JP2000256841A - スパッタリングターゲット、配線膜および電子部品 - Google Patents
スパッタリングターゲット、配線膜および電子部品Info
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- JP2000256841A JP2000256841A JP11062351A JP6235199A JP2000256841A JP 2000256841 A JP2000256841 A JP 2000256841A JP 11062351 A JP11062351 A JP 11062351A JP 6235199 A JP6235199 A JP 6235199A JP 2000256841 A JP2000256841 A JP 2000256841A
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Abstract
i膜やTi化合物膜などをスパッタ成膜する際に、これ
らの膜の膜厚や特性などを劣化させることなく、堆積速
度を向上させる。 【解決手段】 実質的に窒素を 30ppm〜 1重量% の範囲
で含むチタンおよび/または窒化チタンおよび不可避的
不純物からなるスパッタリングターゲットである。スパ
ッタリングターゲット中の酸素含有量は250ppm以下とす
ることが好ましい。さらに、Fe、NiおよびCrの各
元素の含有量は10ppm 以下、NaおよびKの各元素の含
有量は0.1ppm以下とすることが好ましい。
Description
極、コンタクト部、バリア層などを形成する際に用いら
れるスパッタリングターゲットとそれを用いて形成した
配線膜および電子部品に関する。
に伴い配線幅は微細化する傾向にある。また、配線層と
して用いられているAl膜とSi基板との間は、両元素
の反応拡散を防止する必要があり、そのために例えばT
iNからなる拡散防止層(バリア層)が使用されてい
る。
比抵抗ができるだけ低い材料で形成することが望まれて
いる。このような電気特性を得るために、通常はTiタ
ーゲットを用いて、まずAr雰囲気下でTi薄膜を形成
した、その上に窒素雰囲気下でTiターゲットをスパッ
タしてTiN薄膜を形成している。従って、拡散防止層
はSi/Ti/TiNの 3層構造となる。
用いられるTiN膜は、純Tiターゲットを窒素ガス雰
囲気中でスパッタリングする、いわゆる反応性スパッタ
法により形成することが一般的であり、極めて小さい誤
差で高速かつ経済的にTiN膜を堆積させる必要があ
る。半導体素子などの製造に適用される成膜プロセスに
おいては、例えば膜の均一性および堆積速度を向上させ
ることによって、製造コストを低減することができる。
ゲットを構成するTi材は、高純度であることが重要で
ある。このような高純度Ti材の製造方法としては、一
般にTiCl4 のようなTi化合物をNa、Mgのよう
な活性金属で熱還元する方法で、クロール(Kroll) 法、
ハンター(Hunter)法と呼ばれている方法や、例えばKC
lやNaClなどの塩を用いた溶融塩電解法などが採用
されている。近年の金属の精製技術の進歩や製造工程の
管理により、重金属などの不純物の混入は極力抑えられ
るようになってきた。
うな高純度のTiターゲットを使用して、反応性スパッ
タによりTiN膜を成膜する場合、その堆積速度が遅い
ことから、所望の膜厚のTiN膜を堆積させるためのス
パッタリング時間(処理時間)が長くなり、量産化にお
いては大きな問題となる。そこで、スパッタリング時の
投入電力を大きくするなど、スパッタリング条件を調整
することによって、スループットの向上が図られてい
る。
力を大きくした場合には、スパッタリングターゲットの
表面温度が上昇することによって、冷却支持部材である
バッキングプレートを介した冷却が不十分となり、ター
ゲットおよび得られる薄膜の品質に悪影響を及ぼすとい
う問題が生じる。すなわち、ターゲットの表面温度が上
昇することにより結晶粒が粗大化する。ターゲットの結
晶粒や結晶方位が変化すると、スパッタ粒子の飛翔量が
ターゲットの場所により変動し、その結果として薄膜の
膜厚が不均一となると共に、膜特性にバラツキが生じ
る。このような問題はTiのように熱伝導率が低い材料
ほど顕著である。
大し、高アスペクト化する傾向にあり、このような部分
に良好な膜を形成するために、ターゲットと基板との距
離を長くしたロングスロースパッタ法などが採用されて
いる。ロングスロースパッタ法などでは投入電力を増大
させる必要があるため、スパッタリングの処理時間を短
くすることが、すなわち堆積速度を向上させることが求
められている。
なされたものであって、投入電力の増大などのスパッタ
