JP2000164038A - 電気絶縁用ポリスチレン系樹脂フィルム - Google Patents

電気絶縁用ポリスチレン系樹脂フィルム

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JP2000164038A
JP2000164038A JP33734998A JP33734998A JP2000164038A JP 2000164038 A JP2000164038 A JP 2000164038A JP 33734998 A JP33734998 A JP 33734998A JP 33734998 A JP33734998 A JP 33734998A JP 2000164038 A JP2000164038 A JP 2000164038A
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weight
resin film
styrene
polystyrene
electrical insulation
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JP33734998A
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English (en)
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Chikafumi Kayano
慎史 茅野
Michiaki Yamazaki
亨明 山崎
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い電気絶縁性を有し、しかも耐熱性,耐フ
ロン性に優れるため冷媒により劣化を生じない電気絶縁
用ポリスチレン系樹脂フィルムを提供する。 【解決手段】 以下の(1)〜(4)を満たす電気絶縁
用ポリスチレン系樹脂フィルム及び該フィルムを用いた
ハーメチックモーター用絶縁フィルム。樹脂材料は、
(a)シンジオタクチックポリスチレンと、(b)ゴム
状弾性体及び/又はシンジオタクチックポリスチレン以
外の熱可塑性樹脂、(c)(a)と相溶性又は親和性を
有しかつ極性基を有する重合体、及び(d)無機充填材
からなる。 (1)引張弾性率が、2000MPa以上、5000M
Pa未満であること。 (2)ヒンジ特性が、50回以上であること。 (3)フィルム厚みが、75〜500μmであること。 (4)ヘイズが、15%以上であること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気絶縁用ポリスチ
レン系樹脂フィルムに関し、詳しくは、主としてシンジ
オタクチック構造を有するスチレン系重合体(以下、
「シンジオタクチックポリスチレン」又は「SPS」と
略することもある。)をその主たる材料として用いた電
気絶縁用ポリスチレン系樹脂フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】エアコンは室内機と室外機の間をフロン
等の冷媒を循環させることにより、室内の熱を室外に放
出したり、また逆に室外の熱を室内に取り込んで冷房や
暖房を行なっている。このようなシステムにおいては、
室外機としてはコンプレッサー(圧縮機)が用いられ、
かかるコンプレッサーによる冷媒の圧縮により上記エア
コンが機能する仕組みになっている。
【0003】このように、上記コンプレッサーは、冷媒
を直接圧縮するものであるから、その内部は冷媒が常に
充満している状態にあり、よって該コンプレッサーを作
動させるモーター(このように内蔵されてコンプレッサ
ーを作動させるモーターを「ハーメチックモーター」と
いう)も常に冷媒に触れている状況下で駆動している。
しかも、該冷媒はかなりの高温状態にあったり、逆に低
温状態にある訳で、該モーターはかかる過酷な環境下で
駆動し続けているのである。
【0004】ところで、該ハーメチックモーターは概
略、図1に示されるような構造をしている。即ち、ステ
ータ及びロータと呼ばれる部分を主部分として構成さ
れ、ステータの内周部には多数の溝が軸方向に形成され
ており、該溝には溝絶縁フィルムが装着されている。さ
らに溝絶縁フィルム内にはコイルが存在し、溝絶縁フィ
ルムの開口部には絶縁フィルムが設けられている。かか
る溝絶縁フィルム及び絶縁フィルムの存在により、コイ
ルとステータの鉄心が絶縁された状態に維持されること
が可能となる。
【0005】従来、これらの溝絶縁フィルム及び絶縁フ
ィルムは、その材料としてポリエチレンテレフタレート
(PET)樹脂が用いられてきた。特に、近年エアコン
の主流となっているインバーターにおいては、モーター
駆動時、微弱の電流の漏れの発生が避けられないという
問題があり、かかる状況に対しては、絶縁性良好なPE
T樹脂は極めて有効なものであった。
【0006】しかるに、上述のように、該溝絶縁フィル
ム及び絶縁フィルムは、常時、高温や低温の冷媒にさら
されている状態にあり、そのため、冷媒中の不純物、特
に水の存在により樹脂ポリマーが加水分解されやすく、
その結果、発生したオリゴマーがモーター摺動部分に付
着して、モーターの駆動に支障を来たし、ついには摺動
部分の焼き付きを起こすという問題や、さらには該オリ
ゴマーが冷媒中に溶け出して冷媒を劣化させ、熱効率の
低下を招来させるという問題が指摘されてきた。
【0007】また、シンジオタクチックポリスチレンフ
ィルムを電気絶縁用に用いることも特開平01−316
