ9が収容されている。なお、フィ
ルタ9の外周面とケーシング8の内周面との間には、断
熱材層10が配設されている。断熱材層10はセラミッ
クファイバを含んで形成されたマット状物であり、その
厚さは数mm〜数十mmである。
【0032】図2,図3に示されるように、本実施形態
において用いられるフィルタ9は、比較的大型のハニカ
ムフィルタである。同フィルタ9は、上記のごとくディ
ーゼルパティキュレートを除去するものであるため、デ
ィーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)とも呼ば
れる。本実施形態において用いられるフィルタ9は、複
数個のハニカム焼結体F1,F2を組み合わせて一体化し
たものである。フィルタ中心部に位置するハニカム焼結
体F1,F2は四角柱状であって、その外形寸法は33mm
×33mm×167mmである。四角柱状のハニカム焼結体
F1,F2の周囲には、四角柱状でない異型のハニカム焼
結体F1,F2が複数個配置されている。その結果、全
体としてみると円柱状のフィルタ9(直径135mm前
後)が構成されている。
【0033】これらのハニカム焼結体F1,F2は、セラ
ミックス焼結体の一種である多孔質炭化珪素焼結体製で
ある。炭化珪素以外の焼結体として、例えば窒化珪素、
サイアロン、アルミナ、コーディエライト等の焼結体を
選択することもできる。ハニカム焼結体F1,F2に
は、断面略正方形状をなす複数の貫通孔12がその軸線
方向に沿って規則的に形成されている。各貫通孔12は
セル壁13によって互いに隔てられている。各貫通孔1
2の開口部は一方の端面9a,9b側において封止体1
4(ここでは多孔質炭化珪素焼結体)により封止されて
おり、端面9a,9b全体としては市松模様状になって
いる。その結果、ハニカム焼結体F1,F2には、断面四
角形状をした多数のセルが形成されている。セルの密度
は200個/インチ前後に設定されている。多数あるセ
ルのうち、約半数のものは上流側端面9aにおいて開口
し、残りのものは下流側端面9bにおいて開口する。
【0034】図2,図3に示されるように、複数のハニ
カム焼結体F1,F2は、接着剤15を介してその外周面
同士が接合されている。前記接着剤15としては、セラ
ミック繊維が分散されたセラミック耐熱接着剤15が用
いられている。接着剤15中には、セラミック繊維に加
えて炭化珪素粉末が分散されていることがよい。
【0035】ハニカム焼結体F1,F2をその軸線方向に
垂直に切ったときの断面積は、フィルタ全体をその軸線
方向に垂直に切ったときの断面積の1/400〜1/1
5であることが好ましく、特には1/200〜1/50
であることが好ましい。
【0036】この断面積比が小さくなりすぎると、フィ
ルタ全体の断面積に占める接着剤15の面積分が増え、
接着剤15の厚さばらつきによる影響が大きくなる。即
ち、接着剤15の厚さのばらつきが増大することによ
り、初期圧損がばらつきやすくなる。ゆえに、接着剤1
5の厚さばらつきが生じないように慎重に組み付け作業
を行なわなければならず、製造が面倒になるおそれがあ
る。逆に、この断面積比が大きくなりすぎると、フィル
タ9を構成するハニカム焼結体F1,F2の個数が少なく
なりすぎ、フィルタ再生時に温度が不均一化するおそれ
がある。従って、クラックが発生しやすくなり、フィル
タ9の破損に至りやすくなる。
【0037】また、ハニカム焼結体F1,F2をその軸線
方向に垂直に切ったときの一辺の長さは、フィルタ全体
をその軸線方向に垂直に切ったときの直径の1/25〜
1/4であることが好ましく、特には1/20〜1/5
であることが好ましい。これは、上記断面積比の場合と
同様の理由による。
【0038】ケーシング2内に収容されたフィルタ9に
は、上流側端面9aの側から排気ガスが供給される。第
1排気管6を経て供給されてくる排気ガスは、まず、上
流側端面9aにおいて開口するセル内に流入する。次い
で、この排気ガスはセル壁13を通過し、それに隣接し
ているセル、即ち下流側端面9bにおいて開口するセル
の内部に到る。そして、排気ガスは、同セルの開口を介