リング条件の調整を行うことなく、堆積速度を向上させ
ることによって、スパッタリングの処理時間を短くする
ことができ、かつターゲットの結晶粒や結晶方位などの
変動による膜特性の劣化などを抑制することを可能にし
たスパッタリングターゲットを提供することを目的とし
ており、またそのようなスパッタリングターゲットを用
いることによって、高品質で高スループットを実現した
配線膜、およびそのような配線膜を用いた電子部品を提
供することを目的としている。
目的を達成するために、Tiターゲットを用いてスパッ
タリングする際の堆積速度について検討を進めた結果、
使用するTiターゲットが適量の微量の窒素を含有する
ことによって、Ti膜やTiN膜などのTiを含む化合
物膜の堆積速度を向上させることが可能であることを見
出した。またその際、Tiターゲット中の不純物元素と
しての酸素量を低減することによって、より一層堆積速
度が向上することを見出した。
たもので、本発明のスパッタリングターゲットは請求項
1に記載したように、実質的に窒素を 30ppm〜 1重量%
の範囲で含むチタンおよび/または窒化チタンおよび不
可避的不純物からなることを特徴としている。本発明の
スパッタリングターゲットは、さらに請求項2に記載し
たように、酸素含有量が250ppm以下であることを特徴と
している。
て、上記した酸素以外の不純物元素についても、膜特性
の向上などの観点から低減することが好ましい。例え
ば、請求項3に記載したように、Fe、NiおよびCr
の各元素の含有量は10ppm 以下、請求項4に記載したよ
うに、NaおよびKの各元素の含有量は 0.1ppm 以下と
することが好ましい。
うに、上記した本発明のスパッタリングターゲットを用
いて、スパッタ成膜してなることを特徴としている。本
発明の配線膜は請求項7に記載したように、例えばTi
膜やTiを含む化合物膜からなるものである。特に、請
求項8に記載したように、本発明はTiの窒化物膜を形
成する際に好適である。
載したように、上記した本発明の配線膜を具備すること
を特徴としている。
態について説明する。
質的に窒素(N)を30ppm(重量ppm)〜 1重量% の範囲で
含むチタン(Ti)および/または窒化チタン(Ti
N)および不可避的不純物からなるものである。このよ
うに、Tiターゲット中に微量の窒素を導入することに
よって、そのようなTiターゲットを用いてスパッタ成
膜した際の堆積速度を大幅に向上させることが可能とな
る。
ターゲット)における窒素含有量は、上記したように 3
0ppm〜 1重量% の範囲とする。窒素含有量が30ppm 未満
であると、上記したような堆積速度の向上効果をほとん
ど得ることができず、一方窒素含有量が 1重量% を超え
ると粉末冶金法での製造が好ましくなり、ターゲットが
焼結体となるため、密度の低下、不純物の増加などの影
響により、得られる膜特性が低下する。Tiターゲット
中の窒素量は50〜500ppmの範囲とすることがさらに好ま
しい。さらには75〜200ppmの範囲とすることが望まし
い。本発明のTiターゲットは、上記した範囲の窒素量
を含むものであればTiおよび/またはTiNで構成さ
れてよい。
堆積速度(成膜速度)の向上効果は、本発明のスパッタ
リングターゲット(Tiターゲット)を用いた種々のス
パッタ成膜に対して有効である。例えば、本発明のTi
ターゲットを用いてAr雰囲気下などでTi薄膜を成膜
する場合、および窒素雰囲気下で本発明のTiターゲッ
トをスパッタ(反応性スパッタ)してTiN薄膜を成膜
する場合のいずれにおいても、堆積速度を向上させるこ
とができる。
物膜を反応性スパッタにより成膜する場合、従来のTi
ターゲットでは投入電力などのスパッタリング条件を変
更することなく、堆積速度を高めることが非常に困難で
あったことから、本発明のスパッタリングターゲットに
よる堆積速度の向上は特に効果的である。このように、
本発明のスパッタリングターゲットは、反応性スパッタ
によるTiの化合物膜、特にTiN膜の成膜に対して有
効である。
素含有量を 30ppm〜 1重量% の範囲に制御したことを基
本とするものであるが、窒素以外の元素(不純物元素)
については極力低減することが好ましい。特に、酸素含
有量を 250ppm 以下とした場合、上記した窒素含有量の
制御との相乗効果によって、より一層薄膜の堆積速度を
向上させることができる。Tiターゲット中の酸素含有
量は、さらに 100ppm以下とすることが望ましい。酸素
は得られる薄膜(Ti膜やTiN膜など)の比抵抗など
を低減するためにも 250ppm 以下、さらには 100ppm 以
下とすることが望ましい。
