JP2000203460A - トラックの車体構造 - Google Patents

トラックの車体構造

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JP2000203460A
JP2000203460A JP11007460A JP746099A JP2000203460A JP 2000203460 A JP2000203460 A JP 2000203460A JP 11007460 A JP11007460 A JP 11007460A JP 746099 A JP746099 A JP 746099A JP 2000203460 A JP2000203460 A JP 2000203460A
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truck
cab
front horizontal
horizontal portion
members
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JP11007460A
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Nobuyoshi Ishibai
伸好 石灰
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Hino Motors Ltd
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Hino Motors Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】衝撃荷重によるシート周辺の空間の縮小を軽減
する。 【解決手段】トラックは進行方向に延びて設けられた一
対のサイドメンバ12と、キャブの下面にトラックの進
行方向に延びて設けられた一対のフロアメンバ16とを
備え、フロアメンバが略水平なフロント水平部16aと
立上がり部16bとリヤ水平部16cとを有する。先端
がサイドメンバ12又はフロント水平部16a若しくは
フロント水平部16aと立上がり部16bに当接する膨
出部材31が立上がり部16b近傍のフロント水平部1
6a又はサイドメンバ12に設けられる。膨出部材31
がサイドメンバ12に架設された場合、フロント水平部
16a又は立上がり部16bのいずれか一方又は双方に
トラックの進行方向に延びる第1長孔が形成され、膨出
部材の先端に第1長孔に挿入して第1長孔の前端に係合
する係合部材が設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キャブオーバ型ト
ラックの車体構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、キャブオーバ型トラックは、トラ
ックの進行方向に延びて設けられた一対のサイドメンバ
と、一対のサイドメンバの前部上方に設けられたキャブ
と、キャブの下面にトラックの進行方向に延びて設けら
れた一対のフロアメンバとを備える。この種のトラック
ではキャブ下方のサイドメンバの間にエンジンが搭載さ
れ、このエンジンの上方に配置されるフロアメンバはキ
ャブの内部空間を広くするためにエンジンの形状に相応
して折曲げられて形成される。具体的に、フロアメンバ
は略水平なフロント水平部と、このフロント水平部の後
端に連設され後方に傾斜して立上がる立上がり部と、こ
の立上がり部の後端に連設された略水平なリヤ水平部と
を有するように略クランク状に折曲げられる。このよう
なフロアメンバを有するトラックでは、キャブの内部空
間を広くして有効にこの空間を利用し得るように構成さ
れる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、折曲げられた
フロアメンバを有するトラックでは、前方からキャブに
衝撃荷重が加わった場合に折曲げられた部分、具体的に
はフロント水平部と立上がり部の接続部分に応力が集中
してフロント水平部と立上がり部がV字状に折曲がる場
合があった。特に、衝撃荷重によりフロント水平部の前
端が持上がるとともにフロント水平部の後端が下方に移
動して、フロント水平部と立上がり部がV字状に変形し
た場合にはフロント水平部の上に設けられるシート周辺
の空間、即ち乗員のための空間が縮小することになる。