してフィルタ9の下流側端面9bから流出する。しか
し、排気ガス中に含まれるススはセル壁13を通過する
ことができず、そこにトラップされてしまう。その結
果、浄化された排気ガスがフィルタ9の下流側端面9b
から排出される。浄化された排気ガスは、さらに第2排
気管7を通過した後、最終的には大気中へと放出され
る。
【0039】図2,図3に示されるように、このフィル
タ9は、A群(A1〜A4群)に属するハニカム焼結体
F1と、B群(B1〜B4群)に属するハニカム焼結体
F2とによって、即ち2種のハニカム焼結体F1,F2
によって構成されている。
【0040】図5のグラフに示されるように、ここでは
セル壁厚の規格範囲が0.40±0.4mmに設定されて
いる。A1〜A4群に属するハニカム焼結体F1のセル
壁13の厚さ(セル壁厚T1)は、規格範囲よりも相対
的に小さくなっている。
【0041】A1群に属するものはT1=0.32mm〜
0.33mm程度に設定されていて、その値T1は規格範
囲の下限値(0.36mm)から0.3mm〜0.4mm程
度外れている。A2群に属するものはT1=0.33mm
〜0.34mm程度に設定され、その値T1は規格範囲の
下限値から0.2mm〜0.3mm程度外れている。A3群
に属するものはT1=0.34mm〜0.35mm程度に設
定され、その値T1は規格範囲の下限値から0.1mm〜
0.2mm程度外れている。A4群に属するものはT1=
0.35mm〜0.36mm程度に設定され、その値T1は
規格範囲の下限値から0.0mm〜0.1mm程度外れてい
る。
【0042】一方、B1〜B4群に属するハニカム焼結
体F2のセル壁13の厚さ(セル壁厚T2)は、規格範
囲よりも相対的に大きくなっている。B1群に属するも
のはT2=0.47mm〜0.48mm程度に設定されてい
て、その値T2は規格範囲の上限値(0.44mm)か
ら0.3mm〜0.4mm程度外れている。B2群に属する
ものはT2=0.46mm〜0.47mm程度に設定され、
その値T2は規格範囲の上限値から0.2mm〜0.3mm
程度外れている。B3群に属するものはT2=0.45m
m〜0.46mm程度に設定され、その値T2は規格範囲の
上限値から0.1mm〜0.2mm程度外れている。B4群
に属するものはT2=0.44mm〜0.45mm程度に設
定され、その値T2は規格範囲の上限値から0.0mm〜
0.1mm程度外れている。
【0043】そして、本実施形態のフィルタ9は、8個
のハニカム焼結体F1と、8個のハニカム焼結体F2と
によって構成されている。言い換えると、このフィルタ
9は、セル壁厚T1,T2の異なる2種のハニカム焼結
体F1,F2を同数個ずつ用いて構成されている。
【0044】より具体的には、A1群−B1群、A2群
−B2群、A3群−B3群、A4群−B4群、というよ
うに、セル壁厚T1,T2の規格範囲からの外れ程度が
等しいもの同士の組み合わせが採用されている(図5参
照)。その結果、フィルタ9全体での平均セル壁厚Tm
は、いずれも約0.40mmとなり、見掛け上、前記規格
範囲内に完全に収まっている。
【0045】図1(b)には、ハニカム焼結体F1,F
2のレイアウトが示されている。同図中、A群に属する
ハニカム焼結体F1には奇数番号が付され、B群に属す
るハニカム焼結体F2には偶数番号が付されている。つ
まり、ハニカム焼結体F1とハニカム焼結体F2とは、
隣り合わないように1つおきに配置されている。
【0046】次に、上記のフィルタ9を製造する手順を
説明する。 [原料調整工程]本実施形態では、押出成形工程で使用
するセラミック原料スラリー、端面封止工程で使用する
封止用ペースト、接着剤塗布工程で使用する接着剤ペー
ストをあらかじめ作製しておいた。
【0047】セラミック原料スラリーとしては、炭化珪
素粉末に有機バインダ及び水を所定分量ずつ配合し、か
つ混練したものを用いた。封止用ペーストとしては、炭
化珪素粉末に有機バインダ、潤滑剤、可塑剤及び水を配
合し、かつ混練したものを用いた。接着剤ペーストとし
ては、炭化珪素粉末にシリカゾル、バルクのセラミック
繊維、樹脂バインダ及び水を配合し、かつ混練したもの
