JP2000258047A - 動作補助装置 - Google Patents

動作補助装置

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JP2000258047A
JP2000258047A JP11062691A JP6269199A JP2000258047A JP 2000258047 A JP2000258047 A JP 2000258047A JP 11062691 A JP11062691 A JP 11062691A JP 6269199 A JP6269199 A JP 6269199A JP 2000258047 A JP2000258047 A JP 2000258047A
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JP
Japan
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motor
assisting device
projecting member
protruding member
signal
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Withdrawn
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JP11062691A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Terada
芳明 寺田
Eidai Kumagai
英大 熊谷
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Nidec Instruments Corp
Original Assignee
Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 電気関連部分が結露等の影響を受け難く、こ
れに起因するモータの暴走が発生しても、内部機構が破
壊されず、小型化・薄型化が可能な動作補助装置を提供
する。 【解決手段】 動作補助装置1は、モータ7と、その駆
動力によって前方へ移動してドア4に直接または間接的
に当接可能な突き出し部材8と、モータの駆動力を突き
出し部材に伝達する歯車輪列10と、モータ、突き出し
部材及び歯車輪列を取り付けるためのケース体11とを
有しており、突き出し部材をスライド動作させることに
より、ドアの全動作範囲のうち所定範囲の動作を補助す
る。モータは、ケース体の突き出し部材の後方(図にお
いて右側)に配置され、万が一、結露等の影響によりモ
ータが暴走した場合の突き出し部材の動作規制を可能と
する。なお、モータと外部電源13との接続部位や位置
検出部15の信号出力部14aの取り付け位置を、ドア
から離し、かつ突き出し部材のスライド移動領域からも
離す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷蔵庫等に設置さ
れた旋回式のドアや引き出しの前面部等、筐体の内部空
間を外部に開放したり、外部から遮断する開閉部材に適
用されるもので、当該開閉部材の全動作範囲のうち所定
範囲の動作を補助する動作補助装置に関する。
【0002】
【従来の技術】旋回式のドアや引き出し等のついた家電
製品や家具などにおいて、ドアや引き出しの前面を筐体
本体側にマグネットなどの吸着力を利用して保持させる
ものがある。このようなドアや引き出しの前面(以下、
開閉部材という)は、閉めるときには、マグネットの吸
引力により筐体本体側に吸引されるため、小さな力で確
実に閉めることができ、また、閉まった状態では一定の
閉じ力が保持される。したがって、多少の振動などがあ
っても自然にドアや引き出しが開いてしまうというよう
な不都合も解消できることから多くの製品に適用されて
いる。
【0003】この種の開閉部材は、確実な閉じ状態を保
持するという要素と、容易な開操作が可能という両方の
要素を満たす必要があるが、確実な閉じ状態の保持とい
う観点から考えると、或る程度の閉じ力を持たせる必要
性は否めない。したがって、一定以上の閉じ力を持ちな
がら、容易に開けられるような開閉機構とすることが望
まれる。
【0004】そこで、このような面倒な操作を少しでも
容易なものとするための装置として、本出願人は、特開
平4−17548号公報記載のモータアクチュエーター
を開発した(図12参照)。このモータアクチュエータ
ーは、モータ101と、モータ101の駆動力を減速し
て伝達する減速機構102と、この減速機構102の最
終段のピニオン103に歯合するラック104を有する
ロッド105と、ロッド105の位置を検出するための
位置検出手段106と、を有している。そして、ドア
(図示省略)に設けたスイッチ機構にユーザーが触れる
と、モータ101が通電され、モータ101の駆動力に
よりロッド105をスライド移動させることによって、
前方に配置されるドアの開動作を補助するものとなって
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなモータアクチュエーターを冷蔵庫のドア開放補助装
置として使用すると、冷蔵庫内と外気との温度差がある
ため、モータ101の端子部や位置検出手段106の位
置検出信号出力部に結露が形成されるおそれがある。そ
のため、電気関連部分に不具合が発生し、ロッド105
の位置検出やモータ101の駆動制御に支障が生じる可
能性がある。その結果、モータ101が暴走し、収納ケ
ースや装置内の他の部分を破壊してしまう危険性が生じ
るという問題がある。
【0006】このような破壊を防ぐために、ロッド10
5が突き当たる大きな突き当たり部を設けたり、ケース
体の側壁を厚くしたりする手段を講じてもよいが、この
ような構成にすると全体形状が大型化してしまう。冷蔵
庫のドア開放用の装置等に適用する場合、その設置部分
は室を仕切る僅かな厚さの壁体部分であり、装置の大型
化は致命的欠陥となる。
【0007】また、ロッド105のスライド動作によっ
て僅かではあるが摩耗粉や振動が生ずる。このような摩
耗粉や振動は、電気回路部、特に接続部分に悪い影響を
与え、動作が不安定となる大きな要因となっている。
【0008】本発明は、結露が生じたりその他の理由に
よって、モータの暴走が生じた際、スライド動作する部
材が突き当たる部分を太くしたりせずに、また機構部を
収納する収納ケースを薄くしても確実にスライド動作を
停止させ得ることで、小型化・薄型化を可能とした動作
補助装置を提供することを目的とする。また、他の本発
明は、モータの端子部や位置検出用の信号出力部分等の
電気関連部分に結露を生じにくくすると共に、突き出し
部材のスライド動作による不安定、例えば摩耗粉の付
着、振動による剥がれという不具合を無くし、長期的に
安定した動作を行える動作補助装置を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明の動作補助装置は、モータと、このモータの
駆動力によって前方へスライド移動して開閉部材に直接
または間接的に当接可能な突き出し部材と、モータの駆
動力を突き出し部材に伝達する伝達手段と、モータ、突
き出し部材及び伝達手段を取り付けるための取り付け部
材と、を有し、突き出し部材のスライド動作により開閉
部材の全動作範囲のうち所定範囲の動作を補助する動作
補助装置であって、取り付け部材の突き出し部材の後方
にモータを配置している。
【0010】本発明の動作補助装置は、上述の構成によ
り、万が一、モータが暴走し、この暴走により突き出し
部材が所定の動作範囲以上に後方に動作しようとして
も、突き出し部材が固いモータケースの一部、例えば、
外壁に突き当たることによってそれ以上の動作を阻ま
れ、特別な突き当たり部材を設けることなく、しかも収
納ケース等で構成される取り付け部材を薄くしても破壊
されずに突き出し部材を確実に停止させることができ
る。
【0011】また、他の発明は、上述の発明の動作補助
装置において、突き出し部材の位置検出を行う位置検出
部を設けている。このように突き出し部材の位置検出を
行う位置検出部を設けると、突き出し部材を所定の位置
で、ケース体等に突き当てることなく停止させることが
できるので、さらに確実に内部構造の破壊を防止できる
ものとなり、一層、信頼性の高い動作補助装置とするこ
とが可能となる。
【0012】また、他の発明は、上述の発明の動作補助
装置において、位置検出部は、取り付け部材に直接また
は間接的に固定した信号検出部と、伝達手段に設けられ
信号検出部に対向配置可能な信号発生部材とを有し、信
号発生部材から出力された信号を信号検出部で検出する
ことにより伝達手段の状況を把握し、これによって突き
出し部材の位置を検出するものとなっている。そのた
め、ホールIC等で構成される信号検出部を取り付け部
材に取り付け、この信号検出部に対向配置されるマグネ
ット等の信号発生部材を伝達手段に備えるようにする
と、位置検出部をコンパクトにまとめることができ、配
