JP2000035117A - 車両用自動変速機の制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の制御装置

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JP2000035117A
JP2000035117A JP10219858A JP21985898A JP2000035117A JP 2000035117 A JP2000035117 A JP 2000035117A JP 10219858 A JP10219858 A JP 10219858A JP 21985898 A JP21985898 A JP 21985898A JP 2000035117 A JP2000035117 A JP 2000035117A
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gradient
vehicle
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driving force
estimated
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JP10219858A
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English (en)
Inventor
Katsumi Kanasugi
克己 金杉
Satoru Kai
悟 開
Nobuyuki Nagatani
修志 永谷
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 運転状態から走行路の勾配を推定し、登降坂
などの走行状況を判定して所望の駆動力となるように変
速比を制御し、よってドライバビリティを向上させる。 【解決手段】 運転状態から走行路の勾配を推定すると
き、短時間での推定(ショートスパン推定)を常時行う
と共に、車両加速度が所定値以下のとき比較的長時間で
の推定(ロングスパン推定)を行って検出応答性と検出
精度を両立させる。また、ブレーキ力などで推定値を補
正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は車両用自動変速機
の制御装置に関し、より具体的には、センサを用いるこ
となく、車両が走行する走行路の勾配を推定し、その推
定結果に基づいて変速比を制御するようにしたものに関
する。
【0002】
【従来の技術】例えば、特開平6─201523号公報
に開示される如く、センサを用いずに勾配を推定する手
法が提案されている。
【0003】この従来技術においては、機関回転数、ス
ロットル開度、吸入空気量などの少なくとも1つを用い
て機関の出力トルクを算出する、あるいはトルクコンバ
ータの入出力演算式より出力トルクを算出し、そのトル
ク値と車速の微分信号と平地走行抵抗トルクから走行路
の勾配を算出している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記技
術では勾配の推定において、勾配推定の応答性(推定遅
れ)と推定精度の両立が困難であり、よって推定された
勾配を用いて変速比を制御するときも初期の効果を十分
に得ることができなかった。
【0005】従って、この発明の目的は上記した不都合
を解消することにあり、勾配推定の応答性と推定精度を
両立させ、よって変速比を制御するときも最適に行うこ
とが可能としてドライバビリティを向上させるようにし
た車両用自動変速機の制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、この発明は請求項1項において、車両用自動変
速機の制御装置において、車両およびそれに搭載される
内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段、前記
検出された運転状態に基づいて前記車両の走行抵抗を算
出する走行抵抗算出手段、前記検出された運転状態に基
づいて前記車両が出力する駆動力を算出する駆動力算出
手段、前記算出された走行抵抗と駆動力に基づいて前記
車両が走行している走行路の勾配を推定する勾配推定手
段、前記推定された勾配に基づいて変速比を設定する変
速比設定手段、および前記設定された変速比に基づいて
前記車両用自動変速機の変速比を決定する変速比決定手
段を備えると共に、前記勾配推定手段は、前記検出され
た運転状態から車両加速度を求め、求めた車両加速度に
基づいて推定に必要なデータ処理の時定数を変更する如
く構成した。
【0007】これによって、勾配推定の応答性と推定精
度を両立させ、よって変速比を制御するときも最適に行
うことが可能となってドライバビリティを向上させるこ
とができる。より具体的には、路面状況や走行状況に応
じて精度重視とリアルタイム性重視の2種の勾配推定情
報を必要に応じて使い分けることができ、用途に合致し
た最適な変速を行うことができ、ドライバビリティを向
上させることができる。
【0008】請求項2項にあっては、前記勾配推定手段
は、ブレーキ操作がなされたとき、ブレーキ操作前の勾
配推定値とブレーキ操作中の勾配推定値からブレーキ力
を推定し、前記推定されたブレーキ力に基づいて前記推
定された勾配を保持する如く構成した。これによって、
前記した効果に加えて、精度を一層向上させることがで
きる。
【0009】請求項3項にあっては、前記勾配推定手段
は、前記車両の旋回力からコーナ抵抗を推定し、その推
定値に基づいて前記推定された勾配を補正する如く構成
した。これによって、前記した効果に加えて、応答性を
一層向上させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1はこの発明に係る車両用自動
変速機の制御装置を全体的に示す概略図である。図示の
形態の場合、自動変速機としてベルト式の無段変速機
(CVT)を備える。
【0011】図において、符号10は内燃機関あるいは
その本体(以下「エンジン」あるいは「エンジン本体」
という)を示す。エンジン10は吸気管12およびその
途中の配置されたスロットルバルブ14を備える。スロ
ットルバルブ14は、車両運転席(図示せず)床面に配
置されたアクセルペダル16と機械的に切り離され、パ
ルスモータ18に接続され、その出力で駆動される。
【0012】エンジン(本体)10の出力軸(クランク
軸)20は、ベルト式無段変速機24(CVT。以下
「トランスミッション」という)に接続される。
【0013】より具体的には、エンジン(本体)10の
出力軸20は、デュアルマスフライホィール26を介し
てトランスミッション24の入力軸28に接続される。
エンジン(本体)10およびトランスミッション24
は、符号29でのみ示す車両に搭載されてなる。
【0014】トランスミッション24は、入力軸28と
カウンタ軸30との間に配設された金属Vベルト機構3
2と、入力軸28とドライブ側可動プーリ34との間に
配設された遊星歯車式前後進切換機構36と、カウンタ
軸30とディファレンシャル機構40との間に配設され
た発進クラッチ42とから構成される。ディファレンシ
ャル機構40に伝達された動力は、ドライブ軸(図示せ
ず)を介して左右の駆動輪(図示せず)に伝達される。
【0015】金属Vベルト機構32は、入力軸28上に
配設されたドライブ側可動プーリ34と、カウンタ軸3
