JP2000228888A - 誘導電動機の制御方法及び装置 - Google Patents

誘導電動機の制御方法及び装置

Info

Publication number
JP2000228888A
JP2000228888A JP11029662A JP2966299A JP2000228888A JP 2000228888 A JP2000228888 A JP 2000228888A JP 11029662 A JP11029662 A JP 11029662A JP 2966299 A JP2966299 A JP 2966299A JP 2000228888 A JP2000228888 A JP 2000228888A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
angular velocity
negative
torque
positive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11029662A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuyuki Sugiura
康之 杉浦
Jun Abe
純 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP11029662A priority Critical patent/JP2000228888A/ja
Publication of JP2000228888A publication Critical patent/JP2000228888A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Ac Motors In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電動機の始動時、瞬時停電再始動時に短時間
の間に始動ができると共に、電動機に発生する過電流を
防止し、安定した運転を可能にすることにある。 【解決手段】 誘導電動機の制御部7に指令部9、加減
速制御部10、電流角速度制御部14、電流制御判別回
路15、切換器16、角速度指令部17、瞬停加減速制
御30、瞬停設定電流制御32、励磁電流可変遅回路3
1、フィードバック電流選択回路33を設け、瞬時停電
時は、瞬停前の出力角速度の値を出力角速度記憶回路に
記憶し、瞬停再始動時は、電動機の誘起電圧が規定値以
下になったことを確認して出力角速度に記憶した角速度
を初期値として出力角速度に戻すと共に、フィードバッ
クのトルク電流と励磁電流の大きい方と設定電流と比較
して電流角速度制御を行い、電動機の4象限に渡って瞬
停再始動可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可変電圧、可変周
波数の交流電圧を出力して誘導電動機を可変駆動する誘
導電動機の制御方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インバータにより誘導電動機を駆動する
場合、電動機に印加する交流電圧の電圧と周波数の比
(V/F)を一定にして可変駆動するV/F一定制御方
式は、簡単な構成になるため、広く使用されている。し
かしながら、誘導電動機の運転中に発生した電源瞬停後
の運転再起動のとき、電動機が回転中の残留電圧等から
周波数を予測して再始動している。例えば、一例として
特開平7−274588号公報には、瞬停時、誘導電動
機が電源から切り離された状態で誘起電圧等から電動機
の回転周波数を予測し、再起動して電動機を制御する技
術が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、dq軸上で主に励磁電流idと一次インダ
クタンスL1と角速度からq軸電圧Vqを与えてV/F
一定制御を行う方式において、周波数を検出して再始動
する場合、初期状態では再始動するタイミングで残留電
圧の存在が不確実であったり、大きさが異なることで誘
導電動機のdq軸と励磁電流を与えた制御用励磁電流の
軸が一致しないため、電動機電流が過電流になり、制御
装置がトリップして正常な運転ができなくなる、という
問題が発生する。
【0004】本発明の課題は、上記従来技術の問題点を
解決し、電動機が瞬時停電再始動時でも、効率よく、ス
ムーズに加速できる誘導電動機の制御方法及び装置を提
供することにある。また、本発明の他の課題は、逆転運
転時も含め、瞬停再始動時に、電動機電流が増加しない
ように、電動機に発生する過電流を防止し、安定した運
転を可能にする誘導電動機の制御方法及び装置を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題は、PWMイン
バータにより駆動される誘導電動機の制御装置が加減制
御部、電流角速度制御部及びフィードバック電流選択回
路を具備し、運転時には、定格角速度と加速角速度と出
力角速度から前記電動機の加減速度を演算し、前記電動
機の負荷に伴うトルク電流と励磁電流を検出すると共
に、フィードバック電流選択回路によってトルク電流と
励磁電流の正および負を判断し、正のときは正の設定電
流を定め、負のときは負の設定電流を定め、トルク電流
または励磁電流が時間軸に対して正負の設定電流範囲内
では、加減制御部によって出力角速度に加速角速度を加
算して加減速制御を行い、トルク電流または励磁電流が
時間軸に対して正負の設定電流範囲外では、電流角速度
制御部によってトルク電流または励磁電流と前記正また
は負の設定電流との差から偏差電流を生成し、偏差電流
と比例定数の乗算から電流角速度を生成し、出力角速度
から電流角速度を減算または加算して電流角速度制御を
実行することによって、解決される。ここで、制御装置
は、出力角速度記憶回路、正および負の設定電流可変遅
回路及び励磁電流可変遅回路を具備し、瞬時停電時に
は、瞬停前の前記出力角速度の値を出力角速度記憶回路
に記憶し、瞬停再始動時には、前記電動機の誘起電圧が
規定値以下になったことを確認して前記記憶した出力角
速度を初期値として出力角速度に戻し、正および負の設
定電流可変遅回路の正および負の設定電流初期値と設定
電流可変遅定数を設定すると共に、励磁電流可変遅回路
の励磁電流初期値と励磁電流可変遅定数を設定して前記
電動機を加速する。また、フィードバック電流選択回路
において、正転指令時に、フィードバック電流であるト
ルク電流と励磁電流の絶対値を比較し、大きい方のフィ
ードバック電流と正の設定電流を比較して、フィードバ
ック電流が前記設定電流より大きいときは、フィードバ
ック電流と前記正の設定電流との差より偏差電流を生成
し、偏差電流と比例定数の乗算から電流角速度を生成
し、出力角速度から電流角速度を減算または加算して電
流角速度制御を実行する。また、正転指令時に、トルク
電流が負のときは負トルク電流を最優先して、トルク電
流と負の設定電流を比較して、トルク電流が負の設定電
流より小さいときは、トルク電流と前記負の電流設定電
流との差より偏差電流を生成し、偏差電流と比例定数の
乗算から電流角速度を生成し、出力角速度から電流角速
度を加算して電流角速度制御を実行し、トルク電流が負
の設定電流より大きいときは、加減速制御を実行する。
また、逆転指令時に、フィードバック電流であるトルク
電流と励磁電流の絶対値を比較し、トルク電流が大きい
ときは、トルク電流と負の設定電流を比較し、励磁電流
が大きいときは、励磁電流を負に変換し、負の設定電流
と比較し、フィードバック電流が負の設定電流より小さ
いときは、フィードバック電流と負の設定電流との差よ
り偏差電流を生成し、偏差電流と比例定数の乗算から電
流角速度を生成し、出力角速度から電流角速度を加算し
て電流角速度制御を実行する。また、逆転指令時に、ト
ルク電流が正のときは正のトルク電流を最優先して、ト
ルク電流と正の設定電流を比較して、トルク電流が前記
正の設定電流より大きいときは、トルク電流と正の電流
設定電流との差より偏差電流を生成し、偏差電流と比例
定数の乗算から電流角速度を生成し、出力角速度から電
流角速度を加算して電流角速度制御を実行し、トルク電
流が正の設定電流より小さいときは、加減速制御を実行
する。
【0006】本発明は、電動機の定格周波数、演算のた
めのサンプリング時間、3相正弦波を作るテーブルのデ
ータ数に基づいて定格速度を生成し、運転時には、定格
角速度と加速時間から加速角速度を演算し、サンプリン
グ時間毎に初期角速度に加速角速度を加算して出力角速
度を生成し、この出力角速度と定格角速度を比較し、出
力角速度が定格角速度より小さい時は加算動作で加速度
を加算し、出力角速度が定格角速度より大きくなった時
は出力角速度から加速角速度を減算して、電動機を定常
運転に移行する。また、停止指令時には停止命令と停止
角速度と減速角速度を与え、サンプリング時間毎に出力
角速度から減速角速度を減算し、出力角速度が停止角速
度以下に達した時、電動機を停止する。ここで、定格周
波数、初期角速度、停止角速度を負の値にして逆転運転
を実行し、または、各演算を符号付として力行から回生
までの運転を実行する。また、電動機の負荷の増加に伴
うトルク電流を検出すると共に、設定電流を定め、トル
ク電流と設定電流の差から偏差電流を生成し、偏差電流
と比例定数の乗算から電流角速度を生成し、トルク電流
が設定電流より大きい時は出力角速度から電流角速度を
減算して電流角速度制御を実行し、トルク電流が設定電
流より小さくなった時は出力角速度に加速角速度を加算
して加速減速制御に移り、定常運転に移行する。ここ
で、比例定数は、偏差電流が零から電流偏差最小値まで
の範囲を比例定数最小値と定めると共に、比例定数最小
値より大きい所定値を比例定数最大値として定め、偏差
電流と偏差電流最小値の差に可変比例定数を乗算して得
た値に比例定数最小値を加算して生成する。また、電流
角速度制御は、偏差電流が電流偏差最小値以下の時は比
例最小値を選択し、それぞれ比例定数最小値または比例
定数に偏差電流を乗算して生成する。また、瞬時停電時
には、瞬時停電前の出力角速度を記憶しておき、瞬時停
電復帰時には、記憶された角速度を出力角速度に与える
と共に、励磁電流指令の励磁電流可変遅回路の初期値を
零とし、遅れ定数を選択する。また、設定電流の設定値
を正負対称に2個の値を持ち、励磁電流可変遅回路の初
期値を設定値より小さい値に設定して遅れ定数を選択
し、電動機を再始動する。これによって、力行、回生に
対応した急激なトルク電流の増大を抑制する。また、設
定電流が最終設定値に達する前にトルク電流の増大を検