線等も単純な構造とすることが可能となる。
【0013】また、他の発明は、上述の発明の動作補助
装置において、信号検出部により信号発生部材からの信
号を検出させる時点を、突き出し部材の前方端へのスラ
イド移動終端及び後方端へのスライド移動終端のいずれ
か一方もしくは双方に対応させると共に、信号を検出し
た際、モータの駆動回路を短絡させることにより突き出
し部材を直ちに停止させるようにしている。そのため、
突き出し部材が所定の位置でさらに確実に停止すること
が可能となり、一層、信頼性の高い動作補助装置とする
ことが可能となる。
【0014】さらに、他の発明の動作補助装置は、外部
電源に接続されたモータと、このモータの駆動力によっ
て前方へスライド移動して開閉部材に直接または間接的
に当接可能な突き出し部材と、モータの駆動力を突き出
し部材に伝達する伝達手段と、モータ、突き出し部材及
び伝達手段を取り付けるための取り付け部材と、を有
し、突き出し部材のスライド動作により開閉部材の全動
作範囲のうち所定範囲の動作を補助する動作補助装置で
あって、突き出し部材の後端からさらに後側に、モータ
の外部電源との接続部を配置している。
【0015】このため、開閉部材の開閉によって生ずる
各種の影響を外部電源の接続部は受け難いものとなる。
例えば、この動作補助装置を冷蔵庫に用いる場合、開閉
部材の内側と外側との温度差に起因する結露が、モータ
の外部電源との接続部には形成されにくくなる。また、
突き出し部材の後端からさらに後側にモータの外部電源
との接続部が配置されているので、突き出し部材の所定
の動作や暴走による接続部の破壊等の障害やスライド動
作による弊害、例えば、摩耗粉の付着や振動による剥が
れが生じにくいものとなり、長期間の安定した動作が可
能となる。
【0016】またさらに、他の発明の動作補助装置は、
モータと、このモータの駆動力によって前方へスライド
移動して開閉部材に直接または間接的に当接可能な突き
出し部材と、モータの駆動力を突き出し部材に伝達する
伝達手段と、突き出し部材の位置検出を行いその検出信
号を外部制御装置へ出力するための信号出力部を有する
位置検出部と、モータ、突き出し部材、伝達手段及び位
置検出部を保持すると共にそれらを囲む側壁を備える取
り付け部材と、を有し、突き出し部材のスライド動作に
より開閉部材の全動作範囲のうち所定範囲の動作を補助
する動作補助装置であって、信号出力部の取り付け位置
を、開閉部材と対向する側壁から離した位置とすると共
に突き出し部材のスライド動作領域から離れた位置とし
ている。
【0017】このため、開閉部材の開閉によって生ずる
各種の影響を信号出力部は受け難いものとなる。例え
ば、この動作補助装置を冷蔵庫に用いる場合、開閉部材
の内側と外側との温度差に起因する結露が、位置検出部
の信号出力部には形成されにくくなる。また、信号出力
部の取り付け位置を、突き出し部材のスライド領域から
離れた位置としているので、突き出し部材の所定の動作
による各種の弊害、例えば、摩耗粉の付着や振動による
剥がれが生じにくくなり、長期間に渡って安定した動作
を得ることができる。
【0018】また、他の発明は、上述の発明の動作補助
装置に加えて、モータの出力軸を、突き出し部材のスラ
イド移動方向と直交させると共に、モータのモータケー
スの外壁が突き出し部材の後端に対向するように配置さ
れている。このため、モータケースの外壁がスライド移
動方向と直交するように配置されることとなり、突き出
し部材の過度な移動を確実に阻止することができる。
【0019】また、他の発明は、上述の各発明の動作補
助装置において、モータを保持する保持壁を取り付け部
材に設け、この保持壁を突き出し部材を後方へスライド
移動させた際の動作規制部としている。そのため、さら
に一層、モータの暴走によるケース等の破壊が防止さ
れ、信頼性の高い動作補助装置とすることが可能とな
る。
【0020】また、他の発明は、上述の各発明の動作補
助装置において、取り付け部材をケース体で構成し、伝
達手段をモータの出力軸と一体的に回転可能なウォーム
を含むものとすると共に、ケース体の側壁内側にウォー
ムの先端部分を受ける軸受け部を設けることにより、ケ
ース体の側壁の補強がなされている。そのため、ウォー
ムの両端が確実に保持されると共に、ケース体の側壁の
補強がなされ、一層、信頼性の高い動作補助装置とする
ことが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態にお
ける動作補助装置について、図1から図10に基づき説
明する。なお、この実施の形態では、動作補助装置を冷
蔵庫に取り付けたものとして説明するが、本発明は、特
に、冷蔵庫に取り付けるものに限定されるものではな
い。
【0022】動作補助装置1は、図1に示すように、冷
蔵庫2本体のフレーム3のドア4と対向する位置に備え
られており、前方に配置された開閉部材としてのドア4
の開動作の補助を行う装置となっている。なお、ドア4
は、冷蔵庫本体2に形成された冷蔵室5の開放端部分を
開放/閉塞するためのものとなっており、冷蔵室5の開
放端の一部に一端が回動自在に支持されている。そし
て、ドア4の他端には、吸着マグネット6が備えられて
おり、閉塞時には、この吸着マグネット6が冷蔵室5の
開放端の一部に吸着することにより、ドア4が冷蔵室5
を完全に密封し、かつ冷蔵室5の開放端に保持されるこ
ととなる。そして、ドア4の吸着マグネット6が冷蔵室
5の開放端に吸着保持されることにより、冷蔵室5がド
ア4によって密閉されるようになっている。
【0023】動作補助装置1は、図2及び図3に示すよ
うに、双方向回転可能なDCモータ(以下、単にモータ
という)7と、このモータ7の駆動力によって前方へス
ライド移動してドア4に当接可能な突き出し部材8と、
モータ7の駆動力を突き出し部材8に伝達する伝達手段
としての歯車輪列10と、これらの各部を取り付けるた
めの取り付け部材としてのABS樹脂で形成されたケー
ス体11と、を有している。そして、動作補助装置1
は、突き出し部材8の前方へのスライド動作により、ド
ア4の全動作範囲のうちの所定範囲の動作を補助するも
のとなっている。なお、本実施の形態では、突き出し部
材8を、ドア4に直接当接可能なものとしているが、突
き出し部材8は、何らかの部材を介し間接的にドア4に
当接可能なものとしてもよい。
【0024】モータ7は、リード線9a,9bにより端
子部材12と接続されている。なお、この端子部材12
は、電源及び制御手段を兼ねた外部の制御装置13と接
続されている。このため、モータ7は、リード線9a,
9b及び端子部材12を介して、外部の制御装置13に
接続されており、制御装置13によって制御駆動される
ようになっている。すなわち、リード線9a,9bは、
モータ7の外部電源との接続部となっている。なお、制
御装置13によるモータ7の駆動制御方法については、
後で詳述する。
【0025】また、突き出し部材8は、歯車輪列10よ
りモータ7の駆動力を受けることにより、図2において
矢示A/B方向にスライド移動可能となっている。すな
わち、この突き出し部材8は、モータ7の駆動力で前方
(図2において矢示A方向)へスライド移動することに
より、ドア4に当接しドア4を開方向(図2において矢
示C方向)に突き出すと共に、後方(図2において矢示
B方向)へもモータ7の駆動力でスライド移動可能とな
っている。これは、本実施の形態では、突き出し部材8
がドア4の開動作を補助した後、元の位置に戻す制御を
するためである。
【0026】なお、突き出し部材8の先端部分は、突き
出し部材8が最奥部に引っ込んだ状態でケース体11よ
り突出している。この突出量に関しては、突き出し部材
8とドア4との配置関係、及びモータ7の始動時から突
き出し部材8をドア4へ当接させるまでの時間制御の関
係等、種々の関係により適宜変更可能である。また、本
実施の形態では、突き出し部材8のスライド移動の長さ
を約30mm程度としている。しかしながら、このスト
ローク長も、この動作補助装置1が取り付けられる機器
に応じて最適なものに適宜変更可能である。
【0027】また、動作補助装置1は、突き出し部材8
の位置検出を行いその検出信号を外部の制御装置13へ
出力するための信号出力部としてのリード線14aを有
する位置検出部15を有している。この位置検出部15
は、具体的には、突き出し部材8が前方終端(図2にお
いて一点鎖線で示した位置)までスライド移動した際
に、その動作を検出するための前方端検出用マグネット
16と、突き出し部材8が後方終端(図2において実線
で示した位置)までスライド移動した際に、その動作を
検出するための後方端検出用マグネット17と、これら
の両マグネット16,17に対向配置可能なホールIC
18と、ホールIC18を設置固定した回路基板19
と、から構成されている。
【0028】なお、回路基板19は、ケース体11のケ
ース半体11aに対して嵌合固定されている。この回路
基板19には、他端を外部の制御装置7へ接続可能な端
子部材12に接続されたリード線14a,14b,14