を用いた。 [押出成形工程]セラミック原料スラリーを押出成形機
21のホッパ内に充填した。この状態で押出成形機21
の加圧装置を駆動し、スラリーに圧力を加え、金型22
の貫通孔を介してスラリーを押出成形機21の外部に連
続的に押し出した(図4参照)。その結果、ほぼ等しい
断面形状のハニカム成形体23を連続的に形成した。 [切断工程]押出成形されたハニカム成形体を、図示し
ないカッタを用いて等しい長さに切断することにより、
多数の四角柱状のハニカム成形体切断片24を得た。そ
して、これら切断片24を上記8つの群(A1〜A4,
B1〜B4)ごとに区分しておき、それら区分毎に組み
付け工程までの諸工程をそれぞれ実施した。 [端面封止工程]得られたハニカム成形体切断片24を
専用の封止材充填装置にセットし、この状態で各セルの
片側開口部に所定量ずつ封止用ペーストを充填した。そ
の結果、切断片24の両端面を封止した。 [焼成工程]あらかじめ乾燥を行った後に所定温度・所
定時間で本焼成を行い、ハニカム成形体切断片24及び
封止体14を完全に焼結させた。その結果、2種のハニ
カム焼結体F1,F2を得た。 [接着剤塗布工程]ハニカム焼結体F1,F2の外周面
にセラミック質からなる下地層を形成した後、さらにそ
の上にセラミックス耐熱接着剤15を塗布した。この場
合、接着剤15の厚さを約1.5mmに設定した。 [組み付け工程]そして、A1群に属するハニカム焼結
体F1と、B1群に属するハニカム焼結体F2とをそれ
ぞれ8個ずつ用いて、それらの外周面同士を互いに接着
しかつ一体化することにより、大型のハニカムフィルタ
9Aを製造した。同様に、A2群−B2群、A3群−B
3群、A4群−B4群、という組み合わせにして、各々
について大型のハニカムフィルタ9Aを製造した(図4
参照)。 [外形カット工程]組み付け工程を経て得られた断面正
方形状のハニカムフィルタ9Aを研削機にセットし、そ
の外周面における不要部分を研削して除去した。その結
果、図4に示されるように、完成品である断面円形状の
ハニカムフィルタ9を得た。
【0048】従って、本実施形態によれば以下のような
効果を得ることができる。 (1)図5(a)のグラフにおいて、横軸はハニカム成
形体23の押し出し長(m)を示し、縦軸は押出成形工
程の各時期における切断片24に由来するハニカム焼結
体のセル壁厚(mm)を示す。同グラフ中、Lは金型2
2に寿命がくるまで押し出したときのハニカム成形体2
3の長さの合計を示す。右肩上がりの実線は、押し出し
長とセル壁厚との関係を示す。図5(b)のグラフにお
いて、横軸はハニカム成形体23の押し出し長(m)を
示し、縦軸は押出成形工程の各時期における切断片24
に由来するハニカム焼結体の圧損(kPa)を示す。右
肩上がりの実線は、押し出し長と圧損との関係を示す。
【0049】このフィルタ9に要求される圧損の規格範
囲は、9.5kPa〜10.5kPaである。そのた
め、押出成形工程の初期及び後期における切断片24
は、いずれも規格範囲を外れたものとなる。従って、金
型22の寿命が尽きるまでに成形可能な長さの約半分に
相当するものが、規格外品となる。ゆえに、従来では、
使用に適さないとして、これらのものは結局廃棄される
運命にあった。
【0050】しかし、以上詳述した製造方法によれば、
本来使用に適さず廃棄されていたハニカム成形体切断片
24までもが利用可能となる。特にこの実施形態の製造
方法によれば、押出成形工程の初期、中期及び後期とい
う全てステージで得られる切断片24に由来するハニカ
ム焼結体を、万遍なく利用することが可能となる。よっ
て、セラミック原料のロスが極めて少なくなり、よりい
っそう材料コストを低く抑えることができる。また、金
型22を本来の寿命まで使用できるようになる結果、金
型22の交換頻度が少なくなり、設備コストの高騰を防
止することができる。
【0051】以上のことから、この製造方法によれば、
初期圧損特性のよいフィルタ9を極めて低コストで得る
ことができる。 (2)この製造方法では、多孔質炭化珪素をセラミック
材料として用いてディーゼルパティキュレートフィルタ