246号公報に提案されてはいるが、この場合、取り上
げられているのは延伸フィルムであるため、透明度の高
いものであり、該ハーメチックモーターに用いた場合、
その透明度の高さの故にフィルムが挿入されているのか
否か確認しにくいという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような観
点からなされたものであって、シンジオタクチックポリ
スチレン等をその材料として用いることにより、高い電
気絶縁性を有し、しかも耐熱性,耐フロン性に優れるた
め冷媒により劣化を生じない電気絶縁用ポリスチレン系
樹脂フィルムを提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる見
地から鋭意研究を重ねた結果、長期電気絶縁性、耐熱
性、剛性、及びヒンジ特性に優れた特定のシンジオタク
チックポリスチレン系樹脂を用いることにより、上記課
題を解決することが可能という知見を得た。本発明は、
かかる知見に基づいてなされたものである。
【0010】即ち、本発明は、以下の電気絶縁用ポリス
チレン系樹脂フィルムを提供するものである。 (1)以下の〜を満たす電気絶縁用ポリスチレン系
樹脂フィルム。 引張弾性率が、2000MPa以上、5000MPa
未満であること。 ヒンジ特性が、50回以上であること。
【0011】フィルム厚みが、75〜500μmであ
ること。 ヘイズが、15%以上であること。 (2)前記ポリスチレン系樹脂フィルム材料が、主とし
てシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体又
は主としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系
重合体を含む樹脂組成物である上記(1)に記載の電気
絶縁用ポリスチレン系樹脂フィルム。 (3)前記ポリスチレン系樹脂フィルム材料が、(a)
主としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系重
合体60〜90重量%と、(b)ゴム状弾性体及び/又
は主としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系
重合体以外の熱可塑性樹脂40〜10重量%、及び上記
(a)成分と(b)成分の合計量100重量部に対し、
0〜40重量部(0を含む)の無機充填材(d)からな
るものである上記(1)又は(2)に記載の電気絶縁用
ポリスチレン系樹脂フィルム。 (4)前記ポリスチレン系樹脂フィルム材料が、(a)
主としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系重
合体60〜90重量%と、(b)ゴム状弾性体及び/又
は主としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系
重合体以外の熱可塑性樹脂40〜10重量%、及び
(a)成分と(b)成分の合計100重量部に対して、
(c)(a)成分との相溶性又は親和性を有し、かつ極
性基を有する重合体0.1〜10重量部、さらに上記
(a)成分〜(c)成分の合計量100重量部に対し、
0〜40重量部(0を含む)の無機充填材(d)からな
るものである上記(1)又は(2)に記載の電気絶縁用
ポリスチレン系樹脂フィルム。 (5)キャスト成形法によって得られた上記(1)〜
(4)のいずれかに記載の電気絶縁用ポリスチレン系樹
脂フィルム。 (6)ハーメチックモーター用絶縁フィルムとして用い
られる上記(1)〜(5)のいずれかに記載の電気絶縁
用ポリスチレン系樹脂フィルム。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて説明する。 I.本発明にかかる電気絶縁用ポリスチレン系樹脂フィ
ルムの性状本発明にかかる電気絶縁用ポリスチレン系樹
脂フィルムにおいては、次の性状を満たしていることが
必要である。 (1)引張弾性率が、2000MPa以上、5000M
Pa未満であること。
【0013】ここで、引張弾性率は、ASTM D88
2に準拠して測定した値であり、2000MPa未満で
あると、特にハーメチックモーター用絶縁フィルムとし
て用いる場合のように、コイルとステータの鉄心との狭
い隙間に挿入される用途においては、剛性が低すぎて絶
縁状態を維持できるように挿入できなくなるおそれがあ
る。逆に5000MPaを超えると、フィルムを折り曲
げたとき割れを生じやすくなる。引張弾性率は、好まし
くは2300MPa以上、4500MPa未満である。 (2)ヒンジ特性が、50回以上であること。
【0014】ここで、ヒンジ特性とは、JIS P81
15に準拠して測定した値であり、50回未満である
と、特にハーメチックモーター用絶縁フィルムとして用
いる場合のように、コイルとステータの鉄心との狭い隙
間に挿入される用途においては、折り畳んで挿入するた
め、その際折り目に破れを生じ、絶縁状態を得ることが
できなくなるおそれがある。ヒンジ特性は、好ましくは
100回以上、さらに好ましくは150回以上である。 (3)フィルム厚みが、75〜500μmであること。
【0015】好ましくは、100〜300μmである。
75μm未満であると、フィルムの剛性が不十分である
ため挿入した後の固定が不十分となるおそれがある。5
00μmを超えると、折り曲げたときに塑性変形し、折
り目に破れが生じるおそれがある。 (4)ヘイズが、15%以上であること。
【0016】ヘイズは、JIS K7105に準拠して
