JP2000260440A - 固体電解質型燃料電池セル - Google Patents

固体電解質型燃料電池セル

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JP2000260440A
JP2000260440A JP11057605A JP5760599A JP2000260440A JP 2000260440 A JP2000260440 A JP 2000260440A JP 11057605 A JP11057605 A JP 11057605A JP 5760599 A JP5760599 A JP 5760599A JP 2000260440 A JP2000260440 A JP 2000260440A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】空気中及水素ガス中において、熱膨張に起因し
てセルが破壊されるのを防止する。 【解決手段】集電体層24の空気中での熱膨張係数をα
1、固体電解質層22の空気中での熱膨張係数をα2、
α2とα1の差α2−α1をΔα21とした場合、α1<
α2であり、且つΔα21≦0.5×10-6/℃である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円筒状の固体電解
質型燃料電池セルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の代表的な円筒状の固体電解質型燃
料電池(Solid Oxide Fuel Cell で、以下、SO燃料電
池という)Fを図2に示す(特開平8−162140号
公報参照)。同図はSO燃料電池Fの断面図であり、1
は全体を納めたケース、2はセラミック等から成り円筒
状のSO燃料電池Fセル(以下、セルと略す)であり、
一端が開放され他端が閉じた構造となっている。また、
セル2の断面は多層円筒状をしており、空気極、固体電
解質、燃料極等が積層された構成である。
【0003】また、3は断熱材から成りセル2の上端側
を保持し固定する仕切り部材、5は燃焼室であり、ケー
ス1の下端の供給口13から供給された燃料ガス
(H2 ,CO,CH4 等)の排気ガスが、仕切り部材3
に形成された通気孔等(図示せず)を通して燃焼室5内
で空気の排気と混合され、セル2内で反応しなかった酸
素と水素ガスが燃焼室5内で燃焼する。6はセル2内に
空気を通すための空気管であり、空気供給口12から一
旦空気分配器14に送られた空気は、空気管6を通じて
セル2の底部に達し、発電反応に寄与した後、セル2内
を上方に向かい上端側の開口から燃焼室5に至る。
【0004】7は燃焼室5からの排気ガスが排出される
排気口、8はセル2集合体の最外側面に設けられた集電
板、9は電力を外部へ取り出す集電棒、10はNiフェ
ルト、11はセル2を電気的に接続するためのインター
コネクタである。同図の場合、所望の電力を得るために
複数のセル2が直列に接続され、所謂スタック化されて
いる。
【0005】ここで、上記発電反応は以下のようにして
生じる。セル2の各層は厚さ数μm〜2.5mm程度で
あり、それぞれ導電性,通気性,固体電解質,電気化学
触媒性等の機能を有する。約1000℃の温度に保持さ
れたセル2の内側に酸化剤としての空気等を流し、外側
には水素ガスを流すと、セル2内ではO2-イオンが移動
して電気化学反応が起こり、空気極と燃料極との間に電
位差が生じ発電が可能となる。
【0006】近年、このようなSO燃料電池Fは、小型
であることに加えてセル2での動作温度が1000〜1
050℃と高温であるため、発電効率が高く、第3世代
の発電システムとして期待されている。
【0007】一般に、SO燃料電池F用のセルには、円
筒状のセル2と平板型セルの2種類が知られている。平
板型セルは、単位体積当たりの出力密度が高いという特
長があるが、実用化においてはガスシールの不完全性や
平板型セル内の温度分布の不均一性の問題がある。一
方、円筒状のセル2は出力密度は低いもののその形状に
より機械的強度が高く、また内部の温度分布を均一に維
持できるという特長がある。
【0008】また、セル2は上記の通りセラミックスか
ら成り、開気通気孔率が30%程度のCaO安定化Zr
2 等を支持管とし、その外側にCa,Srを固溶させ
たLaMnO3 系材料等からなる多通気孔性の空気極
層、Y2 3 安定化ZrO2 等からなる固体電解質層、
多通気孔性のNi−ZrO2 等のサーメットからなる燃
料極層が順次設けられている。そして、空気極層と固体
電解質層の一部にCa,Sr,Mgを固溶させたLaC