0上に配設されたドリブン側可動プーリ46と、両プー
リ間に巻掛けられた金属Vベルト48とからなる。ドラ
イブ側可動プーリ34は、入力軸28上に配置された固
定プーリ半体50と、この固定プーリ半体50に対して
軸方向に相対移動可能な可動プーリ半体52とからな
る。
【0016】可動プーリ半体52の側方には、固定プー
リ半体に結合されたシリンダ壁50aにより囲まれてド
ライブ側シリンダ室54が形成されており、ドライブ側
シリンダ室54内に油路54aを介して供給される油圧
により可動プーリ半体52を軸方向に移動させる側圧が
発生する。
【0017】ドリブン側可動プーリ46は、カウンタ軸
30に配置された固定プーリ半体56と、この固定プー
リ半体56に対して軸方向に相対移動可能な可動プーリ
半体58とからなる。可動プーリ半体58の側方には固
定プーリ半体56に結合されたシリンダ壁56aにより
囲まれてドリブン側シリンダ室60が形成され、ドリブ
ン側シリンダ室60内に油路60aを介して供給される
油圧により可動プーリ半体58を軸方向に移動させる側
圧が発生する。
【0018】上記ドライブ側シリンダ室54およびドリ
ブン側シリンダ室60に供給するプーリ制御油圧を決定
するレギュレータバルブ群64と、各シリンダ室54,
60へのプーリ制御油圧を供給する変速制御バルブ群6
6とが設けられ、それらによってVベルト48の滑りが
発生することがない適切なプーリ側圧が設定されると共
に、両プーリ34,46のプーリ幅を変化させ、Vベル
ト48の巻掛け半径を変化させて変速比を無段階に変化
させる。
【0019】遊星歯車式前後進切換機構36は、入力軸
に結合されたサンギヤ68と、固定プーリ半体50に結
合されたキャリア70と、後進用ブレーキ72により固
定保持可能なリングギヤ74と、サンギヤ68とキャリ
ア70とを連結可能な前進用クラッチ76とからなる。
【0020】前進用クラッチ76が係合されると、全ギ
ヤが入力軸28と一体に回転し、ドライブ側プーリ34
は入力軸28と同方向(前進方向)に駆動される。後進
用ブレーキ72が係合されると、リングギヤ74が固定
保持されるためキャリア70はサンギヤ68とは逆方向
に駆動され、ドライブ側プーリ34は入力軸28とは逆
方向(後進方向)に駆動される。また、前進用クラッチ
76及び後進用ブレーキ72が共に解放されると、この
前後進切換機構36を介しての動力伝達が断たれ、エン
ジン10とドライブ側駆動プーリ34との間の動力伝達
が行われなくなる。
【0021】発進クラッチ42はカウンタ軸30とディ
ファレンシャル機構40との間の動力伝達をオン(係
合)・オフ(解放)制御するクラッチであり、これがオ
ン(係合)すると、金属Vベルト機構32により変速さ
れた機関出力が、ギヤ78,80,82,84を介して
ディファレンシャル機構40により左右の車輪(図示せ
ず)に分割されて伝達される。発進クラッチ42がオフ
(解放)のとき、トランスミッションは中立状態とな
る。
【0022】発進クラッチ42の作動制御はクラッチコ
ントロールバルブ88により行われると共に、前後進切
換機構36の後進用ブレーキ72と前進用クラッチ76
の作動制御は、図示しないマニュアルシフトレバーの操
作に応じてマニュアルシフトバルブ90により行われ
る。
【0023】これらバルブ群の制御は、マイクロコンピ
ュータよりなるトランスミッション制御部100からの
制御信号に基づいて行われる。
【0024】ここで、エンジン本体10のカム軸(図示
せず)付近などの適宜位置にはクランク角センサ102
が設けられ、クランク角度(それをカウントしてエンジ
ン回転数Neが算出される)に比例した信号を出力す
る。また、吸気管12においてスロットルバルブ14下
流の適宜位置には絶対圧センサ104が設けられ、吸気
管内絶対圧(エンジン負荷)PBAに比例した信号Pを
出力する。
【0025】また、シリンダブロック(図示せず)の適
宜位置には水温センサ106が設けられ、機関冷却水温
TWに比例した信号を出力する。さらに、吸気管12の
適宜位置には吸気温センサ107が設けられ、吸気温度
(ほぼ外気温度に相当)に比例した信号を出力する。
【0026】また、スロットルバルブ14の付近にはス
ロットル開度センサ108が設けられ、スロットル開度
θTHに比例した信号を出力すると共に、アクセルペダ
ル16の付近にはアクセル開度センサ110が設けら
れ、運転者の踏み込んだアクセル開度ACCに比例した
信号を出力する。
【0027】また、図示しないブレーキペダルあるいは
ブレーキ機構の付近にはブレーキスイッチ112が設け
られ、運転者のブレーキ操作に応じてブレーキON信号
を出力する。
【0028】トランスミッション24において、入力軸
28の付近には回転数センサ114が設けられ、入力軸
28の回転数NDRに比例した信号を出力すると共に、
ドリブン側可動プーリ46の付近には回転数センサ11
6が設けられ、ドリブン側可動プーリ46の回転数、即
ち、発進クラッチ42の入力軸(カウンタ軸30)の回
転数NDNに比例した信号を出力する。また、ギヤ78
の付近には回転数センサ118が設けられ、ギヤ78の
回転数、即ち、発進クラッチ42の出力軸の回転数NO
UTに比例した信号を出力する。
【0029】更に、ディファレンシャル機構40に連結
されたドライブ軸(図示せず)の付近には車速センサ1
22が設けられ、車速Vに比例した信号を出力する。ま
た、運転席床面のシフトレバー(図示せず)の付近には
シフトレバーポジションスイッチ124が設けられ、運
転者によって選択されたレンジ位置(D,N,P,..
など)に比例した信号を出力する。
【0030】また、車両29の中央位置付近には加速度
センサ126が設けられ、車両29の進行方向に直交す
る方向に作用する横加速度Gに比例した信号を出力す
る。また、車両運転席(図示せず)に配置されたステア
リングホイール(図示せず)の付近には舵角センサ12
8が設けられ、ステアリング舵角に応じて信号を出力す
る。
【0031】前記した如く、この装置は、トランスミッ
ション制御部100を備えると共に、同様にマイクロコ
ンピュータよりなるエンジン制御部200を備える。前
記したセンサ群のうち、クランク角センサ102、絶対
圧センサ104、水温センサ106、スロットル開度セ
ンサ108の出力は、それら制御部100,200に入
力される。
【0032】また、この装置は、同様にマイクロコンピ
ュータよりなる統合制御部300を備え、前記したセン
サ群のうち、アクセル開度センサ110、車速センサ1
22などの出力は、統合制御部300に入力される。
【0033】統合制御部300は目標変速比、即ち、前
記した入力回転数NDRの目標値を決定し、トランスミ
ッション制御部100に送る。
【0034】トランスミッション制御部100は、目標
NDRとなるように、可動プーリ34,46を駆動し、
変速比を制御する。ここで、目標NDRはトランスミッ
ション24のドライブ側可動プーリ34の目標回転数で
あり、車速Vに対して目標NDRを定義することで変速
比(以下「レシオ」あるいは「ratio」という)が
一義的に決定され、制御される。
【0035】上記したように、この実施の形態では、ト
ランスミッション24を備え、レシオを無段階に制御す
ることができるため、後述の如く、運転状態に応じてレ
シオを最適に制御することによってドライバビリティを
向上させることができる。
【0036】さらに、統合制御部300は目標スロット
ル開度を決定し、スロットル制御部400に送る。スロ