また、トラックの衝突時おける衝撃荷重にあってはキャ
ブ全体がシャシフレームに対して相対的に後方に移動し
ながら折曲るので、キャブに作用する衝撃エネルギを吸
収してその折曲り量を低減することが望まれる。本発明
の目的は、キャブ前面に作用した衝撃荷重によるシート
周辺の空間縮小を軽減し得るトラックの車体構造を提供
することにある。本発明の別の目的は、キャブ前面に作
用する衝撃エネルギを吸収し得るトラックの車体構造を
提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1及び図3に示すように、トラック10の進行方向に
延びて設けられた一対のサイドメンバ12と、一対のサ
イドメンバ12の前部上方に設けられたキャブ13と、
キャブ13の下面にトラック10の進行方向に延びて設
けられた一対のフロアメンバ16とを備えたトラックの
車体であって、フロアメンバ16が略水平なフロント水
平部16aとこのフロント水平部16aの後端に連設さ
れ後方に傾斜して立上がる立上がり部16bとこの立上
がり部16bの後端に連設された略水平なリヤ水平部1
6cとを有するトラックの車体構造の改良である。その
特徴ある構成は、先端がサイドメンバ12(又はフロン
ト水平部16a若しくはフロント水平部16aと立上が
り部16bの双方)に近接する膨出部材31がフロント
水平部16a(又はサイドメンバ12)に設けられたと
ころにある。
【0005】この請求項1に記載されたトラックの車体
構造では、キャブ13前面に衝撃荷重が作用すると、フ
ロアメンバ16がキャブ13とともにロアブラケット1
7に対して相対的に後方に移動するとともに、キャブ1
3自体にそのキャブ13を前後方向に押縮めるようとす
る力が加わる。フロント水平部16a(又はサイドメン
バ12)に設けられた膨出部材31は、その先端31b
がサイドメンバ12(又はフロント水平部16a若しく
はフロント水平部16aと立上がり部16bの双方)に
当接して、キャブ13を前後方向に押縮めるようとする
力によりフロント水平部16aの後端が下方に沈み込ん
でフロント水平部16aと立上がり部がV字状に折曲が
ることを防止する。この結果、フロント水平部16aの
上に設けられる図示しないシート周辺の空間が縮小する
ことを防止する。
【0006】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、図7に示すように、膨出部材31が一対の
サイドメンバ12に設けられ、フロント水平部16a
(又は立上がり部16bのいずれか一方又は双方)にト
ラック10の進行方向に延びる第1長孔33が形成さ
れ、膨出部材31の先端31bに第1長孔33への挿入
部を34b有する係合部材34が設けられたトラックの
車体構造である。この請求項2に記載されたトラックの
車体構造では、サイドメンバ12に設けられた膨出部材
31の先端がフロント水平部16aに下方から当接し
て、フロント水平部16aと立上がり部のV字状の折曲
がりを防止する。これとともに、キャブ13の後方移動
により、第1長孔33の前端に挿入部34bが当接し、
フロアメンバ16に加わる荷重を挿入部34bを介して
サイドメンバ12に分担させ衝撃エネルギを吸収させる
ことができる。また、挿入部34bの前端に車両前方へ
の突出部34aを形成すると、第1長孔33の前端に突
出部34aが係合して、フロアメンバ16の上方への変
形を規制できる。
【0007】請求項3に係る発明は、請求項2に係る発
明であって、図7及び図8に示すように、サイドメンバ
12にトラック10の進行方向に延びる第2長孔36が
形成され、膨出部材31が第2長孔36の前端にボルト
32を挿入してナット37で螺合することによりサイド
メンバ12に架設されたトラックの車体構造である。こ
の請求項3に記載されたトラックの車体構造では、第1
長孔33の前端に係合部材34が当接した状態でキャブ
13を後方に移動させようとする力が加わると、膨出部
材31自体がそのフロアメンバ16とともに第2長孔3
6に沿って後方に移動する。この結果、フロント水平部
16aを略水平に維持したまま後方に移動させることが
できる。
【0008】請求項4に係る発明は、図15に示すよう
に、トラックの進行方向に延びて設けられた一対のサイ
ドメンバ12と、一対のサイドメンバ12の前部上方に
設けられたキャブと、キャブの下面にトラック10の進
行方向に延びて設けられた一対のフロアメンバ16とを