9を作製している。従って、耐熱性・機械的強度・捕集
効率が高く、化学的に安定で、しかも圧力損失が小さ
い、という好特性を備えた性能のよいフィルタ9を確実
に得ることができる。
【0052】(3)この製造方法では、ハニカム焼結体
F1,F2を接合する手段として、セラミック繊維が分
散されたセラミック耐熱接着剤15を用いている。従っ
て、使用時にフィルタ9が熱衝撃や振動を受けた場合で
あっても、接合状態の悪化を来しにくい。よって、ハニ
カム焼結体F1,F2のがたつきや脱落を防止すること
ができ、強度に優れたフィルタ9を得ることができる。
【0053】(4)この製造方法では、ハニカム焼結体
F1,F2のフィルタ9に対する断面積比を、上記の好
適範囲内に設定している。従って、接着剤15の厚さば
らつきによる影響を受けることなく、フィルタ9の再生
時における温度不均一化を回避することができる。ゆえ
に、強度に優れたフィルタ9を製造困難性を伴わずに得
ることができる。
【0054】(5)この製造方法により製造されるフィ
ルタ9は、8個のハニカム焼結体F1と8個のハニカム
焼結体F2とからなる。従って、同フィルタ9は、セル
壁厚T1,T2の値が規格範囲から外れているもののみ
を組み合わせて製造されたものとなっている。それにも
かかわらず、フィルタ9全体での平均セル壁厚Tmは、
見掛け上、約0.44mmになっている。即ち、平均セ
ル壁厚Tmは規格範囲内に完全に収まっている。また、
このフィルタ9は、ハニカム焼結体F1とハニカム焼結
体F2とを、隣り合わないように1つおきに配置してな
る。ゆえに、使用時におけるフィルタ9の温度不均一化
が回避され、クラックによる破損に至りにくいという構
造上の利点がある。
【0055】なお、本発明の実施形態は以下のように変
更してもよい。 ・ 1つのフィルタ9を製造するにあたり、ハニカム焼
結体F1,F2を、必ずしも同数ずつ組み合わせなくて
もよい。つまり、いずれか一方のものを、他方のものよ
り多く用いてもかまわない。
【0056】・ 1つのフィルタ9を製造するにあた
り、セル壁厚T1,T2の規格範囲からの外れ程度が等
しくないもの同士を、組み合わせて用いてもかまわな
い。 ・ 規格範囲外のもの同士のみならず、規格範囲内のも
の同士を適宜組み合わせて1つの大型フィルタ9を製造
してもよい。この場合には、例えば、C1群−C8群、
C2群−C7群、C3群−C6群、C4群−C5群、と
いう組み合わせにすればよい(図6参照)。
【0057】・ 規格範囲外のものと規格範囲内のもの
とを適宜組み合わせて1つの大型フィルタ9を製造して
もよい(図7参照)。ちなみに図7のグラフには、A1
群−A8群という組み合わせが示されている。
【0058】・ 図8のグラフに示されるように、例え
ばA1群−A4群−B3群、という組み合わせにしてフ
ィルタ9を製造してもよい。即ち、ハニカム焼結体F
1,F2を、2つの群から採取するばかりでなく3つ以
上の群から採取し、それらを組み合わせて1つの大型フ
ィルタ9を製造してもかまわない。
【0059】・ ハニカム焼結体F1,F2同士を接合
するための接着剤15として、セラミック繊維を含まな
いセラミック接着剤や、さらにはセラミック質ではない
接着剤等を選択してもよい。また、接着剤15自体を用
いずに、それ以外の方法によって、ハニカム焼結体F
1,F2同士を一体化することも可能である。
【0060】・ 本発明のフィルタ9は、実施形態にて
示したディーゼルパティキュレートフィルタ9以外のフ
ィルタとして具体化されても勿論よい。次に、特許請求
の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施
形態によって把握される技術的思想を、必要に応じてそ
の効果とともに以下に列挙する。
【0061】(1) 請求項2乃至5のいずれか1つに
おいて、前記ハニカム焼結体をその軸線方向に垂直に切
ったときの一辺の長さは、フィルタ全体をその軸線方向
に垂直に切ったときの直径の1/25〜1/4であるこ
と。従って、この技術的思想1に記載の発明によれば、
寸法比を上記好適範囲内に設定することにより、接着剤