cの一端が半田付け固定されている。そして、ホールI
C18とリード線14a,14b,14cとは、回路基
板19の回路パターン(図示省略)により、それぞれ接
続されている。
【0029】なお、リード線14aは、上述したように
突き出し部材8の位置検出信号を制御装置13へ出力す
るための信号出力部となっており、図4に示すように、
端子部材12を介して制御装置13のセンサー出力部1
3cに接続されている。すなわち、リード線14aは、
ホールIC18に入力された磁気信号をセンサー出力と
して制御装置13へ出力するためのものとなっている。
また、リード線14bは、端子部材12を介して制御装
置13の電源Vccに接続されており、リード線14c
は、端子部材12を介して制御装置13内ののGND
(グランド)に接続されている。
【0030】これらのリード線14a,14b,14c
の回路基板19との接続位置は、ドア4から所定距離L
1離れた位置となっている。すなわち、リード線14
a,14b,14cの回路基板19との接続位置は、ケ
ース体11のドア4と対向する側の側壁11jから離れ
た位置で、かつ突き出し部材8のスライド動作領域から
離れた位置となっている。これは、この接続位置に結露
が発生しにくくするための構成であると共に、突き出し
部材8のスライド動作により発生する摩耗粉が接続位置
に付着しにくい構成となっている。
【0031】すなわち、冷蔵庫2のドア4の内側と外
側、すなわち冷蔵室5内と外気とでは温度差が大きいた
め、ドア4近傍に配置される部材に結露が発生し易い。
したがって、これを避けるための構成となっている。そ
のため、本実施の形態の動作補助装置1では、リード線
14a,14b,14cが結露の影響を受け難く、ホー
ルIC18で検出した検出結果を確実に制御装置13へ
出力できるものとなっている。また、突き出し部材8の
スライド動作領域内には、スライド動作に起因する摩耗
粉が発生する可能性があるが、これの付着を避け、ホー
ルIC18で検出した検出結果を確実に制御装置13へ
出力できるものとなっている。
【0032】そして、位置検出部15は、突き出し部材
8が前方終端までスライド移動した際、前方端検出用マ
グネット16からの磁気信号をホールIC18で検出
し、その検出信号を外部の制御装置13へ出力する。こ
れによって、制御装置13が、モータ7への電力の供給
を停止し、モータ7が停止するようになっている。ま
た、位置検出部15は、突き出し部材8が後方終端まで
スライド移動した際、後方端検出用マグネット17から
の磁気信号をホールIC18で検出し、その検出信号を
外部の制御装置13へ出力する。これによって、制御装
置13が、モータ7への電力の供給を停止し、モータ7
が停止するようになっている。なお、前方端検出用マグ
ネット16及び後方端検出用マグネット17は、後述す
る出力歯車部20の所定の位置にそれぞれ配置されてい
る。
【0033】ホールIC18は、上述したように、両マ
グネット16,17からの磁気信号を検出する信号検出
部となっており、信号を検出すると、その検出信号を制
御装置13へ出力する。なお、このホールIC18から
リード線14aを介して制御装置13のセンサー出力部
13cへ出力されるセンサー出力は、図5(A)に示す
ように、磁気を検出するとローレベル(”L”)とな
り、磁気を検出しないとハイレベル(”H”)となるも
のである。
【0034】本実施の形態では、突き出し部材8が後方
終端にある状態(最奥まで引っ込んだ状態)から前方終
端(最高に突出した状態)まで動作する場合、ホールI
C18からのセンサー出力は、突き出し部材8が6mm
移動した時点で、実線で示したように、ローレベル(”
L”)からハイレベル(”H”)へ移行する。そして、
さらに、突き出し部材8が18mm(後方終端にある状
態から見ると24mm)移動した時点で、ハイレベ
ル(”H”)からローレベル(”L”)へ移行する。
【0035】なお、このセンサー出力部13cに入力さ
れたセンサー出力は、図5(B)に示すようにローレベ
ル(”L”)とハイレベル(”H”)とを反転してか
ら、制御装置13内のCPU(図示省略)に送られる。
すなわち、センサー出力部13cからCPUに送られる
センサー出力は、磁気を検出するとハイレベル(”
H”)となり、磁気を検出しないとローレベル(”
L”)となるものである。
【0036】そのため、突き出し部材8が後方終端にあ
る状態から前方終端まで動作する場合、CPUに入力さ
れるセンサー出力は、突き出し部材8が6mm移動した
時点で、実線で示したように、ハイレベル(”H”)か
らローレベル(”L”)へ移行する。そして、さらに、
突き出し部材8が18mm(後方終端にある状態から見
ると24mm)移動した時点で、ローレベル(”L”)
からハイレベル(”H”)へ移行する。
【0037】また、ホールIC18からのセンサー出力
部13cへのセンサー出力は、図5(A)に示すよう
に、突き出し部材8が前方終端にある状態から後方終端
にまで動作する場合、突き出し部材8が約7mm移動し
た時点(後方終端から見ると突き出し部材8が23mm
前方へ離れている時点)で、点線で示したように、ロー
レベル(”L”)からハイレベル(”H”)へ移行す
る。そして、さらに、突き出し部材8が18mm(後方
終端から見ると突き出し部材8が5mm前方へ離れてい
る時点)移動した時点で、ハイレベル(”H”)からロ
ーレベル(”L”)へ移行する。
【0038】なお、この区間でのセンサー出力部13c
からCPUへのセンサー出力は、上述した突き出し部材
8の前進動作時と同様、ローレベル(”L”)とハイレ
ベル(”H”)とが、反転される。すなわち、突き出し
部材8が約7mm移動した時点(後方終端から見ると突
き出し部材8が23mm前方へ離れている時点)で、点
線で示したように、ハイレベル(”H”)からローレベ
ル(”L”)へ移行する。そして、さらに、突き出し部
材8が18mm(後方終端から見ると突き出し部材8が
5mm前方へ離れている時点)移動した時点で、ローレ
ベル(”L”)からハイレベル(”H”)へ移行する。
【0039】なお、制御装置13は、上述したような検
出信号を、端子部材12を介して受け、その信号に基づ
いてモータ7の駆動制御を行うようになっている。その
制御方法の一例を、図6のフローチャートを用いて以下
に説明する。
【0040】なお、以下の説明では、モータ7を正回
転、逆回転させるとの表現を使用するが、正回転とは突
き出し部材8を前進させるためのモータ7の回転方向を
意味し、逆回転とは突き出し部材8を後退させるための
モータ7の回転方向を意味するものとする。また、以下
に説明する動作手順は、動作補助装置1の冷蔵庫2への
取り付けからイニシャライズ(原点出し)までと、その
後のユーザーによる冷蔵庫2のドア4の開閉動作とを、
共に行った際のものとなっている。
【0041】最初に、本実施の形態の動作補助装置1を
冷蔵庫2に取り付け、制御装置13に通電する(ステッ
プS1)。この通電した際、ホールIC18から出力さ
れるセンサー出力が、ハイレベル(”H”)か否かを検
出する(ステップS2)。すなわち、ホールIC18に
両検出用マグネット16,17からの磁気信号が入力し
ているか否かを判断し、これによって、突き出し部材8
が途中部分(前方終端でも後方終端でもない位置)で停
止しているか否かを認識する。なお、このとき、出力さ
れるセンサー出力は、上述したように、制御装置13内
のセンサー出力部13cで反転されるが、以下の説明で
はこれを省略し、ホールIC18から出力されるセンサ
ー出力に関してのみ説明することとする。
【0042】ステップS2において、センサー出力がハ
イレベルの場合(Yes)、ホールIC18は、両検出
用マグネット16,17と対向していない状態なので、
突き出し部材8は、途中部分で停止していることとな
る。そして、ステップS2でYesの場合は、モータ7
を逆回転させて突き出し部材8を後退させる(ステップ
S3)。
【0043】すると、所定回転後、後方端検知用マグネ
ット17とホールIC18とが対向し、ホールIC18
から出力されるセンサー出力が、ローレベル(”L”)
となる(ステップS4においてYes)。なお、ステッ
プS4においてローレベル(”L”)にならない場合
(No)は、モータ7の逆回転を継続する(ステップS
3に戻る)。
【0044】そして、ステップS4において、Yesと
なってから(信号を検出してから)0.5秒が経過した
ら(ステップS5)、モータ7を停止させる(ステップ
S6)。これによって、本実施の形態の動作補助装置1
の取り付け後のイニシャライズが終了する。すなわち、
突き出し部材8は、原点となる後方終端位置で停止する
こととなる。
【0045】一方、上述したステップS2において、セ
ンサー出力がローレベルの場合(No)、ホールIC1
8は、両検出用マグネット16,17のいずれかと対向
した状態なので、突き出し部材8は、前方終端もしくは
後方終端で停止していることとなる。なお、後方終端で
停止している場合は、本来、イニシャライズのための駆
動をする必要はないが(突き出し部材8が原点に既に位