出することから、トルク電流が小さい値から電流角速度
制御を働かせることができるので、電動機の過電流を抑
制制御することができる。また、瞬停再始動時の初期時
は電動機と制御装置から発生させるdq電流軸が一致し
ていないので、トルク(q)電流軸と励磁(d)電流軸
の大きい方を選択して電流角速度制御を働かせると共
に、トルク電流が回生領域の範囲では電流角速度制御は
トルク電流を優先して制御することにより、正転、逆
転、力行、回生の広範囲領域で安定した制御が可能にな
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態による誘
導電動機の制御装置を示す。図1において、交流電源1
に接続される整流器2は交流電圧を直流電圧に変換す
る。整流器2の直流出力側には平滑コンデンサ3が並列
に接続される。PWMインバータ4は、平滑コンデンサ
3に接続され、直流電圧を可変電圧、可変周波数の3相
交流電圧に変換する。誘導電動機5はPWMインバータ
4の出力側に接続される。ここで、電流変流器(CT)
6は電動機の瞬時電流を検出する。ホールCT6−1、
6−2、6−3はU相、V相、W相の電流を検出する。
制御部7は電動機を制御する。サンプリングタイマ8は
一定時間Ts毎に演算させるための信号を発生し、制御
部7の演算の間隔はTsに依存する。また、電源1の瞬
時停電及び復帰を検出する瞬停検出回路23、PWM発
生回路のパルスをサプレス及び解除するゲートサプレス
解除回路24を有する。
【0008】制御部7は、指令部9、加減速制御部1
0、電流A/D変換器11、電流変換器12、電流制御
減算器13、電流角速度制御部14、電流制御判別回路
15、加減速電流制御切換器16、角速度指令部17、
積算回路18、磁束電流指令部19、電動機定数回路2
0、ベクトル演算部21、PWM発生回路22、瞬停時
に制御部7を制御する瞬停指令部25、誘導電動機5が
フリーラン運転時の誘起電圧を検出する電圧検出回路2
6、電圧A/D変換器27、電圧変換器28、電圧判定
回路29、瞬停時と瞬停復帰時及び始動時に加減速制御
部10と角速度指令部17を制御する瞬停加減速制御部
30、瞬停時と瞬停復帰時及び始動時に励磁電流指令の
遅れ時間を制御する励磁電流可変遅回路31、電流角速
度制御部14の設定値の初期値及び遅れを制御する瞬停
設定電流制御32、瞬停再始動時にトルク電流Iqfと励
磁電流Idfの大きさの判定と回生電流になっているかを
判定し、どの電流を電流角速度制御部14に使用するか
を選択するフィードバック電流選択回路33からなる。
【0009】指令部9は、電動機5の運転周波数を指令
する周波数指令9−1、加速レート及び減速レートを指
令する加減速指令9−2、電動機の起動停止を指令する
起動停止指令9−3、電流角速度制御の定数を設定する
定数設定9−4、電流角速度制御を動作させるか否を決
定する設定電流9−5、始動時に初期角速度を角速度指
令に与える初期角速度指令9−6、正転/逆転指令9−
7からなる。加減速制御部10は、周波数指令9−1、
正転/逆転指令9−7を受け、電動機が始動時から定格
周波数に到達するまでの角速度を加速レートに基づいて
加速角速度を加算し、停止命令時には減速レートに基づ
き減速角速度を減算する。そして、加減速電流制御切換
器16の接点aを介してその出力を角速度指令部17に
与える。角速度指令部17は出力角速度ωoutを出力す
る。電流A/D変換器11は、電動機の交流電流iu,
iv,iwのアナログ瞬時値をサンプリングTs毎にデ
ィジタル値Iu,Iv,Iwに変換する。電流変換器1
2は、3相の相電流を2相のα−β軸に変換し、さら
に、回転座標のd−q軸に変換する。その結果、トルク
電流成分Iqfと励磁電流成分Idfを出力する。電流角速
度制御部14は、負荷等が増加し、トルク電流成分Iqf
が設定電流より大きくなったときに動作する。ここで、
電流角速度制御部14は指令部9から初期始動時には初
期角速度9−6及び設定電流9−5のデータを記憶す
る。運転時には電流変換器12で得たトルク電流成分I
qfと設定電流9−5を比較し、トルク電流成分Iqfが設
定電流9−5より大きくなったとき、トルク電流成分I
qfと設定電流9−5との偏差に応じて電流角速度ωiを
生成し、角速度指令部17の出力角速度ωoutの値から
電流角速度ωiを電流制御減算器13を介して減算す
る。一方、電流制御判別回路15は、トルク電流成分I
qfが設定電流より大きくなったことを判別し、加減速電
流制御切換器16の接点bと接続して角速度指令部17
に与える。その結果、角速度指令部17の出力角速度ω
outが低下して電動機5の回転数を下げて負荷を軽減さ
せる。このため、トルク電流成分Iqfが低下する。そし
て、トルク電流成分Iqfが設定電流9−5より小さくな
ったことを電流制御判別回路15により検出したとき、
加減速電流制御切換器16は再び接点aを選択し、加減
速制御10を行い、加速する。このように加減速制御1
0と電流角速度制御14はトルク電流成分Iqfの大きさ
が設定電流値9−5を境に切換られるため、過負荷のと
きに出力角速度ωoutは定格角速度より小さい値で運転
されることになる。積算回路18は、角速度指令部17
の出力角速度ωoutをサンプリング時間Ts毎に積算
し、位相θを得る。磁束電流指令部19は、電動機の励
磁電流指令値Idを出力する。励磁電流可変遅回路31
は、励磁電流指令値Idを最終値とし、励磁電流指令値
Idより小さい初期値と一次遅れ定数を任意の値として
与えることにより、自由なソフトスタートを実現する。
この励磁電流可変遅回路31には始動時と瞬時停電再始
動時に瞬停指令部25から初期値と遅れ定数を設定す
る。図4は、励磁電流可変遅回路31のブロック図であ
る。通常、励磁電流初期切換スイッチ31−4は接点a
cが接続されている一次遅れ回路である。すなわち、励
磁電流可変遅回路31は磁束電流指令部19からの出力
Id(31−1)を入力として受けてId(n)を出力する。
また、Id(n)は励磁電流記憶器31−7に記憶する。減
算器31−5は入力Idから1回前に記憶した励磁電流
記憶器31−7の出力Id(n-1)を減算して偏差電流Id
−Id(n-1)を求め、この偏差電流に遅れ定数Kpdを乗
算したものと励磁電流記憶器31−7の値Id(n-1)を加
算器31−6で加算して励磁電流可変遅回路の出力Id
(n)とする。この動作は(数1)式で表わされる。
【数1】 また、励磁電流初期切換スイッチ31−4は、始動時及
び瞬時停電再始動時の1回目のサンプリング時間の時の
み接点bを選択し、初期値励磁電流指令31−3Id(in
i)を励磁電流記憶器31−7の出力の代わりとする。そ
のため、(数1)式の第2項のId(n-1)=Id(ini)とし
て始動し、第2回目のサンプリングからは励磁電流初期
切換スイッチ31−4は接点aを選択し、動作させる。
この結果、励磁電流可変遅回路31の出力Id(n)は初期
値Id(ini)から始まる一次遅れ出力を得ることができ
る。電動機定数回路20は、角速度指令17の出力角速
度ωoutと励磁電流可変遅回路31の出力Id(n)と電動
機トルク電流Iqfを入力とし、電動機の1次換算推定抵
抗値r1、1次換算総合インダクタンスLσ、一次リア
クタンスL1からq軸トルク電圧成分V1qとd軸励磁電
圧成分V1dを得る。ベクトル演算部21は、q軸トルク
電圧成分V1q、d軸励磁電圧成分V1dからベクトル演算
し、電動機交流電圧指令の大きさVu,Vv,Vwを得
る。PWM発生回路22は、電動機交流電圧指令Vu,
Vv,Vwと三角波等の搬送波と比較し、PWMパルス
Tu,Tx,Tv,Ty,Tw,Tzを作る。このPW
Mパルスをインバータ4の半導体素子のゲートに印加
し、所望の周波数および交流電圧を誘導電動機5に加え
て駆動する。
【0010】次に、本実施形態を詳細に説明する。図3
に、定格周波数Fdefと正弦波の発生原理を示す。
(a)はサンプリング時間Ts毎に定格角速度ωdefを
加算する状態、(b)は正弦波と余弦波を360度分格
納する正弦波、余弦波テーブル、(c)は定格周波数F
defの時の定格角速度ωdefと位相θと正弦波、余弦波を
示す。いま、正弦波と余弦波がそれぞれNtb個のテーブ
ル数が有るとすると、電動機の定格周波数Fdefの1周
期の時間幅Tdefは1/Fdefで求まる。1周期のサンプ
ル回数Nsnpは(数2)式により演算する。この時は正
弦波を発生させるための電気角360度を表現するテー
ブル数Ntbとすると、定格角速度ωdefは(数3)式を
用いて演算する。
【数2】
【数3】 ここで、サンプリング時間毎にωdefを積算すると、
(数4)式から位相θが求まる。
【数4】 (数3)、(数4)式の積算結果を図3の(b)正弦
波、余弦波テーブルのアドレスとして引くと、sin
θ、cosθが求り、θの積算結果がテーブル数Ntb
より大きくなった時、θの値を零にして積算すれば、連
続的な正弦波と余弦波が得られる。ここで、正転指令の
ときは、ωdefを正の値として積算することでsin
θ、cosθは0から360度の方向に進行する。逆転
指令のときは、ωdefの値を負とすることでsinθ、
cosθは360から0度の方向に逆進行することで達
成される。
【0011】次に、電動機の加速時と減速時に関して説
明する。電動機の始動時、電動機が始動周波数から定格
周波数Fdefまで加速する加速時間Taとする。定格周
波数Fdefまで加速するサンプル回数Nsnaは、サンプリ
ング時間Tsと加速時間Taから(数5)式を用いて求
める。加速角速度ωaは定格角速度ωdefとサンプル回数
Nsnaから(数6)式により求める。
【数5】
【数6】 出力角速度ωoutが定格角速度ωrefに到達しない時は、
出力角速度ωoutに(数6)式で得られた加速角速度ωa
を加算する。すなわち、(数7)式に従い加算する。ま
た、出力角速度ωoutが定格角速度ωrefに到達した時
は、出力角速度ωoutに(数6)式で得られた加速角速
度ωaを減算する。すなわち、(数8)式に従い減算す
る。逆転指令の時は、加速角速度ωaを負の値を代入し
て(数7)、(数8)式に従えば、正転も逆転も図3
(b)に示すテーブルを使用することができる。
【数7】
【数8】 電動機の運転中、停止命令が発生されると、(数9)式
に従い、減速角速度ωdを出力角速度ωoutから減算し
て、出力角速度ωoutが停止角速度以下に達すると、電
動機を停止する。逆転時は、減速角速度ωdを負に選択
することにより、(数9)式はωdを加算することで実
施できる。
【数9】
【0012】図2は、本実施形態の加減速制御部10の