の厚さばらつきによる影響を受けることなく、フィルタ
再生時における温度不均一化を回避できる。
【0062】(2) 請求項1乃至6のいずれか1つに
おいて、前記複数個のハニカム焼結体を用いて前記組み
付け工程を行なった後、外形カット工程を実施して前記
フィルタを所定断面形状に調整すること。
【0063】(3) 請求項1乃至6のいずれか1つに
おいて、押出成形工程の初期に得られるハニカム成形体
切断片に由来するハニカム焼結体と、後期に得られるハ
ニカム成形体切断片に由来するハニカム焼結体とを、隣
り合わないように1つおきに配置すること。従って、こ
の技術的思想3に記載の発明によれば、使用時における
フィルタの温度不均一化が回避され、クラックによる破
損に至りにくくなる。
【0064】(4) 押出成形機の金型を介してセラミ
ック原料を連続的に押し出すことによりハニカム成形体
を形成する押出成形工程の後、同ハニカム成形体を所定
の長さに切断することにより得られる切断片のうち、セ
ル壁厚が規格範囲外のものを利用する方法であって、押
出成形工程の初期に得られる複数個のハニカム成形体切
断片を、後期に得られる略同数個のハニカム成形体切断
片とともに用いることを特徴とするハニカム成形体切断
片の利用方法。
【0065】(5) 複数のハニカム焼結体を用いてそ
れらの外周面同士を接着剤を介して接合してなるフィル
タであって、平均セル壁厚が規格範囲よりも相対的に小
さい複数個のハニカム焼結体と、それと略同数個であり
かつ平均セル壁厚が規格範囲よりも相対的に大きいハニ
カム焼結体とによって構成され、フィルタ全体での平均
セル壁厚が規格範囲内に収まっているフィルタ。
【0066】(6) 10個以上の炭化珪素製ハニカム
焼結体を用いてそれらの外周面同士をセラミック耐熱接
着剤を介して接合してなるDPFであって、セル壁厚が
0.36mmよりも小さい複数個のハニカム焼結体と、そ
れと略同数個でありかつセル壁厚が0.44mmよりも大
きいハニカム焼結体とによって構成され、フィルタ全体
での平均セル壁厚が0.40mm前後であるDPF。
【0067】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜6に記
載の発明によれば、初期圧損特性のよいフィルタを低コ
ストで得ることができるフィルタの製造方法を提供する
ことができる。
【0068】請求項3に記載の発明によれば、セラミッ
ク原料のロスが極めて少なくなり、よりいっそう材料コ
ストが低く抑えられるので、さらなる低コスト化を図る
ことができる。
【0069】請求項4に記載の発明によれば、好特性を
備えた性能のよいディーゼルパティキュレートフィルタ
を得ることができる。請求項5に記載の発明によれば、
強度に優れたフィルタを得ることができる。
【0070】請求項6に記載の発明によれば、強度に優
れたフィルタを製造困難性を伴わずに得ることができ
る。請求項7に記載の発明によれば、低コスト化に好適
なフィルタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明を具体化した一実施形態のディ
ーゼルパティキュレートフィルタを用いた排気ガス浄化
装置を示す概略図、(b)はフィルタの概略正面図。
【図2】実施形態のフィルタの正面図。
【図3】実施形態のフィルタの部分拡大断面図。
【図4】実施形態のフィルタの製造工程を説明するため
の概略図。
【図5】(a)は実施形態において、押し出し長とセル
壁厚との関係を示すグラフ、(b)は同じく押し出し長
と圧損との関係を示すグラフ。
【図6】(a)は別例において、押し出し長とセル壁厚
との関係を示すグラフ、(b)は同じく押し出し長と圧
損との関係を示すグラフ。
【図7】(a)は別例において、押し出し長とセル壁厚
との関係を示すグラフ、(b)は同じく押し出し長と圧
損との関係を示すグラフ。
【図8】(a)は別例において、押し出し長とセル壁厚
との関係を示すグラフ、(b)は同じく押し出し長と圧
損との関係を示すグラフ。
【図9】(a)は従来例において、押し出し長とセル壁
厚との関係を示すグラフ、(b)は同じく押し出し長と