rO3 系材料等からなる集電体層(インターコネクタ
層)を設けている。
【0009】近年、このようなセル2において、その製
造工程を簡略化するために、空気極層,固体電解質層,
燃料極層,集電体層等の構成部材のうち少なくとも2つ
を同時に焼成するという所謂共焼結法が提案されてい
る。共焼結法は、例えば円筒状の空気極層成形体に固体
電解質層成形体及び集電体層成形体をロール状に巻き付
けて同時焼成を行い、その後固体電解質層表面に燃料極
層を形成する方法である。この共焼結法は、製造工程が
少なくなるので製造歩留りが向上し、コスト低減に有効
である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記共
焼結法により空気極層,固体電解質層,集電体層を共焼
結させた後、或いは更に燃料極層を固体電解質層表面に
焼結させた後に、セル2に何ら異常がなく状態が良好で
あっても、燃料極層を還元処理したり発電実施のために
燃料ガスとして水素ガスを導入すると、熱膨張率差に起
因して集電体層が破壊されるという問題が発生してい
た。
【0011】従って、本発明は上記事情に鑑みて完成さ
れたものであり、その目的は、空気中及び動作時の雰囲
気ガスである水素ガス中において、熱膨張に起因してセ
ルが破壊されるという問題を解消することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の固体電解質型燃
料電池セルは、多層円筒状に積層された空気極層、固体
電解質層、燃料極層及び集電体層を有し、集電体層の空
気中での熱膨張係数をα1、固体電解質層の空気中での
熱膨張係数をα2とした場合、α2とα1の差α2−α
1をΔα21とした場合、α1<α2であり、且つΔα21
≦0.5×10-6/℃であることを特徴とする。
【0013】本発明は上記構成により、空気極層,固体
電解質層,集電体層の大気中での共焼結工程、燃料極層
の固体電解質層表面への焼結工程、還元雰囲気中での燃
料極層の還元工程及び発電実施中において集電体層に生
じる熱応力を最小にすることができ、熱膨張に起因する
集電体層の破壊を防止することができる。
【0014】本発明において、好ましくは、前記集電体
層の水素ガス中での熱膨張係数をα3、固体電解質層の
水素ガス中での熱膨張係数をα4、α3とα4の差α3
−α4をΔα34とした場合、α3>α4であり、且つΔ
α34≦0.3×10-6/℃である。
【0015】即ち、集電体層は大気中で焼結されるが、
発電時には集電体層の一部は還元雰囲気中に晒される。
従って、集電体層材料としては、大気中及び還元雰囲気
中の両方で熱膨張係数が殆ど変化しないものが好ましい
が、現在使用されているLaCrO3 系材料は空気中よ
りも還元雰囲気(水素ガス)中での熱膨張係数が大きい
特徴がある。このため、各工程でセルに作用する応力を
最小にするには、空気中において集電体層の熱膨張係数
を固体電解質層の熱膨張係数よりも小さくし、還元雰囲
気中では集電体層の熱膨張係数を固体電解質層の熱膨張
係数よりも大きくするのが良いことが判った。
【0016】また好ましくは、Δα21>Δα34である。
即ち、円筒状のセルでは、集電体層の電気伝導度で示さ
れるように集電体層中のポテンシャル(電位)勾配は空
気極層側で大きく減少する。即ち発電中に集電体層の空
気極層側で電気伝導度が急激に低下する。これは、発電
中に集電体層の大部分が水素ガスの環境下に晒されてい
ることを意味し、固体電解質層の熱膨張係数が雰囲気ガ
スによらずほぼ一定であるので、発電中の集電体層との
熱膨張係数差を小さくすることが良いことになる。故
に、Δα21>Δα34とすることによって、製造工程から
発電実施までの全工程でセルに作用する熱応力を最小に
することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明のセルを以下に説明する。
図1は本発明の円筒状のセル2の基本構成を示し、21
は空気極層、22は空気極層の外表面に被覆焼結された
固体電解質層、23は固体電解質層22の外表面に被覆
焼結された燃料極層、24は固体電解質層22の一部切
り欠き部を通じて空気極層21外表面に一部接する集電
体層(インターコネクタ)24である。即ち、集電体層
24の内側(セル2中心側)端面は空気極層21に接続
され、集電体層24の外側(セル2外表面側)端面はN
iフェルト10等の接続部材を介して他のセル2の燃料
極層23に接続され、スタック化される(図2参照)。
【0018】本発明において、セル2の層構成は、上記
の如く円筒状の固体電解質層22の内側に空気極層2