置しているため=本実施の形態では突き出し部材8が後
方終端に位置する場合を原点位置とする)、本実施の形
態における制御方法においては、ステップS2でNoの
場合は、モータ7を逆回転させる(ステップS7)。
【0046】そして、このステップS7の直後、再度、
ホールIC18から出力されるセンサー出力が、ハイレ
ベル(”H”)となったか否かを検出する(ステップS
8)。すなわち、ステップS2でセンサー出力を検出し
た際にローレベル(”L”)であった場合(No)、そ
れが前方終端での検出結果なのか後方終端での検出結果
なのかを判断するためである。もし、ステップS8での
センサー出力がハイレベル(”H”)になったとすると
(Yes)、初期動作時の検出信号は前方端検出用マグ
ネット16に基づくものであるので、モータ7の逆回転
を継続する(ステップS9)。
【0047】すると、所定回転後、後方端検知用マグネ
ット17とホールIC18とが対向し、ホールIC18
から出力されるセンサー出力が、ローレベル(”L”)
となる(ステップS10においてYes、すなわちステ
ップS5へ)。なお、ステップS10においてローレベ
ル(”L”)にならない場合(No)は、モータ7の逆
回転を継続する(ステップS9に戻る)。
【0048】一方、ステップS8でセンサー出力がハイ
レベル(”H”)とならない場合(No)は、すでにそ
の時点で、後方端検知用マグネット17とホールIC1
8とが対向した状態となっている(この場合、ステップ
S8からステップS10へ移動し、さらにステップS1
0でYesのためステップS5へ移動することとな
る)。
【0049】このように、ステップS10でYesとな
ってから(信号を検出してから)0.5秒が経過したら
(ステップS5)、モータ7を停止させる(ステップS
6)。これによって、本実施の形態の動作補助装置1の
取り付け後のイニシャライズが終了する。
【0050】次に、上述したイニシャライズ終了(取り
付け後の原点出し動作が完全に終了)後のユーザーによ
る使用時の動作について説明する。ユーザーが、後述す
るタッチセンサー47等のスイッチ部材をオンにし、タ
ッチセンサー47等から駆動命令信号が制御装置13に
入力すると(ステップS11)、制御装置13の駆動制
御によりモータ7が正回転する(ステップS12)。こ
れにより、突き出し部材8は前進する。そして、この動
作により、前方端検出用マグネット16がホールIC1
8と対向し、ホールIC18からのセンサー出力がハイ
レベル(”H”)からローレベル(”L”)へと変化し
た場合(ステップS13においてYes)は、モータ7
を停止する(ステップS14)。
【0051】なお、ステップS13においてNoの場
合、すなわち信号検出によりセンサー出力のレベルが変
化しない状態時は、モータ7の正回転を継続する(ステ
ップS12へ戻る)。そして、ステップS13を経て、
ステップS14でモータ7を停止する。
【0052】ステップS14でモータ7を停止した状態
は、1秒間継続される(ステップS15)。その後、今
度はモータ7を逆回転する(ステップS16)。これに
より、突き出し部材8は後退する。そして、この動作に
より、後方端検出用マグネット17がホールIC18と
対向し、ホールIC18からのセンサー出力がハイレベ
ル(”H”)からローレベル(”L”)へと変化した場
合(ステップS17においてYes)は、この検出から
0.5秒経過後(ステップS18)に、モータ7を停止
する(ステップS19)。
【0053】なお、ステップS17においてNoの場
合、すなわち信号検出によりセンサー出力のレベルが変
化しない状態時は、モータ7の逆回転を継続する(ステ
ップS16へ戻る)。そして、ステップS17,18を
経て、ステップS19でモータ7を停止する。
【0054】本実施の形態では、上述したような制御方
法としたが、他の制御方法によりモータ7を駆動/停止
制御するようにしてもよい。以下に、その変形例を、図
7を用いて説明する。なお、以下の変形例は、上述の構
成のうち制御装置13のみを変更したものであるので、
変形させた制御装置13について、主に説明することと
する。なお、同様の構成を有する部材に関しては、上述
した実施の形態と同様の符号を付すものとする。
【0055】この変形例においては、制御装置13は、
ホールIC18からのセンサー出力を入力し、マイコン
用にセンサー出力を変換するセンサー出力部13cと、
センサー出力部13等からの入力信号によりモータ7の
駆動制御信号を処理するCPU13dと、を有するマイ
コン13eと、このマイコン13eに制御される第1及
び第2のリレースイッチ13f,13gと、電源Vcc
とを有している。
【0056】CPU13dは、後述するスイッチ部材と
してのタッチセンサー47がオンされるとモータ7への
電力供給をすべく、第1のリレースイッチ13fをオン
にする。すると、電源Vccから、モータ7へ電力が供
給されモータ7が駆動される。これによって、突き出し
部材8が前進する。
【0057】なお、突き出し部材8が前方終端までスラ
イド移動すると、この動作に伴い、前方端検出用マグネ
ット16がホールIC18に対向する。このため、ホー
ルIC18からのセンサー出力がハイレベル(”H”)
からローレベル(”L”)に変化する。それによって、
センサー出力部13cからCPU13dに出力されるセ
ンサー出力も、ローレベル(”L”)からハイレベ
ル(”H”)に変化する。
【0058】マイコン13eは、この出力信号の変化時
をモータ7の停止時と判断し、第1のリレースイッチ1
3fをオフにする。そして、このオフ動作が完了した
後、直ちに第2のリレースイッチ13gをオンにする。
なお、このマイコン13eの一連の動作制御、すなわち
第1のリレースイッチ13fをオフにした後、第2のリ
レースイッチ13gをオフにする動作における所要時間
は、約50msとなる。
【0059】このマイコン13eによる第1及び第2の
リレースイッチ13f,13gの切り換え動作により、
モータ7の駆動回路が短絡する。すなわち、第1のリレ
ースイッチ13fのオフにより、電源Vccからモータ
7への電流が切断され、その直後に、グランド(GN
D)に接続された第2のリレースイッチ13gがオンに
なることにより、モータ7のオーバーランによって発生
する逆起電圧がアースされる。これにより、モータ7
は、ブレーキがかけられることとなるから、イナーシャ
の影響をほとんど受けずに即時に停止する。なお、スイ
ッチ切り換え動作終了後(信号検知から50ms後)、
モータ7が停止するまでの所要時間は約50msとな
る。
【0060】なお、本実施の形態の動作補助装置1は、
このようないわゆる「短絡ブレーキ」を用いているが、
「短絡ブレーキ」によるモータ7の即時停止(正確な位
置での停止)を行わない構成としても良い。しかしなが
ら、このような「短絡ブレーキ」を用いると、突き出し
部材8の位置検出をより正確なものとすることができ、
例えば、突き出し部材8をケース体11内の動作規制部
(本実施の形態においては保持壁23)や前方側の内壁
等に突き当てずに停止させることができ、内部破壊及び
形而劣化を防止するという効果を有することとなる。
【0061】モータ7は、上述した突き出し部材8の後
方(図2において右側)に配置されている。そして、こ
のモータ7は、出力軸21を突き出し部材8のスライド
移動方向(図2において矢示AB方向)と直交させるよ
うに配置されており、モータケース22の外周面が突き
出し部材8の後端8aに対向するように配置されてい
る。さらに、モータ7は、ケース体11内部にモータ7
を囲むように設けられた保持壁23の内側に保持されて
おり、ネジ23aによって保持壁23に固定されてい
る。
【0062】この構成により、万が一、突き出し部材8
が、モータ7の暴走等の理由により後方に所定範囲以上
にスライド移動したとしても、保持壁23にぶつかるよ
うになっている。すなわち、保持壁23は、突き出し部
材8の後方へのスライド移動の動作規制部となってい
る。なお、突き出し部材8が保持壁23を突き破り、さ
らに後方へ移動した場合は、モータ7のモータケース2
2にぶつかるようになっている。すなわち、モータケー
ス7も、保持壁23と同様、万が一の場合の動作規制部
となっている。このため、モータ7の暴走やその他の理
由により突き出し部材8が後方へ所定以上にスライド移
動した場合も、保持壁23やモータケース22で突き出
し部材8の動作を規制し、これによりケース体11や冷
蔵庫2本体内の装置等の破壊を防止するものとなってい
る。
【0063】なお、上述したように突き出し部材8の後
端8aよりさらに後方に配置されることにより、モータ
7とリード線9a,9bとの接続位置が、ドア4から所
定距離L2(少なくとも突き出し部材8の長さ分以上の
距離)離れた位置となっている。すなわち、モータ7と
リード線9a,9bとの接続位置は、突き出し部材8の
後端8aよりさらに後側に配置されている。これは、ド
ア4の内側と外側とでは温度差が大きく、ドア4近傍に
配置される部材には結露が発生し易いので、これを避け