備えたトラックの車体であって、フロアメンバ16が略
水平なフロント水平部16aとこのフロント水平部16
aの後端に連設され後方に傾斜して立上がる立上がり部
16bとこの立上がり部16bの後端に連設された略水
平なリヤ水平部とを有するトラックの車体構造の改良で
ある。その特徴ある構成は、先端が互いに近接して上下
方向に重なり代Hを有する第1及び第2膨出部材51,
52がフロント水平部16a及びサイドメンバ12にそ
れぞれ設けられたところにある。この請求項4に記載さ
れたトラックの車体構造では、衝撃荷重が作用してキャ
ブ13を押縮めるようとする力が加わると。第1及び第
2膨出部材51,52のそれぞれの先端が互いに当接し
てフロント水平部16aの後端が下方に沈み込みを防止
するとともに、上方へ支え上げる。この結果、フロント
水平部16aと立上がり部16bがV字状に折曲がるこ
とを確実に防止することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に本発明の第1の実施の形態を
図面に基づいて説明する。図2及び図3に示すように、
キャブオーバ型トラック10のシャシフレーム11はト
ラック10の進行方向に延びて設けられた一対のサイド
メンバ12,12を備え、これらのサイドメンバ12の
前部上方にはキャブ13が設けられる。キャブ13のフ
ロアパネル14の下面にはトラック10の進行方向に延
びかつ一対のサイドメンバ12,12に対向してチャン
ネル状又は角筒状の一対のフロアメンバ16,16がそ
れぞれ設けられる。図3に示すように、サイドメンバ1
2の前端近傍の上面にはロアブラケット17がフロアメ
ンバ16に対向して取付けられ、フロアメンバ16の前
端近傍の下面にはアッパブラケット19が取付けられ
る。またアッパブラケット19及びロアブラケット17
は連結ピン23により連結され、この連結ピン23によ
りキャブ13の前端が回動可能に保持される。
【0010】一対のサイドメンバ12のうちキャブ13
の後端に対向する部位にはキャブ13後部を懸架するリ
ヤサスペンション部27が備えられる。リヤサスペンシ
ョン部27はシャシフレーム11の一対のサイドメンバ
12間に架設されたリヤアーチ27aと、このリヤアー
チ27aの上方に位置するように一対のフロアメンバ1
6の後端に架設されたフローティングアーチ27bと、
両アーチ27a,27b間に介装された空気ばね27c
とを有する。キャブ13は連結ピン23を中心にチルト
して、リヤサスペンション部27はチルトしたキャブ1
3が降下する際の衝撃を和らげるとともに、その降下し
たキャブ13後部を固定し得るように構成される。
【0011】図2及び図3に示すように、一対のフロア
メンバ16,16は一対のフランジを有する断面逆ハッ
ト状の形鋼等をフロアパネル14の下面に沿って略クラ
ンク状に折曲げることにより形成され、フロアパネル1
4の下面に沿ってフロント水平部16a,16aと、こ
のフロント水平部16a,16aの後端にそれぞれ連設
され後方に傾斜して立上がる立上がり部16b,16b
と、この立上がり部16b,16bの後端にそれぞれ連
設された略水平なリヤ水平部16c,16cとを有す
る。またフロアメンバ16,16の一対のフランジをフ
ロアパネル14の下面に溶着することにより、フロント
水平部16a,16a、立上がり部16b,16b及び
リヤ水平部16c,16cにてそれぞれ閉断面が構成さ
れる。なお、この実施形態では車両としてトラックを挙
げたが、フロアパネルの下面に沿って設けられクランク
状に折曲った一対のフロアメンバ16,16を有する車
両であれば、ワンボックス型車両又はその他の車両でも
よい。
【0012】本発明の特徴ある構成は、サイドメンバ1
2,12又はフロント水平部16a,16a若しくはフ
ロント水平部16a,16aと立上がり部16b,16
bに先端31bが近接する膨出部材31がフロント水平
部16a,16a又はサイドメンバ12,12に設けら
れたところにある。図2に示すように、この実施の形態
における膨出部材31は、先端31bがサイドメンバ1
2,12に近接するものであって、サイドメンバ12,
12の間に設けられる図示しないエンジンとの当接を回
避するため、断面逆ハット状の形鋼等を略ハット状に折
曲げることにより作られる。このようにして作られた膨
出部材31はフロント水平部16a,16aに架設され
る。図1に示すように、膨出部材31は、両側部におけ
るフランジ部31a,31aがボルト32,32により