についても、同様に低減することが好ましい。具体的に
は、形成された薄膜(Ti膜やTiN膜など)の界面接
合におけるリーク現象の原因などとなるFe、Ni、C
rのような重金属の含有量は、それぞれ10ppm 以下とす
ることが好ましい。また、例えばSi中を容易に遊動し
て素子特性などを劣化させるNa、Kのようなアルカリ
金属の含有量は、それぞれ 0.1ppm 以下とすることが好
ましい。さらに、放射線エラーなどを引き起こすUおよ
びThの含有量はいずれも0.001ppm以下とすることが好
ましい。
らに平均結晶粒径が 100μm 以下の再結晶組織を有する
ことが好ましい。このような再結晶組織を有することに
よって、スパッタ処理におけるターゲット自身の反りを
抑えると共に、品質的に均一な薄膜を得ることができ
る。
ーゲットは、ヨウ化物分解法によるTi材、溶融塩電解
法によるTi材、クロール法によるTi材などの各種の
Ti材を、例えば電子ビーム溶解(EB溶解)により精
製した高純度Ti材を用いて作製される。この際、例え
ば原料Ti中に窒素を導入したり、あるいはEB溶解を
窒素含有雰囲気中で実施するなどによって、高純度Ti
材中の窒素含有量を30ppm 〜 1重量% の範囲に制御す
る。また、Tiインゴットを通常の溶解法により精製す
る場合には、窒素によるバブリングなども有効である。
汚染を防止しつつ、任意の形状に冷間加工する。次い
で、必要に応じて 400〜 600℃程度の温度で熱処理す
る。このような熱処理を施すことによって、平均結晶粒
径が 100μm 以下の再結晶組織が得られる。この後、機
械加工により所定のターゲット形状とすることによっ
て、本発明のスパッタリングターゲットが得られる。
ターゲットによれば、投入電力の増大などのスパッタリ
ング条件の調整を行うことなく、堆積速度を向上させる
ことができるため、従来の堆積速度の向上策のように、
ターゲットの結晶粒や結晶方位の変動による膜特性の劣
化などを招くことがない。すなわち、高品質のTi膜や
TiN膜などを効率よく、すなわち高スループットで形
成することができ、製造コストおよび製造工数を大幅に
低減することが可能となる。また、投入電力を増大せざ
るを得ないロングスロースパッタなどにおいては、スパ
ッタリングの処理時間を短縮できることから、ターゲッ
トの表面温度上昇などに基づく悪影響を最小限に抑える
ことができる。
ッタリングターゲットを用いてスパッタ成膜してなるT
i膜、あるいはTiN膜のようなTiの化合物膜を具備
するものである。TiN膜は半導体素子のバリア層とし
て、またTi膜は電極やコンタクト部などとして好適で
ある。
に代表される各種の電子部品に使用することができる。
具体的には、本発明の配線膜を用いたULSIやVLS
Iなどの半導体素子、さらにはSAWデバイスやTPH
などの電子部品が挙げられる。本発明の電子部品はこの
ような半導体素子、SAWデバイス、TPHなどを含む
ものである。
価結果について述べる。
をアイオダイド法を用いて熱分解し、このアイオダイド
法により得られたクリスタルTiをさらにEB溶解する
ことによって、Tiインゴットを作製した。
0%で鍛造、圧延加工して平板状とした後、 450℃で加熱
処理を行い、さらに機械研削加工を施すことによって、
直径250mm、厚さ15mmの高純度Tiスパッタリングター
ゲットを作製した。このTiターゲットの化学分析を行
ったところ、窒素含有量は70ppm であった。他の元素の
分析結果を併せて表1に示す。
F6 を溶融塩電解して得られたTi材を、 2×10-3Pa以
下の高真空下でEB溶解することによって、Tiインゴ
ット(比較例1)を作製した。さらに、四塩化チタン
(TiCl4 )をマグネシウムで還元して得られたスポ
ンジTi、すなわちクロール法により作製されたTi材
をEB溶解して、Tiインゴット(比較例2)を作製し
た。
をそれぞれ用いて、実施例1と同様にして高純度Tiス
パッタリングターゲットを作製した。こられTiターゲ
ットの化学分析結果を表1併せて示す。
2による各Tiターゲットを用いて、ガス流量比N2 /
Ar= 1/1 のガス雰囲気中にて、出力0.5kW の条件で
TiN膜をそれぞれ成膜した。設定膜厚を 100nmとした
際のTiN膜の堆積速度を測定、評価した。その結果を
表1に併せて示す。
明のTiターゲットによれば、他の不純物元素と同様に
窒素量についても低減されている比較例1、2のTiタ
ーゲットに比べて、TiN膜の堆積速度を向上させるこ
とができる。
件を変えることによって、窒素含有量を変化させた複数
のTiターゲットを作製した。なお、窒素含有量以外に
ついては、ほぼ実施例1の元素含有量と同等であった。
このような複数のTiターゲットを用いて、実施例1と