測定したものであり、好ましくは、20%以上である。
15%未満であると、透明度が高すぎて、フィルムが挿
入されているのか否か確認しにくくなるおそれがある。 II.本発明にかかる電気絶縁用ポリスチレン系樹脂フィ
ルムに用いられる好適な材料 本発明にかかる電気絶縁用ポリスチレン系樹脂フィルム
は、その好適な材料として、以下に記す主としてシンジ
オタクチック構造を有するスチレン系重合体又は該スチ
レン系重合体を含む樹脂組成物が用いられる。 1.主としてシンジオタクチック構造を有するスチレン
系重合体 主としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系重
合体におけるシンジオタクチック構造とは、立体化学構
造がシンジオタクチック構造、即ち炭素−炭素結合から
形成される主鎖に対して側鎖であるフェニル基が交互に
反対方向に位置する立体構造を有するものであり、その
タクティシティーは同位体炭素による核磁気共鳴法(13C
-NMR) により定量される。13C−NMR法により測定
されるタクティシティーは、連続する複数個の構成単位
の存在割合、例えば2個の場合はダイアッド、3個の場
合はトリアッド、5個の場合はペンタッドによって示す
ことができるが、本発明にいう主としてシンジオタクチ
ック構造を有するスチレン系重合体とは、通常はラセミ
ダイアッドで75%以上、好ましくは85%以上、若し
くはラセミペンタッドで30%以上、好ましくは50%
以上のシンジオタクティシティーを有するポリスチレ
ン、ポリ(アルキルスチレン)、ポリ(アリールスチレ
ン)、ポリ( ハロゲン化スチレン) 、ポリ( ハロゲン化
アルキルスチレン) 、ポリ(アルコキシスチレン)、ポ
リ(ビニル安息香酸エステル)、これらの水素化重合体
およびこれらの混合物、あるいはこれらを主成分とする
共重合体を指称する。なお、ここでポリ(アルキルスチ
レン)としては、ポリ(メチルスチレン)、ポリ(エチ
ルスチレン)、ポリ(イソプロピルスチレン)、ポリ
(ターシャリーブチルスチレン)等であり、ポリ(アリ
ールスチレン)としては、ポリ(フェニルスチレン)、
ポリ(ビニルナフタレン)、ポリ(ビニルスチレン)な
どがあり、ポリ(ハロゲン化スチレン)としては、ポリ
(クロロスチレン)、ポリ(ブロモスチレン)、ポリ
(フルオロスチレン)などがある。また、ポリ(ハロゲ
ン化アルキルスチレン)としては、ポリ(クロロメチル
スチレン)など、またポリ(アルコキシスチレン)とし
ては、ポリ(メトキシスチレン)、ポリ(エトキシスチ
レン)などがある。
【0017】なお、これらのうち好ましいスチレン系重
合体としては、ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレ
ン)、ポリ(m−メチルスチレン)、ポリ(p−ターシ
ャリープチルスチレン)、ポリ(p−クロロスチレ
ン)、ポリ(m−クロロスチレン)、ポリ(p−フルオ
ロスチレン)、水素化ポリスチレン及びこれらの構造単
位を含む共重合体が挙げられる。
【0018】このような主としてシンジオタクチック構
造を有するスチレン系重合体は、例えば不活性炭化水素
溶媒中または溶媒の不存在下に、チタン化合物及び水と
トリアルキルアルミニウムの縮合生成物を触媒として、
スチレン系単量体( 上記スチレン系重合体に対応する単
量体) を重合することにより製造することができる(特
開昭62―187708号公報) 。また、ポリ(ハロゲ
ン化アルキルスチレン)については特開平1−4691
2号公報、これらの水素化重合体は特開平1−1785
05号公報記載の方法などにより得ることができる。
【0019】尚、これらのシンジオタクチック構造を有
するスチレン系重合体の中でも、本発明においては、耐
熱性及び機械的強度の点から、特にタクティシティがラ
セミペンタッドで70%以上、重量平均分子量が5〜8
0万のものが好ましい。 2.シンジオタクチックポリスチレンを含む樹脂組成物 本発明にかかる電気絶縁用ポリスチレン系樹脂フィルム
としては、上記シンジオタクチックポリスチレンだけで
はなく、シンジオタクチックポリスチレンを含む樹脂組
成物も好適に用いることができる。この樹脂組成物にお
いては、樹脂成分として(a)シンジオタクチックポリ
スチレンが含まれていることが必要であるが、靱性及び
耐折り曲げ特性付与の点から、(b)ゴム状弾性体及び
/又は主としてシンジオタクチック構造を有するスチレ
ン系重合体以外の熱可塑性樹脂を含んでいることが望ま
しい。また(d)無機充填材を含んでいてもよい。さら
には、上記(a),(b)及び(c)の各成分間の親和
性を向上させ効果的に相溶化させる目的より、(c)シ
ンジオタクチックポリスチレンとの相溶性又は親和性を
有し、かつ極性基を有する重合体(いわゆる相溶化剤)
を配合してもよい。
【0020】また、本発明の目的を阻害しない範囲で各
種の添加剤、例えば、アンチブロッキング剤、酸化防止
剤、核剤、帯電防止剤、プロセスオイル、可塑剤、離型
剤、相溶化剤,難燃剤、難燃助剤、顔料等を配合するこ
とができる。また、上記各成分の混練については、シ
ンジオタクチックポリスチレン製造工程のいずれかの段
階においてブレンドし溶融混練する方法や、組成物を
構成する各成分をブレンドし溶融混練する方法など様々
な方法で行なえばよい。 (1)ゴム状弾性体 ゴム状弾性体の具体例としては、例えば、天然ゴム、ポ
リブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ネ
オプレン、ポリスルフィドゴム、チオコールゴム、アク
リルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、エピクロロ
ヒドリンゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体
(SBR)、水素添加スチレン−ブタジエンブロック共
重合体(SEB)、スチレン−ブタジエン−スチレンブ
ロック共重合体(SBS)、水素添加スチレン−ブタジ
エン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレ
ン−イソプレンブロック共重合体(SIR)、水素添加
スチレン−イソプレンブロック共重合体(SEP)、ス
チレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SI
S)、水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロッ
ク共重合体(SEPS)、またはエチレンプロピレンゴ
ム(EPM)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPD
M)、直鎖状低密度ポリエチレン系エラストマー等のオ
レフィン系ゴム、あるいはブタジエン−アクリロニトリ
ル−スチレン−コアシェルゴム(ABS)、メチルメタ
クリレート−ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム
(MBS)、メチルメタクリレート−ブチルアクリレー
ト−スチレン−コアシェルゴム(MAS)、オクチルア
クリレート−ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム
(MABS)、アルキルアクリレート−ブタジエン−ア
クリロニトリル−スチレン−コアシェルゴム(AAB
S)、ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム(SB
R)、メチルメタクリレート−ブチルアクリレート−シ
ロキサンをはじめとするシロキサン含有コアシェルゴム
等のコアシェルタイプの粒子状弾性体、またはこれらを
変性したゴム、例えば、無水マレイン酸変性水素添加ス
チレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(MA
−SEBS)等が挙げられる。
【0021】これらのゴム状弾性体の中でも、本発明に
おいては、耐熱性及び誘電特性の点から水素添加スチレ
ン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEB
S)が好ましい。 (2)シンジオタクチックポリスチレン以外の熱可塑性
樹脂 シンジオタクチックポリスチレン以外の熱可塑性樹脂と
しては、直鎖状高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリ
エチレン、高圧法低密度ポリエチレン、アイソタクチッ
クポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレ
ン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレ
ン、ポリブテン、1,2−ポリブタジエン、4−メチル
ペンテン、環状ポリオレフィン及びこれらの共重合体に
代表されるポリオレフィン系樹脂、アタクチックポリス
チレン、アイソタクチックポリスチレン、HIPS、A
BS、AS、スチレンーメタクリル酸共重合体、スチレ
ンーメタクリル酸・アルキルエステル共重合体、スチレ
ンーメタクリル酸・グリシジルエステル共重合体、スチ
レンーアクリル酸共重合体、スチレンーアクリル酸・ア
ルキルエステル共重合体、スチレンーマレイン酸共重合
体、スチレンーフマル酸共重合体に代表されるはじめと
するポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートをは
じめとするポリエステル系樹脂、ポリアミド6、ポリア
ミド6,6をはじめとするポリアミド系樹脂、ポリフェ
ニレンエーテル、ポリアリーレンスルフィド,ポリ−4
−フッ化エチレン(PTFE)等のフッ素化ポリエチレ
ン系樹脂等公知のものから任意に選択して用いることが
できる。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン又はポリフェニレンエーテルが好ましい。
なお、これらの熱可塑性樹脂は一種のみを単独で、また
は、二種以上を組み合わせて用いることができる。 (3)シンジオタクチックポリスチレンとの相溶性又は
親和性を有し、かつ極性基を有する重合体 シンジオタクチックポリスチレンと熱可塑性樹脂及び/
又はゴム状弾性体との間の親和性を向上させ効果的に相
溶化し、また、シンジオタクチックポリスチレンと無機
充填材との親和性を向上させるために配合する。
【0022】ここでシンジオタクチックポリスチレンと
の相溶性又は親和性を有する重合体とは、シンジオタク
チックポリスチレンとの相溶性又は親和性を示す連鎖を
ポリマ−鎖中に含有するものをいう。これらの相溶性又
は親和性を示す重合体としては、例えば、シンジオタク
チックポリスチレン、アタクチックポリスチレン、アイ
ソタクチックポリスチレン、スチレン系共重合体、ポリ
フェニレンエ−テル、ポリビニルメチルエ−テル等を主
鎖、ブロックまたはグラフト鎖として有するもの等が挙
げられる。
【0023】また、ここでいう極性基とは、無機充填剤
との接着性を向上させるものであればよく、具体的に