フロント水平部16aに取付けられる。
【0013】このように構成されたトラックの車体構造
の動作を説明する。このトラック10が図示しない他の
トラックの荷台の後端に追突等して、トラック10のキ
ャブ13前面に衝撃荷重が作用すると、キャブ13がサ
イドメンバ12に対して相対的に後方に移動するととも
に、キャブ13自体にそのキャブ13を前後方向に押縮
めるようとする力が加わる。その力によりフロアメンバ
16には長手方向に圧縮力が加わり、この圧縮力により
フロアメンバ16の折曲げられた部分、即ちフロント水
平部と立上がり部の接続部分及び立上がり部とリヤ水平
部との接続部分に応力が集中する。しかし、フロアメン
バ16に架設された膨出部材31の先端31bがサイド
メンバ12に当接するため、フロント水平部16aの後
端が下方に沈み込んでフロント水平部16aと立上がり
部がV字状に折曲がることを防止する。この結果、フロ
ント水平部16aの上に設けられる図示しないシート周
辺の空間が縮小することを防止する。
【0014】なお、上述した第1の実施の形態では膨出
部材31をフロアメンバ16のフロント水平部16a,
16aに架設したが、図4に示すように、フランジ部3
1a,31aをボルト32,32を使用してサイドメン
バ12にボルト止めすることにより、膨出部材31をサ
イドメンバ12に設けても良い。膨出部材31をサイド
メンバ12に設けた場合、サイドメンバ12に設けられ
た膨出部材31の先端31bがフロアメンバ16のフロ
ント水平部16aに下方から当接して、フロント水平部
16aの後端が下方に沈み込むことによるフロント水平
部16aと立上がり部のV字状の折曲がりを防止する。
【0015】また、上述した第1の実施の形態では断面
逆ハット状の形鋼等を略ハット状に折曲げることにより
作られた膨出部材31をフロント水平部16a,16a
に架設したが、架設することなく膨出部材をフロント水
平部又はサイドメンバにそれぞれ別々に設けても良い。
但し、一般的なフロアメンバ16は前部の間隔を狭くし
て後部の間隔を広くさせるように連結する傾斜部16d
(図2)を有することから、フロアメンバとサイドメン
バが上下方向に重なる部分に設ける必要があり、膨出部
材の設定場所は制約されるが、図5に示すように、フロ
アメンバ16に中広部16eを一体的に或は別体で設け
れば設定場所の自由度が増し、立上がり部16b近傍の
フロント水平部16aにて当接させることにより、より
効果的にフロント水平部16aの後端が下方に沈み込む
ことによるフロント水平部16aと立上がり部16bの
V字状の折曲がりを防止することができる。
【0016】更に、上述した第1の実施の形態では、先
端がサイドメンバ12,12に当接する膨出部材31を
説明したが、膨出部材31をサイドメンバ12に設ける
場合には、図6に示すように、膨出部材31は先端31
bがフロント水平部16aと立上がり部16bの双方に
近接するように形成しても良い。先端31bがフロント
水平部16aと立上がり部16bの双方に近接するよう
に膨出部材31を形成すれば、フロント水平部16aと
立上がり部のV字状の折曲がりを防止するとともに、膨
出部材31の立上がり部16bに当接する部分がキャブ
13のサイドメンバ12に対して後方に移動しようとす
る力に対向して、その後方移動量を抑制することができ
る。
【0017】図7〜図11は本発明の第2の実施の形態
を示す。図において前述した実施の形態と同一符号は同
一部品を示す。図11に示すように、この実施の形態に
おける膨出部材31は、先端31bがフロアメンバ1
6,16に近接するものであって、サイドメンバ12,
12の間に設けられる図示しないエンジンとの当接を回
避するため、断面逆ハット状の形鋼等を略ハット状に折
曲げることにより作られる。このようにして作られた膨
出部材31はサイドメンバ12,12に架設される。図
7に示すように、膨出部材31のサイドメンバ12への
取付けは、フランジ部31a,31aをボルト32,3
2を使用してサイドメンバ12にボルト止めすることに
より、膨出部材31はサイドメンバ12に架設される。
膨出部材31の先端31bに近接するフロント水平部1
6aにはトラック10の進行方向に延びる第1長孔33
が形成される。膨出部材31の先端にはこの第1長孔3
3への挿入部34bを有する係合部材34が設けられ
る。この実施の形態における係合部材34は膨出部材3
1の先端部分を板金加工で切り起すことにより作られ、