ットル制御部400は、決定された値となるようにパル
スモータ18を介してスロットルバルブ14を駆動す
る。
【0037】続いて、この発明に係る車両用自動変速機
の制御装置の動作を説明する。
【0038】図2はその動作を示すフロー・チャートで
あるが、同図の説明に入る前に図3を参照してこの発明
に係る車両用自動変速機の制御装置の動作を概説する。
【0039】この装置は前記した如く、ドライバビリテ
ィの優劣が登降坂時に顕著に現れることに着目し、山岳
路を中心とした走行結果の分析に基づいてドライバビリ
ティに影響する要因を物理量(駆動力)で整理し、そこ
で見い出されたドライバビリティと物理量の関係を評価
指標として求め、それに基づいてレシオ(あるいは駆動
力)を制御するようにした。
【0040】具体的には、図3に示すような物理量状態
推定モデルを作成し、ドライバビリティとの相関を分析
した。より具体的には、操作量入力部において、運転者
の操作するアクセル開度に基づいて運転者要求度を推定
し、指標化するようにした。図4にそのモデルを示す。
【0041】図4に示すモデルで特徴的なことの一つ
は、アクセル開度とブレーキ踏み込み量とを同一の次元
で捉え、アクセル戻しをブレーキ操作とみなしてモデル
化したことである。即ち、図5に示すように推定ブレー
キ(後述)に基づいて駆動力(トルク)を負値で捉え
た。また、図6に示すように、アクセルペダルとブレー
キペダルの踏み換え時間に基づいてゲインを調節する。
これらについては後述する。
【0042】また、図3に示すモデルの自車部において
は、自車ゲインを推定する。即ち、図7に示す如く、理
想自車応答と実際の自車応答の差を示すモデルを作成
し、それに基づいて実出力と運転者要求出力とを合成
し、より具体的には差を算出し、自車の応答性(駆動
力)を推定するようにした。これについても後述する。
【0043】次いで、図4に示すモデルと図7に示すモ
デルから得られた指標を平均化し、所定値と比較して運
転者がスポーツ走行特性を意図しているか、リラックス
走行特性を意図しているか判断する。ここで、スポーツ
走行特性は、アクセル開度に対する駆動力変化が高応答
の特性を、リラックス走行特性は、アクセル開度に対す
る駆動力変化がスポーツ走行特性に比較すれば低応答の
特性、換言すれば運転者の介入度を減らせた特性を意味
する。尚、スポーツ走行特性が前記した第1の走行特性
に、リラックス走行特性が前記した第2の走行特性に相
当する。
【0044】運転者がリラックス走行特性を意図してい
ると判断されるときは、車速などから推定した勾配に基
づいて走行状況を判定、即ち、登坂、降坂、平地のいず
れを走行しているか判定し、駆動力が所望の値となるよ
うにレシオを制御すると共に、運転者がスポーツ走行特
性を意図していると判定されるときも同様に駆動力が所
望の値となると共に、リラックス走行特性に比べて駆動
力応答性が上がるようにレシオを制御する。
【0045】具体的には、レシオ制御出力指標を算出し
てレシオ比(レシオ乗算値)を求め、ベースレシオマッ
プ値に乗算してレシオを決定する。
【0046】上記を前提として図2フロー・チャートに
従って説明する。尚、図示のプログラムは、より具体的
には、統合制御部300において行われる動作で、所定
時間毎、例えば0.1secごとに実行される。
【0047】先ず、S10において、前記した勾配θ、
即ち、自車が走行している走行路の勾配θを推定(算
出)する。図8は、S10の処理のサブルーチン・フロ
ー・チャートである。
【0048】この制御においては前記した如く、走行状
況を判定するため、走行路の勾配を算出(推定)する
が、その勾配の推定は、精度を重視して長時間にわたっ
て行う場合(以下「ロングスパン勾配推定」といい、よ
って得られた推定値を「ロングスパン推定勾配」とい
う)と、応答性を重視して短時間の間に行う場合(以下
「ショートスパン勾配推定」といい、よって得られた推
定値を「ショートスパン推定勾配」という)に大別され
る。
【0049】より具体的には、勾配値推定に、2種の所
定の検出条件、手法、検出タイミングおよびフィルタリ
ングを用いて、換言すれば、フィルタの時定数を変更し
つつ勾配推定を行うようにした。そして、車両の運転状
態に応じて、いずれかの推定勾配を選択して走行環境を
判定してレシオ制御を行う。
【0050】図8を説明すると、S100からS110
の処理は、前記したショートスパン推定勾配算出処理を
示し、S100において、検出された車速V、加速度d
v(車両加速度。検出車速の1階差分値あるいは微分
値)、スロットル開度θth、レシオ(NDR)rat
ioおよびステアリング舵角(横加速度G)を読み込
む。
【0051】図9は、S100の処理を示す説明図であ
り、図示の如く、ローパスフィルタ500を用いて行
う。即ち、検出値を読み込む際にローパスフィルタ50
0を介し、フィルタ処理を行う。
【0052】より具体的には、ショートスパン勾配推定
時には、ローパスフィルタ500のカットオフ周波数を
高く設定すると共に、減衰特性を低く設定して応答性を
上げる。他方、ロングスパン勾配推定時には、カットオ
フ周波数を低く設定すると共に、減衰特性を高く設定
し、換言すれば、加減速などの影響による外乱成分が多
い高周波数成分を除去して取り込むことで精度を上げる
ようにした。
【0053】S100においてはショートスパン勾配推
定であることから、カットオフ周波数を高く設定し、減
衰特性を低く設定したフィルタ出力値を読み込む。
【0054】続いてS102に進み、検出スロットル開
度θthから適宜設定したスロットル開度−トルク変換
テーブル(図示せず)を用い、エンジン(本体)10が
出力しているトルクTeを算出(推定)する。
【0055】続いてS104に進んで車両29が出力し
ている駆動力Fを算出(推定)する。具体的には、以下
の式を用いて算出する。 F=(1/r)×[(Te−Tf)×ratio×k−dNe/dt・C 〔kgf〕...式1 ここで、r:タイヤ半径、Tf:トランスミッションの
フリクショントルクの合計値、k:最終減速比、C:慣
性質量成分である。
【0056】次いで、S106に進み、コーナ抵抗Rc
を算出する。ここで、コーナ抵抗とは、コーナリング時
のタイヤの変形(即ち、旋回力)によって発生する減速
力を意味する。図10は、その処理を説明するブロック
図である。
【0057】以下説明すると、ステアリング舵角入力値
を絶対値変換した値と、検出車速から横Gマップ特性
(特性図示せず)を検索して横加速度G(車両に横方向
に作用する加速度)を求める。次いで、算出した横Gと
検出車速から適宜設定するマップ特性(特性図示せず)
を検索してコーナ抵抗Rcを求める。
【0058】ここで得られるコーナ抵抗Rcを、後述の
走行抵抗Rの算出時に加えることで、走行抵抗Rの算出
(推定)精度を高めることができる。尚、コーナ抵抗ホ
ールド値を求め、後述する山岳・市街地判定で使用す
る。
【0059】図8の説明に戻ると、続いてS108に進
んで走行抵抗Rを算出(推定)する。具体的には、上記
の如く求めたコーナ抵抗Rcおよび検出パラメータ値
(車速V、加速度dv)ならびに予め求めて記憶されて
いる値(車両重量、空気抵抗係数、転がり抵抗係数)な
どを用いて以下の如く算出する。
【0060】 R=ρCdAV2 +ma+msinθ+μmcosθ+Rc〔kgf〕 ...式2 ここで、ρ:空気密度係数、Cd:空気抵抗係数、A:
車両全面投影面積、θ:勾配、μ:ころがり抵抗係数、