同様にして、TiN膜の堆積速度を評価した。その結果
を表2に示す。
件を変えることによって、酸素含有量を変化させた複数
のTiターゲットを作製した。なお、酸素含有量以外に
ついては、ほぼ実施例1の元素含有量と同等であり、窒
素含有量はそれぞれ約70ppm であった。このような複数
のTiターゲットを用いて、実施例1と同様にしてTi
N膜の堆積速度を評価した。その結果を表3に示す。
ターゲットの酸素含有量を低減することによって、さら
にTiN膜の堆積速度を向上させることができることが
分かる。
リングターゲットによれば、膜特性などを劣化させるこ
となく、Ti膜やTi化合物膜などの堆積速度を大幅に
向上させることが可能となる。従って、そのようなスパ
ッタリングターゲットを用いることによって、高品質で
高スループットの配線膜を提供することができ、各種電
子部品の性能や信頼性の向上、および製造コストの低減
に大きく寄与する。
Claims (10)
- 【請求項1】 実質的に窒素を 30ppm〜 1重量% の範囲
で含むチタンおよび/または窒化チタンおよび不可避的
不純物からなることを特徴とするスパッタリングターゲ
ット。 - 【請求項2】 請求項1記載のスパッタリングターゲッ
トにおいて、 酸素含有量が250ppm以下であることを特徴とするスパッ
タリングターゲット。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2記載のスパッタ
リングターゲットにおいて、 Fe、NiおよびCrの各元素の含有量がそれぞれ10pp
m 以下であることを特徴とするスパッタリングターゲッ
ト。 - 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれか1項
記載のスパッタリングターゲットにおいて、 NaおよびKの各元素の含有量がそれぞれ 0.1ppm 以下
であることを特徴とするスパッタリングターゲット。 - 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれか1項
記載のスパッタリングターゲットにおいて、 平均結晶粒径が 100μm 以下の再結晶組織を有すること
を特徴とするスパッタリングターゲット。 - 【請求項6】 請求項1記載のスパッタリングターゲッ
トを用いて、スパッタ成膜してなることを特徴とする配
線膜。 - 【請求項7】 請求項6記載の配線膜において、 前記配線膜はTi膜またはTiを含む化合物膜からなる
ことを特徴とする配線膜。 - 【請求項8】 請求項7記載の配線膜において、 前記Tiを含む化合物膜はTiの窒化物膜であることを
特徴とする配線膜。 - 【請求項9】 請求項6ないし請求項8のいずれか1項
記載の配線膜を具備することを特徴とする電子部品。 - 【請求項10】 請求項9記載の電子部品において、 前記電子部品は半導体素子であることを特徴とする電子
部品。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP06235199A JP4286367B2 (ja) | 1999-03-09 | 1999-03-09 | スパッタリングターゲット、配線膜および電子部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06235199A JP4286367B2 (ja) | 1999-03-09 | 1999-03-09 | スパッタリングターゲット、配線膜および電子部品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP4286367B2 JP4286367B2 (ja) | 2009-06-24 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06235199A Expired - Lifetime JP4286367B2 (ja) | 1999-03-09 | 1999-03-09 | スパッタリングターゲット、配線膜および電子部品 |
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Country | Link |
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-
1999
- 1999-03-09 JP JP06235199A patent/JP4286367B2/ja not_active Expired - Lifetime
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