るためである。そのため、本実施の形態の動作補助装置
1では、リード線9a,9bが結露の影響を受け難く、
モータ7が制御装置13の駆動制御を確実に受けること
ができるものとなっている。また、このように構成する
ことによって、モータ7とリード線9a,9bとの接続
位置が、突き出し部材8のスライド移動による摩耗粉の
付着や振動による剥がれの影響を受け難いものとなる。
【0064】なお、リード線9a,9bは、ケース体1
1に設けられた切欠き24内を通して他端側を外部に出
している。また、上述の回路基板19に接続されたリー
ド線14a,14b,14cも、同様に切欠き24内を
通して他端側をケース体11の外部に出している。そし
て、ケース体11の外部に導出されたこれらのリード線
9a,9b,14a,14b,14cの他端は、それぞ
れ端子部材12を介して制御装置13に接続されてお
り、これによってモータ7が状況に応じて一方もしくは
他方へ回転させられる。
【0065】モータ7の出力軸21は、保持壁23に設
けられた挿通孔23bからケース体11の内部空間に突
出している。この出力軸21の突出部分には、歯車輪列
10の一部を構成するウォーム26が連結板27を介し
て一体的に固定されている。
【0066】このように保持壁23内に設置されたモー
タ7の駆動力は、歯車輪列10を介して突き出し部材8
に減速されて伝わるようになっている。歯車輪列10
は、モータ7の出力軸21と一体的に回転可能なウォー
ム26と、このウォーム26に歯合するフリクション歯
車部28と、このフリクション歯車部28に歯合する中
間歯車部29と、この中間歯車部29に歯合する出力歯
車部20から構成されている。
【0067】ウォーム26は、上述したようにモータ7
の回転軸21に固定されていると共に、先端部分をケー
ス体11の側壁内側に形成された軸受け部30に回転自
在に支承されている。このようにウォーム26を支承す
る軸受け部30をケース体11の内側に設けることによ
り、ABS樹脂で形成されたケース体11が補強されて
いる。
【0068】フリクション歯車部28は、突き出し部材
8の動作中にその突き出し部材8に対してケース体11
内に押し込む方向、あるいはケース体11から引き出さ
れる方向に無理な力が働いた場合、その力を逃がす働き
をするための構成を有している。すなわち、フリクショ
ン歯車部28は、ウォーム26と係合する受け歯車28
aと、中間歯車部29の受け歯部29aと係合する送り
歯車28bと、受け歯車28aと送り歯車28bとの間
に挟まれたSUS製のプレート28dと、受け歯車28
aと送り歯車28bとをプレート28dを挟んだ状態で
一体化すると共に過負荷対策のためのクラッチバネ28
cとから構成されている。
【0069】受け歯車28aは、送り歯車28bと同軸
上に重ねて配置されている。受け歯車28aは、ケース
体11の一方のケース半体11aに設けられた軸受け凹
部31aに一端を回転可能に支持され、他端をケース体
11の他方のケース半体11bに設けられた軸受け凹部
31bに回転自在に支承された回転軸32と送り歯車2
8bとの間で、クラッチバネ28cによって送り歯車2
8b方向に付勢されている。また、送り歯車28bは、
回転軸32と一体的に設けられている。
【0070】このように構成されたフリクション歯車部
28は、通常の動作においては、受け歯車28aがクラ
ッチバネ28cの付勢力によって送り歯車28b側へ押
し付けられ、受け歯車28aと送り歯車28bとがプレ
ート28dを挟んだ状態で一体的に回転するようになっ
ている。そして、受け歯車28aがウォーム26の回転
を受けると、この回転が送り歯車28bから中間歯車部
29に減速しながら伝達される。
【0071】なお、受け歯車28aと送り歯車28bと
は、上述したようにクラッチバネ28cの付勢力によっ
て一体化されている。このため、所定のトルク以下の回
転力が伝達されてきた場合は、受け歯車28aと送り歯
車28bとが一体的に回転する。しかしながら、伝達さ
れてきた回転力が所定のトルク以上の場合、クラッチバ
ネ28cが滑ってその回転力が伝達されず、受け歯車2
8aと送り歯車28bとは一体的には回転しないように
なっている。
【0072】この構成によって、ドア4が手動等によっ
て閉方向(図2において矢示D方向)に動作され、突き
出し部材8が図2における矢示B方向、すなわち後方に
動作した場合、この突き出し部材8の動作によって出力
歯車部20が矢示E方向に回転し、その力が送り歯車2
8bに伝わり送り歯車28bが逆回転したとしても、こ
の回転力が所定トルク以上のものの場合は受け歯車28
aに伝達されないものとなる。なお、このようなフリク
ション歯車部28の過負荷防止機構は、制御装置13が
故障し突き出し部材8の駆動制御が不能になった際に、
ドア4を手動で閉めたりあるいは突き出し部材8のみを
手で動かしたりすることによって、飛び出し位置で停止
してしまった突き出し部材8を、原位置に戻す場合にも
効果を発揮するものとなる。
【0073】また、突き出し部材8を手前側に引っ張る
等して、突き出し部材8が無理な力で図2における矢示
A方向、すなわち前方に動作した場合、この突き出し部
材8の動作によって出力歯車部20が矢示F方向に回転
し、その力が送り歯車28bに伝わり送り歯車28bが
回転したとしても、この回転力が所定のトルク以上のも
のの場合は受け歯車28aに伝達されないものとなる。
すなわち、ドア4が強い力で閉じられたり、突き出し部
材8を手前側に無理な力で引っ張ったとしても、送り歯
車28bが空回りし、各歯車の歯先等が損傷してしまう
ことが防止される。
【0074】また、中間歯車部29は、モータ7の駆動
力を出力歯車部20へ伝達するためのものとなってい
る。中間歯車部29は、図2及び図3に示すように、フ
リクション歯車部28の送り歯車28bと係合する受け
歯車29aと、出力歯車部20の歯車部20bと係合す
る送り歯車29bと、から構成されている。受け歯車2
9aと送り歯車29bとは、一体的に形成されていると
共に、ケース体11に立設された固定軸33に回転自在
に支承されている。そして、受け歯車29aがフリクシ
ョン歯車部28の送り歯車28bの回転を受けると、受
け歯車29aと送り歯車29bとが一体的に回転するよ
うになっている。なお、固定軸33は、中間歯車部29
と一体的に回転する回転軸としてもよい。
【0075】出力歯車部20は、モータ7の駆動力を突
き出し部材8へ伝達し、突き出し部材8を動作させる歯
車輪列10の最終段歯車となっている。この出力歯車部
20は、ケース体11の一方のケース半体11aに形成
された凸状軸部11c及び他方のケース半体11bの凸
状軸部11cと同軸位置に形成された凸状軸部11dに
嵌まり込む筒状軸部20aと、中間歯車部29の送り歯
車29bに係合すると共に突き出し部材8の一部を構成
するラック部材34に形成された直線状のラック歯部3
4aと係合している歯車部20bと、を有している。そ
して、筒状軸部20aを凸状軸部11c,11dに嵌め
込むことによって、出力歯車部20は、ケース体11に
回転自在に支承されている。
【0076】このように構成された出力歯車部20が、
モータ7の駆動力によって、図2において矢示F方向に
回転すると、突き出し部材8が矢示A方向、すなわち前
方へ動作させられる。また、出力歯車部20が、モータ
7の逆回転によって、図2において矢示E方向に回転す
ると、突き出し部材8が矢示B方向、すなわち後方へ動
作させられる。
【0077】なお、出力歯車部20には、突き出し部材
8の位置検出を行う位置検出部の一部となる2つのマグ
ネット、すなわち、前方端検出用マグネット16と後方
端検出用マグネット17とが設けられている。なお、前
方端検出用マグネット16は、突き出し部材8が前方終
端まで動作した際にその動作を検知するためのものとな
っている。一方、後方端検出用マグネット17は、突き
出し部材8が後方終端まで動作した際にその動作を検知
するためのものとなっている。これらの両マグネット1
6,17は、出力歯車部20の同一円周上の所定角度離
れた位置に設置されている。
【0078】そして、出力歯車部20の両マグネット1
6,17の軌道円周と対向する位置には、突き出し部材
8の位置検出を行う位置検出部の一部となるホールIC
18が備えられている。このホールIC18は、ケース
体11のケース半体11aに形成されたボス11g,1
1hに嵌合固定された回路基板19の回路パターン(図
示省略)及びリード線14a,14b,14cによって
端子部材12を介して制御装置13に接続されている。
【0079】ホールIC18は、出力歯車部20が矢示
F方向へ回転し、前方端検出用マグネット16が対向す
る位置まで移動してくると、前方端検出用マグネット1
6から出力される磁気信号を入力する。これによって、
出力歯車部20の回転により前方へ動作させられた突き
出し部材8が前方終端まで動作したことを検知する。
【0080】なお、本実施の形態では、この検知結果
は、ホールIC18から制御装置13へ伝えられ、制御
装置13がこれを受けてモータ7を停止する制御を行う
