JP2000071928A - 乗員頭部保護バッグの折り畳み体及びその設置構造 - Google Patents

乗員頭部保護バッグの折り畳み体及びその設置構造

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乗員頭部保護バッグがＢピラーガーニッシュ
等の中間ピラーガーニッシュに影響を受けることなく車
室内に膨張する乗員頭部保護バッグ及びその設置構造を
提供することを目的とする。 【解決手段】 自動車乗員の頭部の保護バッグ１が自動
車のルーフサイドレール２に取り付けられている。Ｂピ
ラーガーニッシュ５の上方部にあっては、保護バッグ１
の折り畳み体１Ｆに布又は合成樹脂シート等の軟質シー
トよりなるガイド部材７が設けられている。このガイド
部材７は、取付部７ａに連なっており折り畳み体１Ｆの
上側から車室側へ回り込む上側片７ｂと、取付部７ａに
連なっており、折り畳み体１Ｆの背後側及び下側を通っ
て車室側へ回り込む下側片７ｃとを有している。保護バ
ッグ１がドアに沿って下方に向って膨張する際、下側片
７ｃがＢピラーガーニッシュ５の上端の車室側の縁部に
被さる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の乗員の側方
に膨張しうる乗員頭部保護バッグとその設置構造に関す
るものであり、特にＢピラーガーニッシュ等の中間ピラ
ーガーニッシュの上方における該保護バッグの設置構造
に関する。
【０００２】
【従来の技術】自動車の乗員頭部の保護バッグとして、
ＷＯ９６／２６０８７には２枚のシートを重ね合わせ、
それらを縫合することによりシート同士の間に空室を形
成したものが公知である。ガスジェネレータからのガス
が該空室内に供給されることにより保護バッグが乗員頭
部の側方で膨らむ。
【０００３】この保護バッグは自動車のドア開口の上辺
に沿って配置されるのであるが、保護バッグ折り畳み体
の下側にＢピラーガーニッシュが配置されている場合、
この保護バッグがＢピラーガーニッシュの上端から影響
を受けずに車室内に迅速に膨張することが望ましい。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、乗員頭部保
護バッグがＢピラーガーニッシュ等の中間ピラーガーニ
ッシュに影響を受けることなく車室内に膨張する乗員頭
部保護バッグの設置構造を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明の乗員頭部保護バ
ッグの設置構造は、ガス発生器からのガスによって膨張
する乗員頭部保護バッグが折り畳まれて棒状の折り畳み
体とされ、該折り畳み体が車体のドア開口の上辺に沿っ
て車体の前後方向に配置された乗員頭部保護バッグの設
置構造において、該乗員頭部保護バッグの膨張時に該保
護バッグと中間ピラーガーニッシュの上端との間に介在
する保護バッグのガイド部材を設けたことを特徴とする
ものである。
【０００６】本発明の乗員頭部保護バッグの折り畳み体
は、ガス発生器からのガスによって膨張する乗員頭部保
護バッグが折り畳まれて棒状の折り畳み体とされ、該乗
員頭部保護バッグの膨張時に該保護バッグと中間ピラー
ガーニッシュの上端との間に介在する保護バッグのガイ
ド部材が該折り畳み体に装着されてなるものである。
【０００７】かかる乗員頭部保護バッグ及びその設置構
造においては、保護バッグが膨張する場合、ガイド部材
が車室内に開き出し、このガイド部材が中間ピラーガー
ニッシュ上端の車室側の縁部を覆う。保護バッグは、こ
のガイド部材に沿って車室内に膨張する。
【０００８】このガイド部材は布、合成樹脂シート、合
成樹脂含浸紙など軟質なシートよりなるものであっても
よい。この場合、中間ピラーガーニッシュの上端の開口
部（例えばＢピラーガーニッシュとＢピラーとの間の隙
間）を閉鎖する部材が設けられてもよい。
【０００９】このガイド部材は合成樹脂の成形体よりな
り、折り畳み体の下側に配置された下側片と、該下側片
から上方に立設され車室側に配置された車室側片とを有
しているものであってもよい。この場合、下側片が中間
ピラーガーニッシュの上端の開口部を閉鎖してもよい。
【００１０】
【発明の実施の形態】図１（ａ）は第１の実施の形態に
係る乗員頭部保護バッグの設置構造を示す斜視図、図１
（ｂ）は同縦断面図、図１（ｃ）は保護バッグの膨張時
の縦断面図である。図２はこの設置構造を示すキャビン
内部からルーフサイドレールを見た構成図である。