詳細ブロック図を示す。なお、図中、9は指令部、25
は瞬停指令部、30は瞬停加減速制御を表わす。まず、
電動機の始動から加速して定格回転数に上昇する状態を
説明する。図2において、始動時には瞬停指令部25の
通常始動指令25−1から瞬停加減速指令スイッチ30
−1の接点aを選択し、接点acを接続する。その結
果、初期角速度9−6からωiniを出力角速度部10−
4に格納する。電動機はこの初期角速度ωiniで初動回
転する。続いて、運転指令定格周波数値9−1−1から
定格周波数Fdefと始動命令を発生すると、角速度変換
器10−1は周波数指令を角速度指令ωrefに変換す
る。一方、加速指令9−2−1は加速減速スイッチ10
−2の接点aを選択し、接点acを接続する。第1の比
較器10−3は出力角速度10−4の値ωoutと角速度
指令ωrefを比較し、ωout≦ωrefの時は加速スイッチ
10−5を接点aを選択し、接点acを接続する。その
結果、加速加算器10−6は出力角速度ωoutと加速角
速度10−7のωaを加算し、出力角速度部10−4に
格納する。これは前記(数7)式を実施したことにな
る。この動作をサンプリング毎に実施すれば、やがてT
a秒後にはωout≧ωrefの条件が発生する。この時、第
1の比較器10−3は加速スイッチ10−5の接点bを
選択し、接点cbを接続する。その結果、加速減算器1
0−8は出力角速度ωoutから加速角速度ωaを減算し、
出力角速度部10−4に格納する。これは前記(数8)
式を実施したことになる。この動作をサンプリング毎に
実施すれば、やがてωout≦ωrefの条件が発生する。す
なわち、(数7)式と(数8)式を選択しながら、定常
運転することになる。逆転指令時は、ωrefとωaとωou
tの負の値が入るので、(数7)式と(数8)式の不等
号の向きが反対となる。
【0013】次に、電動機が停止命令を受け、減速して
停止する状態を説明する。停止指令停止周波数値9−1
−2から停止指令と電動機の停止周波数Fstを発生する
と、角速度指令変換器10−9は停止周波数Fstを停止
角速度ωstに変換する。また、停止命令と共に減速指令
9−2−2は加速減速スイッチ10−2の接点bを選択
し、接点cbを接続する。第2の比較器10−10は出
力角速度部10−4の値ωoutと停止角速度指令ωstを
比較し、ωout≧ωstの時は減速スイッチ10−11の
接点aを選択し、接点acを接続する。その結果、減速
減算器10−12は出力角速度部10−4の値ωoutか
ら減速角速度10−13のωdを減算して出力角速度ωo
utを減少させる。これは(数9)式を実施したことにな
る。この動作をサンプリング毎に実施すれば、やがてω
out≦ωstの条件が成立する。そのとき第2の比較器1
0−10は減速スイッチの接点bを選択し、接点cbを
接続し、ゲートサプレス信号10−14を発生し、図1
のPWM演算回路24からゲート信号を発生し、電動機
を停止する。逆転指令時は、ωout、ωstの符号が負の
値になるので、不等号式の向きが反対になる。
【0014】図1及び図2において、電動機が運転中
に、電源の瞬停検出回路23が瞬時停電を検出すると、
ゲートサプレス解除器24はゲートサプレス信号を出力
し、PWM演算回路22の出力パルスを停止すると共
に、瞬停指令部25の瞬停一次停止指令25−3は瞬停
加減速制御30に指令を与える。図2のスイッチ30−
2を接続して運転中の出力角速度ωoutを出力角速度記
憶回路30−3に一次格納する。また、電源の瞬停検出
回路23が瞬時停電の解除を検出すると、瞬停再始動部
25−2は電圧判定器29から電動機の誘起電圧が規定
値低下になったときに指令する信号を受け、ゲートサプ
レス解除器24から解除信号を出力し、PWM演算回路
22の出力パルスを再出力すると共に、瞬停解除再始動
部25−2はスイッチ30−1の接点bを選択し、接点
cbを接続する。これにより、瞬停前に記憶した出力角
速度記憶回路30−3の値ωoutを出力角速度部10−
4に戻して再始動する。ここで、誘起電圧の判断は誘導
電動機5の電圧を電圧検出器26で検出し、A/D変換
器27でアナログ値を瞬時電圧値としてサンプルホール
ドし、ディジタル値VMu,VMv,VMwをに変換する。変
換されたディジタル値の3相電圧を電圧変換器12にお
いて(数10)式により2相のα−β軸のVMα,VMβ
に変換し、(数11)式を用いて回転子座標であるd−
q軸のVdf,Vdqに変換する。そして、電圧判定器29
では(数12)式に示したようにVdf,Vdqの二乗和を
基準に規定値Vtmin以下に達したとき、瞬停指令部25
とゲートサプレス解除器24に信号を与える。
【数10】
【数11】
【数12】 図1において、A/D変換器11は電動機の交流電流の
アナログ値を瞬時電流値としてサンプルホールドし、デ
ィジタル値Iu,Iv,Iwをに変換する。変換されたデ
ィジタル値の3相電流を電流変換器12において(数1
3)式により2相のα−β軸のIα,Iβに変換し、
(数14)式を用いて回転子座標であるd−q軸のId
f,Iqfに変換する。ここで、Idfは励磁電流のフィー
ドバック値、Iqfはトルク電流のフィードバック値と一
致する。
【数13】
【数14】 積算回路18は、(数4)式を原理式とし、出力角速度
ωoutを(数15)式のようにサンプリング毎に積算す
ることにより、位相θを求める。図3に示したように、
電気角で360度分の正弦波のデータをNtbのテーブル
に分割して格納する。図3(a)は出力角速度ωoutを
サンプリング毎に積算して位相θを求める図である。図
中の○印部はサンプリング毎にωoutを積算する詳細図
を付記する。求められた位相θより図3(b)に示す正
弦波および余弦波のテーブルを引く。すなわち、位相θ
の値はテーブルのアドレスとなる。アドレスがテーブル
総数Ntbになったとき、θを零にクリアすれば、図3
(a)に示すような鋸歯状が得られる。図3(c)はテ
ーブルから得られた0から360度までの連続した正弦
波及び余弦波である。
【数15】 ここで、ωout(n-1)は前回の出力角速度ωoutの積算値
である。磁束電流指令部19は、磁束電流指令Idを出
力し、電動機に相当した励磁電流を予め設定しておく。
電動機定数回路20は、1次換算抵抗値r1、1次換算
総合インダクタンスLσ、1次インダクタンスL1の電
動機定数と磁束電流Idn、出力角速度ωout、電動機の
トルク成分Iqfより、(数16)、(数17)式を用い
てq軸電圧トルク成分V1qとd軸電圧励磁成分V1dを求
める。また、励磁電流指令Idは、正転時も逆転指令時
も正の値を指令し、(数15)式のωoutは正転の時は
正、逆転の時は負の値とすることにより、位相θは正転
時は角速度ωoutを加算することになり、逆転時は角速
度ωoutを減算することになる。すなわち、(数1
6)、(数17)式は符号付演算をすることにより、正
転から逆転まで連続的に制御可能となる。
【数16】
【数17】 ベクトル演算部21は、V1qとV1dから電動機交流電圧
指令Vu,Vv,Vwを(数18)、(数19)式により
求める。
【数18】
【数19】 ここで、sinθ、cosθは図3(b)のテーブルか
ら求めた正弦波値、余弦波値を使用する。PWM演算回
路22は、ベクトル演算で得た電動機交流電圧指令V
u,Vv,Vwを3角波と比較してパルス幅変調し、イン
バータ4のゲートパルスを得る。
【0015】次に、電流角速度制御部14について説明
する。図1において、設定電流9−5の出力値は正の設
定値IESTA_Pと負の設定値の値IESTA_Nを持ち、符号が
正負で絶対値は同一値である。いま、正転指令のとき、
電流角速度制御14において負荷が増加してトルク電流
Iqfが正の設定値IESTA_P以上の電流が流れたとき、イ
ンバータ4に流れる電流を抑制するために、出力角速度
ωoutを減少させることになる。その原理は、電動機の
交流電流を変流器6で検出し、サンプリング毎にA/D
変換器11でアナログ値をディジタル値に変換する。電
流変換器12で(数13)、(数14)式でdq変換す
る。変換されたq軸トルク電流Iqfが正のときは正の設
定値IESTA_Pと比較し、Iqf≧IESTA_Pの条件になった
時に、(数20)式に示すように、正の電流角速度ωi
を出力角速度ωoutから減算してωoutを減少させる。す
なわち、電流角速度制御部14では、電流角速度ωiを
出力し、角速度指令部17の出力ωoutから減算器13
によりωiを減算する。一方、電流制御判別回路15で
は、Iqf≧IESTA_Pの条件を確認してスイッチ16の接
点bを選択し、接点bcを接続し、電流角速度制御14
を行う。そして、減算した結果を角速度指令部17に格
納すれば、運転している出力角速度ωoutを低下させる
ことができる。すなわち、電動機の運転周波数が減少
し、q軸トルク電流Iqfが設定電流9−5のIESTA_Pの
値より小さくなれば、電流制御判別回路15は再びスイ
ッチ16の接点aを選択し、接点acを接続し、通常の
加速減速制御10を行う。その結果、最大負荷電流は設
定電流IESTA_Pの近傍で運転されることになる。
【数20】
【0016】また、逆転指令のときは、磁束電流指令1
9の値Idは正を設定し、(数3)から(数9)式まで
のωdef、ωa、ωdは負の値を設定するため、出力角速
度ωoutは負の値となる。このため、電動機の指令電圧
が支配的になる(数16)式のV1qが負の値となるの
で、電流変換器12の出力はq軸トルク電流Iqfが負の
値、d軸トルク電流Idfが正の値となる。電流角速度制
御14において負の方向に負荷が増加してトルク電流I
qfが負の設定値IESTA_N以下の電流が流れたとき、イン
バータ4に流れる電流を抑制するために、出力角速度ω
outに電流角速度ωiを加算して出力角速度ωoutの絶対
値を減少させる。すなわち、電流変換器12で(数1
3)、(数14)式で検出した負のq軸トルク電流Iqf
が負の設定値IESTA_Nと比較し、Iqf≦IESTA_Nの条件
になった時、(数20)式を動作させる。このとき、出
力角速度ωoutから負の電流角速度ωiを減算することは
出力角速度ωoutの絶対値を減少させることになり、
(数16)式のV1qを減少させ、電動機電流の絶対値を
減少させることになる。すなわち、電流角速度制御14
では、電流角速度ωiを出力し、角速度指令部17の出
力ωoutから減算器13により−ωiを減算する(すなわ
ち、加算する)。一方、電流制御判別回路15ではIqf
≦IESTA_Nの条件を確認してスイッチ16の接点bを選
択し、接点bcを接続する。そして、加算した結果を角