1、外側に燃料極層23が形成された構成、又は固体電
解質層22の内側に燃料極層23、外側に空気極層21
が形成された構成のいずれであっても良い。固体電解質
層22の内側に燃料極層23、外側に空気極層21が形
成された構成の場合、集電体層24は固体電解質層22
の切り欠き部を通じて燃料極層23の外表面の一部に接
続される。
【0019】本発明のセル2は、集電体層24の空気中
での熱膨張係数をα1、固体電解質層22の空気中での
熱膨張係数をα2、α2とα1との差をα2−α1=Δ
α21とした場合、α1<α2であり、且つΔα21≦
0.5×10-6/℃である。α1,α2,Δα21を前記
の如く規定したことにより、共焼結による製造工程から
発電時までの全工程で、熱膨張により破壊されることの
ないセル2が得られる。特に、Δα21が0.5×10-6
/℃を超えると、共焼結後にセル2の破壊が生じる。
【0020】また、好ましくは、集電体層24の水素ガ
ス中での熱膨張係数をα3、固体電解質層22の水素ガ
ス中での熱膨張係数をα4、α3とα4の差をα3−α
4=Δα34とした場合、α3>α4であり、且つΔα34
≦0.3×10-6/℃である。α3,α4,Δα34を前
記の如く規定したことにより、共焼結による製造工程で
は勿論のこと、特に発電時において熱膨張で破壊される
ことのないセル2とすることができる。
【0021】上記熱膨張係数α1〜α4は、3mm×3
mm×10mmの試験片を作製し、熱膨張率測定装置を
用いて室温から1000℃までの試験片の伸びから求め
ている。尚、α1,α2は空気中で、α3,α4はフォ
ーミングガス(水素ガス12.5体積%、窒素ガス8
7.5体積%)中で測定する。このフォーミングガス
は、純粋な水素ガスを使用すると爆発する可能性が高い
ため、熱膨張係数を測定する場合に水素ガス中で測定す
るのと実質的に同じ結果が得られるものである。
【0022】本発明のセル2の各層について以下説明す
る。空気極層21は、LaをCa,Srで10〜30a
t(原子)%置換したLaMnO3 系材料あるいはLa
CoO3 系材料からなり、固体電解質層22は、3〜1
5at%のY2 3 ,Yb23 等を含有した安定化Z
rO2 或いは部分安定化ZrO2 、又はY2 3 ,Yb
2 3 ,Sc2 3 ,Nd2 3 ,Sm2 3 ,CaO
等を含有するCeO2からなる。
【0023】集電体層24は、金属元素として少なくと
もLa,Crを含有するペロブスカイト型複合酸化物を
主成分とし、La2 3 を0.5〜3.0wt(重量)
%含有し更にMgOを5〜30wt%含有する材料から
なる。好ましくは、LaCrO3 系材料のCrを5〜3
0at%Mgで置換したものが良い。La2 3 が0.
5wt%未満の場合及び3.0wt%を超える場合、焼
結性が低下する。焼結性を向上させる上で好ましくは、
1.0〜3.0wt%含有させるのが良い。また、Mg
O含有量を調整することにより集電体層24の熱膨張係
数を制御できる。
【0024】燃料極層23は、Ni,Co,Fe,Ru
等を含有した多孔性のZrO2 あるいはCeO2 のサー
メットからなる。
【0025】前記集電体層24の厚みは30〜300μ
mが好ましく、30μm未満では酸素イオンの燃料極層
23側への拡散が大きく発電性能を低下させ、また30
0μmを超えると集電体層24の電気抵抗が大きくなり
発電性能が低下する。より好ましくは50〜150μm
である。
【0026】前記空気極層21、固体電解質層22及び
燃料極層23の各厚さは、セルの固体電解質層22全面
で発電させるために空気極層21と燃料極層23のシー
ト抵抗をできるだけ近くするのが良く、そのためには空
気極層21の厚さは1.5mm〜2.5mm、固体電解
質層22の厚さは40〜100μm、燃料極層23の厚
さは50〜400μmが好ましい。
【0027】また、その他の基本構造として、開気通気
孔率が30%程度のCaO安定化ZrO2 を支持管と
し、その外表面に上記空気極層21、固体電解質層2
2、燃料極層23、集電体層24を形成したものもあ
る。
【0028】本発明のセル2の製造方法は下記工程〔A
1〕〜〔A5〕によって構成される。
【0029】〔A1〕空気極層21用の成形体を、押し
出し成形法あるいはラバー成形法で作製し、円筒状支持
管とする。
【0030】〔A2〕空気極層21の外表面に、ドクタ
ーブレード法によって作製した固体電解質層22のシー
トを、集電体層24用の切り欠き部を除いて貼り付け
る。
【0031】〔A3〕固体電解質層22の前記切り欠き
部に、ドクターブレード法によって作製した集電体層2
4のシートを貼り付ける。〔A2〕,〔A3〕におい