ようになっている。このため、動作補助装置1は、突き
出し部材8が前方終端まで動作すると、モータ7が停止
するようになっている。また、さらに本実施の形態で
は、このモータ7の停止後、制御装置13の制御により
モータ7を逆回転させることにより、出力歯車部20を
矢示E方向へ回転させて、突き出し部材8を後方へ動作
させ原位置まで戻す制御を行っている。このため、ドア
4を手動等によって閉じた際に、ドア4が突き出し部材
8とぶつからないようになっている。
【0081】また、ホールIC18は、出力歯車部20
が矢示E方向へ回転し後方端検出用マグネット17が対
向する位置まで移動してくると、後方端検出用マグネッ
ト17から出力される磁気信号を入力する。これによっ
て出力歯車部20の回転により後方へ動作させられた突
き出し部材8が後方終端まで動作したことを検知する。
この検知結果は、ホールIC18から制御装置13へ伝
えられ、制御装置13がこれを受けてモータ7を停止す
る制御となっている。このため、動作補助装置1は、突
き出し部材8が後方終端まで動作すると、モータ7が停
止するようになっている。
【0082】上述したように、前方端検出用マグネット
16とホールIC18とが互いに対向することにより、
出力歯車部20の回転位置を検出し、これによって突き
出し部材8が前方終端まで動作したことを検知すること
となっている。一方、後方端検出用マグネット17とホ
ールIC18とが互いに対向することにより、出力歯車
部20の回転位置を検出し、これによって突き出し部材
8が後方終端まで動作したことを検知することとなって
いる。そして、これらを検出した結果としての検出信号
は、回路基板19及びリード線14aを介して制御装置
13へ出力されるようになっている。すなわち、両マグ
ネット16,17、ホールIC18、回路基板19及び
リード線14aは、突き出し部材8の位置(前方終端も
しくは後方終端)を検出する位置検出部を構成してい
る。
【0083】なお、回路基板19とリード線14aとの
接続位置やホールIC18の回路基板19への取り付け
位置は、ケース体11のドア4と対向する側壁11jか
ら離れた位置で、かつ突き出し部材8のスライド動作の
領域外となっている。これにより、各接続位置に結露が
発生しにくくすると共に、スライド動作による摩耗粉の
付着や振動による剥がれから各接続位置(取り付け位
置)を保護している。
【0084】なお、本実施の形態の動作補助装置1で
は、突き出し部材8が前方終端及び後方終端まで動作し
たことを検出するためにホールIC18を設けたが、ホ
ールIC18の代わりに、例えば光電素子を用いたもの
等、適宜他の構成の前方終端及び後方終端の検出手段を
用いてもよい。また、本実施の形態では、上述したよう
に前方端検出用マグネット16と後方端検出用マグネッ
ト17とを所定角度離れた位置に設置した構成となって
いるが、この角度を適宜変更することによって突き出し
部材8のスライド移動距離が適宜設定できる。また、両
マグネット16,17を設置するための保持部を、予め
数箇所(3箇所以上)に設けて置くことにより、それら
のうちの2箇所を両マグネット16,17の設置場所と
して選択可能となる。そのため、さらに容易に突き出し
部材8のスライド移動距離を適宜設定できることとな
る。
【0085】また、突き出し部材8は、ケース体11の
一方のケース半体11aに設けられたガイドレール35
及び他方のケース半体11bに設けられたガイドレール
36に沿ってスライド移動するラック部材34と、この
ラック部材34に一端を固定されラック部材34と共に
スライド移動する突き出し棒37から構成される。
【0086】ラック部材34は、図2及び図3に示すよ
うに、出力歯車部20と係合するラック歯部34aと、
ガイドレール35が内側に摺動自在に嵌まり込むガイド
溝34bと、ガイドレール36が内側に摺動自在に嵌ま
り込むガイド溝34cと、を有している。そして、ラッ
ク部材34は、出力歯車部20が回転することによっ
て、両ガイドレール35,36に沿って前方及び後方へ
スライド移動するようになっている。
【0087】なお、本実施の形態では、後方端検出用マ
グネット17及びホールIC18により、ラック部材3
4が後方終端まで動作させられた際にそれを検知するよ
うになっており、上述したように検知後、所定の時間が
経過するとモータ7を停止させるようになっている。し
かしながら、その検知ができなかった時のモータ7の暴
走を防止するために、保持壁23が突き出し部材8の動
作規制部となっている。なお、保持壁23を、突き出し
部材8の後方端からストロークの少ない位置に設けて、
定常的に動作を規制するようにしてもよい。さらに、保
持壁23の内側にはモータ7が配置されており、保持壁
23が突き出し部材8で破壊された際に、モータ7のモ
ータケース22も突き出し部材8の動作規制部となり得
る。
【0088】なお、上述したようにラック部材34に
は、突き出し棒37の一端が固定されている。したがっ
て、ラック部材34が移動すると、このラック部材34
と一体的に突き出し棒37も移動する。この突き出し棒
37は、ケース体11に設けられた挿通孔38内を挿通
し、他端がケース体11の外部へ突出されている。この
突き出し棒37の他端は、冷蔵庫2の冷蔵室5を開閉す
るドア4の内側に突き当たるように配置される。
【0089】この突き出し棒37は、出力歯車部20が
図2において矢示F方向に回転することによってラック
部材34が矢示A方向に移動すると、他端がさらに外側
へ突出する。その結果、吸着マグネット6の吸着力によ
って冷蔵室5の開放端に吸着され保持されたドア4を、
突き出し棒37がその保持力に抗して前方へ押し出す。
これによってドア4が前方へ動作して、位置保持状態か
ら解除される。
【0090】このように、モータ7の回転駆動力によっ
て突き出し部材8を前方へ移動させることによって、ド
ア4を冷蔵室5の開放端への吸着保持から解除させる。
なお、この動作補助装置1は、ドア4を冷蔵庫2の前方
へのみ動作させる装置となっている。したがって、ドア
4をこの動作補助装置1によって前方へ駆動し、その
後、ユーザーが手動でドア4を開いて冷蔵室5内に食品
等を出し入れした後は、ユーザーが、また手動によって
ドア4を示すものとなっている。
【0091】また、ケース体11は、図8に示すよう
に、2つのケース半体11a,11bを4つのボルト1
1e,11f(うち2つは図示省略)で固定するように
して構成され、上述したように、モータ7や歯車輪列1
0や突き出し部材8等を内部に収納する箱形状のものと
なっている。すなわち、ケース体11は、各部材を取り
付けるための面(底面及び蓋となる面)と、各部材を囲
む面(側壁)とを有している。
【0092】このケース体11の内部には、モータ7を
保持するための保持壁23が設けられている。また、ケ
ース体11の内部には、歯車輪列10の各歯車をそれぞ
れ回転自在に支承するための機構、具体的には、フリク
ション歯車部28を回転自在に支承するための軸受け凹
部31a,31bと、中間歯車部29を回転自在に支承
する固定軸33と、出力歯車部20を回転自在に支承す
る凸状軸部11c,11dが設けられている。さらに、
ケース体11には、突き出し部材8の突き出し棒37を
出し入れするための挿通孔38と、リード線9a,9
b,14a,14b,14cを挿通するための切欠き2
4が設けられている。
【0093】上述したように構成された実施の形態の動
作補助装置1は、冷蔵庫2のドア4を駆動するために、
冷蔵庫2のフレーム3に着脱自在にネジ止め固定される
ようになっている。この冷蔵庫2は、図1及び図9に示
すように、前面に旋回式のドア4を有すると共に内部に
飲料製品等の冷蔵保存の必要な食品類を保存するための
冷蔵室5を有している。なお、ドア4には、ドア4を開
ける際にユーザーが握って手前に引くための引き用把手
45が設けられている。また、冷蔵室5内には、冷凍室
内の室温を検出する温度センサー46が設けられてい
る。
【0094】また、冷蔵庫2は、冷凍食品等を収納する
ための引き出し39と、この引き出し39を収納するた
めの収納スペース40と、野菜等の食品等を収納するた
めの引き出し41と、この引き出し41を収納するため
の収納スペース42を有している。すなわち、冷蔵庫2
は、冷蔵室5、冷凍室及び野菜室の3つの室を有する筐
体となっている。そして、冷蔵室5と収納スペース40
との間には仕切り43が、収納スペース40,42の間
には仕切り44がそれぞれ設けられている。
【0095】なお、この冷蔵庫2は、ドア4を動作補助
装置1で前方へ押し出すものとなっているが、2つの引
き出し39,41のうちの一方、もしくは双方の前面部
分に当接可能な位置に上述した動作補助装置1を設置
し、動作補助装置1で2つの引き出し39,41を駆動
するものとしてもよい。
【0096】また、冷蔵庫2は、1つのドア4と2つの
引き出し39,41を有する筐体となっているが、ドア
を2つ以上としたり、引き出しを1つまた3つ以上とし
ても良い。また、ドアが2つ以上設けられていたり、引