速度指令部18に格納すれば、運転している出力角速度
の絶対値を減少させることができる。すなわち、電動機
の運転周波数が減少し、q軸トルク電流Iqfが設定電流
9−5のIESTA_Nの値より大さくなれば、電流制御判別
回路15は再びスイッチ16の接点aを選択し、接点a
cを接続し、通常の加速減速制御を行う。その結果、最
大負荷電流は設定電流IESTA_Nの近傍で運転されること
になる。
【0017】ここで、図5に、トルク電流Iqfと設定電
流IESTA_P、IESTA_Nの関係、図6に、q軸電流Iqfと
設定電流IESTA_P、IESTA_Nから求めた偏差電流IQDEF
に対する比例定数KIDEFとの関係を示す。図5におい
て、正転時または逆転時に回生領域にあり、q軸トルク
電流Iqfが正の設定電流IESTA_Pを超えたとき、(数2
1)式によりq軸偏差電流IQDEFを得る。このIQDEFと
比例定数KIDEFの乗算から電流による角速度ωiを(数
23)式で求める。同様に、逆転時または正転時に回生
領域にあり、q軸トルク電流Iqfが負の設定電流IESTA
_Nを超えたとき、または、逆転時に負の設定電流IESTA
_Nを超えたとき、(数22)式によりq軸偏差電流IQD
EFを得る。この負のIQDEFと比例定数KIDEFの乗算から
電流による角速度ωiを(数23)式で求める。
【数21】
【数22】
【数23】 この電流角速度制御系において、偏差電流±IQDEFが小
さい範囲では、比例係数KIDEFを小さく選んで制御系が
ハンチングしないようにし、偏差電流±IQDEFが大きい
範囲では比例係数KIDEFを大きく選んで電流角速度ωi
を大きくして出力角速度ωoutを早く減少させて、イン
バータ4の過電流を保護する必要がある。 そこで、本
実施形態では、図6に示すように、偏差電流IQDEFの大
きさに従い、比例定数KIDEFを可変にする特性を実現し
た。すなわち、偏差電流IQDEFが零から最小値IQDEF_M
INまでの小さい範囲では、比例定数値KIDEFは最小比例
係数KIDEF_MINを選択し、偏差電流IQDEFが偏差電流最
小値IQDEF_MIN以上になったとき、比例定数KIDEFは偏
差電流IQDEFと偏差電流最小値IQDEF_MINの差に比例し
た定数を作る。そして、比例係数の最大値KIDEF_MAXを
設ける。これにより、偏差電流IQDEFの大きさに応じて
比例係数KIDEFを自由に選択することが可能になり、偏
差電流IQDEFが小さい範囲では、比例係数KIDEFを小さ
く選んで制御系がハンチングしないようにし、偏差電流
IQDEFが大きい範囲では、比例係数KIDEFを大きく選ん
でインバータ4の過電流を保護することができる。(数
24)式は、可変比例定数KIDEF_COEを用いて比例定数
KIDEFを求める式である。また、偏差電流IQDEFが負の
値を持ったときも、(数24)式は符号付で演算すれ
ば、正転、逆転の力行から回生まで制御できる。
【数24】
【0018】図7は、本実施形態の電流角速度制御部1
4及び瞬停設定電流制御32の詳細ブロック図を示す。
通常は瞬停設定スイッチ32−2は接点aを選択し、接
点acが接続されているので、設定電流比較器14−1
は、指令部9の電流設定値9−5が有するIESTA_P、I
ESTA_Nの出力値と電流変換器12の出力トルク電流Iqf
を比較して、出力トルク電流Iqfが正のときは、Iqf≦
IESTA_Pの範囲で、零1スイッチ14−2の接点aを選
択し、接点acを接続して零値14−3を選択する。そ
の結果、第1の乗算器14−4は零と乗算するので、出
力ωiは零となり、電流角速度制御14は動作しない。
また、Iqf≧IESTA_Pの範囲では、設定電流比較器14
−1は零1スイッチ14−2の接点bを選択し、接点b
cを接続し、1の値14−5を選択する。その結果、第
1の乗算器14−4は1と乗算するので、出力ωiは次
に説明する方法で電流角速度制御を行い、ωiを出力す
る。まず、設定減算器14−6は(数21)式に従い、
偏差電流IQDEFを出力する。偏差電流IQDEFとトルク電
流偏差最小値9−4−4の出力において、IQDEF≦IQD
EF_MINの範囲では最小電流偏差比較器14−8は比例定
数スイッチ14−9の接点bを選択し、接点bcを接続
する。このため、可変比例定数は零値14−3を選択
し、第2の乗算器14−10は出力零となる。比例定数
リミッタ14−11は比例定数最大値9−4−1からK
IDEF_MAXを格納してあるが、この条件では無視され、比
例定数加算器14−12は比例定数最小値KIDEF_MIN9
−4−2を加算するから、比例定数KIDEF=KIDEF_MIN
となり、第3の乗算器14−13はIQDEFとKIDEF_MIN
を乗算する。すなわち(数23)式を実施する。つぎ
に、IQDEF≧IQDEF_MINの範囲では、最小電流偏差比較
器14−8は比例定数スイッチ14−9の接点aを選択
し、接点acを接続する。このため、可変比例定数9−
4−3はKIDEF_COEを出力し、第2の乗算器14−10
に入力する。偏差電流減算器14−7はIQDEF−IQDEF
_MINを演算し、第2の乗算器14−10に印加されるの
で、(数24)式の第2項の演算をしたことになる。比
例定数リミッタ14−11は、この第2項と比例定数最
大値KIDEF_MAXを比較し、KIDEF_MAX以上にならないよ
うにリミッタを設ける。続いて、比例定数加算器14−
12は比例定数最小値9−4−2のKIDEF_MINを加算
し、(数24)式を実行する。この加算結果がKIDEFと
なり、第3の乗算器14−13でIQDEFと乗算すれば、
電流角速度ωiが求まり、(数23)式を実施したこと
になる。この結果、比例定数KIDEFは、トルク偏差電流
IQDEFの値に従い、図6に示す値から自由に選択するこ
とができる。
【0019】また、トルク電流Iqfが負の値を検出した
ときは、電流設定値9−5はIESTA_Nを出力し、Iqf≧
IESTA_Nの範囲で、零1スイッチ14−2の接点aを選
択し、接点acを接続して零値14−3を選択する。そ
の結果、第1の乗算器14−4は零と乗算するので、出
力ωiは零となり、電流角速度制御14は動作しない。
また、Iqf≦IESTA_Nの範囲では、設定電流比較器14
−1は零1スイッチ14−2の接点bを選択し、接点b
cを接続して1の値14−5を選択する。その結果、第
1の乗算器14−4は1と乗算するので、出力ωiは次
に説明する方法で電流角速度制御を行い、ωiを出力す
る。まず、設定減算器14−6は(数22)式に従い、
負の偏差電流IQDEFを出力する。負の偏差電流IQDEFの
時はトルク電流偏差最小値9−4−4の出力は−IQDEF
_MINを出力し、−IQDEF≧−IQDEF_MINの範囲では最小
電流偏差比較器14−8は比例定数スイッチ14−9の
接点bを選択し、接点bcを接続する。このため、可変
比例定数は零値14−3を選択し、第2の乗算器14−
10は出力零となる。比例定数リミッタ14−11は比
例定数最大値9−4−1からKIDEF_MAXを格納してある
が、この条件では無視され、比例定数加算器14−12
は比例定数最小値9−4−2のKIDEF_MINを加算するか
ら、比例定数KIDEF=KIDEF_MINとなり、第3の乗算器
14−13は−IQDEFとKIDEF_MINを乗算する。すなわ
ち(数23)式を実施する。つぎに、−IQDEF≦−IQD
EF_MINの範囲では、最小電流偏差比較器14−8は比例
定数スイッチ14−9の接点aを選択し、接点acを接
続する。このため、可変比例定数9−4−3はKIDEF_C
OEを出力し、第2の乗算器14−10に入力する。偏差
電流減算器14−7は(−IQDEF)−(−IQDEF_MIN)
の絶対値を演算し、第2の乗算器14−10に印加され
るので、(数24)式の第2項の演算をしたことにな
る。比例定数リミッタ14−11は、この第2項と比例
定数最大値KIDEF_MAXを比較し、KIDEF_MAX以上になら
ないようにリミッタを設ける。続いて、比例定数加算器
14−12は比例定数最小値9−4−2のKIDEF_MINを
加算し、(数24)式を実行する。この加算結果がKID
EFとなり、第3の乗算器14−13でIQDEFと乗算すれ
ば、電流角速度ωiが求まり、(数23)式を実施した
ことになる。この結果、比例定数KIDEFは、トルク偏差
電流IQDEFの値に従い、図6に示す偏差電流に対し、第
1象限から第2象限を自由に選択することができる。
【0020】また、本実施形態において、通常運転時は
設定電流IESTA_Pは定格電流より大きい値に設定されて
いる。ところが、始動時とか瞬停再始動時は電動機の電
流が過大に流れることがある。通常の設定電流IESTA_P
では急峻な電流増大に対して電流角速度制御14を始め
るときには、電動機電流がオーバーシュートして装置の
トリップに至ってしまう。そのため、始動時とか瞬停再
始動時は、電流設定値を小さくしてトルク電流Iqfが小
さい範囲でも電流角速度制御14を行えば、電動機電流
がオーバーシュートすることなく、装置のトリップを起
こさなくなる。そのため、電動機の始動時及び瞬時停電
再始動時に、設定値可変遅回路32−3に初期値IESTA
(ini)を与えると共に、最終設定値IESTA_Pに至る時間
を一次遅れ要素Kpeを加味して増加させれば、Iqf≧
IESTA(n)の条件を早く達成させることができ、(数2
0)式を早めに動作させて出力角速度ωoutを低下さ
せ、電動機の過電流を防止できると共に、前記した励磁
電流可変遅回路31の初期励磁電流値Id(ini)と遅れ定
数Kpdを最適に選択することにより、電動機の過電流
を防止できる。この動作を図7により説明すると、始動
時に起動停止指令9−3から、または、瞬停再始動時に
瞬停解除再始動指令25−2から判定回路32−1に指
令を送り、設定スイッチ32−2の接点bを選択し、接
点bcを接続する。一方、設定値可変遅回路32−3に
は初期値IESTA(ini)と遅れ係数Kpeを設定し、始動
する。設定値可変遅回路32−3の詳細を図8に示す。
図8は、前記した励磁電流可変遅回路31と構成は同一
であり、演算式も(数1)式と同一である。すなわち、
(数25)式に示すように、電流設定9−5の出力IEST
A_Pを設定値可変遅回路32−3の入力IESTAとして取
込み、IESTA(n)として出力する。
【0021】図9は、瞬時停電再始動時の特性図であ
り、図7のブロック図と併用して説明する。設定値可変
遅回路32−3の出力IESTA(n)は初期値IESTA(ini)