て、集電体層24用の切り欠き部は、固体電解質層22
を空気極層21の外表面に貼り付けた後に、研磨法等に
より形成しても良い。
【0032】〔A4〕さらに、固体電解質層22の集電
体層24部を除いた外表面に、ドクターブレード法によ
って作製した燃料極層23のシートを貼り付ける。この
とき、燃料極層23はスラリーディップ法によって形成
しても良い。
【0033】〔A5〕1500〜1600℃の温度で2
〜10時間大気中で共焼結する。
【0034】また、集電体層24のシートの製造方法
を、以下の工程〔B1〕〜〔B3〕によって説明する。
【0035】〔B1〕所定量のLa2 (CO3 3 ,C
2 3 ,MgOの混合粉末を1000〜1500℃で
仮焼し、ペロブスカイト型複合酸化物を合成した後、ジ
ルコニアボールを用いた周知の回転ミル等の方法により
0.1〜5.0μmの大きさに粉砕する。
【0036】〔B2〕La2 (CO3 3 をLa2 3
換算で0.5〜3.0wt%、MgOを5〜30wt%
添加し、ジルコニアボールを用いて混合する。
【0037】〔B3〕得られた粉末に水及びバインダー
樹脂を加え、混合後ドクターブレード法により30〜1
00μmの厚さにシート成形する。
【0038】本発明のセル2は、図2に示すような一端
が開放され一端が閉じた構造、又は両端が開放された構
造、又は両端が閉じた構造であり空気を空気管でセル2
の中途から供給するもの等、種々の構成を採り得る。
【0039】かくして、本発明は、空気中及び動作時の
雰囲気ガスである水素ガス中において、熱膨張に起因し
てセルが破壊されるという問題を解消するという作用効
果を有する。
【0040】尚、本発明は上記実施形態に限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の
変更は何等差し支えない。
【0041】
【実施例】本発明の実施例を以下に説明する。
【0042】(実施例)図1のセル2を以下の工程〔a
1〕〜〔a10〕によって作製した。
【0043】〔a1〕空気極層21材料として純度9
9. 9%以上のLa2 3 ,MnO2 ,CaCO3 の各
粉末を用意し、これらをLa0.8 Ca0.2 MnO3 の化
学量論組成になるように秤量混合した後、1500℃で
3時間仮焼し、粉砕して平均粒径が6μmの固溶体粉末
を得た。
【0044】〔a2〕この固溶体粉末にバインダー樹脂
を添加し、押し出し成形法により円筒状の空気極層21
の成形体を作製した。
【0045】〔a3〕空気極層21の成形体を乾燥後、
1250℃で10時間仮焼して脱バインダー処理し、仮
焼体を作製した。
【0046】〔a4〕共沈法によって得られたY2 3
を8mol%の割合で含有する平均粒径1.0μmのZ
rO2 粉末に、トルエンとバインダー樹脂を添加してス
ラリーを調製し、ドクターブレード法によって厚さ10
0μmの固体電解質層22用のシートを得た。
【0047】〔a5〕純度99.9%以上のLa
2 3 ,Cr2 3 ,MgOの各粉末を用意し、これら
をLaMg0.1 Cr0.9 3 の化学量論組成になるよう
に秤量混合した後、1500℃で3時間仮焼し、粉砕し
て平均粒径が2μmの固溶体粉末を得た。更に、La2
3 を1.0wt%、及びMgOを所定量加え混合し
た。
【0048】〔a6〕この固溶体粉末にトルエンとバイ
ンダー樹脂を添加してスラリーを調製し、ドクターブレ
ード法により厚さ75μmの集電体層24用のシートを
作製した。このとき、MgOの添加量の異なる固溶体粉
末や、LaMg0.1 Cr0.9 3 中のMgの固溶量を種
々変化させたシートも作製した。
【0049】〔a7〕円筒状の空気極層21焼結体に固
体電解質層22用のシートをロール状に巻き付け、11
00℃で3時間の仮焼を行い、その後集電体層24用の
シートの積層箇所に相当する固体電解質層22仮焼体の
表面を平面研磨し、空気極層21を一部露出させ集電体
層24のシートをその露出部に貼り付けた。
【0050】〔a8〕円筒状の空気極層21焼結体、固
体電解質層22仮焼体、集電体層24のシートを、大気
中で1530℃で6時間共焼結した。
【0051】この共焼結体の水に対する安定性をプレッ
シャークッカー法により評価した。具体的には、共焼結
体を加湿加圧装置に入れ、温度150℃、相対湿度約1
00%で3日間放置し、集電体層24の化学的安定性を
評価した。即ち、集電体層24中に未反応の酸化ランタ
ンが残存すると水で潮解し、集電体層24が壊れるため
である。
【0052】更にセル2内部に空気を加圧注入してその
内気圧が外気圧よりも1kgf/cm2 高くなるように
し、その状態のセル2を水没させ気泡の発生の有無によ