き出しが3つ以上設置されている場合、動作補助装置1
ドアの数及び引き出しの数を足した数と同じ数だけ配置
し、全てのドア及び引き出しをそれぞれ駆動するように
しても良いし、また一部のドアもしくは引き出しのみを
駆動するように動作補助装置1を配置しても良い。
【0097】上述したように構成された冷蔵庫2のドア
4は、ユーザーが引き用把手45を握ることにより、動
作補助装置1のモータ7が起動し、このモータ7の駆動
力によって前方へ僅かに押し出されるものとなってい
る。引き用把手45には、ユーザーがドア4を開こうと
していることを検知するタッチセンサー47が設置され
ている。このタッチセンサー47は、図10に示すよう
に、制御装置13に接続される。この制御装置13に
は、動作補助装置1のモータ7及びホールIC18も接
続され、モータ7の駆動を制御したり、タッチセンサー
47からの信号が入力したり、あるいはホールIC18
からの信号が入力したりする。なお、本実施の形態で
は、ユーザーがドア4を開こうとしているのを検知する
ためにタッチセンサー47を設けたが、タッチセンサー
47の代わりに圧電素子や赤外線による検知手段等、他
の検知手段を設けるようにしてもよい。
【0098】そして、制御装置13は、これらの信号に
基づき、動作補助装置1を駆動または停止させる。な
お、制御装置13は、タッチセンサー47からの信号を
受けると、モータ7に電力を供給する。これによって、
モータ7の駆動力が歯車輪列10を介して突き出し部材
8へ伝達され、突き出し部材8が前方に動作を開始す
る。
【0099】そして、制御装置13は、突き出し部材8
が前方終端まで駆動されると、ホールIC18から送ら
れてくる検知信号に基づいてモータ7を停止させる。そ
の後、モータ7を逆回転させて突き出し部材8を後方に
動作させる。さらに、突き出し部材8が後方終端まで駆
動されると、ホールIC18から送られてくる検知信号
に基づいてモータ7を停止させる。これによって、突き
出し部材8が元の位置まで戻される。このように動作補
助装置1は、制御装置13の制御により突き出し部材8
を駆動して、ドア4の全動作範囲のうちの所定の動作を
補助するようになっている。
【0100】次に、上述した実施の形態の動作補助装置
1を用いて、冷蔵庫2のドア4の全動作範囲のうち所定
範囲の動作を補助するための動作について以下に説明す
る。なお、ドア4は、吸着マグネット6によって冷蔵室
5の開放端に吸着保持されている。
【0101】ユーザーが冷蔵庫2のドア4を開けようと
して、引き用把手45を握ると、引き用把手45に設け
られたタッチセンサー47がこの接触を検知して信号を
制御装置13に伝達する。すると、制御装置13からリ
ード線9a,9bを介して動作補助装置1のモータ7に
電力が供給される。
【0102】モータ7に電力が供給されると、モータ7
の回転軸21とウォーム26とが一体的に回転する。ウ
ォーム26が回転すると、この回転は、フリクション歯
車部28及び中間歯車部29を介して出力歯車部20に
伝達され、出力歯車部20が図2において矢示F方向に
回転する。そして、この出力歯車部20の回転は、突き
出し部材8のラック歯部34aに伝達される。この動作
によって、突き出し部材8のラック部材34及び突き出
し棒37が、矢示A方向に一体的に移動する。すると、
突き出し棒37の先端部分がドア4にぶつかりながら矢
示C方向へ押し出し、ドア4を開方向に動作させる。
【0103】このようにドア4は、動作補助装置1の突
き出し部材8の動作によって吸着マグネット6の位置保
持力に抗して、前方へ動作させられる。そして、突き出
し部材8が前方終端まで動作すると、出力歯車部20に
設けられた前方端検出用マグネット16が回路基板19
上のホールIC18と対向する位置まで移動する。これ
によって、ホールIC18は、前方端検出用マグネット
16から出力される磁気信号を検知し、これを回路パタ
ーン(図示省略)及びリード線14aを介して制御装置
13へ伝える。制御装置13は、この検知信号に基づい
てモータ7への電力の供給を停止する。これによって、
モータ7は、突き出し部材8が前方終端まで動作した際
に停止する。
【0104】なお、制御装置13は、モータ7を停止し
た後、すぐに(1秒経過後)モータ7を逆回転させるた
めにモータ7へ電力を供給する。これによって、モータ
7は、逆回転を開始する。すると、このモータ7の逆回
転は、ウォーム26及びフリクション歯車部28並びに
中間歯車部29を介して出力歯車部20へ伝達される。
そして、出力歯車部20が逆回転、すなわち図2におい
て矢示E方向に回転すると、突き出し部材8は後方、す
なわち矢示B方向に動作する。そして、突き出し部材8
が後方終端まで動作すると、出力歯車部20に設けられ
た後方端検出用マグネット17が回路基板19上のホー
ルIC18と対向する位置まで移動する。
【0105】これによって、ホールIC18は、後方端
検出用マグネット17から出力される磁気信号を検知
し、これを回路パターン(図示省略)及びリード線14
aを介して制御装置13へ伝える。制御装置13は、こ
の検知信号に基づいてモータ7への電力の供給を停止す
る。これによって、モータ7は、突き出し部材8が後方
終端まで動作した際に停止し、突き出し部材8は原位置
に戻ることとなる。なお、ドア4は、上述したように動
作補助装置1によって前方へ押し出された後、さらに開
いたりあるいは閉めたりする際は、ユーザーが手動によ
って行うものとなっている。
【0106】なお、ホールIC18もしくは制御装置1
3の故障やその他種々の理由により、ユーザーが手動で
ドア4を閉める際(図2においてドア4が矢示D方向に
移動する際)に、前方端で停止している突き出し部材8
の突き出し棒37の先端部分にドア4がぶつかってしま
う危険性がある。このようにドア4が閉められる際に突
き出し部材8にぶつかると、ドア4の戻り方向の力によ
って突き出し部材8が矢示B方向に動作される。する
と、この突き出し部材8の動作に伴って出力歯車部20
が矢示E方向に回転し、この回転を受けて中間歯車部2
9及びフリクション歯車部28の送り歯車28bが回転
する。
【0107】しかしながら、フリクション歯車部28
は、この回転を受けた際、モータ7側の抵抗が大きいた
め、大きなトルクがフリクション歯車部28に加わるこ
ととなる。このため、クラッチバネ28cが滑って送り
歯車28bが空転し、各歯車の歯先等が損傷しないよう
になっている。
【0108】なお、上述の実施の形態は、本発明の好適
な実施の形態の例であるが、これに限定されるものでは
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形
実施可能である。例えば、各実施の形態では、動作補助
装置1を冷蔵庫2に取り付けたが、特にこれに限定され
るものではなく、他の筐体、例えば、箪笥や机等のスラ
イド式の引き出しを有するものや、金庫等の旋回式のド
アを有するものに取り付けても良い。しかしながら、結
露対策のなされた上述の実施の形態は、冷蔵庫という特
殊な筐体、すなわちドアの内側と外側とで大きな温度差
がある筐体に用いると、より効果を発揮するものとなっ
ている。
【0109】また、各実施の形態の動作補助装置1は、
ドアの開放や引き出しの引き動作等ではなく、図11
(A)のように配置してドア4’を閉じるときに使用し
たり、図11(B)に示すように配置して引き出し4”
を元に戻すときに使用したり等、ドア等(引き出しを含
む)の閉動作にも使用することができる。さらに、ドア
等の開閉部材に直接突き出し部材8を当接させるのでな
く、間接的に当接させるようにしてもよい。また、開動
作や閉動作の開始時ではなく、途中部分や終了時間際の
動作に、この装置が働くようにしてもよい。
【0110】なお、本実施の形態では、モータ7と制御
装置13との接続部、具体的にはモータ7のリード線9
a,9bとの接続部位、及び位置検出部の信号出力部、
具体的には回路基板19のリード線14aとの接続部
位、をドア4から所定距離L1,L2離した位置であっ
て、かつ突き出し部材8のスライド動作領域外に設け
て、結露が発生しにくく、またスライド移動による摩耗
粉の影響の受け難い構成としているが、このような構成
とせず、ドア4から近い位置にこれらの接続部位を配置
したり突き出し部材8の動作領域内に配置しても良い。
【0111】また、冷蔵庫2では、動作補助装置1は、
フレーム3のドア4の上端に対向する位置にのみ取り付
けられているが、例えば、仕切り43にも取り付けて、
上下の動作補助装置1で協働させるようにしてもよい。
【0112】さらに、上述した実施の形態の動作補助装
置1では、モータ7を双方向回転可能なもので構成し、
突き出し部材8を前方終端まで動作させた後に後方へ動
作させ、突き出し部材8を原位置まで戻す制御を行わせ
るようにしたが、モータ7を一方向回転のみ可能なモー
タとし、突き出し部材8を原位置に戻す動作をモータ7
によっては行わない構成としてもよい。その場合、前方
終端まで動作しその位置で停止させられた突き出し部材
8は、ドア4を手動で閉めることによって、原位置へ戻