【００１１】この実施の形態では、自動車乗員の頭部の
保護バッグ１が自動車のルーフサイドレール２に沿って
配置されている。この保護バッグ１は、２枚のシート重
ね合わせ、縫糸によって縫合して袋状としたものであ
る。この保護バッグ１は棒状に折り畳まれて折り畳み体
１Ｆとされている。
【００１２】この保護バッグ１の上部からは複数の耳部
４が上方に突設され、各耳部４がボルト３によってルー
フサイドレール２に固定されている。なお、耳部４を形
成せず、保護バッグ１の上部を直にボルト３によってル
ーフサイドレール２に固定してもよい。
【００１３】Ｂピラーガーニッシュ５の上方部にあって
は、この折り畳み体１Ｆに布又は合成樹脂シート等の軟
質シートよりなるガイド部材７が設けられている。
【００１４】このガイド部材７は、ボルト６によってル
ーフサイドレール２へ取り付けられた取付部７ａと、該
取付部７ａに連なっており折り畳み体１Ｆの上側から車
室側へ回り込む上側片７ｂと、取付部７ａに連なってお
り、折り畳み体１Ｆの背後側及び下側を通って車室側へ
回り込む下側片７ｃとを有している。なお、上側片７ｂ
と下側片７ｃとはごく弱い接着剤や粘着剤、接着テー
プ、粘着テープ、ごく弱い縫合糸などにより連結されて
いる。
【００１５】この折り畳み体１Ｆはルーフトリム８によ
って覆われている。ルーフトリム８には車体の前後方向
に延在する溝９が設けられ、ルーフトリム８の該溝９よ
りも下側には可動部８ａが形成されている。
【００１６】この実施の形態にあっては、Ｂピラーガー
ニッシュ５の上端の開口を覆う蓋部１０がＢピラーガー
ニッシュ５と一体に成形されている。１１はこの蓋部１
０を支えるリブを示す。このリブ１１はＢピラーガーニ
ッシュ５と一体に成形されている。
【００１７】図２の通り、この保護バッグ１の後端部に
はインフレータ１６が挿入され、ブラケット１７及びボ
ルト１８によってインフレータ１６と保護バッグ１の後
端側がＣピラー１９Ｃに固定される。符号１９ＡはＡピ
ラー、１９ＢはＢピラーを示す。
【００１８】インフレータ１６が作動してガスが保護バ
ッグ１内に供給されると、図１（ｃ）の如く可動部８ａ
が車室内へ開き出し、保護バッグ１がドア及びＢピラー
ガーニッシュ５に沿って下方に向って膨張する。この
際、下側片７ｃがＢピラーガーニッシュ５の上端の車室
側の縁部に被さるため、保護バッグ１は該縁部に影響さ
れることなく車室へ膨張する。なお、上側片７ｂが可動
部８ａに重なり、保護バッグ１はこの上側片７ｂ及び可
動部８ａに案内されながら膨張する。
【００１９】図３（ａ）は第２の実施の形態に係る設置
構造を示す断面図、図３（ｂ）は保護バッグ１の膨張時
の断面図である。
【００２０】この実施の形態では、ガイド部材２０が合
成樹脂の成形体にて構成されている。このガイド部材２
０は、ボルト６によってルーフサイドレール２に固定さ
れた取付部２１と、該取付部２１から折り畳み体１Ｆの
上側を通って車室側へ回り込む上側片２２と、取付部２
１から折り畳み体１Ｆの背後側及び下側を通って車室側
へ回り込む下側片２３とを有している。これらの上側片
２２と下側片２３はプレート状であるが、それぞれ車室
側部分が車室内に向ってフラップの如く開き出し可能と
なっている。
【００２１】この下側片２３はＢピラーガーニッシュ
５’の上端とＢピラー１９Ｂとの間の開口部２５を覆っ
ている。２４はこの下側片２３に設けられた補強用リブ
を示す。
【００２２】この実施の形態においても、保護バッグ１
が膨張する場合、図３（ｂ）の如くルーフトリムの可動
部８ａが車室側へ開き出し、上側片２２及び下側片２３
の車室側の部分が車室内へ開き出す。そして、保護バッ
グ１がこれらの上側片２２及び下側片２３に案内されて
車室内に向って膨張する。
【００２３】図４（ａ）は第３の実施の形態に係る設置
構造を示す断面図、図４（ｂ）は保護バッグ１の膨張時
の断面図である。
【００２４】この実施の形態では、ガイド部材２０’が
合成樹脂の成形体にて構成されている。このガイド部材
２０’は、ボルト６によってルーフサイドレール２に固
定された取付部２１と、該取付部２１から折り畳み体１
Ｆの上側に配置された上側片２２’と、取付部２１から
折り畳み体１Ｆの背後側及び下側を通って車室側へ回り
込む下側片２３’とを有している。この下側片２３’の
プレート状の車室側部分２３ｂが車室内に向ってフラッ
プの如く開き出し可能となっている。この車室側部分２
３ｂの上端には突部２３ａが設けられており、この突部