m:車両重量、a:加速度、Rc:コーナ抵抗である。
【0061】次いで、S110に進んで上記の式1,2
からsinθを以下の如く算出する。 sinθ=[F−{ρCdAV2 −ma+μmcosθ+Rc}]/m 〔°〕 ...式3 よって得た値をショートスパン推定勾配θショートとす
る。尚、車載マイクロコンピュータにとって0.1se
cの制御周期の間に解くのは困難であり、その必要もな
いことから、実際的にはsinθをそのまま勾配θと扱
う。尚、発明者達が確認した限りでは、かく得られたシ
ョートスパン推定勾配値は±5°以下の精度を持つ。
【0062】続いてS112に進み、前記したブレーキ
スイッチ112のON信号が出力されているか否か判断
する。即ち、運転者がブレーキ機構(図示せず)を操作
しているか否か判断する。
【0063】S112で肯定されるときはS114に進
み、前回制御周期時(前回プログラムループ時)もブレ
ーキ操作がされていたか否か判断し、否定されるときは
S116に進み、ショートスパン推定勾配値の前回値ol
d θショートをブレーキ前勾配値θbeforebrk としてホ
ールド(保持)する。
【0064】他方、S114で肯定されるときはS11
8に進み、ショートスパン推定勾配値に車両重量mを乗
じた積をブレーキング時(ブレーキ操作時)の勾配相当
抵抗Rbとし、S120に進んで図中の式からブレーキ
力Fbrk を算出(推定)する。
【0065】即ち、ブレーキ力は、路面勾配がブレーキ
スイッチ112が入る前後において一定であると仮定す
ると、ブレーキスイッチ112が入る直前の勾配相当駆
動力と、ブレーキング中の勾配相当駆動力の偏差として
求めることができる。
【0066】S120の処理においては、前回もブレー
キが踏まれていると判断されていることからブレーキ前
勾配推定値θbeforebrk が保持されており、その値から
ブレーキ前勾配相当抵抗msinθbeforebrk を求め、
S118で求めたブレーキング時の勾配相当抵抗msi
nθショートとの差からブレーキ力Fbrk を算出する。
【0067】続いてS122に進み、ブレーキ中の(S
116で求めた)値θショートと推定勾配値の前回値ol
d θとの差Δθショートが、所定値α以下か否か判断す
る。即ち、車両がスピンあるいはスリップした場合、推
定勾配θショートはマイナス側に異常に高い値となるた
め、しきい値αを適宜設定し、S122でショートスパ
ン推定勾配値θショートと推定勾配値の前回値old θと
の差Δθショートがしきい値α以上と判断されるとき
は、スピンあるいはスリップが発生したと判断するよう
にした。
【0068】S122で肯定されるときは車両が通常路
を走行していると判断できるので、S124に進んでブ
レーキ前勾配推定値θbeforebrk を勾配推定値θとす
る。
【0069】他方、S122で否定されるときは車両が
グリップ力の少ない悪路を走行しており、スリップ状態
が発生したと考えられるので、S126に進み、低μ路
制御処理を行う。それについては後述する。
【0070】次いでS124に進み、ホールドしている
ブレーキ前推定勾配値θbeforebrkを推定勾配値θと
し、S128に進んで20回前のdv値を20old dv
とし、S130に進んで推定勾配値θをold θとしてプ
ログラムを終了する。
【0071】他方、S112で否定されるとき、即ち、
現在、ブレーキが操作されていないと判断されるときは
S132に進み、ブレーキスイッチがOFFされてから
0.5sec以上の時間が経過したか否か判断する。
【0072】S132で肯定されるときはS134に進
み、図示の如く、現在の加速度dvと2sec前の加速
度20old dvとの差が1.0[m/sec2 ]以下か
否か判断する。
【0073】S134において肯定されるときは車両が
速度変化の少ない定常走行にあると判断することができ
るので、S136以下に進み、ロングスパン推定勾配θ
ロングを算出する。即ち、加速度変化が所定値より少な
い安定走行をしているときのみ、ロングスパン推定勾配
を算出する。
【0074】S136からS146はそのロングスパン
推定勾配算出処理を示し、S136において、検出車速
V、加速度dv、スロットル開度θth、レシオrat
ioおよびステアリング舵角(横加速度G)を読み込
む。
【0075】ここでは、図9に関して説明した如く、フ
ィルタ500のカットオフ周波数を低く設定すると共
に、減衰特性を高く設定してフィルタリングしたセンサ
出力値を読み込む。尚、S138からS144までの処
理は、ショートスパン推定勾配の算出処理と同様なの
で、説明を省略する。S146で得られる推定勾配値を
θロングとする。この値は発明者達が確認した限りでは
±2°以下の精度を持つ。
【0076】尚、ショートスパン推定勾配およびロング
スパン推定勾配は、用途に応じて後述の如く使い分ける
ものとする。
【0077】続いてS148に進み、適宜な手法で車両
重量を計算(推定)をする。車両重量は予め求めて記憶
されているが、車両が安定走行していると判断されると
きに補正して精度を高めるようにした。
【0078】続いてS150に進んでS146で求めた
ロングスパン推定勾配値θロングを推定勾配値θとし、
S128以下に進む。
【0079】尚、S132で否定されるとき、即ち、ブ
レーキスイッチOFF後から所定期間0.5sec経過
していないと判断されるとき、またはS134で否定さ
れるときはS152に進み、ロングスパン推定勾配値の
前回値old θロングをロングスパン推定勾配値θロング
とする。
【0080】続いてS154に進み、S110で算出し
たショートスパン推定勾配値θショートと推定勾配値の
前回値old θとの差Δθショートが、所定値β以下であ
るか否か判断する。即ち、S122の処理と同様に、し
きい値βを設定し、ショートスパン推定勾配値θショー
トと推定勾配値の前回値old θとの差Δθショートがし
きい値β以上であると判断されるときはスピンあるいは
スリップが発生したと判断する。
【0081】S154で肯定されるときは車両が正常に
走行していると判断し、S156に進んでブレーキ前勾
配推定値θショートを勾配推定値θとする。他方、S1
54で否定されるときは車両が悪路を走行していると考
えられるので、S126に進んで低μ路制御処理を行
う。
【0082】図2フロー・チャートに戻ると、続いてS
11に進んで山岳、市街地判定を行う。これについて後
述する。
【0083】次いでS12に進んでブレーキ力fbrk
を推定する。
【0084】ブレーキ直前の駆動力Fおよびブレーキ中
の駆動力Fを算出すると、以下のようになる。尚、ブレ
ーキ直前の駆動力Fなどの各種の値に0を付し、ブレー
キ中のそれらに1を付す。
【0085】ブレーキ直前の駆動力は、以下の式から算
出する。 F0=ρCdAV02 +ma0+msinθ0+μmcosθ0+ fbrk0+Rc0 〔kgf〕
【0086】ブレーキ中の駆動力は、以下の式から算出
する。 F1=ρCdAV12 +ma1+msinθ1+μmcosθ1+ fbrk(1)+Rc1 〔kgf〕
【0087】仮定から、以下が導かれる。 msinθ0=msinθ1 Rc0=Rc1=0 μmcosθ0=μmcosθ1
【0088】従って、ブレーキ力fbrkは以下のよう
に求められる。 fbrk=fbrk1−fbrk0 =F1−F0−ρCdAV12 −ρCdAV02 − m(a1−a0)−Rc1−Rc0 ...式3