第1長孔33に挿入可能な高さを有する。
【0018】このように構成されたトラックの車体構造
では、サイドメンバ12に設けられた膨出部材31の先
端31bがフロント水平部16aに下方から当接して、
フロント水平部16aと立上がり部のV字状の折曲がり
を防止する。これとともに、トラック10のキャブ13
前面に衝撃荷重が作用した場合におけるキャブ13のサ
イドメンバ12に対する後方移動により、図9に示すよ
うに、第1長孔33の前端に挿入部34bが当接し、フ
ロアメンバ16に加わる荷重を挿入部34bを介してサ
イドメンバ12に分担させ衝撃エネルギを吸収させるこ
とができる。また、係合部材34には前方に向って突出
する突出部34aを形成すると、第1長孔33に挿入し
た状態でフロアメンバ16が後方に移動すると、図9に
示すように、第1長孔33の前端が突出部34aと膨出
部材31の先端31bの間に侵入して、係合部材34は
第1長孔33の前端に係合し、フロアメンバ16の上方
への変形を防止できる。
【0019】一方、サイドメンバ12にはトラック10
の進行方向に延びる第2長孔36が形成される。第2長
孔36はボルト32,32を挿入させるために形成さ
れ、膨出部材31はこの第2長孔の前端にボルト32,
32を挿入してナット37で螺合することによりサイド
メンバ12に架設される。図7及び図8に示すように、
この実施の形態における第2長孔36はボルト32,3
2が挿入する前端がボルト径より僅かに大きい径で形成
されている。
【0020】この場合、挿入部34bが第1長孔33の
前端に当接した状態で更にキャブ13を後方に移動させ
ようとする力が存在する場合には、膨出部材31自体が
そのフロアメンバ16とともに後方に移動する。膨出部
材31の移動はボルト32,32が第2長孔36の内部
で移動することにより行われるため、キャブ13の後方
移動を安定させることができる。図10に示すように、
第2長孔36の前端以外の部分の幅をボルト径より小さ
くすれば、ボルト32,32は第2長孔36を押広げな
がら後方に移動する。即ち、ボルト32,32による第
2長孔36を押広げる力は第2長孔36前端から後端に
わたって行われキャブの後方移動に対する一定の抗力を
作用させる。この結果、キャブ13前面に衝撃荷重が作
用することにより発生した衝撃エネルギを、ボルト3
2,32による押広げる第2長孔36の抗力により効率
良く吸収できる。また衝撃エネルギがボルト32,32
による押広げる第2長孔36の抗力により全て吸収でき
れば、フロアメンバ16の折り曲り量を更に軽減させる
こともできる。
【0021】なお、上述した第2の実施の形態では、フ
ロント水平部14aにのみ第1長孔33を形成したが、
図6に示すように、膨出部材31の先端がフロント水平
部16aと立上がり部16bの双方に近接するものであ
れば、その立上がり部16bに第1長孔33を形成して
も良く、図示しないがフロント水平部16a及び立上が
り部16bの双方に第1長孔を形成してもよい。また、
膨出部材31はサイドメンバ間に架設するものではな
く、サイドメンバに別々に設けても良い。
【0022】図12〜図14は本発明の第3の実施の形
態を示す。図において前述した実施の形態と同一符号は
同一部品を示す。この第3の実施の形態では図12及び
図13に示すように、膨出部材31はサイドメンバ12
に設けられ、膨出部材31の先端31bには係合部材が
設けられる。この実施の形態における係合部材は、先端
に大径部41aを有する係合ピン41である。膨出部材
31の先端31bに近接するフロント水平部14aには
第1長孔33が形成され、第1長孔33の後端にはこの
大径部41aが挿入可能な大径孔33aが形成される。
大径部41aが大径孔33aを貫通して係合ピン41が
第1長孔33に挿入した状態では、フロアメンバ16が
後方に移動すると第1長孔33の前端が大径部41aと
膨出部材31の先端31bとの間に侵入して、係合ピン
41は第1長孔33の前端に係合するように構成され
る。
【0023】このように構成されたトラックの車体構造
では、係合ピン41が第1長孔33の前端に係合した状
態でキャブ13を後方に移動させようとする力が加わる
と、フロアメンバ16が後方に移動する。この場合、第
1長孔33の後端以外の部分の幅は係合ピン41のピン
径程度であれば、フロアメンバ16の変形により係合ピ
ン41が第1長孔33を移動する場合に、第1長孔33