から出発し、一次遅定数Kpeに従い増加する。設定電
流比較器14−1はトルク電流検出値IqfとIESTA
(n)を比較し、図9のの点でIqf≧IESTA(n)の条件
が成立すると、零1スイッチ14−2の接点bを選択
し、接点bcを接続して第1の乗算器14−4の入力の
1つを1にして、(数20)式を有効にさせて出力角速
度ωoutを急速に低下させる。そのため、トルク電流検
出値Iqfの増加を抑制する。すなわち、最終設定電流値
IESTA_Pよりも小さい電流値で電流角速度制御14すな
わち(数20)、(数21)、(数23)式の制御を実
施する。次に、図9のの時点で、Iqf≦IESTA(n)の
条件が成立すると、設定電流比較器14−1は零1スイ
ッチ14−2の接点aを選択し、接点acを接続して第
1の乗算器の入力の1つを零にして電流角速度制御14
を無効にすると共に、瞬停設定電流制御32の判定回路
32−1は設定スイッチ32−2の接点aを選択し、接
点acを接続して設定電流比較器14−1の比較設定値
を最終電流設定値IESTA_Pに置き換えて通常運転に戻
す。
【0022】図10は、本発明の電流角速度制御部14
と瞬停再始動及び始動時の瞬停設定電流制御32の他の
詳細ブロック図を示す。すなわち、電動機の始動時に起
動停止指令9−3から、または、瞬停再始動時に瞬停解
除再始動指令25−2からの指令により、設定値可変遅
回路32−3に初期値設定電流指令32−3−3のIES
TA(ini)を与えると共に、最終設定値IESTA_Pに至る時
間を一次遅れ要素の設定電流可変遅定数32−3−2の
Kpeで与える。設定値可変遅回路32−3の出力IES
TA(n)は初期値IESTA(ini)から出発し、一次遅定数K
peに従い増加する。設定電流比較器14−1はトルク
電流検出値IqfとIESTA(n)を比較し、Iqf≧IESTA
(n)の条件が成立すると、零1スイッチ14−2の接点
bを選択し、接点bcを接続して第1の乗算器14−4
の入力の1つを1にして、(数20)式を有効にさせて
出力角速度ωoutを急速に低下させる。そのため、トル
ク電流検出値Iqfの増加を抑制する。これは最終設定電
流値IESTA_Pよりも小さい電流値で電流角速度制御(数
20)式から(数23)式の制御を実施する。次に、I
qf≦IESTA(n)の条件が成立すると、設定電流比較器1
4−1は零1スイッチ14−2の接点aを選択し、接点
acを接続して第1の乗算器の入力の1つを零にして電
流角速度制御を無効にする。この他の詳細ブロック図で
は設定値可変遅回路32−3は通常運転に戻った時点で
も一次遅れ動作を持続させ、最終値IESTA_Pに到達す
る。始動時は過渡現象により設定値可変遅回路32−3
の出力が最終値IESTA_Pに到達しない前にトルク電流検
出値Iqfが振動して再度IESTA(n)より大きくなれ
ば、早めに電流角速度制御を実施し、電動機の過電流を
抑制させることができる。図10は、図7で行った設定
スイッチ32−2がないので、図7で行ったIqf≦IES
TA(n)の条件が成立すると、IESTA_Pの値を最終値に戻
すことは行わない。そのため、再度Iqf≧IESTA(n)の
条件が成立する可能性が高くなり、装置がより過電流に
なる要素を抑制することになる。
【0023】図8の設定値可変遅回路32−3は、IES
TA_Nに対しても同時に所有し、実施する。IESTA_Nの動
作は時間軸に対してIESTA_Pと対称な動作を行うことに
なるので、トルク電流Iqfが負に対しても同様な動作を
行う。
【0024】また、本実施形態において、前述したよう
に瞬時停電再始動のタイミングは瞬時停電復帰後、電動
機の誘起電圧が或る値以下に低下したことを判断して、
図2の出力角速度記憶回路30−3に示すように、記憶
してある瞬時停電前の角速度出力ωoutを出力角速度の
初期値として装置を再始動する。その時、誘起電圧が残
っているとき、いないとき、電動機が回転していると
き、停止しているとき等、種々の条件がある。そのた
め、図1のゲートサプレス解除部24が働いて、装置が
可動状態になった直後は、電流変換器12で演算したd
軸とq軸電流は実際の電動機電流のd軸、q軸と一致す
ることは期待できない。しかし、始動電流は電動機の励
磁電流指令19をソフトスタートしても大きな電流が流
れることが多々ある。すなわち、始動時に励磁電流指令
19をソフトスタートさせても、始動してから数サイク
ルはd軸、q軸電流指令値と電動機のd軸、q電流が一
致しないので、(数14)式のθが一致せず、そのた
め、Idfが過大になるか、Iqfが過大になるかは投入条
件により異なる。本実施形態では、図1のフィードバッ
ク電流選択回路33を設け、瞬停再始動時に軸ずれが生
じて、本来Iqfが増大するところ、Idfが大きくなって
も、電流角速度が動作するように、IdfかIqfの大きい
方を選択して電流角速度制御14を行う。
【0025】ここで、瞬停再始動時に電流角速度制御1
4の比例可変係数KIDEFが大き過ぎて電動機がフリーラ
ンしているはずの角速度より出力角速度ωoutを小さく
し過ぎると、電動機が制動領域に入り、トルク電流が負
の回生領域に入ることがある。この状態においても軸ず
れ等でIdfがIESTA_Pより大きくなって出力角速度ωou
tを減算し続けることがある。電動機が回生領域に入っ
時は、たとえIdfがIESTA_Pより大きくても、回生電流
を優先して電流角速度制御14を行う。すなわち、回生
領域に入ったとき、Iqf≧IESTA_N(Iqf<0の条件)
の時は(数20)式の演算を実施しない。比例可変係数
KIDEFが大き過ぎて制動電流が流れたとき、電流角速度
制御を中止するので、その時点で、出力角速度ωoutの
減算を中止して通常加速制御に戻り、出力角速度ωout
は電動機のフリーラン回転数に近い近傍で運転される。
また、瞬停再始動時に電流角速度制御14の比例可変係
数KIDEFが大きかったりして電動機が急制動してトルク
電流が回生領域に入り、さらにIESTA_N以下の負のIqf
になったときは、すなわち、Iqf≦IESTA_N(Iqf<0
の条件)のときは(数20)式が有効になり、ωiは加
算される。これはフリーラン回転数より電流角速度ωi
を引きすぎて回生電流IqfがIESTA_Nよりさらに小さく
なったときは、出力角速度ωoutに電流角速度ωiを加
算して出力角速度ωoutがよりフリーラン回転数の角速
度で運転される。
【0026】図11は、本実施形態のフィードバック電
流選択回路33の詳細ブロック図である。図1または図
7で使用した同一番号は同じものである。電動機電流を
電流変換器12でトルク電流フィードバックIqfと励磁
電流フィードバックIdfとして検出する。フィードバッ
ク電流選択回路33は、このフィードバック電流Iqfま
たはIdfと設定電流9−5のIESTA_PまたはIESTA_Nを
比較して電流角速度制御14を動作させるか、加減速制
御10を動作させるかにある。詳細に説明すると、絶対
値回路33−1によってトルク電流フィードバック値I
qfと励磁電流フィードバック値Idfをそれぞれ絶対値I
qABSとIdABSに変換する。一方、正転/逆転指令25−
4はスイッチ33−2の接点aまたはbを選択する。
【0027】いま、正転指令のときの説明をする。この
フィードバック電流選択回路33は正転時で回生電流を
最優先している。すなわち、スイッチ33−2は正転で
接点aを選択する。スイッチ33−3はトルク電流フィ
ードバックIqfが負のときは、Iqf負信号発生器33−
4がスイッチ33−3の接点aを選択し、フィードバッ
ク電流はフィードバック電流記憶器33−5に回生電流
IqfをIfとして格納する。フィードバック極性信号判
定器33−6はIfが負であるので、スイッチ33−7
は接点bを選択し、負の設定値IESTA_Nを選択する。電
流制御判別回路15はIfが負のときは、If>IESTA_N
の条件でスイッチ16の接点aを選択して加減速制御1
0を行い、If≦IESTA_Nの条件で接点bを選択して電
流角速度制御14を行い、前記説明したように角速度指
令17を動作させ、出力角速度ωoutを出力する。
【0028】次に、正転指令かつ力行時でIqfが正のと
きの説明をする。スイッチ33−2は接点a(正転)を
選択、スイッチ33−3は接点b(Iqf>0)を選択
する。絶対値回路33−1の出力を絶対値比較器33−
8で判断し、トルク電流フィードバックの絶対値IqA
BSが励磁電流絶対値IdABSより大きいときは、トルク
電流フィードバックIqfを選択するようにスイッチ33
−9は接点aを選択し、励磁電流絶対値Idfの絶対値I
dABSがトルク電流フィードバックの絶対値IqABSがより
大きいときは、励磁電流フィードバックの絶対値IdABS
を選択するようにスイッチ33−9は接点bを選択す
る。その結果、フィードバック電流記憶器33−5は正
のトルク電流か励磁電流フィードバックの絶対値が格納
される。いずれにせよフィードバック電流記憶器33−
5の出力Ifは正の値を格納するので、Ifの極性信号3
3−6はスイッチ33−7の接点aを選択し、正の設定
電流IESTA_Pを選択する。このとき電流制御判別回路1
5はIfとIESTA_Pを比較し、If<IESTA_Pの範囲では
スイッチ16の接点aを選択して加減速制御10を行
い、If≧IESTA_Pの条件が成立したときはスイッチ1
6は接点bを選択して電流角速度制御14を行う。
【0029】次に、逆転指令のときの説明をする。この
フィードバック電流選択回路33は逆転時で回生電流を
最優先している。すなわち、スイッチ33−2は逆転で
接点bを選択する。スイッチ33−3はトルク電流フィ
ードバックIqfが正のときは、Iqf正信号発生器33−
11がスイッチ33ー10の接点aを選択し、フィード
バック電流はフィードバック電流記憶器33−5に回生
電流IqfをIfとして格納する。フィードバック極性信
号判定器33−6はIfが正であるので、スイッチ33
−7は接点aを選択し、正の設定値IESTA_Pを選択す
る。電流制御判定回路15はIfが正のときは、If<IE
STA_Pの条件でスイッチ16の接点aを選択して加減速
制御10を行い、If≧IESTA_Pの条件で接点bを選択
して電流角速度制御14を行い、前記説明したように角
速度指令17を動作させ、出力角速度ωoutを出力す
る。
【0030】次に、逆転指令かつ力行時でIqfが負のと
きの説明をする。スイッチ33−2は接点b(逆転)を
選択し、スイッチ33−10は接点b(Iqf<0)を選
択する。絶対値回路33−1の出力を絶対値比較器33
−8で判断し、トルク電流フィードバックの絶対値IqA