圧損との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
13…セル壁、15…接着剤としてのセラミック耐熱接
着剤、21…押出成形機、22…金型、23…ハニカム
成形体、24…ハニカム成形体切断片、F1…押出成形
工程の初期に得られるハニカム成形体に由来するハニカ
ム焼結体、F2…押出成形工程の後期に得られるハニカ
ム成形体に由来するハニカム焼結体、T1,T2…セル
壁厚。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】押出成形機の金型を介してセラミック原料
    を連続的に押し出すことによりハニカム成形体を形成す
    る押出成形工程と、ハニカム成形体を所定の長さに切断
    する切断工程と、ハニカム成形体切断片を加熱してハニ
    カム焼結体とする焼成工程と、複数のハニカム焼結体を
    一体化する組み付け工程とを含むフィルタの製造方法で
    あって、 一連の押出成形工程における異なった時期に得られるハ
    ニカム成形体切断片に由来するハニカム焼結体を適宜組
    み合わせて前記組み付け工程を行なうことにより、フィ
    ルタ全体での平均セル壁厚を、押出成形工程における特
    定の時期に得られるハニカム成形体切断片に由来するハ
    ニカム焼結体のセル壁厚とほぼ同程度に調整することを
    特徴とするフィルタの製造方法。
  2. 【請求項2】押出成形機の金型を介してセラミック原料
    を連続的に押し出すことによりハニカム成形体を形成す
    る押出成形工程と、ハニカム成形体を所定の長さに切断
    する切断工程と、ハニカム成形体切断片を加熱してハニ
    カム焼結体とする焼成工程と、複数のハニカム焼結体を
    用いてそれらの外周面同士を接着剤を介して接合する組
    み付け工程とを含むフィルタの製造方法であって、 押出成形工程の初期に得られるハニカム成形体切断片に
    由来するハニカム焼結体と、後期に得られるハニカム成
    形体切断片に由来するハニカム焼結体とを適宜組み合わ
    せて前記組み付け工程を行なうことにより、フィルタ全
    体での平均セル壁厚を、押出成形工程の中期に得られる
    ハニカム成形体切断片に由来するハニカム焼結体のセル
    壁厚とほぼ同程度に調整することを特徴とするフィルタ
    の製造方法。
  3. 【請求項3】前記組み付け工程において、押出成形工程
    の初期に得られるハニカム成形体切断片に由来するハニ
    カム焼結体と、後期に得られるハニカム成形体切断片に
    由来するハニカム焼結体とを組み合わせる際、前記セル
    壁厚の規格範囲からの外れ程度がほぼ等しいもの同士を
    略同数個ずつ用いることを特徴とする請求項2に記載の
    フィルタの製造方法。
  4. 【請求項4】前記フィルタは多孔質炭化珪素製のディー
    ゼルパティキュレートフィルタであることを特徴とする
    請求項3に記載のフィルタの製造方法。
  5. 【請求項5】前記接着剤は、セラミック繊維が分散され
    たセラミック耐熱接着剤であることを特徴とする請求項
    2乃至4のいずれか1項に記載のフィルタの製造方法。
  6. 【請求項6】前記ハニカム焼結体をその軸線方向に垂直
    に切ったときの断面積は、前記フィルタ全体をその軸線
    方向に垂直に切ったときの断面積の1/400〜1/1
    5であることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1
    項に記載のフィルタの製造方法。
  7. 【請求項7】複数のハニカム焼結体を一体化してなるフ
    ィルタであって、セル壁厚が規格範囲よりも相対的に小
    さいハニカム焼結体と、セル壁厚が規格範囲よりも相対
    的に大きいハニカム焼結体とを含んで構成され、フィル
    タ全体での平均セル壁厚が規格範囲内に収まっているフ
    ィルタ。
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