に対して係合ピン41の大径部41aが係合しフロアメ
ンバ16の上方への変形を規制し続けることができる。
また、第1長孔33の後端以外の部分の幅を係合ピン4
1のピン径より小さくした場合には、係合ピン41は第
1長孔33の内部でこの第1長孔33を押広げながら移
動する。図14に示すように、係合ピン41が第1長孔
33を押広げながら移動する力は、第1長孔33後端か
ら前端にわたって行われ、キャブの後方移動に対する一
定の抗力を作用させる。この結果、キャブ13前面に衝
撃荷重が作用することにより発生した衝撃エネルギを、
係合ピン41が押広げる第1長孔33の抗力により効率
良く吸収して、フロアメンバ16の折り曲り量を更に軽
減させることができる。
【0024】図15は本発明の第4の実施の形態を示
す。図において前述した実施の形態と同一符号は同一部
品を示す。この第4の実施の形態では図14に示すよう
に、先端が互いに近接し上下方向に重なり代Hを有する
第1及び第2膨出部材51,52がフロント水平部16
a及びサイドメンバ12にそれぞれ設けられる。第1及
び第2膨出部材51,52はそれぞれ断面逆ハット状で
あって、第1及び第2膨出部材51,52のそれぞれの
先端には傾斜面51a,52aが形成され、この傾斜面
51a,52aが斜め前方下方に互いに対向するように
第1及び第2膨出部材51,52はボルト32によりフ
ロント水平部16a及びサイドメンバ12にそれぞれ別
々に取付けられる。
【0025】このように構成されたトラックの車体構造
では、このトラック10が図示しない他のトラックの荷
台の後端に追突等して、トラック10のキャブ13前面
に衝撃荷重が作用すると、キャブ13がサイドメンバ1
2に対して相対的に後方に移動する。この移動により第
1及び第2膨出部材51,52のそれぞれの傾斜面51
a,52aは互いに当接し、更にキャブ13が後方に移
動することによりフロント水平部16aの後端はその傾
斜面51a,52aに案内されて上下方向の重なり代H
の分上方に持上げられる。これとともに、キャブ13自
体にはそのキャブ13を前後方向に押縮めるようとする
力が加わる。しかし、第1及び第2膨出部材51,52
のそれぞれの先端は互いに当接するとともにフロント水
平部16aの後端を上方に持上げているため、フロント
水平部16aの後端が下方に沈み込んでフロント水平部
16aと立上がり部16bがV字状に折曲がることを確
実に防止することができる。
【0026】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、先
端がサイドメンバ又はフロント水平部若しくはフロント
水平部と立上がり部に近接する膨出部材をフロント水平
部又はサイドメンバに設け、又は先端が互いに近接する
第1及び第2膨出部材をフロント水平部及びサイドメン
バにそれぞれ設けたので、衝撃荷重が作用してキャブを
押縮めるようとする力が加わっても、膨出部材の先端が
サイドメンバ又はフロント水平部若しくはフロント水平
部と立上がり部に当接して、又は第1及び第2膨出部材
のそれぞれの先端が互いに当接してフロント水平部の後
端が下方に沈み込みを防止する。この結果、フロント水
平部と立上がり部がV字状に折曲がることを確実に防止
してフロント水平部の上に設けられる図示しないシート
周辺の空間が縮小することを防止することができる。
【0027】また、膨出部材を一対のサイドメンバに設
け、フロント水平部又は立上がり部のいずれか一方又は
双方にトラックの進行方向に延びる第1長孔を形成し、
膨出部材の先端に第1長孔に挿入できる挿入部を有する
係合部材を設ければ、第1長孔の前端に挿入部が当接す
ることによりフロアメンバの荷重を挿入部を介してサイ
ドメンバに伝えることにより衝撃エネルギを吸収するこ
とができる。更に、サイドメンバにトラックの進行方向
に延びる第2長孔を形成し、第2長孔の前端にボルトを
挿入してナットで螺合することにより膨出部材をサイド
メンバに設ければ、第1長孔の前端に係合部材が当接し
た状態でキャブを後方に移動させようとする力が加て
も、膨出部材自体がそのフロアメンバとともに第2長孔
に沿って後方に移動し、フロント水平部を略水平に維持
したまま後方に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施形態を示す図3のA部拡大側面
図。
【図2】そのフロアパネル、フロアメンバ及びサイドメ
ンバの関係を示す分解斜視図。