り集電体層24の破壊を評価した。
【0053】〔a9〕燃料極層23用の原料粉末とし
て、平均粒径1.0μmのNiO粉末と、8mol%の
2 3 を含有する平均粒径1.5μmのZrO2
を、重量比で8:2になるように混合し、スラリーを調
製した。
【0054】〔a10〕上記共焼結体に燃料極層23用の
スラリーを塗布し、大気中で1400℃で2時間焼結
し、セル2を作製した。
【0055】図2に示すように、作製したセル2内に空
気、外側に水素ガスを流して1000℃で発電を行っ
た。そして、α1,α3,Δα21,Δα34,共焼結時の
セル2の破壊の有無,発電時のセル2の破壊の有無を調
査した結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】表1において、α1〜α4の測定は、集電
体層24用の原料粉末を円盤状にプレス成形し、大気中
で1500℃で6時間焼結し、得られた焼結体から試料
を切り出し、空気中と水素ガス中で室温〜1000℃ま
での熱膨張係数を測定した。また、固体電解質層22の
試料も同様に作製し熱膨張係数を測定した。
【0058】表1に示すように、MgOの添加により集
電体層24の空気中及び水素ガス中での熱膨張係数を調
整することができる。MgOを添加していないNO.1
とMgOの添加量が少ないNO.2では、空気中の熱膨
張係数α1が小さいために固体電解質層22の熱膨張係
数α2との差Δα21が大きくなり、共焼結時にセル2の
破壊が起きた。MgOの添加量を増やしたNO.3,4
では、α1及びα3共に大きくなるが、Δα21とΔα34
は小さくなり、共焼結時及び発電時にセル2の破壊は生
じなかった。
【0059】LaCrO3 中のMg固溶成分がないN
O.6とMg固溶成分が少ないNO.7であっても、M
gOの添加量を増やすことで、α1,α3を制御してΔ
α21とΔα34を小さくでき、共焼結時及び発電時にセル
2の破壊を防止できた。また、Mg固溶成分が多いN
O.9では、MgOの添加量を少なくしても、α1が低
下してΔα21が大きくなり、共焼結時にセル2の破壊が
生じた。Mg固溶成分及びMgO添加量の両方が多いN
O.12では、Δα34が大きくなり、発電時にセル2の
破壊が発生した。
【0060】Mg固溶成分及びMgO添加量の両方共ほ
ぼ中間値であるNO.8、及びMg固溶成分は多いがM
gO添加量がほぼ中間値であるNO.10,11では、
共焼結時及び発電時にセル2の破壊は発生しなかった。
【0061】このように、Mg固溶量を5〜30at
%、MgO添加量を6〜18wt%の範囲内で調整する
ことで、α1,α3,Δα21,Δα34を制御できた。
【0062】
【発明の効果】本発明は、集電体層の空気中での熱膨張
係数をα1、固体電解質層の空気中での熱膨張係数をα
2、α2とα1の差をα2−α1=Δα21とした場合、
α1<α2であり、且つΔα21≦0.5×10-6/℃で
あることにより、空気中及び動作時の雰囲気ガスである
水素ガス中において、熱膨張係数差に起因してセルが破
壊されるという問題を解消するという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のSO燃料電池セルの部分断面の斜視図
である。
【図2】SO燃料電池F全体の基本構成の断面図であ
る。
【符号の説明】
1:ケース 2:セル 5:燃焼室 6:空気管 10:Niフェルト 11:インターコネクタ(集電体層) 21:空気極層 22:固体電解質層 23:燃料極層 24:集電体層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多層円筒状に積層された空気極層、固体電
    解質層、燃料極層及び集電体層を有し、集電体層の空気
    中での熱膨張係数をα1、固体電解質層の空気中での熱
    膨張係数をα2、α2とα1の差α2−α1をΔα21と
    した場合、α1<α2であり、且つΔα21≦0.5×1
    -6/℃であることを特徴とする固体電解質型燃料電池
    セル。
  2. 【請求項2】前記集電体層の水素ガス中での熱膨張係数
    をα3、固体電解質層の水素ガス中での熱膨張係数をα
    4、α3とα4の差α3−α4をΔα34とした場合、α
    3>α4であり、且つΔα34≦0.3×10-6/℃であ
    る請求項1記載の固体電解質型燃料電池セル。
  3. 【請求項3】Δα21>Δα34である請求項2記載の固体
    電解質型燃料電池セル。
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