は、酸無水物基、カルボン酸基、カルボン酸エステル
基、カルボン酸塩化物基、カルボン酸アミド基、カルボ
ン酸塩基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、スル
ホン酸塩化物基、スルホン酸アミド基、スルホン酸塩
基、エポキシ基、アミノ基、イミド基、オキサゾリン基
等が挙げられる。
【0024】この相溶化剤は溶媒、他樹脂の存在下、ま
たは非存在下、上記のシンジオタクチックポリスチレン
と相溶性又は親和性を有する重合体と後述する変性剤を
反応させることにより得ることができる。変性剤として
は、例えば、エチレン性二重結合と極性基を同一分子内
に含む化合物が使用できる。具体的には、無水マレイン
酸、マレイン酸、マレイン酸エステル、マレイミド及び
そのN置換体、マレイン酸塩をはじめとするマレイン酸
誘導体、フマル酸、フマル酸エステル、フマル酸塩をは
じめとするフマル酸誘導体、無水イタコン酸、イタコン
酸、イタコン酸エステル、イタコン酸塩をはじめとする
イタコン酸誘導体、アクリル酸、アクリル酸エステル、
アクリル酸アミド、アクリル酸塩をはじめとするアクリ
ル酸誘導体、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、メ
タクリル酸アミド、メタクリル酸塩、グリシジルメタク
リレ−トをはじめとするメタクリル酸誘導体等が挙げら
れる。その中でも特に好ましくは無水マレイン酸、フマ
ル酸、グリシジルメタクリレ−トが用いられる。
【0025】変性には公知の方法が用いられるが、ロ−
ルミル、バンバリ−ミキサ−、押出機等を用いて150
℃〜350℃の温度で溶融混練し、反応させる方法、ま
た、ベンゼン、トルエン、キシレン等の溶媒中で加熱反
応させる方法などを挙げることができる。さらにこれら
の反応を容易に進めるため、反応系にベンゾイルパ−オ
キサイド、ジ−t−ブチルパ−オキサイド、ジクミルパ
−オキサイド、t−ブチルパ−オキシベンゾエ−ト、ア
ゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリ
ル、2,3−ジフェニル−2,3−ジメチルブタン等の
ラジカル発生剤を存在させることは有効である。このう
ち特に2,3−ジフェニル−2,3−ジメチルブタンが
好ましく用いられる。
【0026】また、好ましい変性方法としては、ラジカ
ル発生剤の存在下に溶融混練する方法である。また、変
性の際、他樹脂を添加してもよい。相溶化剤の具体例と
しては、スチレン−無水マレイン酸共重合体(SM
A)、スチレン−グリシジルメタクリレ−ト共重合体、
末端カルボン酸変性ポリスチレン、末端エポキシ変性ポ
リスチレン、末端オキサゾリン変性ポリスチレン、末端
アミン変性ポリスチレン、スルホン化ポリスチレン、ス
チレン系アイオノマ−、スチレン−メチルメタクリレ−
ト−グラフトポリマ−、(スチレン−グリシジルメタク
リレ−ト)−メチルメタクリレ−ト−グラフト共重合
体、酸変性アクリル−スチレン−グラフトポリマ−、
(スチレン−グリシジルメタクリレ−ト)−スチレン−
グラフトポリマ−、ポリブチレンテレフタレ−ト−ポリ
スチレン−グラフトポリマ−、無水マレイン酸変性P
S、フマル酸変性PS、グリシジルメタクリレ−ト変性
PS、アミン変性PS等の変性スチレン系ポリマ−、
(スチレン−無水マレイン酸)−ポリフェニレンエ−テ
ル−グラフトポリマ−、無水マレイン酸変性ポリフェニ
レンエ−テル、グリシジルメタクリレ−ト変性ポリフェ
ニレンエ−テル、アミン変性ポリフェニレンエ−テル等
の変性ポリフェニレンエ−テル系ポリマ−等が挙げられ
る。
【0027】このうち特に、変性PS、変性ポリフェニ
レンエ−テルが好ましく用いられる。また、上記重合体
は2種以上を併用して用いることも可能である。相溶化
剤中の極性基含有率としては、好ましくは相溶化剤10
0重量%中の0.01〜20重量%、さらに好ましくは
0.05〜10重量%の範囲である。0.01重量%未満で
は無機充填材との接着効果を発揮させるために相溶化剤
を多量に添加する必要があり、組成物の力学物性、耐熱
性、成形性を低下させるおそれがあるため好ましくな
い。また、20重量%を超えるとシンジオタクチックポ
リスチレンとの相溶性が低下するおそれがあるため好ま
しくない。 (4)無機充填材 無機充填材としては、繊維状のものであると、粒状、粉
状のものであるとを問わない。繊維状充填材としては、
例えば、ガラス繊維、炭素繊維、ウイスカ−等が挙げら
れる。形状としてはクロス状、マット状、集束切断状、
短繊維、フィラメント状、ウイスカ−等があるが、集束
切断状の場合、長さが0.05mm〜50mm、繊維径
が5〜20μmのものが好ましい。
【0028】一方、粒状、粉状充填材としては、例え
ば、タルク、カ−ボンブラック、グラファイト、二酸化
チタン、シリカ、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸カルシ
ウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシ
ウム、硫酸バリウム、オキシサルフェ−ト、酸化スズ、
アルミナ、カオリン、炭化ケイ素、金属粉末、ガラスパ
ウダ−、ガラスフレ−ク、ガラスビ−ズ等が挙げられ
る。
【0029】上記のような各種充填材の中でも、特に粒
状、粉状充填材、例えばガラスパウダ−、ガラスフレ−
ク、ガラスビ−ズ、タルク、カ−ボンブラック、グラフ
ァイト、二酸化チタン、シリカ、マイカ、炭酸カルシウ
ウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、カオリン、炭化
ケイ素が好ましい。また、これらの充填材としては表面
処理したものが好ましい。表面処理に用いられるカップ
リング剤は、充填材と樹脂との接着性を良好にするため
に用いられるものであり、いわゆるシラン系カップリン
グ剤、チタン系カップリング剤等、従来公知のものの中
から任意のものを選択して用いることができる。中でも
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(ア
ミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β
−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメト
キシシラン等のアミノシラン、エポキシシラン、イソプ
ロピルトリ(N−アミドエチル、アミノエチル)チタネ
−トが好ましい。
【0030】また、フィルムフォ−マ−としては従来公
知のものを用いることができるが、中でも、ウレタン
系、エポキシ系、ポリエ−テル系等が好ましく用いられ
る。なお、これらの無機充填材については一種のみを単
独で、または、二種以上を組み合わせて用いることがで
きる。 (5)各種添加剤 本発明の目的を阻害しない限り、以下に例示する各種の
添加剤を配合することができる。
【0031】アンチブロッキング剤(AB剤) アンチブロッキング剤としては、以下のような無機粒子
又は有機粒子が挙げられる。無機粒子としては、IA
族、IIA族、IVA族、VIA族、VII A族、VIII族、IB
族、IIB族、III B族、IVB族元素の酸化物、水酸化
物、硫化物、窒素化物、ハロゲン化物、炭酸塩、硫酸
塩、酢酸塩、燐酸塩、亜燐酸塩、有機カルボン酸塩、珪
酸塩、チタン酸塩、硼酸塩及びそれらの含水化合物、そ
れらを中心とする複合化合物及び天然鉱物粒子が挙げら
れる。
【0032】具体的には、弗化リチウム、ホウ砂(硼酸
ナトリウム含水塩)等のIA族元素化合物、炭酸マグネ
シウム、燐酸マグネシウム、酸化マグネシウム(マグネ
シア)、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、弗化マ
グネシウム、チタン酸マグネシウム、珪酸マグネシウ
ム、珪酸マグネシウム含水塩(タルク)、炭酸カルシウ
ム、燐酸カルシウム、亜燐酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム(石膏)、酢酸カルシウム、テレフタル酸カルシウ
ム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、弗化カルシウ
ム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、炭
酸バリウム、燐酸バリウム、硫酸バリウム、亜硫酸バリ
ウム等のIIA族元素化合物、二酸化チタン(チタニ
ア)、一酸化チタン、窒化チタン、二酸化ジルコニウム
(ジルコニア)、一酸化ジルコニウム等のIVA族元素化
合物、二酸化モリブデン、三酸化モリブデン、硫化モリ
ブデン等のVIA族元素化合物、塩化マンガン、酢酸マン
ガン等のVII A族元素化合物、塩化コバルト、酢酸コバ
ルト等のVIII族元素化合物、沃化第一銅等のIB族元素
化合物、酸化亜鉛、酢酸亜鉛等のIIB族元素化合物、酸
化アルミニウム(アルミナ)、水酸化アルミニウム、弗
化アルミニム、アルミナシリケート(珪酸アルミナ、カ
オリン、カオリナイト)等のIII B族元素化合物、酸化
珪素(シリカ、シリカゲル)、石墨、カーボン、グラフ
ァイト、ガラス等のIVB族元素化合物、カーナル石、カ
イナイト、雲母(マイカ、キンウンモ)、バイロース鉱
等の天然鉱物の粒子が挙げられる。
【0033】有機粒子としては、テフロン、メラミン系
樹脂、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体、アクリル
系レジン及びおよびそれらの架橋体が挙げられる。 酸化防止剤 酸化防止剤としてはリン系、フェノール系、イオウ系等
公知のものから任意に選択して用いることができる。な
お、これらの酸化防止剤は一種のみを単独で、または、
二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0034】核剤 核剤としてはアルミニウムジ(p−t−ブチルベンゾエ
ート)をはじめとするカルボン酸の金属塩、メチレンビ
ス(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)アシッドホス
フェートナトリウムをはじめとするリン酸の金属塩、タ
ルク、フタロシアニン誘導体等、公知のものから任意に
選択して用いることができる。なお、これらの核剤は一
種のみを単独で、または、二種以上を組み合わせて用い
ることができる 可塑剤 可塑剤としてはポリエチレングリコール、ポリアミドオ
リゴマー、エチレンビスステアロアマイド、フタル酸エ
ステル、ポリスチレンオリゴマー、ポリエチレンワック
ス、シリコーンオイル等公知のものから任意に選択して
用いることができる。なお、これらの可塑剤は一種のみ
を単独で、または、二種以上を組み合わせて用いること
ができる。
【0035】離型剤 離型剤としてはポリエチレンワックス、シリコーンオイ
ル、長鎖カルボン酸、長鎖カルボン酸金属塩等公知のも
のから任意に選択して用いることができる。なお、これ
らの離型剤は一種のみを単独で、または、二種以上を組
み合わせて用いることができる。