【0089】次いでS14に進み、前記した運転者要求
推定を行う。運転者要求はスロットル開度およびスロッ
トル開度変化量で示される。
【0090】先の図4を参照して説明すると、前記した
ブレーキ力fbrk推定値から逆トルクマップを検索し
てスロットル開度負値に変換し、検出スロットル開度か
ら減算する。即ち、図5に示すように、推定ブレーキ力
を車軸回りの駆動力に変換し、先にトルクTe算出で用
いたマップと逆の特性を持つマップを検索してスロット
ル開度値を算出し、負値にする。
【0091】即ち、この制御においては、図4の上部に
示す如く、アクセル開度とブレーキ踏み込み量とを同一
の次元で捉え、アクセル全開以上の戻し方向の動きをブ
レーキ操作とみなしてモデル化した。
【0092】次いで、得た差にP(比例)ゲインを乗
じ、得た値をピークホールドおよび時間減衰させて得た
値を、運転者要求(スロットル開度(θth)で求め
る)とする。同様に、得た差分(図示せず)にD(微
分)ゲインを乗じ、得た値をピークホールドおよび時間
減衰させて得た値を、運転者要求度(スロットル開度変
化量dthで求める。より詳しくは、スロットル開度変
化量を示す)とする。
【0093】Dゲインを用いるのは、アクセル踏み込み
速度あるいは踏み替え時間が運転者の要求度の大小を表
すことから、それを反映するモデル上の手法としてアク
セル開度の微分値の重みづけとするためである。尚、図
6に示す如く、スロットルからブレーキへの踏み換え時
間を求めてDゲインを変化させる。
【0094】同時に、前記した自車駆動力(前記した自
車ゲインに相当)推定を行う。
【0095】図7を参照して説明すると、同図の上部は
自車の理想的な応答を記述するモデル(第1のモデル)
を示し、下部は自車の実際的な応答を記述するモデル
(第2のモデル)を示す。そして、モデル1を用いて前
記した図4と同様な演算によって駆動力を求め、検出車
速を乗じて得た積を運転者の要求出力とみなす。
【0096】また、第2のモデルを用いて前記したエン
ジントルクTeに基づいて推定駆動力を算出し、推定ブ
レーキ力を減算した値に同様に検出車速を乗じて得た積
を、車両が実際に出力している実出力とみなす。そし
て、加減算段で要求出力から実出力を減算して差を求め
て乖離出力(あるいは差出力)とする。この乖離出力
は、運転者の要求度が、実出力からどの程度乖離してい
るか示す。
【0097】図2フロー・チャートにおいては次いでS
16に進み、よって得た値を1から5ポイントまでの指
標とし、S18に進んで合成、より具体的には平均化す
る。図11はその処理を示す説明図である。具体的に
は、適宜な関数(図に一次関数で表す)で1から5ポイ
ントまでの無次元の数値で指標化(無次元化)し、算出
値で検索して対応する評価指標を求める。
【0098】これによって自車のエンジン能力を踏まえ
た指標に、運転者要求(リラックスした走行を意図して
いるのか、あるいはスポーツ走行を意図しているのか)
を反映させた評価指標を作成することができる。尚、合
成の手法として平均を用いたが、最大値あるいは最小値
を選択するなどしても良い。さらに、平均も単純平均に
限るものではなく、荷重平均など使用しても良い。
【0099】ここで、運転者要求推定値と自車駆動力推
定値の指標を合成するのは、例えば高速道路を定常走行
している場合、スロットル開度およびその変化量は小さ
いが、駆動力は大きい。即ち、スポーツ性が高い走行を
している。従って、運転者がスポーツ走行を望んでいる
のか否か判定するには、スロットル開度およびその変化
量だけでは不足で、自車駆動力推定値も必要と解される
からである。
【0100】続いてS20に進み、求めた指標が、所定
値kを超えるか否か判断する。即ち、得た指標によっ
て、運転者がリラックス走行とスポーツ走行のどちらを
意図しているのか判断し、それに応じて適宜な制御を行
うようにした。
【0101】S20で肯定されるときはリラックス制御
モードと判定し、S22に進んで前記した走行路の推定
勾配θを用いて走行状況を判定する。具体的には、勾配
θを前記した所定値α,βと比較することで行う。
【0102】S22で勾配θが所定値α以上と判定され
るときは登坂中であると判断してS24に進み、瞬時余
裕駆動力に基づいてレシオを設定する。
【0103】図12を参照して説明すると、この瞬時余
裕駆動力とは発明者達が造語した用語であり、現在のレ
シオとエンジン回転数のままでアクセルを全開(あるい
は所定開度)にしたときに出力される全開出力と、エン
ジンが現在のレシオとエンジン回転数で実際に出力して
いる実エンジントルクとの差であって、車両の余裕度あ
るいはアクセル開度に対する駆動力変化の状態(いわゆ
るアクセルの付きの良さ)を示すパラメータを意味す
る。従って、一般的に定義される余裕駆動力(全開出力
と走行抵抗との差)とは異なる概念である。
【0104】図13は、運転者がリラックス走行を意図
しており、かつ車両が登坂状況にあると判定されるとき
の制御を示す。図示の如く、同図下部において瞬時余裕
駆動力が目標瞬時余裕駆動力となるように、同図上部に
示すモデルを用いてレシオが設定される。
【0105】発明者達が実験した限りでは、目標瞬時余
裕駆動力は、最大加速度0.1G程度、車両重量が1t
程度であれば50から100kgf程度がリラックスし
た登坂運転に適していた。
【0106】具体的には、目標瞬時余裕駆動力は、図1
4およびそれを3次元マップ化して表す図15に示す如
く、運転状態推定指標対して可変に設定し、運転状態推
定指標が増加する、換言すれば運転者が駆動力を欲して
いないほど減少するように設定すると共に、車速Vに対
しても可変に設定する。即ち、低車速のときは高車速の
ときよりも大きな加減速性能が必要となることから、目
標瞬時余裕駆動力が増加するように設定する。このよう
に設定することで、高車速にエンジン回転数が上昇して
生じるノイズを減少させることができ、その不快感を低
減することができる。
【0107】次いでS26に進んで設定されたレシオを
適宜な手法で1から5ポイントまでの数値に指標化す
る。
【0108】他方、S20で推定勾配θが所定値α以下
と判断されるときは走行状況が降坂中であると判断して
S28に進む。
【0109】図16はその制御を示す説明ブロック図で
あり、同図上部に示すモデルを用い、駆動力が走行抵抗
と一致するように、あるいは目標駆動力が0となるよう
にレシオを設定する。即ち、図17に示すように、降坂
時には減速方向にエンジンブレーキ駆動力feが加速方
向に走行抵抗Rが車両に作用するが、スロットル全閉時
のエンジンブレーキ力(−feで示す)と走行抵抗Rが
一致するようにレシオを決定する。次いでS30に進ん
で決定されたレシオを指標化する。
【0110】また、S22において推定勾配θが所定値
βより大きく、かつα以下と判断されるときは走行状況
が平地にあると判断してS32に進む。
【0111】この平地制御に関して説明すると、平地に
おいてはドライバビリティの優劣は、登降坂時ほど顕著
とならないため、この実施の形態にあっては燃料消費率
が最良となるように、前記したDBW(パルスモータ1
8およびスロットル制御部400)を介してスロットル
開度を制御して駆動力を制御するようにした。具体的に
は、瞬時余裕駆動力に対してはレシオ(ratio)で
制御し、運転者要求駆動力に対してはスロットル開度で
制御するようにした。
【0112】図18はその制御を示すサブルーチン・フ
ロー・チャートであり、図示のプログラムは例えば0.