【図3】そのトラックのキャブの縦断面図。
【図4】別の第1の実施の形態を示す図1に対応する側
面図。
【図5】フロアメンバに中広部が設けられた図2に対応
する分解斜視図。
【図6】更に別の第1の実施の形態を示す図1に対応す
る側面図。
【図7】本発明の第2実施形態を示す図1に対応する側
面図。
【図8】図7のB−B線断面図
【図9】第1長孔の前端に係合部材が係合した状態を示
す図7に対応する側面図。
【図10】第2長孔を押し広げながらボルトが移動した
状態を示す図8に対応する側面図。
【図11】その第2実施形態を示す図2に対応する分解
斜視図。
【図12】本発明の第3実施形態を示す図1に対応する
側面図。
【図13】図12のC−C線断面図
【図14】第1長孔を押し広げながら係合ピンが移動し
た状態を示す図13に対応する断面図。
【図15】本発明の第4実施形態を示す図1に対応する
断面図。
【符号の説明】
10 トラック 12 サイドメンバ 13 キャブ 16 フロアメンバ 16a フロント水平部 16b 立上がり部 16c リヤ水平部 31 膨出部材 32 ボルト 33 第1長孔 33a 大径孔 34 係合部材 36 第2長孔 37 ナット 41 係合ピン 41a 大径部 51 第1膨出部材 52 第2膨出部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トラック(10)の進行方向に延びて設けら
    れた一対のサイドメンバ(12)と、一対のサイドメンバ(1
    2)の前部上方に設けられたキャブ(13)と、前記キャブ(1
    3)の下面に前記トラック(10)の進行方向に延びて設けら
    れた一対のフロアメンバ(16)とを備えたトラックの車体
    であって、 前記フロアメンバ(16)が略水平なフロント水平部(16a)
    とこのフロント水平部(16a)の後端に連設され後方に傾
    斜して立上がる立上がり部(16b)とこの立上がり部(16b)
    の後端に連設された略水平なリヤ水平部(16c)とを有す
    るトラックの車体構造において、 先端(31b)が前記サイドメンバ(12)又は前記フロント水
    平部(16a)若しくは前記フロント水平部(16a)と前記立上
    がり部(16b)の双方に近接する膨出部材(31)が前記フロ
    ント水平部(16a)又は前記サイドメンバ(12)に設けられ
    たことを特徴とするトラックの車体構造。
  2. 【請求項2】 膨出部材(31)が一対のサイドメンバ(12)
    に設けられ、フロント水平部(16a)又は立上がり部(16b)
    のいずれか一方又は双方にトラック(10)の進行方向に延
    びる第1長孔(33)が形成され、前記膨出部材(31)の先端
    (31b)に前記第1長孔(33)への挿入部(34b,41a)を有する
    係合部材(34,41)が設けられた請求項1記載のトラック
    の車体構造。
  3. 【請求項3】 サイドメンバ(12)にトラック(10)の進行
    方向に延びる第2長孔(36)が形成され、膨出部材(31)が
    前記第2長孔(36)の前端にボルト(32)を挿入してナット
    (37)で螺合することにより前記サイドメンバ(12)に設け
    られた請求項2記載のトラックの車体構造。
  4. 【請求項4】 トラック(10)の進行方向に延びて設けら
    れた一対のサイドメンバ(12)と、一対のサイドメンバ(1
    2)の前部上方に設けられたキャブ(13)と、前記キャブ(1
    3)の下面に前記トラック(10)の進行方向に延びて設けら
    れた一対のフロアメンバ(16)とを備えたトラックの車体
    であって、 前記フロアメンバ(16)が略水平なフロント水平部(16a)
    とこのフロント水平部(16a)の後端に連設され後方に傾
    斜して立上がる立上がり部(16b)とこの立上がり部(16b)
    の後端に連設された略水平なリヤ水平部(16c)とを有す
    るトラックの車体構造において、 先端が互いに近接して上下方向に重なり代(H)を有する
    第1及び第2膨出部材(51,52)が前記フロント水平部(16
    a)及び前記サイドメンバ(12)にそれぞれ設けられたこと
    を特徴とするトラックの車体構造。
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