BSが励磁電流絶対値IdABSより大きいときは、トルク電
流フィードバックIqfを選択するようにスイッチ33−
12は接点aを選択する。この時のIqfは負である。ま
た、励磁電流フィードバックIdfの絶対値IdABSがトル
ク電流フィードバックの絶対値IqABSがより大きいとき
は、励磁電流フィードバックIdfをIdf負変換回路33
−13でIdfの値を負に変換し、スイッチ33−12は
接点bを選択する。その結果、フィードバック電流記憶
器33−5には負のトルク電流か負の励磁電流フィード
バックが格納される。いずれにせよフィードバック電流
記憶器33−5の出力Ifは負の値を格納するので、If
の極性信号はスイッチ33−7の接点bを選択し、負の
設定電流IESTA_Nを選択する。このとき電流制御判別回
路15はIfとIESTA_Nを比較し、If>IESTA_Nの範囲
ではスイッチ16の接点aを選択して加減速制御10を
行い、If≦IESTA_Nの条件が成立したときはスイッチ
16は接点bを選択して電流角速度制御を行う。
【0031】図1で前記したように、本実施形態は、逆
転時に励磁電流指令Idに正の値を与え、角速度を負に
設定して(数16)式に示すように電動機に印加する主
たる要素V1qを負にして逆転を成立させている。そのた
め、瞬停再始動時、トルク電流フィードバックIqfは負
の値を発生するが、励磁電流フィードバックIdfは正の
値を発生する。この時、軸ずれで励磁電流のフィードバ
ックの絶対値IdABSがトルク電流のフィードバックIqf
より大きくなった時、実はトルク電流が大きくなったと
考えるべきである。よって、瞬停再始動時の励磁電流の
フィードバックの絶対値IdABSがトルク電流のフィード
バックIqfより大きくなった時は励磁電流フィードバッ
ク値Idfを負に置き換えて判断するようにした。この選
択方法を実施することにより、電動機は4象限運転がで
きる。
【0032】図12は、本発明の電流選択の方法を示す
PAD図である。ここで、Ifは正の設定電流IESTA_P
または負の設定電流IESTA_Nと比較するための電動機フ
ィードバック電流を格納するためのメモリ領域である。
100で電流選択方法を開始する。101は電動機が正
転指令で運転しているか、逆転指令で運転しているかを
判別し、正転ならば102に移行する。正転時にトルク
電流フィードバック値Iqfが正ならば、110にジャン
プする。Iqfが負のときは103に移行する。この時電
動機は回生運転領域で運転しているので、最優先して負
のIqfをIfに代入しておき、130にジャンプする。
また、101で逆転指令の時は105に移行する。逆転
時にトルク電流フィードバック値Iqfが負ならば、11
0にジャンプする。Iqfが正のときは106に移行す
る。この時電動機は回生運転領域で逆転しているので、
最優先して正のIqfをIfに代入しておき、130にジ
ャンプする。110はトルク電流のフィードバック値I
qfを絶対値に変換し、トルク電流メモリ領域IqABSに絶
対値を格納する。111は励磁電流のフィードバック値
Idfを絶対値に変換し、励磁電流メモリ領域IdABSに絶
対値を格納する。120はトルク電流フィードバック絶
対値IqABSと励磁電流のフィードバック絶対値IdABSの
大きさを比較し、大きい方を選択する。IqABSが大きい
ときは121に移行する。この時、正転/逆転を考慮し
て符号付のIqfをIfに格納する。120でIdABSが大
きいときは125に移行する。ここで、図1で磁束電流
指令は正転でも逆転でも符号は正を指令している。今、
電動機が回転中に瞬停再始動命令が来て、励磁電流をソ
フトスタートさせたとき、電動機励磁電流が確立するま
での数サイクルで(数14)式の計算においてd軸電流
とq軸電流の値が確立せず、軸ずれが発生し、トルク電
流フィードバックIqfと励磁電流フィードバックIdfが
正常に計算されないことがある。また、逆転指令時は、
励磁電流指令は正、出力角速度ωoutは負に設定するこ
とにより、位相θを逆回転させている。そのため、逆転
指令の時は、励磁電流を負に置き換える必要がある。す
なわち、125で正転指令のときは126に移行して励
磁電流フィードバック値を正にしてIfに代入し、逆転
のときは127に移行して励磁電流フィードバック値を
負にしてIfに代入する。130はトルク電流フィード
バック値か励磁電流フィードバック値がIfの中に代入
されているので、Ifが正の設定電流IESTA_P以上であ
るかを検査して、Ifが大きい時は131に移行して、
(数21)、(数23)、(数24)、(数20)式に
従い、電流角速度ωiを求め、出力角速度ωoutを小さ
くして電流抑制を行う。また、130でIfが正の設定
電流IESTA_P以下であるかを検査して、Ifが小さい時
は135に移行して、Ifが負の設定電流IESTA_N以下
であるかを検査して、Ifが小さい時は136に移行し
て、(数22)、(数23)、(数24)、(数20)
式に従い、電流角速度ωiを求め、出力角速度ωoutを
大きくして電流抑制を行う。また、135でIfが負の
設定電流IESTA_N以上のときは通常運転の範囲であるの
で、137に移行して、偏差電流の値IQDEFと比例係数
KIDEFの値を零にする。138では電流角速度ωiを零
にして電流選択方法を終了させる。
【0033】図13は、図11のブロック図における正
転時の瞬時停電再始動時の特性図である。時間軸0で再
始動する。このときIESTA_P及びIESTA_Nは初期値±I
ESTA(ini)、出力角速度ωoutは瞬停前に記憶した値から
出発し、励磁電流指令Idn、トルク電流Iqf、励磁電流
Idf、偏差電流IQDEF、比例係数KIDEF、相電圧は零か
ら出発する。時間軸において、d軸q軸の軸ずれが起
り、Idf>IqfでしかもIdfがIESTA_Pより大きくな
る。そのため、スイッチ33−2は接点a(正転)、ス
イッチ33−3は接点b(Iqf≧0)、スイッチ33
−9は接点b(IdABS>IqABS)が選択され、電流制御
判別回路15は正の設定電流IESTA_PとIdABSと比較
し、If>IESTA_Pの条件でスイッチ16の接点bを選
択し、電流角速度制御14を実施する。時間軸におい
て、偏差電流IQDEFが大きくなり、比例係数KIDEFの値
が大きくなるので、(数23)式のωiが大きくなり、
出力角速度ωoutが急速に低下する。すなわち、KIDEF
が大きい値を選び過ぎた例である。このとき、電動機は
ブレーキがかかる。時間軸において、Iqfが負の回生
領域に入ったので、Iqfが負信号発生33−4によりス
イッチ33−3は接点aを選択する。ここで、電流制御
判別回路15は負の設定電流IESTA_Nと比較し、If>
IESTA_Nの条件のため、スイッチ16は接点aを選択し
て通常の加減速制御10を行う。そのため、出力角速度
ωoutは一定加速度で加速する。時間軸、におい
て、回生電流Iqfが負の方向に大きくなり、Iqf<IES
TA_Nの条件になり、スイッチ33−3は接点aを保ち、
電流制御判別回路15ではIqf<IESTA_Nの条件で再び
スイッチ16の接点bを選択して電流角速度制御14を
行う。このとき、偏差電流IQDEF<0、比例係数KIDEF
>0であるので、(数23)式のωi<0となり、(数
20)式の出力角速度ωoutはωiを加算して大きくな
り、より電動機のフリーランしている角速度に近づくと
共に、電動機のdq軸と制御装置で指令するdq軸がや
がては一致し、電動機は安定して運転する。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
出力角速度及び加速角速度から減速角速度を生成するこ
とによって、電動機の加速レート、減速レートを自由に
設定でき、電動機の低速時及び無負荷時でも、過励磁に
ならず、効率よく、スムーズに電動機を加減速すること
が可能になる。また、トルク電流と設定電流との差から
偏差電流を作り、偏差電流に依存して比例定数を算出
し、偏差電流と比例定数から電流角速度を生成すること
によって、電動機の負荷が増加しても電動機の回転数を
低下させ、電動機電流を過電流にさせずに、安定した運
転が可能になる。また、比例定数の大きさを偏差電流に
対して自由に選択できるので、比例定数を偏差電流が小
さい時は小さく、大きい時は大きく可変することができ
る。そのため、定常負荷でトルク電流が設定電流近傍で
は比例定数が小さいので、設定電流をリミッタとしてハ
ンチングなしに安定に運転することができ、また、過渡
時に急激にトルクが大きくなったときは比例定数が大き
いので、速やかに電動機の角速度指令を低下し、これに
より、過電流の発生を防止でき、制御装置のトリップ等
の事故を未然に防ぎ、安定に運転することが可能にな
る。また、指令部の設定値及び制御部の演算を符号付で
行うことにより、正転、逆転、力行及び回生運転を簡単
に実行することができる。また、電動機の始動時及び瞬
時停電再始動時に設定値可変遅回路に正負の初期値を与
えると共に、正負の最終設定値に至る時間を一次遅れ要
素を加味して調整すれば、トルク電流≧設定電流の条件
を早く達成させることができ、出力角速度を低下させ、
電動機の過電流を防止できると共に、励磁電流可変遅回
路の初期励磁電流値と遅れ定数を最適に選択することに
より、電動機の過電流を防止することができる。また、
始動時は、初期角速度を出力角速度に初期値として与
え、瞬時停電を検出したとき、運転中の角速度を記憶
し、瞬停再始動時に運転中に記憶した角速度を出力角速
度に初期値として与えて始動し、始動時及び瞬時停電再
始動時の1回目のサンプリング時間の時のみ、初期値励
磁電流指令から一次遅れ要素効果を働かせて励磁電流を
ソフトスタートすると共に、設定電流値に関しても1回
目のサンプリング時間の時のみ、初期値設定電流値から
一次遅れ要素効果を働かせて電流角速度制御の設定値を
下げることによって、トルク電流が定格電流以下でも電
流角速度制御を動作させて電動機の過電流を防止するこ
とができる。また、正転指令で力行時、すなわち、トル
ク電流が正のとき、フィードバック電流であるトルク電
流と励磁電流の絶対値を作り、比較し、大きい方のフィ
ードバック電流と正の設定電流と比較して電流角速度制
御を行うと共に、トルク電流が負の回生領域に入ったと
きは、回生電流を優先して負の設定電流と比較して電流
角速度制御を実施し、また、逆転指令で力行の時、すな
わち、トルク電流が負のとき、フィードバック電流であ
るトルク電流と励磁電流の絶対値を作り、比較し、トル
ク電流が大きいときは負のトルク電流と、励磁電流が大