【0036】プロセスオイル 本発明においては、さらにプロセスオイルを配合しても
よい。プロセスオイルは油種により、パラフィン系オイ
ル、ナフテン系オイル、アロマ系オイルに大別される
が、中でもパラフィン系オイルが好ましい。プロセスオ
イルの粘度としては、40℃での動粘度が15〜600
csが好ましく、15〜500csが更に好ましい。
【0037】なおこれらのプロセスオイルは一種のみを
単独または、二種以上を組み合わせて用いることができ
る。 (6)各成分の配合割合 各成分の配合割合については、(a)シンジオタクチッ
クポリスチレンが60〜90重量%、好ましくは65〜
85重量%、さらには70〜80重量%であり、(b)
ゴム状弾性体及び/又は主としてシンジオタクチック構
造を有するスチレン系重合体以外の熱可塑性樹脂40〜
10重量%、好ましくは35〜15重量%、さらには3
0〜20重量%である。(b)成分が40重量%より多
いと、弾性率が低下するおそれがある。さらに(a)成
分との相溶性又は親和性を有し、かつ極性基を有する重
合体(c)を配合する場合にあっては、(c)成分の割
合は、(a)成分と(b)成分の合計100重量部に対
して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量部、さ
らに好ましくは1〜5重量部である。0.1重量部未満で
は無機充填材との接着効果が小さく、樹脂と無機充填材
との接着不足を生じ、10重量部を超えて配合しても接
着性の向上は望めず経済的に不利になる。(d)無機充
填材は上記(a)成分〜(c)成分の合計量100重量
部に対し、0〜40重量部(0を含む)、好ましくは5
〜35重量部、さらには5〜35重量部である。無機充
填材が40重量部より多いと、フィルムを折り曲げたと
き、割れが生じやすくなる。 III.本発明にかかる電気絶縁用ポリスチレン系樹脂フィ
ルムの製造方法 本発明にかかる電気絶縁用ポリスチレン系樹脂フィルム
の製造方法については特に制限はないが、簡便性、経済
性の点から、キャスト成形が好ましく用いられる。 IV. 本発明にかかる電気絶縁用ポリスチレン系樹脂フィ
ルムの用途 本発明にかかる電気絶縁用ポリスチレン系樹脂フィルム
は、電気部品における電気絶縁を必要とする箇所に好ま
しく用いられるが、特にハーメチックモーターにおける
溝絶縁フィルム及び絶縁フィルムとして、好適に用いら
れる。
【0038】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例により詳し
く説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。 〔実施例1〕SPS(シンジオタクチックポリスチレン
ホモポリマー、Tm=270℃、MI=13(300
℃、1.2kgf))を75重量%、ゴム状弾性体とし
て、SEBS(水添スチレン−ブダジエン共重合体、ク
ラレ製「商品名セプトン8006」)を25重量%をド
ライブレンドし、65mmφ二軸押出機にて溶融混練し
てペレットを得た。
【0039】次に該材料をTダイ温度300℃,ロール
温度90℃の条件にてキャスト成形し、電気絶縁用ポリ
スチレン系樹脂フィルムを得た。この電気絶縁用ポリス
チレン系樹脂フィルムは次のとおりであった。 (1)引張弾性率は、2200MPaであった。 (2)ヒンジ特性は、200回以上であった。 (3)フィルム厚みは、250μmであった。 (4)ヘイズは、35%であった。
【0040】次に、この電気絶縁用ポリスチレン系樹脂
フィルムについて、耐フロン性を次の方にて評価した。
容積1リットルの耐圧オートクレーブに該フィルムの試
験片100グラムを入れ、そこへモノクロロジフルオロ
メタン(フロン22)を200グラム封入した。内温を
80℃に昇温し、この温度で8時間保持した。その後、
室温まで冷却し400番のSUSメッシュを配したフィ
ルターを通してモノクロロジフルオロメタンを除去し
た。メッシュ上に付着した固形物を回収し、その重さを
測ったところ、0.04グラムであり、フロンによる分解
固形物の生成は極めて少なかった。 〔実施例2〕実施例1におけるSPSのかわりに、SP
Sとして、シンジオタクチックスチレン−p−メチルス
チレン共重合体((p−メチルスチレン含有率:12モ
ル%)、Tm=241℃、MI=3(300℃、1.2k
gf)))を用いた以外は、実施例1と同様に行った。
【0041】この電気絶縁用ポリスチレン系樹脂フィル
ムは次のとおりであった。 (1)引張弾性率は、2200MPaであった。 (2)ヒンジ特性は、250回以上であった。 (3)フィルム厚みは、250μmであった。 (4)ヘイズは、32%であった。
【0042】この電気絶縁用ポリスチレン系樹脂フィル
ムについても、実施例1と同様に耐フロン性を評価し
た。メッシュ上に付着した固形物の重さは、0.03グラ
ムであり、フロンによる分解固形物の生成は極めて少な
かった。 〔比較例1〕電気絶縁用樹脂フィルムとして、二軸延伸
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ
社製、ルミラー250(250μm)タイプH10)を
用い、実施例1と同様にして耐フロン性を評価した。メ
ッシュ上に付着した固形物の重さは、0.35グラムであ
り、フロンによる分解固形物の生成は多かった。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、高い電気絶縁性を有
し、しかも耐熱性,耐フロン性に優れるため冷媒により