1secごとに実行される。
【0113】図18に示す制御を概括すると、運転者要
求駆動力を実駆動力と比較し比較結果に応じてスロット
ル開度を所定量だけ開閉する。次いでエンジンとトラン
スミッションのトータル効率ηtotalを算出して前
回値と比較し、例えば効率がアップしていて前回が目標
瞬時余裕駆動力の減算制御であったならば、減少方向制
御によってさらに効率がアップすると判断し、さらに減
算する。その結果、レシオはハイギアード方向に追従す
る。他方、減算制御で効率がダウンしているときは、加
算制御に切り換え、効率がアップ方向に転じれば、増加
方向制御を継続する。このように、トータル効率の変化
と目標瞬時余裕駆動力の制御方向を判断し、高いトータ
ル効率が得られるように制御する。
【0114】上記を前提として以下説明すると、S18
0において現在、平地燃費制御が実行中か否か判断し、
肯定されるときはS182に進み、実駆動力が運転者要
求駆動力より大きいか否か判断し、肯定されるときはS
184に進み、現在のスロットル開度thに所定値th
aを加算し、加算された値となるようにスロットルバル
ブ14を開方向に制御する。
【0115】また、S182で否定されるときはS18
6に進み、現在のスロットル開度thから所定値tha
を減算し、減算された値となるようにスロットルバルブ
14を閉方向に制御する。尚、S180で否定されると
きはS182からS186の処理をスキップする。
【0116】次いでS188に進み、目標瞬時余裕駆動
力(「Fie−obj」という)を所定量零に向けて減
少させ、S190に進み、先ずエンジン10とトランス
ミッション24の効率ηengとηtmを算出する。
【0117】具体的には、エンジン効率ηengとトラ
ンスミッションηtmはマップ検索で算出する。より具
体的には、エンジン効率ηengはエンジントルクTe
(S102で算出)およびエンジン回転数Neで燃料消
費率が最良となるように予め適宜設定されたマップを検
索して求めると共に、トランスミッションηtmも前記
したNDR,NDNで同様に燃料消費率が最良となるよ
うに予め適宜設定されたマップを検索して求める。
【0118】そして、求めたエンジン効率ηengとト
ランスミッションηtmを乗算してトータル効率ηto
talを算出し、算出値(今回値)を前回値oldηt
otalに置き換えて前回値を更新する。尚、最初のプ
ログラムループは適宜な値(例えば0)を前回値とす
る。トータル効率ηtotalは、燃料消費率でのエン
ジンおよびトランスミッションの効率を示す。
【0119】次いでS192に進み、現在の瞬時余裕駆
動力(「Fie」という)を読み込んで同様に前回値に
置き換えて更新する。
【0120】次いでS194に進み、今回値(算出値)
が前回値を超えるか否か判断し、肯定されるときはS1
95に進み、前回、目標瞬時余裕駆動力順次加算制御
(S196)が行われたか否か判断する。S195で肯
定されるときはS196に進み、目標瞬時余裕駆動力に
所定値xを加算すると共に、否定されるときはS197
に進み、目標瞬時余裕駆動力から所定値xを減算する。
【0121】また、S194で否定されるときはS19
8に進み、同様に、前回、目標瞬時余裕駆動力順次加算
制御が行われたか否か判断し、肯定されるときはS19
7に進むと共に、否定されるときはS196に進む。
【0122】このように、前回の処理を考慮してS19
6,S197の処理を行うことで、ηtotalが大き
くなる位置に制御することができる。即ち、図19に示
す如く、目標瞬時余裕駆動力を増減することで、トータ
ル効率が燃料消費率において最良となる目標瞬時余裕駆
動力値Fηmaxを捜索し、その点にトラップすること
ができる。
【0123】ここで、目標瞬時余裕駆動力値から所定値
xを減算することはトランスミッションのレシオが所定
値xに相当する分だけハイレシオ側に、目標瞬時余裕駆
動力値に所定値xを加算することはトランスミッション
のレシオが所定値xに相当する分だけローレシオ側に制
御して駆動力を制御することを意味する。
【0124】即ち、目標瞬時余裕駆動力値を零方向に向
けて駆動することは、アクセル開度に関わらず、スロッ
トル開度を全開方向に駆動することになる。燃料消費率
が最良となるエンジン効率は通常スロットル全開付近に
位置し、トランスミッションの伝達効率がほぼ一定であ
れば、目標瞬時余裕駆動力値を零方向に向けて変化させ
ることで最良点を求めることができる。従って、図19
に示す如く、最良点Fηmaxをトラップすることで、
燃料消費率を最良とすることができる。
【0125】図2の説明に戻ると、S20で否定される
ときは運転者がスポーツ走行を望んでいると判定し、S
34に進んで瞬時余裕駆動力あるいは駆動力を用いてレ
シオを設定し、S36に進んで指標化する。尚、この制
御の特徴は主としてリラックス走行にあるので、これに
ついては詳細な説明を省略する。
【0126】次いでS38に進み、得られた指標をレシ
オ制御出力指標に変換し、S40に進んで図示の特性の
縦軸に当てはめ、横軸のレシオ比(レシオ乗算値)を算
出する。次いでS42に進んで得られたレシオ比をベー
スレシオマップ値(スロットル開度と車速から検索)に
乗じてレシオを決定する。
【0127】ここで、図8フロー・チャートの説明に戻
り、S126の処理を説明する。
【0128】この処理は、前記した走行状況(登降坂)
判定とは異なり、走行路のスリップ度を判定し、それに
応じてレシオ制御する処理である。具体的には、走行路
の状態を複数の状態に判別し、その結果に基づいてレシ
オ制御を行う。
【0129】図20は、S126の処理を説明するサブ
ルーチン・フローチャートであり、図21は、走行路状
態に対する勾配相当駆動力の変化を表すグラフ図であ
る。
【0130】図20フロー・チャートを説明すると、S
200において、求めた推定勾配相当駆動力のピークホ
ールド及び時間減算を行う。より具体的には、求めた推
定勾配相当駆動力をホールドして図示のプログラムルー
プの度に所定量ずつ減算すると共に、より大きい値が求
められたとき、それと置き換える。
【0131】図21を参照してS200の処理を説明す
ると、車両がスピンあるいはスリップした場合、前記し
た処理で得られるsinθの値、即ち、推定勾配相当駆
動力(msinθ)の値は、マイナス側にピークを持っ
て算出される。この処理では、ピーク時の推定勾配相当
駆動力の値を保持して時間減算した値((msinθ)
hd)を求め、それを利用して、走行路の状態判別を行
う。
【0132】続いてS202に進み、時間減算した値と
勾配相当駆動力との差の絶対値が所定値Bを超えるか否
か判断する。即ち、ピーク時の推定勾配相当駆動力を時
間減算した減衰曲線(図21にaで示す)が、推定勾配
相当駆動力から所定値Bを減算した値(図21にbで示
す)未満であるか否か判断する。S202で肯定される
ときは車両はグリップ力(摩擦係数)の少ない低μ路を
走行していると判断し、S204に進み、再び、ピーク
時の推定勾配相当駆動力を時間減衰した値と勾配相当駆
動力(msinθ)との差の絶対値を求め、所定値C以
上であるか否か判断する。即ち、ピーク時の推定勾配相
当駆動力を時間減算した減衰曲線(図21にaで示す)
が、推定勾配相当駆動力から所定値Cを減算した値(図
21にcで示す)未満であるか否か判断する。
【0133】次いでS206に進んで吸気温センサ10
7の出力値を外気温と相当とみなして読み込み、S20
8に進んで吸気温(外気温)が規定値未満か否か判断す
る。規定値は、路面が凍結しているか否か判断できる適
宜な値に設定される。S208で肯定されるときはS2
10に進み、凍結路と判断して凍結路判断時瞬時余裕駆
動力制御を行うと共に、S208で否定されるときは極
めてグリップ力の少ないダート走行路を走行していると
判断でき、S212に進んで悪路と判断して悪路判断時
瞬時余裕駆動力制御を行う。
【0134】S212などの処理を説明すると、予め設
定した特性から現在の車速Vを用いて目標瞬時余裕駆動
力を検索して求める。図23は、その特性を示すグラフ
図である。
【0135】図23に示す如く、凍結路判断時と悪路判
断時のそれぞれ別々に、目標瞬時余裕駆動力特性を設定
した。即ち、凍結路判断時は、通常時より目標値を低め
に設定された瞬時余裕駆動力制御、悪路判断時は、凍結
路より高めに設定された目標値の瞬時余裕駆動力制御を