きいときは励磁電流を負の値に変換して負の設定電流と
比較して電流角速度制御を行うと共に、トルク電流が正
の回生領域に入ったときは、回生電流を優先して正の設
定電流と比較して電流角速度制御を実施することによ
り、電動機の4象限運転が可能となり、しかも、瞬停再
始動のときの比例係数の大きさが最適でなくても、より
早く電動機がフリーランしている角速度の近傍に角速度
出力を設定できるので、電動機電流が過電流にならず
に、速やかに瞬停再始動が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による誘導電動機の制御装
置の構成図
【図2】本発明の加減速制御部の詳細ブロック図
【図3】本発明の定格角速度と正弦波発生原理の説明図
【図4】本発明の励磁電流可変遅回路の説明図
【図5】本発明のトルク電流と設定電流の関係を示す図
【図6】本発明のトルク偏差電流と比例定数を示す特性
【図7】本発明の電流角速度制御を示す詳細ブロック図
【図8】本発明の設定電流可変遅回路の説明図
【図9】本発明の瞬停始動特性
【図10】本発明の電流角速度制御を示す他の詳細ブロ
ック図
【図11】本発明のフィードバック電流選択回路の詳細
ブロック図
【図12】本発明の電流選択の方法を示すPAD図
【図13】本発明の電動機瞬停再始動特性図
【符号の説明】
1…交流電源、2…整流器またはコンバータ、3…平滑
コンデンサ、4…インバータ、5…誘導電動機、8…サ
ンプリングタイマ、9…指令部、9−1…周波数指令、
9−2…加減速指令、9−3…起動停止指令、9−4…
定数設定、9−4−1…比例定数最大値、9−4−2…
比例定数最小値、9−4−3…可変比例定数、9−4−
4…トルク電流偏差最小値、9−5…設定電流値、9−
6…初期角速度、10…加減速制御部、10−1…角速
度指令変換器、10−2…加速減速スイッチ、10−3
…第1の比較器、10−4…出力角速度部、10−5…
加速スイッチ、10−6…加速加算器、10−7…加速
角速度、10−8…加速減算器、10−9…角速度指令
変換器、10−10…第2の比較器、10−11…減速
スイッチ、10−12…減速減算器、10−13…減速
角速度、10−14…ゲートサプレス信号、11…電流
A/D変換器、12…電流変換器、13…電流制御減算
器、14…電流角速度制御部、14−1…設定電流比較
器、14−2…零1スイッチ、14−3…零値、14−
4…第1の乗算器、14−5…1の値、14−6…設定
減算器、14−7…偏差電流減算器、14−8…最小電
流偏差比較器、14−9…比例定数スイッチ、14−1
0…第2の乗算器、14−11…比例定数リミッタ、1
4−12…比例定数加算器、14−13…第3の乗算
器、15…電流制御判別回路、16…加減速電流制御切
換器、17…角速度指令部、18…積算回路、19…磁
束電流指令部、20…電動機定数回路、21…ベクトル
演算部、22…PWM演算回路、23…瞬停検出回路、
24…ゲートサプレス解除回路、25…瞬停指令部、2
6…電圧検出回路、27…電圧A/D変換器、28…電
圧変換器、29…電圧判定回路、30…瞬停加減速制
御、31…励磁電流可変遅回路、31−1…励磁電流可
変遅回路入力、31−2…励磁電流可変遅定数、31−
3…初期値励磁電流指令、31−4…励磁電流初期切換
スイッチ、31−5…励磁電流可変減算器、31−6…
励磁電流可変加算器、31−7…励磁電流記憶器、32
…瞬停設定電流制御、32−1…判定回路、32−2…
設定スイッチ、32−3…設定値可変遅回路、32−3
−1…設定電流可変遅回路入力、32−3−2…設定電
流可変遅定数、32−3−3…初期値設定電流指令、3
2−3−4…設定電流初期切換スイッチ、32−3−5
…設定電流可変減算器、32−3−6…設定電流可変加
算器、32−3−7…設定電流記憶器、33…フィード
バック電流選択回路、33−1…絶対値回路、33−2
…正転逆転スイッチ、33−3…正転回生電流スイッ
チ、33−4…Iqf負信号発生、33−5…フィードバ
ック電流記憶器、33−5…フィードバック電流記憶
器、33−6…フィードバック極性信号、33−7…正
負設定電流切換スイッチ、33−8…絶対値比較回路、
33−9…正転IdIqスイッチ、33−10…逆転回生
電流スイッチ、33−11…Iqf正信号発生、33−1
2…逆転IdIqスイッチ、33−13…Idf負変換器
フロントページの続き Fターム(参考) 5H576 BB06 CC05 DD02 DD04 EE01 EE04 EE10 EE11 EE22 FF01 FF02 FF04 GG04 HB01 JJ03 JJ08 JJ11 JJ16 JJ17 JJ20 JJ22 JJ29 LL22 LL24 LL60 MM02 MM13

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電源からコンバータにより直流に変
    換し、可変電圧、可変周波数の交流電圧をPWMインバ
    ータにより出力して駆動する誘導電動機の制御方法にお
    いて、運転時には、定格角速度と加速角速度と出力角速
    度から前記電動機の加減速度を演算し、前記電動機の負
    荷に伴うトルク電流と励磁電流を検出すると共に、前記
    トルク電流と前記励磁電流の正および負を判断し、正の
    ときは正の設定電流を定め、負のときは負の設定電流を
    定め、前記トルク電流または前記励磁電流が時間軸に対
    して前記正負の設定電流範囲内では、前記出力角速度に
    前記加速角速度を加算して加減速制御を行い、前記トル
    ク電流または前記励磁電流が時間軸に対して前記正負の
    設定電流範囲外では、前記トルク電流または前記励磁電
    流と前記正または負の設定電流との差から偏差電流を生
    成し、前記偏差電流と比例定数の乗算から電流角速度を
    生成し、前記出力角速度から前記電流角速度を減算また
    は加算して電流角速度制御を実行することを特徴とする
    誘導電動機の制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記トルク電流また
    は前記励磁電流が時間軸に対して前記正負の設定電流範
    囲外とは、前記トルク電流または前記励磁電流の絶対値
    が正または負の設定電流の絶対値より大きくなった範囲
    であることを特徴とする誘導電動機の制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、瞬時停電時には、瞬
    停前の前記出力角速度の値を記憶し、瞬停再始動時に
    は、前記電動機の誘起電圧が規定値以下になったことを
    確認して前記記憶した出力角速度を初期値として出力角
    速度に戻し、正および負の設定電流初期値と設定電流可
    変遅定数を設定すると共に、励磁電流初期値と励磁電流
    可変遅定数を設定して前記電動機を加速することを特徴
    とする誘導電動機の制御方法。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかにおい
    て、正転指令時に、フィードバック電流である前記トル
    ク電流と前記励磁電流の絶対値を比較し、大きい方のフ
    ィードバック電流と正の設定電流を比較して、前記フィ
    ードバック電流が前記設定電流より大きいときは、前記
    フィードバック電流と前記正の設定電流との差より偏差
    電流を生成し、前記偏差電流と比例定数の乗算から電流
    角速度を生成し、前記出力角速度から前記電流角速度を
    減算または加算して電流角速度制御を実行することを特
    徴とする誘導電動機の制御方法。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項3のいずれにおい
    て、正転指令時に、前記トルク電流が負のときは負トル
    ク電流を最優先して、前記トルク電流と負の設定電流を
    比較して、前記トルク電流が負の設定電流より小さいと
    きは、前記トルク電流と前記負の電流設定電流との差よ
    り偏差電流を生成し、前記偏差電流と比例定数の乗算か
    ら電流角速度を生成し、前記出力角速度から前記電流角
    速度を加算して電流角速度制御を実行し、前記トルク電
    流が前記負の設定電流より大きいときは、加減速制御を
    実行することを特徴とする誘導電動機の制御方法。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項3のいずれにおい
    て、逆転指令時に、フィードバック電流であるトルク電
    流と励磁電流の絶対値を比較し、前記トルク電流が大き
    いときは、前記トルク電流と負の設定電流を比較し、前
    記励磁電流が大きいときは、励磁電流を負に変換し、前
    記負の設定電流と比較し、前記フィードバック電流が前
    記負の設定電流より小さいときは、前記フィードバック
    電流と前記負の設定電流との差より偏差電流を生成し、
    前記偏差電流と比例定数の乗算から電流角速度を生成
    し、前記出力角速度から前記電流角速度を加算して電流
    角速度制御を実行することを特徴とする誘導電動機の制
    御方法。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項3のいずれにおい
    て、逆転指令時に、前記トルク電流が正のときは正のト
    ルク電流を最優先して、前記トルク電流と正の設定電流
    を比較して、前記トルク電流が前記正の設定電流より大
    きいときは、前記トルク電流と前記正の電流設定電流と
    の差より偏差電流を生成し、前記偏差電流と比例定数の
    乗算から電流角速度を生成し、前記出力角速度から前記
    電流角速度を加算して電流角速度制御を実行し、前記ト
    ルク電流が前記正の設定電流より小さいときは、加減速
    制御を実行することを特徴とする誘導電動機の制御方
    法。
  8. 【請求項8】交流電源からコンバータにより直流に変換
    し、可変電圧、可変周波数の交流電圧をPWMインバー
    タにより出力して駆動する誘導電動機の制御装置におい
    て、前記制御装置は、加減制御部、電流角速度制御部及
    びフィードバック電流選択回路を具備し、運転時には、
    定格角速度と加速角速度と出力角速度から前記電動機の
    加減速度を演算し、前記電動機の負荷に伴うトルク電流
    と励磁電流を検出すると共に、前記フィードバック電流