されることとなる。このような構成とする場合は、歯車
輪列10を構成する各歯車のいずれかに、一方向クラッ
チを設け、突き出し部材8側から入力された力をモータ
7側に伝達しない機構とすると、スムーズに突き出し部
材8が原位置へ戻るものとなる。
【0113】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の動作補助
装置によれば、例えば、マグネット等により本体側に吸
着保持されたドアや引き出し等の開閉部材を、突き出し
部材によってその動作量分前方へ押し出すようにした
り、ドア等の保持動作のときに閉じ方向に押圧してい
る。このため、ユーザーはマグネット等による保持力を
感じることなく容易に開閉部材を手前側に引き出した
り、閉じ側に弱い力で動作させたりすることが可能とな
る。
【0114】さらに、突き出し部材の後方にモータを配
置しているので、万が一、モータが暴走した場合も、金
属等固い材質で形成されたモータにより、物理的に突き
出し部材の動作を規制することができる。そのため、樹
脂等で成形されるケース等を薄くしてもケースの破壊は
されにくくなり、小型化・薄型化が可能となる動作補助
装置を得ることができる。
【0115】また、モータの外部電源との接続部や信号
出力部の取り付け位置に工夫を施したものにあっては、
モータの端子部や位置検出用の信号出力部分等の電気関
連部分に、結露が生じにくく、また電気関連部分に摩耗
粉の付着や振動による剥がれも起こりにくいことから、
長期的に安定した動作を行える動作補助装置を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における動作補助装置を取
り付けた冷蔵庫の全体を示す縦断面図である。
【図2】図1に示した動作補助装置の内部機構を、ケー
ス体の一方のケース半体を外した状態で見た平面図であ
る。
【図3】図2に示した動作補助装置の縦断面展開図であ
って、モータから突き出し部材の駆動力の伝達される経
路を主に示した図である。
【図4】図2に示した動作補助装置の制御回路を模式的
に示したブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態における動作補助装置の位
置検出信号と突き出し部材のストロークとの関係を示し
た図で、(A)は、ホールIC部からのセンサー出力部
へのセンサー出力と突き出し部材の突出ストロークとの
関係、(B)は、センサー出力部からCPUへ出力され
たセンサー出力と突き出し部材の突出ストロークとの関
係を示した図である。
【図6】本発明の実施の形態における動作補助装置を冷
蔵庫に取り付けてイニシャライズし、さらにユーザーの
使用により動作補助装置が動作を行う際の動作手順を示
すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態における動作補助装置のモ
ータの駆動制御を行うための制御装置の変形例を示した
回路図である。
【図8】図2に示した動作補助装置を2つのケース半体
を組み立てた状態で矢示V方向から見た平面図である。
【図9】図1に示した冷蔵庫の全体を示した斜視図であ
る。
【図10】図1に示した冷蔵庫の主な制御回路を模式的
に示したブロック図である。
【図11】本発明の実施の形態における動作補助装置を
開閉部材の閉動作に使用するために取り付けた例を模式
的に示した図で、(A)はドアの閉動作に使用するため
の取り付け例を、(B)は引き出しの閉動作に使用する
ための取り付け例を、それぞれ示した図である。
【図12】従来の動作補助装置としてのモータアクチュ
エーターを示した断面図である。
【符号の説明】 1 動作補助装置 4 ドア(開閉部材) 7 モータ 8 突き出し部材 8a 後端 10 歯車輪列(伝達手段) 11 ケース体(取り付け部材) 11j 側壁 13 制御装置(外部電源及び外部制御装置を兼用す
る) 14a リード線(信号出力部) 15 位置検出部 16 前方端検出用マグネット(位置検出部の一部) 17 後方端検出用マグネット(位置検出部の一部) 18 ホールIC(位置検出部の一部、信号検出部) 19 回路基板(位置検出部の一部) 21 出力軸 22 モータケース 23 保持壁 26 ウォーム 30 軸受け部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータと、このモータの駆動力によって
    前方へスライド移動して開閉部材に直接または間接的に
    当接可能な突き出し部材と、上記モータの駆動力を上記
    突き出し部材に伝達する伝達手段と、上記モータ、上記
    突き出し部材及び上記伝達手段を取り付けるための取り
    付け部材と、を有し、上記突き出し部材のスライド動作
    により上記開閉部材の全動作範囲のうち所定範囲の動作
    を補助する動作補助装置であって、上記取り付け部材の
    上記突き出し部材の後方に上記モータを配置したことを
    特徴とする動作補助装置。
  2. 【請求項2】 前記突き出し部材の位置検出を行う位置
    検出部を設けたことを特徴とする請求項1記載の動作補
    助装置。
  3. 【請求項3】 前記位置検出部は、前記取り付け部材に
    直接または間接的に固定した信号検出部と、前記伝達手
    段に設けられ上記信号検出部に対向配置可能な信号発生
    部材とを有し、上記信号発生部材から出力された信号を
    上記信号検出部で検出することにより前記伝達手段の状
    況を把握し、これによって前記突き出し部材の位置を検
    出するものとなっていることを特徴とする請求項2記載
    の動作補助装置。
  4. 【請求項4】 前記信号検出部により前記信号発生部材
    からの信号を検出させる時点を、前記突き出し部材の前
    方端へのスライド移動終端及び後方端へのスライド移動
    終端のいずれか一方もしくは双方に対応させると共に、
    上記信号を検出した際、前記モータの駆動回路を短絡さ
    せることにより前記突き出し部材を直ちに停止させるこ
    とを特徴とする請求項3記載の動作補助装置。
  5. 【請求項5】 外部電源に接続されたモータと、このモ
    ータの駆動力によって前方へスライド移動して開閉部材
    に直接または間接的に当接可能な突き出し部材と、上記
    モータの駆動力を上記突き出し部材に伝達する伝達手段
    と、上記モータ、上記突き出し部材及び上記伝達手段を
    取り付けるための取り付け部材と、を有し、上記突き出
    し部材のスライド動作により上記開閉部材の全動作範囲
    のうち所定範囲の動作を補助する動作補助装置であっ
    て、上記突き出し部材の後端からさらに後側に、上記モ
    ータの上記外部電源との接続部を配置したことを特徴と
    する動作補助装置。
  6. 【請求項6】 モータと、このモータの駆動力によって
    前方へスライド移動して開閉部材に直接または間接的に
    当接可能な突き出し部材と、上記モータの駆動力を上記
    突き出し部材に伝達する伝達手段と、上記突き出し部材
    の位置検出を行いその検出信号を外部制御装置へ出力す
    るための信号出力部を有する位置検出部と、上記モー
    タ、上記突き出し部材、上記伝達手段及び上記位置検出
    部を保持すると共にそれらを囲む側壁を備える取り付け
    部材と、を有し、上記突き出し部材のスライド動作によ
    り上記開閉部材の全動作範囲のうち所定範囲の動作を補
    助する動作補助装置であって、上記信号出力部の取り付
    け位置を、上記開閉部材と対向する上記側壁から離した
    位置とすると共に上記突き出し部材のスライド動作領域
    から離れた位置としたことを特徴とする動作補助装置。
  7. 【請求項7】 前記モータの出力軸を、前記突き出し部
    材のスライド移動方向と直交させると共に、前記モータ
    のモータケースの外壁が前記突き出し部材の後端に対向
    するように配置されたことを特徴とする請求項1から6
    のいずれか1項記載の動作補助装置。
  8. 【請求項8】 前記モータを保持する保持壁を上記取り
    付け部材に設け、この保持壁を前記突き出し部材を後方
    へスライド移動させた際の動作規制部としたことを特徴
    とする請求項1から7のいずれか1項記載の動作補助装
    置。
  9. 【請求項9】 前記取り付け部材をケース体で構成し、
    前記伝達手段を前記モータの出力軸と一体的に回転可能
    なウォームを含むものとすると共に、前記ケース体の側
    壁内側に上記ウォームの先端部分を受ける軸受け部を設
    けることにより、上記ケース体の側壁の補強がなされる
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の
    動作補助装置。
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