行うようにした。
【0136】具体的には、図13に示す如く、瞬時余裕
駆動力から目標瞬時余裕駆動力を減算して差分を求め、
その値に係数kを乗じた値を入力uとして図示の如き予
め設定した変換テーブルに入力して指標を示す出力xを
求める。次いで、得た出力xを図示の如き同様に予め設
定した変換テーブルに入力してレシオ係数を示す出力y
を求める。
【0137】上記の如く、アクセル開度変化に対する付
きの良さを表す瞬時余裕駆動力を目標値とする駆動力制
御を行い、その目標値は通常時の瞬時余裕駆動力の設定
より低い値にすることにより、凍結路および悪路での唐
突な駆動力の発生を抑え、スピンなどの発生を防止する
ようにした。
【0138】一方、S202で否定されるときはS21
4に進み、勾配相当抵抗(msinθ)の絶対値が所定
値A未満であるか否か判断する。S214で否定される
ときは、同様に、車両はグリップ力の少ない低μ路を走
行していると判断し、S204以下に進んで低μ路制御
を行うと共に、肯定されるときはS216に進んで通常
路と判断して通常判断時駆動力に基づいて制御を行う。
【0139】具体的には、図22に示す特性に従って目
標駆動力を決定し、目標駆動力から算出した実際の駆動
力を減算して差分を求め、その値に係数kを乗じた値と
なるようにレシオを設定する。
【0140】より具体的には、エンジン回転数Neとア
クセル開度θaccから発生するエンジントルクを求
め、そのトルクと車速Vから目標駆動力を決定し、決定
した目標駆動力となるようにレシオを制御する。
【0141】尚、S204で否定されるときはS218
に進み、ウェット路と判断してウェット路判断時駆動力
制御を行う。
【0142】具体的には、図22下部に示すウェット路
判断時駆動力特性を検索して目標値を設定し、S208
の通常路判断時駆動力制御と同様のレシオ設定を行う。
このように、ウェット路判断時は、通常路制御時の駆動
力制御より目標値を低めに設定された駆動力に基づいて
レシオ設定するようにした。
【0143】図2フロー・チャートの説明に戻り、S1
1の山岳、市街地判定について説明する。
【0144】図24はその処理を示すサブルーチン・フ
ロー・チャート、図25はその処理を説明する説明図で
ある。
【0145】この制御においては山岳・市街地判定用関
数fmount(θn)なる概念を用いて車両が走行している
地域が山岳または市街地のいずれかか判断し、その結果
に応じて、瞬時余裕駆動力あるいは駆動力の調節ゲイン
k1,k2を適宜、変更するようにした。即ち、走行状
況に応じて、制御応答性(目標値に収束させる速度)を
変化させるようにした。
【0146】図26は、その山岳・市街地判定用関数の
特性を示すグラフ図である。山岳・市街地判定用関数と
は、現在自車が走行している地域の、山岳の度合いある
いは市街地の度合いを示す関数であり、具体的には、図
26に示す特性を推定勾配値θの絶対値で検索して求め
る。
【0147】従って、市街地判定用関数の特性は、急な
勾配が続く山岳路を走行しているときは積算値が大きな
値となるように、また、穏やかな勾配が続く市街地を走
行しているときは積算値が小さい値になるように設定し
た。
【0148】この山岳・市街地判定用関数から図27に
示す特性を検索して目標駆動力を求める。その結果、山
岳・市街地判定関数の値が大きいとき、即ち、山岳傾向
が高いときは、走行抵抗と駆動力(エンジンブレーキ
力)が一致(目標駆動力=0)し、降坂路車速変化が小
さい。また、山岳・市街地判定用関数の値が小さいと
き、即ち、市街地傾向が高いときは目標駆動力が大きく
なる。
【0149】よって、山岳地域の降坂においては目標駆
動力=0とし、走行抵抗とエンジンブレーキ力を等しく
することによって降坂での車速上昇を防止する。他方、
市街地の降坂では、通常と同様のエンジンブレーキ性能
とすることで、前後に走行する他の車両との違和感を減
少させる。
【0150】以下、図24フロー・チャートに沿って説
明すると、S300においてロングスパン推定勾配値θ
ロングを読み込む。
【0151】続いてS302に進み、ロングスパン推定
勾配θロングから山岳・市街地判定用関数を求め、S3
04に進んで求めた山岳・市街地判定用関数が、所定値
A未満であるか、または所定値Bを超えるか否か判断す
る。ここで、所定値A,Bはそれぞれ、オーバーフロー
リミッタおよびアンダーフローリミッタである。
【0152】S304で肯定されるときは、S306に
進み、山岳・市街地判定用関数を保持する。また、S3
04で否定されるとき、即ち、fmount(θn)が所定値
A以上もしくはB以下のときはS308に進み、リミッ
ト値AまたはBを山岳・市街地判定用関数fmount(θ
n)とし、保持する。
【0153】続いてS310に進み、決定した山岳・市
街地判定用関数が所定値Cを超えるか否か判断する。こ
こで所定値Cは山岳判定しきい値であり、コーナ抵抗R
cのピークホールド値を時間と共に減衰させた値を用い
る。図28は、山岳判定しきい値の特性を示すグラフ図
である。
【0154】図28に示す如く、山岳判定しきい値C
は、コーナ抵抗Rcのピークホールド値を時間減衰した
値を用いて求める。また、図示の如く、山岳判定しきい
値Cは、コーナ抵抗ホールドダウン値に対して反比例の
関係に設定され、これによって、比較的穏やかな勾配が
続く場合でも、急なコーナが多いとき、即ち、コーナ抵
抗が高く算出されるときはしきい値を小さい値にするこ
とで山岳と判定し易くした。
【0155】図24フロー・チャートに戻ると、S31
0で肯定されるときはS312に進んで山岳路走行判定
をすると共に、S314に進んで降坂中のレシオ制御を
行っているか否か判断する。
【0156】S314で肯定されるときはS316へ進
んで目標駆動力を0とする。これは、起伏変化の激しい
山岳路では速度変化を抑えるように下り坂勾配が変動し
ても等速で降坂できるように制御するためである。
【0157】続いてS318に進んで瞬時余裕駆動力あ
るいは駆動力動力の調節ゲインk1,k2をそれぞれ予
め設定した山岳規定値とする。S314で否定されると
きは、S316をスキップしてS318に進む。
【0158】また、S310で否定されるときはS32
0に進んで市街地走行と判定すると共に、S322に進
んで車両が駆動力制御(降坂中のレシオ制御)を行って
いるか否か判断する。
【0159】S322で肯定されるときはS324に進
んで目標駆動力を規定値(例えば5kgfなどの正の
値)とする。これは、市街地などの一般路降坂では他車
の流れなどから、やや加速気味の方が都合が良く、やや
正の駆動力が生じる方向にレシオ制御するためである。
しかし、この状態で一度でもブレーキが操作されれば規
定値を0とし、速度変化が減少するようにレシオ制御す
る。
【0160】尚、S324の処理では、そのときのレシ
オを固定したまま、適宜なマップを用い、マニュアルミ
ッションと同等なリニアな車速−エンジン回転数特性と
なるように、目標駆動力を与えても良い。
【0161】続いてS326に進んでゲインk1,k2
をそれぞれ市街地規定値とする。また、S322で否定
されるときは、S324をスキップしてS326に進
む。
【0162】尚、ゲインk1,k2の山岳規定値はいず
れも市街地規定値に比較して高く設定され、山岳路走行
時は市街地走行に比べ応答性の高いレシオ制御を行うよ
うにした。
【0163】この実施の形態は上記の如く構成したの
で、運転者の意図に応じた変速比制御を実現することが
でき、ドライバビリティを向上させることができる。さ
らには、より具体的には、路面状況や走行状況に応じて
時定数を変更することによって高応答で高精度な勾配推
定を実現でき、よって変速比を制御するときも最適に行
うことを可能としてドライバビリティを向上させること
ができる。
【0164】上記の如く、この実施の形態においては、
車両用自動変速機の制御装置において、車両およびそれ
に搭載される内燃機関の運転状態を検出する運転状態検
出手段(水温センサ106、スロットル開度センサ10
8、、ブレーキスイッチ112、車速センサ122、ス
テアリングセンサ128など)、前記検出された運転状
態に基づいて前記車両の走行抵抗を算出する走行抵抗算
出手段(統合制御部300、図8のS108)、前記検
出された運転状態に基づいて前記車両が出力する駆動力
を算出する駆動力算出手段(統合制御部300、図2の