    選択回路によって前記トルク電流と前記励磁電流の正お
    よび負を判断し、正のときは正の設定電流を定め、負の
    ときは負の設定電流を定め、前記トルク電流または前記
    励磁電流が時間軸に対して前記正負の設定電流範囲内で
    は、前記加減制御部によって前記出力角速度に前記加速
    角速度を加算して加減速制御を行い、前記トルク電流ま
    たは前記励磁電流が時間軸に対して前記正負の設定電流
    範囲外では、前記電流角速度制御部によって前記トルク
    電流または前記励磁電流と前記正または負の設定電流と
    の差から偏差電流を生成し、前記偏差電流と比例定数の
    乗算から電流角速度を生成し、前記出力角速度から前記
    電流角速度を減算または加算して電流角速度制御を実行
    することを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  9. 【請求項9】 請求項8において、前記制御装置は、出
    力角速度記憶回路、正および負の設定電流可変遅回路及
    び励磁電流可変遅回路を具備し、瞬時停電時には、瞬停
    前の前記出力角速度の値を出力角速度記憶回路に記憶
    し、瞬停再始動時には、前記電動機の誘起電圧が規定値
    以下になったことを確認して前記記憶した出力角速度を
    初期値として出力角速度に戻し、前記正および負の設定
    電流可変遅回路の正および負の設定電流初期値と設定電
    流可変遅定数を設定すると共に、前記励磁電流可変遅回
    路の励磁電流初期値と励磁電流可変遅定数を設定して前
    記電動機を加速することを特徴とする誘導電動機の制御
    装置。
  10. 【請求項10】 請求項8または請求項9において、正
    転指令時に、フィードバック電流選択回路においてフィ
    ードバック電流である前記トルク電流と前記励磁電流の
    絶対値を比較し、大きい方のフィードバック電流と正の
    設定電流を比較して、前記フィードバック電流が前記設
    定電流より大きいときは、前記フィードバック電流と前
    記正の設定電流との差より偏差電流を生成し、前記偏差
    電流と比例定数の乗算から電流角速度を生成し、前記出
    力角速度から前記電流角速度を減算または加算して電流
    角速度制御を実行することを特徴とする誘導電動機の制
    御装置。
  11. 【請求項11】 請求項8または請求項9において、正
    転指令時に、フィードバック電流選択回路において前記
    トルク電流が負のときは負トルク電流を最優先して、前
    記トルク電流と負の設定電流を比較して、前記トルク電
    流が負の設定電流より小さいときは、前記トルク電流と
    前記負の電流設定電流との差より偏差電流を生成し、前
    記偏差電流と比例定数の乗算から電流角速度を生成し、
    前記出力角速度から前記電流角速度を加算して電流角速
    度制御を実行し、前記トルク電流が前記負の設定電流よ
    り大きいときは、加減速制御を実行することを特徴とす
    る誘導電動機の制御装置。
  12. 【請求項12】 請求項8または請求項9において、逆
    転指令時に、フィードバック電流選択回路においてフィ
    ードバック電流であるトルク電流と励磁電流の絶対値を
    比較し、前記トルク電流が大きいときは、前記トルク電
    流と負の設定電流を比較し、前記励磁電流が大きいとき
    は、励磁電流を負に変換し、前記負の設定電流と比較
    し、前記フィードバック電流が前記負の設定電流より小
    さいときは、前記フィードバック電流と前記負の設定電
    流との差より偏差電流を生成し、前記偏差電流と比例定
    数の乗算から電流角速度を生成し、前記出力角速度から
    前記電流角速度を加算して電流角速度制御を実行するこ
    とを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  13. 【請求項13】 請求項8または請求項9において、逆
    転指令時に、フィードバック電流選択回路において前記
    トルク電流が正のときは正のトルク電流を最優先して、
    前記トルク電流と正の設定電流を比較して、前記トルク
    電流が前記正の設定電流より大きいときは、前記トルク
    電流と前記正の電流設定電流との差より偏差電流を生成
    し、前記偏差電流と比例定数の乗算から電流角速度を生
    成し、前記出力角速度から前記電流角速度を加算して電
    流角速度制御を実行し、前記トルク電流が前記正の設定
    電流より小さいときは、加減速制御を実行することを特
    徴とする誘導電動機の制御装置。
JP11029662A 1999-02-08 1999-02-08 誘導電動機の制御方法及び装置 Pending JP2000228888A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11029662A JP2000228888A (ja) 1999-02-08 1999-02-08 誘導電動機の制御方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11029662A JP2000228888A (ja) 1999-02-08 1999-02-08 誘導電動機の制御方法及び装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000228888A true JP2000228888A (ja) 2000-08-15

Family

ID=12282339

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11029662A Pending JP2000228888A (ja) 1999-02-08 1999-02-08 誘導電動機の制御方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000228888A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101224161B1 (ko) 2011-05-19 2013-01-21 한빛이디에스(주) 전동기 재기동을 위한 인버터 제어 방법 및 이를 위한 인버터
US8421397B2 (en) 2011-04-11 2013-04-16 Eaton Corporation System and method for fast start-up of an induction motor
KR20190129534A (ko) * 2018-05-11 2019-11-20 서울과학기술대학교 산학협력단 회생제동 시스템
US11223313B2 (en) 2016-09-05 2022-01-11 Toshiba Infrastructure Systems & Solutions Corporation Inverter control device and motor drive system

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8421397B2 (en) 2011-04-11 2013-04-16 Eaton Corporation System and method for fast start-up of an induction motor
KR101224161B1 (ko) 2011-05-19 2013-01-21 한빛이디에스(주) 전동기 재기동을 위한 인버터 제어 방법 및 이를 위한 인버터
US11223313B2 (en) 2016-09-05 2022-01-11 Toshiba Infrastructure Systems & Solutions Corporation Inverter control device and motor drive system
KR20190129534A (ko) * 2018-05-11 2019-11-20 서울과학기술대학교 산학협력단 회생제동 시스템
KR102137778B1 (ko) * 2018-05-11 2020-07-27 서울과학기술대학교 산학협력단 회생제동 시스템

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3719910B2 (ja) モータ制御装置
US5994867A (en) Method and device for controlling a sensorless field-oriented asynchronous machine
JP5318286B2 (ja) 交流回転機の制御装置
AU2009345453B2 (en) Power conversion device
JPH07118950B2 (ja) Pwmインバータの制御方法と装置
JP3684793B2 (ja) インバータ装置
JP2014233170A (ja) モータ制御装置及びそれを備えた建設機械
JP2005065410A (ja) モータ制御装置
JP2007318947A (ja) ステッピングモータの制御装置
JPH0974800A (ja) 交流電動機制御装置
JP2012130100A (ja) モータ制御装置及びモータ制御方法
JP2000228888A (ja) 誘導電動機の制御方法及び装置
JP5190155B2 (ja) 交流回転機の制御装置および制御方法
JP2000312497A (ja) 交流電動機の制御方法
JP2000341989A (ja) 誘導電動機の瞬時停電時の制御方法及び装置
JPH0880098A (ja) 電動機のベクトル制御装置
JP3508539B2 (ja) 誘導電動機の運転制御方法
JP7009861B2 (ja) モータ制御装置
JP5499866B2 (ja) 交流回転機の制御装置
JP3447932B2 (ja) 誘導電動機の制御方法及び装置
WO2019234920A1 (ja) 船舶推進用電動機駆動システム
JP2002325498A (ja) 交流電動機の制御装置
JP2005278327A (ja) 速度センサレスベクトル制御装置
JPH1028398A (ja) 可変速発電電動機の制御装置
JP3185419B2 (ja) 誘導電動機の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20040325