２３ａが図４（ａ）の通り上側片２２’の端縁に係合し
ている。
【００２５】この下側片２３’はＢピラーガーニッシュ
５’の上端とＢピラー１９Ｂとの間の開口部２５を覆っ
ている。２４はこの下側片２３’に設けられた補強用リ
ブを示す。
【００２６】この実施の形態においても、保護バッグ１
が膨張する場合、図４（ｂ）の如くルーフトリムの可動
部８ａが車室側へ開き出し、下側片２３’の車室側の部
分２３ｂが車室内へ開き出す。そして、保護バッグ１が
この下側片２３’に案内されて車室内に向って膨張す
る。
【００２７】上記実施の形態では中間ピラーガーニッシ
ュとしてＢピラーガーニッシュが示されているが、自動
車がＡピラー、Ｂピラー、Ｃピラー及びＤピラーを有す
るものである場合は、ＢピラーガーニッシュとＣピラー
ガーニッシュの上方においてそれぞれ本発明の構造を採
用してもよい。
【００２８】
【発明の効果】以上の通り、本発明によると、乗員頭部
保護バッグがＢピラーガーニッシュ等の中間ピラーガー
ニッシュに影響されることなく車室内に膨張する。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１（ａ）は第１の実施の形態に係る乗員頭部
保護バッグ及びその設置構造を示す斜視図、図１（ｂ）
は同縦断面図、図１（ｃ）は保護バッグの膨張時の縦断
面図である。
【図２】図２はこの設置構造を示すキャビン内部からル
ーフサイドレールを見た構成図である。
【図３】図３（ａ）は第２の実施の形態に係る設置構造
を示す断面図、図３（ｂ）は保護バッグ１の膨張時の断
面図である。
【図４】図４（ａ）は第３の実施の形態に係る設置構造
を示す断面図、図４（ｂ）は保護バッグ１の膨張時の断
面図である。
【符号の説明】
１ 保護バッグ ２ ルーフサイドレール ３ ボルト ４ 耳部 ５，５’ Ｂピラーガーニッシュ ７ ガイド部材 ７ａ 取付部 ７ｂ 上側片 ７ｃ 下側片 ８ ルーフトリム ９ 溝 １０ 蓋部 ２０，２０’ ガイド部材 ２１ 取付部 ２２，２２’ 上側片 ２３，２３’ 下側片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三科 丞司 東京都港区六本木１丁目４番30号 タカタ 株式会社内 (72)発明者 中西 亮輔 東京都港区六本木１丁目４番30号 タカタ 株式会社内 Ｆターム(参考） 3D054 AA07 AA18 AA20 CC11 FF20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 ガス発生器からのガスによって膨張する
    乗員頭部保護バッグが折り畳まれて棒状の折り畳み体と
    され、該折り畳み体が車体のドア開口の上辺に沿って車
    体の前後方向に配置された乗員頭部保護バッグの設置構
    造において、該乗員頭部保護バッグの膨張時に該保護バ
    ッグと中間ピラーガーニッシュの上端との間に介在する
    保護バッグのガイド部材を設けたことを特徴とする乗員
    頭部保護バッグの設置構造。
  2. 【請求項２】 請求項１において、該ガイド部材は軟質
    なシートよりなり、前記折り畳み体の少なくとも下側及
    び車室側を取り巻いていることを特徴とする乗員頭部保
    護バッグの設置構造。
  3. 【請求項３】 請求項２において、前記中間ピラーガー
    ニッシュの上端の開口部を閉鎖する部材を備えたことを
    特徴とする乗員頭部保護バッグの設置構造。
  4. 【請求項４】 請求項１において、該ガイド部材は合成
    樹脂の成形体よりなり、折り畳み体の下側に配置された
    下側片と、該下側片から上方に立設され車室側に配置さ
    れた車室側片とを有していることを特徴とする乗員頭部
    保護バッグの設置構造。
  5. 【請求項５】 請求項４において、該下側片が中間ピラ
    ーガーニッシュの上端の開口部を閉鎖していることを特
    徴とする乗員頭部保護バッグの設置構造。
  6. 【請求項６】 ガス発生器からのガスによって膨張する
    乗員頭部保護バッグが折り畳まれて棒状の折り畳み体と
    され、該乗員頭部保護バッグの膨張時に該保護バッグと
    中間ピラーガーニッシュの上端との間に介在する保護バ
    ッグのガイド部材が該折り畳み体に装着されてなる乗員
    頭部保護バッグの折り畳み体。
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