S14、図8のS104)、前記算出された走行抵抗と
駆動力に基づいて前記車両が走行している走行路の勾配
を推定する勾配推定手段(統合制御部300、図2のS
10、図8のS110)、前記推定された勾配に基づい
て変速比を設定する変速比設定手段(統合制御部30
0、図2のS22からS40および図13ブロック
図)、および前記設定された変速比に基づいて前記車両
用自動変速機の変速比を決定する変速比決定手段(統合
制御部300、図2のS42)を備えると共に、前記勾
配推定手段は、前記検出された運転状態から車両加速度
を求め、(図8のS134)、求めた車両加速度に基づ
いて推定に必要なデータ処理の時定数を変更する如く構
成した(図8のS100,S136)。
【0165】また、前記勾配推定手段は、ブレーキ操作
がなされたとき、ブレーキ操作前の勾配推定値とブレー
キ操作中の勾配推定値からブレーキ力を推定し、前記推
定されたブレーキ力に基づいて前記推定された勾配を保
持する如く構成した(図8のS114からS124)。
【0166】また、前記勾配推定手段は、前記車両の旋
回力からコーナ抵抗を推定し、その推定値に基づいて前
記推定された勾配を補正する如く構成した(図8のS1
06,S142)。
【0167】尚、上記において、図29に示すように運
転状態指標として勾配を加えても良い。
【0168】
【発明の効果】請求項1項にあっては、勾配推定の応答
性と推定精度を両立させ、よって変速比を制御するとき
も最適に行うことが可能となってドライバビリティを向
上させることができる。より具体的には、路面状況や走
行状況に応じて時定数を変更することによって高応答で
高精度な勾配推定を実現でき、よって変速比を制御する
ときも最適に行うことを可能としてドライバビリティを
向上させることができる。
【0169】請求項2項にあっては、前記した効果に加
えて、精度を一層向上させることができる。
【0170】請求項3項にあっては、前記した効果に加
えて、応答性を一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る車両用自動変速機の制御装置を
全体的に示す概略図である。
【図2】図1に示す装置の動作を示すフロー・チャート
である。
【図3】図2フロー・チャートに示す動作が前提とした
物理量状態推定モデルの説明図である。
【図4】図3ブロック図の運転者要求の算出を示すブロ
ック図である。
【図5】図4ブロック図の推定ブレーキ力によるスロッ
トル開度の負値の算出を示すブロック図である。
【図6】図4ブロック図のスロットルバルブ(アクセル
ペダル)およびブレーキペダルの踏み換え時間関数の算
出を示すブロック図である。
【図7】図3ブロック図の自車ゲインの算出を示すブロ
ック図である。
【図8】図2フロー・チャートの勾配推定作業を示すブ
ロック図である。
【図9】図8フロー・チャートのセンサ出力読み込み処
理で使用されるフィルタの特性を説明するブロック図で
ある。
【図10】図8フロー・チャートのコーナ抵抗算出処理
を示すブロック図である。
【図11】図2フロー・チャートの指標化および平均化
作業を示す説明図である。
【図12】図2のフロー・チャートの登坂制御で使用さ
れる瞬時余裕駆動力の算出を説明するブロック図であ
る。
【図13】図2のフロー・チャートの登坂制御を説明す
るブロック図である。
【図14】図2のフロー・チャートの登坂制御で使用さ
れる瞬時余裕駆動力の特性を説明するグラフである。
【図15】同様に、図2のフロー・チャートの登坂制御
で使用される瞬時余裕駆動力の特性を説明するグラフで
ある。
【図16】図2のフロー・チャートの降坂制御を説明す
るブロック図である。
【図17】同様に図2のフロー・チャートの降坂制御を
説明する説明図である。
【図18】図2のフロー・チャートの平地制御を説明す
るフロー・チャートである。
【図19】図18の処理を説明する説明図である。
【図20】図8の低μ路制御のサブルーチン・フロー・
チャートである。
【図21】図20フロー・チャートの処理を説明するタ
イム・チャートである。
【図22】図20フロー・チャートの処理で使用する駆
動力特性を示すグラフである。
【図23】図20フロー・チャートの処理で使用する目
標瞬時余裕駆動力特性を示すグラフである。
【図24】図2のフロー・チャートの山岳、市街地判定
作業のサブルーチン・フロー・チャートである。
【図25】図24フロー・チャートの処理を説明するグ
ラフである。
【図26】図24フロー・チャートで使用する山岳・市
街地判定用関数fmount θnの特性を示すグラフ図であ
る。
【図27】図24フロー・チャートで使用する山岳・市
街地判定用関数から検索する目標駆動力の特性を示すグ
ラフ図である。
【図28】図24フロー・チャートで使用する所定値C
の特性を示すグラフ図である。
【図29】図11と同様な、図2フロー・チャートの指
標化および平均化作業の別の例を示す説明図である。
【符号の説明】
10 内燃機関(本体)(エンジン(本体)) 14 スロットルバルブ 16 アクセルペダル 18 パルスモータ 24 ベルト式無段変速機(自動変速機。CVT。トラ
ンスミッション) 29 車両 100 トランスミッション制御部 104 絶対圧センサ 107 吸気温センサ 108 スロットル開度センサ 112 ブレーキスイッチ 114 回転数センサ 122 車速センサ 128 舵角センサ 200 エンジン制御部 300 統合制御部 400 スロットル制御部 500 ローパスフィルタ
フロントページの続き (72)発明者 永谷 修志 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3D041 AA32 AA33 AA40 AA66 AB01 AC20 AD00 AD02 AD04 AD05 AD10 AD14 AD23 AD31 AD41 AD47 AD51 AE04 AE36 AE45 AF09 3G093 AA06 BA01 BA15 CB06 CB07 CB09 DA01 DA03 DA04 DA05 DA06 DA07 DB00 DB01 DB05 DB09 DB11 DB15 DB18 DB23 EA09 EB03 EC01 FA07 FA10 FB01 FB02 3J052 AA04 CA21 FA01 FB31 GC13 GC23 GC44 GC46 GC51 GC64 HA11 KA01 LA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両用自動変速機の制御装置において、 a.車両およびそれに搭載される内燃機関の運転状態を
    検出する運転状態検出手段、 b.前記検出された運転状態に基づいて前記車両の走行
    抵抗を算出する走行抵抗算出手段、 c.前記検出された運転状態に基づいて前記車両が出力
    する駆動力を算出する駆動力算出手段、 d.前記算出された走行抵抗と駆動力に基づいて前記車
    両が走行している走行路の勾配を推定する勾配推定手
    段、 e.前記推定された勾配に基づいて変速比を設定する変
    速比設定手段、および f.前記設定された変速比に基づいて前記車両用自動変
    速機の変速比を決定する変速比決定手段、 を備えると共に、前記勾配推定手段は、前記検出された
    運転状態から車両加速度を求め、求めた車両加速度に基
    づいて推定に必要なデータ処理の時定数を変更すること
    を特徴とする車両用自動変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記勾配推定手段は、ブレーキ操作がな
    されたとき、ブレーキ操作前の勾配推定値とブレーキ操
    作中の勾配推定値からブレーキ力を推定し、前記推定さ
    れたブレーキ力に基づいて前記推定された勾配を保持す
    ることを特徴とする請求項1項記載の車両用自動変速機
    の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記勾配推定手段は、前記車両の旋回力
    からコーナ抵抗を推定し、その推定値に基づいて前記推
    定された勾配を補正することを特徴とする請求項1項ま
    たは2項記載の車両用自動変速機の制御装置。
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