劣化を生じない電気絶縁用ポリスチレン系樹脂フィルム
を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ハーメチックモーターの概略断面図
【符号の説明】
1: コンプレッサー容器 2: ハーメチックモーター 3: ステータ 4: ロータ 5: コイル 6: 溝 7: 溝絶縁フィルム 8: 絶縁フィルム 9: 鉄芯
フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA10 AA15 AA20 AA22 AA75 AA77 AA78 AB01 AE17 AF13Y AF20Y AF30Y AF39 AH17 BA01 BB02 BC01 BC10 BC12 4J002 AC012 AC032 AC062 AC072 AC082 BB032 BB122 BB172 BB182 BC011 BC022 BC031 BC032 BC033 BC043 BC081 BC09U BC111 BC121 BD152 BG042 BH013 BN122 BN132 BN142 BN152 BN162 BN203 BP012 CF062 CF072 CG012 CH072 CK032 CL012 CL032 CN022 CP032 DA026 DA036 DA066 DE096 DE136 DE146 DE236 DG046 DJ006 DJ016 DJ046 DJ056 DL006 FB096 FB166 FD016 FD020 FD070 FD160 FD200 GM00 4J100 AB02P BA16H BC55H CA01 CA12 HA57 HA61 HC29 HC30 HC36 HC54 JA28 5G305 AA02 AB01 AB24 AB40 BA18 BA26 CA02 CA45 CA47 CD01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(1)〜(4)を満たす電気絶縁
    用ポリスチレン系樹脂フィルム。 (1)引張弾性率が、2000MPa以上、5000M
    Pa未満であること。 (2)ヒンジ特性が、50回以上であること。 (3)フィルム厚みが、75〜500μmであること。 (4)ヘイズが、15%以上であること。
  2. 【請求項2】 前記ポリスチレン系樹脂フィルム材料
    が、主としてシンジオタクチック構造を有するスチレン
    系重合体又は主としてシンジオタクチック構造を有する
    スチレン系重合体を含む樹脂組成物である請求項1に記
    載の電気絶縁用ポリスチレン系樹脂フィルム。
  3. 【請求項3】 前記ポリスチレン系樹脂フィルム材料
    が、(a)主としてシンジオタクチック構造を有するス
    チレン系重合体60〜90重量%と、(b)ゴム状弾性
    体及び/又は主としてシンジオタクチック構造を有する
    スチレン系重合体以外の熱可塑性樹脂40〜10重量
    %、及び上記(a)成分と(b)成分の合計量100重
    量部に対し、0〜40重量部(0を含む)の無機充填材
    (d)からなるものである請求項1又は2に記載の電気
    絶縁用ポリスチレン系樹脂フィルム。
  4. 【請求項4】 前記ポリスチレン系樹脂フィルム材料
    が、(a)主としてシンジオタクチック構造を有するス
    チレン系重合体60〜90重量%と、(b)ゴム状弾性
    体及び/又は主としてシンジオタクチック構造を有する
    スチレン系重合体以外の熱可塑性樹脂40〜10重量
    %、及び(a)成分と(b)成分の合計100重量部に
    対して、(c)(a)成分との相溶性又は親和性を有
    し、かつ極性基を有する重合体0.1〜10重量部、さら
    に上記(a)成分〜(c)成分の合計量100重量部に
    対し、0〜40重量部(0を含む)の無機充填材(d)
    からなるものである請求項1又は2に記載の電気絶縁用
    ポリスチレン系樹脂フィルム。
  5. 【請求項5】 キャスト成形法によって得られた請求項
    1〜4のいずれかに記載の電気絶縁用ポリスチレン系樹
    脂フィルム。
  6. 【請求項6】 ハーメチックモーター用絶縁フィルムと
    して用いられる請求項1〜5のいずれかに記載の電気絶
    縁用ポリスチレン系樹脂フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002003672A (ja) * 2000-06-22 2002-01-09 Idemitsu Petrochem Co Ltd 耐薬品性スチレン系樹脂組成物及びそれを利用した成形品
JP2002349713A (ja) * 2001-05-30 2002-12-04 Mitsubishi Cable Ind Ltd 冷凍機用シール
WO2004041929A1 (ja) * 2002-11-07 2004-05-21 Idemitsu Kosan Co., Ltd. 熱可塑性樹脂組成物及びその成形体
JP2013100486A (ja) * 2011-10-11 2013-05-23 Hitachi Cable Ltd 発泡樹脂組成物、電線、及びケーブル
WO2019049922A1 (ja) * 2017-09-08 2019-03-14 倉敷紡績株式会社 フラットケーブル用基材フィルムおよびそれを用いたフラットケーブル用絶縁フィルム

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